2022.07.17  2022.07.18|店舗デザイン

飲食店に必要な厨房設備・機器・什器は?種類・選び方・費用まで解説!

飲食店に必要な厨房設備・機器・什器は?種類・選び方・費用まで解説!

「飲食店に必要な厨房設備を知りたい!」「厨房機器を選ぶ際の注意点はある?」などとお困りではありませんか?飲食店に必要な厨房設備・機器・什器は幅広く、購入費や修繕費は決して安くありません。

そこで今回は、飲食店に必要な厨房設備・機器・什器の種類や選び方、費用について解説していきます。導入する際の注意点もご紹介しますので、飲食店の厨房設備・機器の導入を検討している場合は、ぜひご覧ください。

飲食店に必要な厨房設備・機器・什器

飲食店に必要な厨房設備・機器・什器

飲食店の業種や業態などによって、さまざまな厨房設備・機器・什器が必要です。基本的な厨房設備・機器・什器をご紹介しますので、特徴や役割、費用相場をご確認ください。

シンク

シンクは食材や食器、調理器具などを洗う設備であり、業種・業態を問わず必要です。槽の数(1~3)によって分類されて、さまざまな形(四角や丸など)があります。費用相場は3万〜90万円程度で、大きさや素材によって変わります。

業種・業態によって、適したシンクを選びましょう。例えば魚をさばくときには、手前側の縁が低い舟形シンクが適しています。下に収納スペースがあるタイプや奥行きが広くて作業しやすいタイプなど、用途に応じて選んでください。

なおシンクは食品営業許可の基準を満たす必要があります。食品営業許可における厨房設備・機器の設置基準について、後ほど解説します。

ガスコンロ・ガステーブル

ガスコンロやガステーブルは、食材の加熱調理などに使う設備です。テーブルにガスコンロがセットされている場合には、ガステーブルと呼ばれます。費用相場は10万〜15万円程度で、IHなら2万円ほど高くなります。

ガスコンロ・ガステーブルの製品ごとに、全体のサイズや調理器具を置く五徳の大きさ、火力などが異なります。厨房の広さやメニューなどに応じて、適切なサイズや火力などを選んでください。

なお製品選びの際は、使用できるガスの種類や安全装置の有無などの確認が必要です。ガスコンロやガステーブルで対応できない加熱調理をする場合には、フライヤーやグリラー、オーブンなども必要となります。

作業台

作業台は、食材の仕込みや料理の盛り付けなどを行うための設備です。費用相場は、サイズと機能に応じて10万〜40万円程度です。飲食店は食品を扱うため、一般的に衛生的なステンレス製の作業台が使用されます。固定式や可動式、昇降式などの種類が豊富です。

台の下に冷凍・冷蔵の機能があるなら、コールドテーブルと呼ばれます。比較的小規模な厨房には、作業スペースを確保するためにコールドテーブルが設置されます。舟形シンク付きタイプや高さが低いタイプ、前後両開きのパススルータイプ、スライド扉タイプなどを選べます。

冷凍冷蔵庫

冷凍冷蔵庫

冷凍冷蔵庫は、食材の保管に使う設備です。上記のコールドテーブルとは違って、冷凍庫や冷蔵庫、冷凍冷蔵庫として独立しているタイプを指します。費用相場は、サイズに応じて20万〜70万円程度です。

冷凍冷蔵庫はサイズや容量が豊富であり、用途や設置場所などによって選ぶことが可能です。冷凍冷蔵庫のサイズによって、冷蔵・冷凍食材の保管量が決まります。冷蔵冷凍庫を購入する前に、営業に必要な食材量を計算しておくことが大切です。

また当日の営業中に使用する食材をコールドテーブルに保管して、明日以降に使用する食材を冷凍冷蔵庫に入れることで、設備を使い分けます。急速冷凍庫や特殊冷蔵庫などもありますので、用途やスペース、動線を考えたうえで適切なものを選んでください。

製氷機

製氷機は、氷を作る機器です。特に、飲み物を提供する場合に必要となります。さまざまな種類があるため費用相場には開きがあり、12万〜140万円程度が相場です。

製氷機によって作れる氷の量や大きさが異なるため、提供する飲み物の量や回転数、座席数などを考慮して製品を選んでください。また季節によって氷の消費量が異なりますので、製氷量や保管量を想定した製品選びも必要です。

