2021.06.11  2022.07.12|新規開業ノウハウ

動物カフェ開業に必要な資格とは?届出・許可の申請方法や注意点も解説

動物カフェ開業に必要な資格とは?届出・許可の申請方法や注意点も解説

「動物カフェを開業するために資格は必要?」「届出・許可の申請方法を知りたい!」とお悩みではありませんか?食事を楽しみながら動物と触れあえる動物カフェは、食品だけではなく動物を取り扱う資格が必要です。

そこで今回は、動物カフェ開業に必要な資格について解説していきます。届出・許可の申請方法や営業前の注意点もご紹介しますので、動物カフェの開業をご検討中の方はぜひご覧ください。

動物カフェとは

動物カフェとは

動物カフェとは、動物を見たり触ったりして楽しめるカフェです。自分が買っているペットを同伴できるカフェとは、違います。動物カフェでは、カフェで飼っている動物との触れ合いを楽しめます。

動物カフェは、動物が常にいる状態です。だからといって、同じカフェにさまざまな種類の動物が存在しているわけではありません。コンセプトに応じて飼われているペットの種類が異なりまる。

動物カフェの種類

動物カフェは、主に4タイプに分かれます。タイプごとに詳しく特徴を確認していきましょう。

猫カフェ

猫カフェ

猫カフェは、動物カフェの中でも特に人気が高いタイプです。カフェ内に複数の猫が飼われており、自由気ままに過ごしています。猫カフェに訪れる顧客は、眺めたり、一緒に遊んだり、おやつを与えたりして、楽しむことができます。

猫カフェの多くは、滞在時間に合わせて料金が設定されています。ドリンクが別料金とされたり、フリードリンク制とされたり、ワンオーダー制とされたりと、システムが組まれています。

犬カフェ

犬カフェ

犬カフェは、カフェで飼われている犬の様子を見ながら、食事やドリンクを楽しめるカフェです。猫カフェと同様に、眺めたり、おやつを与えたり、ボールやおもちゃで一緒に遊んだりしながら、楽しめます。

犬カフェの中には、広いスペースを確保してドッグランを設けている店舗もあります。犬と一緒に走って、ストレス発散できるのも魅力です。

鳥カフェ

鳥カフェ

鳥カフェは、さらに2タイプ(小鳥と猛禽類)に分かれています。小鳥カフェでは、文鳥やインコ、カナリアなどが飼われています。小鳥たちはカゴの中で飼われていたり、ガラス張りの部屋に放たれていたりします。

一方の猛禽類(もうきんるい)カフェでは、ワシやタカ、フクロウなどが飼われています。勝手に飛んでいってしまわないように、猛禽類の足はリーシュという短い紐でつながれています。カフェによっては、腕に乗せて楽しむサービスが提供されています。

爬虫類カフェ

爬虫類カフェ

爬虫類鳥カフェでは、爬虫類を入れたガラスケージがカフェ内に展示されてます。ヘビやカメ、トカゲ、ヤモリ、イグアナなどを眺めながら、食事やドリンクを楽しめます。

爬虫類は、普段の生活で目にする機会はあまりないです。テレビや図鑑でしか見たことがない人もいますよね。「爬虫類をペットとして飼うには、ハードルが高い」と感じる人にとって、普段味わえない経験を楽しめるカフェです。

動物カフェ開業に必要な資格

動物カフェ開業に必要な資格

動物カフェにはさまざまなタイプがありますが、開業に必要な資格があります。取得するために時間と費用がかかりますので、資格ごとに申請する方法と提出先をご確認ください。予定開業日から逆算して、スケジュールを立てておきましょう。

食品衛生責任者

食事やドリンクなどを製造・販売するためには、カフェ営業中に食品衛生責任者の資格所持者を配置する必要があります。既製品の食事とドリンクのみを提供する場合は不要ですが、コーヒーを淹れたり軽食を調理したりするなら必要です。

1日かかる講習会を予約して、講習中に試験に合格できと、資格を取得できます。調理師や管理栄養士などの資格保有者であれば、講習会は免除されます。下の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