製氷機の種類はコールドテーブルなどに設置できるアンダーカウンタータイプから、用途に応じて製氷と保管スペースを選べるストックオンタイプ、鮮度保持に適するフレークアイスタイプまでさまざまです。

食器棚

食器棚は食器や調理器具などを保管する什器です。食器や調理器具を衛生的に管理するために必要です。シンクと同様に、食品営業許可の基準を守ることが求められます。費用相場は、サイズに応じて8万〜35万円程度です。

食器や調理器具などを衛生的に保管するには、食器棚の高さや掃除のしやすさを重視する必要があります。満席時のことも考慮して、2回転ほど食器洗いしなくても対応できる量の食器を収納できると安心です。

なおガラス戸タイプや引き出し付きタイプなどを選ぶことが可能です。素材によって掃除のしやすさや防錆性能が異なりますので、衛生面や使いやすさ、費用などから総合的に検討してください。

業種特有の設備・機器・什器

飲食店にはラーメン店やカフェ、居酒屋などの業種があり、必要な厨房設備や機器・什器が異なります。ラーメン店には麺をゆでる「ゆで麺機」やスープを加熱する「スープレンジ台」、自家製麺を製造する「製麺機」などが必要です。

カフェには「コーヒーマシン」や「エスプレッソマシン」はもちろん、コーヒー豆を販売するなら「ショーケース」などが必要です。またメニューに合わせて「オーブン」や「ホットサンドメーカー」なども必要となります。

設備・機器・什器ごとにさまざまな種類がありますので、厨房の広さや必要な性能、作業効率などを考慮して選びましょう。厨房設備・機器・什器の選び方について、次にご紹介します。

厨房設備・機器・什器の選び方

厨房設備・機器・什器の選び方

適した厨房設備・機器・什器を選ぶために、意識したいポイントがいくつかあります。店舗の広さやメニュー、作業効率などのポイントを含めて、厨房設備・機器・什器の選び方をご紹介します。

動線を考慮してサイズを選ぶ

厨房設備・機器・什器を選ぶときには、性能や機能を重視しがちです。しかし動線を考慮してサイズを選ぶことも大切です。機能面に優れた設備であっても、従業員の動線を妨げるとスムーズに作業できなくなるからです。

動線の確保が不十分になると作業が遅れたり、事故が起きたりする危険性が高まります。顧客にとっても悪影響となりかねませんので、厨房全体の動線をイメージして、厨房設備・機器・什器の適切なサイズを選んでください。

飲食店を含む店舗の動線設計について下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

メニューに応じて選ぶ

メニューに応じて厨房設備・機器・什器を選んでください。例えば加熱調理を頻繁に行う厨房内にガステーブルの数が少なければ、料理の提供が滞ります。また洗い物が多く発生するメニューなら、大きめのシンクや食洗機が必要です。

さらに調理済み食材を冷蔵・冷凍保管するなら、冷蔵冷凍庫が必要です。費用を削減するためにサイズを小さくすると、営業に必要な量をストックできなくなります。食材の保管から仕込み、調理、片付けまでを想定して、厨房設備・機器・什器を選びましょう。

飲食店のメニュープランニングにはコンセプト設計が不可欠です。下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

ダクト設備も選ぶ

排煙や換気、排気を行うダクト設備も厨房設備に含まれます。ダクト設備を設置することで、厨房から発生するニオイがホールや客席、店外に流れにくくできます。特にラーメン店や焼肉店、中華料理店、揚げ物を行う店舗などには、ダクト設備への配慮が必要です。

「料理のニオイで顧客の食欲を掻き立てよう!」と思う場合がありますが、嫌なニオイが発生すると顧客に不快感を与える危険性があります。顧客や近隣の人々と良好な関係を築くために、業種・業態に応じてダクト設備を選びましょう。

信頼できる業者に依頼する

厨房設備・機器・什器の選定を、製造メーカーや販売店、内装会社などに依頼できます。発注できる業者は幅広いため選定に迷いますが、信頼できる業者に依頼しましょう。

設備・機器・什器の販売だけではなく、内装のデザイン・工事や資金調達などにワンストップで対応できる業者が存在します。総合的な店舗デザインを提案できるため、複数業者に依頼するより時間も費用も削減できます。

店舗内装工事の業者選びについて下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

厨房設備・機器・什器の購入

厨房設備・機器・什器の購入

厨房設備・機器・什器を購入する方法は、主に3つ(新品と中古品、リース品)あります。購入方法によって、費用が変わります。厨房設備・機器・什器の購入費を予算内に収めるために、購入する方法と費用の違いをご確認ください。

購入方法

厨房設備・機器・什器の購入方法には、新品と中古品、リース品があります。新品ならさまざまなメーカーから選ぶことが可能です。メーカー保証があるため中長期的に安心して利用できますが、中古品より費用がかかります。

中古品の場合は、新品よりも安く購入可能です。選び方次第で購入費用を大幅に抑えられます。ただしメーカー保証やアフターサービスがなかったり、製品に傷や汚れが付いていたりするデメリットがあります。

リース品を契約すると、リース料を支払うことで新しい厨房設備・機器・什器を使えます。初期費用を抑えたい場合に向いている導入方法です。一方で契約期間中に解約できない点や合計費用が新品購入費よりも割高になる点にご注意ください。

費用の違い

厨房設備・機器・什器の費用は、購入方法によって異なります。例えばガステーブルの新品なら10万〜15万円程度ですが、中古品なら3万〜6万円程度です。一般的に中古品の購入費用は、新品の3割〜4割程度になります。

またガステーブルのリース品を契約すると、月額1,000円〜8,000円程度かかります。契約期間を5年(60ヶ月)とすると、合計費用が、6万〜48万円程度です。新品購入費用の6割程度で済む可能性も、3倍以上になる危険性も想定されます。

ただし業者や製品によって販売・リースされる費用は異なりますので、業者に最新費用を確認しましょう。

厨房設備・機器・什器を導入する際の注意点

厨房設備・機器・什器を導入する際の注意点

厨房設備・機器・什器を導入する際は、設置基準や減価償却にご注意ください。機能性の高い厨房設備・機器・什器であっても、設置基準を満たしていなければ導入できません。また法令を遵守して確定申告するために、減価償却の知識が必要です。

設置基準を確認する

飲食店を含む食品を製造・販売する店舗を開業するためには、保健所に食品営業許可の申請をする必要があります。食品営業を許可されるためには、食品衛生法と自治体の条例に定められた設置基準を満たさなければなりません。

例えば東京都福祉保健局によると、シンク1槽の大きさ(内径)が「45cm(幅)×36cm(奥行)×18cm(深さ)以上」と定められています。また自動洗浄設備がない場合には、シンクを2槽以上設置するように求められています。また食器戸棚や器具保管庫には、必ず戸を付けなければなりません。

参考:東京都福祉保健局「新たに食品に関する営業を始められる皆さんへ」(5-6ページ目)

飲食店の営業許可について下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

減価償却と耐用年数を確認する

減価償却とは、厨房設備・機器・什器の購入費や修繕費などを数年間に分けて計上する会計処理手続きです。各設備・機器・什器の耐用年数を基準として、減価償却します。耐用年数とは、税法上で設備・機器・什器などの価値が持続する期間を指します。

実際に設備や機器を使用できる期間とは異なりますので、注意が必要です。減価償却と耐用年数については下の記事に詳しくまとめてあるので、併せてご覧ください。

例えば冷凍冷蔵庫の耐用年数は、6年と定められています。120万円で冷凍冷蔵庫を購入した際は、1年当たり20万円を減価償却費として計上できます。冷凍冷蔵庫購入費を7年目以降に経費として計上できませんが、使い続けても問題ありません。

参考:e-GOV 法令検索「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」(十七条 別表第一 機械及び装置以外の有形減価償却資産の耐用年数表)

業種・業態に合う厨房設備・機器・什器を選ぼう!

業種・業態に合う厨房設備・機器・什器を選ぼう!

飲食店の業種・業態に応じて適した厨房設備・機器・什器を選びましょう。予算に応じて購入方法を検討しつつ、食品営業許可の設置基準や購入後の減価償却にご注意ください。

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ご予算やご要望に適したご提案を心がけています。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討の際は、ぜひお気軽にお問合せください。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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