動物取扱責任者

動物カフェ営業中には、動物取扱責任者の資格所持者も常勤しなければなりません。動物取扱責任者の資格を所持する条件は、次のとおりです。

  1. 獣医師免許保有者
  2. 愛玩動物看護士免許保有者
  3. 次の条件を同時に満たす者
    • 動物の種類に係る半年以上の実務経験または同等の1年間以上の飼養経験
    • 動物の種類に係る知識や技術について1年間以上教育する学校などを卒業または公平性と専門性のある団体が行った試験により資格などを保有

参考:東京都福祉保健局東京都動物愛護相談センター「動物取扱責任者等」

実務・飼養の経験や学歴・資格の内容について、地域を管轄する動物愛護相談センターに認められる必要があります。なお動物取扱責任者は同時に営業する複数店舗を掛け持ちできませんので、ご注意してください。

なお新たに動物カフェを開業する場合には、動物取扱責任者研修を受講しなければなりません。動物カフェの経営者もしくは常勤する従業員の中から、上記の要件を満たす人が受講してください。

防火管理者

店舗の収容人数が従業員を含めて30人を超える場合は、防火管理者の選任が必要です。店舗の防火や火災時の避難のために消防計画を作成したり、消防機器を管理したりする役割を果たします。

防火管理者として誰でも選任できるわけではなく、防火対象物の所有者や入居する会社・団体の代表者が選任されなければなりません。選任されるためには専門的な資格を有しているか、防火管理者講習に参加して資格を取得する必要があります。

なお防火管理者資格の種類と取り方について下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

動物カフェ開業に必要な届出・許可の申請

動物カフェ開業に必要な届出・許可の申請

資格の取得に加えて、動物カフェを開業するために必要な届出や許可の申請方法も確認してください。申請する場所や期限が異なるため、開業日から逆算して早めに準備を開始する必要があります。

消防署への届出

動物カフェ開業に必要な消防署への届出は、次の3点です。

  • 防火対象設備使用届
  • 火を使用する設備等の設置届
  • 防火管理者選任届

防火対象設備使用届については、防火対象物使用開始7日前までに届出を行う必要があります。さらに店舗内を工事する場合には、防火対象物工事等計画届出書も必要です。工事が始まる7日前までに提出しなければなりません。

引用:東京消防庁「防火対象物の使用開始の届出をしよう」

火を使用する設備等の設置届は、厨房設備などで火を使用する場合に必要な届出です。管轄の消防署によって提出期限が異なるため、事前に問い合わせておきましょう。

参考:川崎市「火を使用する設備等の設置届」

防火管理者選任届については、防火管理者の資格を取得した人を消防署に届け出ます。防火管理者選任届出について下の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。 

税務署への届出

動物カフェ開業に必要な税務署への届出・申請は、次の3点です。

  • 個人事業の開業届出書または法人の設立届出書
  • 青色申告承認申請書
  • 給与支払事務所等の開設届出書

個人事業主として動物カフェを開業するなら、開業日から1か月以内に、管轄する税務署へ開業届出書を提出しなければなりません。法人を設立して動物カフェを経営するなら、設立から2か月以内に、管轄する税務署へ法人設立届出書を提出しなければなりません。

参考:国税庁「[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続」

参考:国税庁「[手続名]内国普通法人等の設立の届出」

青色申告承認申請書は、個人事業主の所得税または法人の法人税の特別控除を受けたい場合に提出する書類です。各申請書ごとに提出期限が定められていますが、期限を過ぎないように開業届と同時に提出することをおすすめします。

参考:国税庁「[手続名]所得税の青色申告承認申請手続」

参考:国税庁「[手続名]青色申告書の承認の申請」

給与支払事務所等の開設届出書は、従業員を雇用する場合に提出する書類です。雇用開始から1か月以内に提出しましょう。

参考:国税庁「[手続名]給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」

動物カフェを含む飲食店開業の手続きについて下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

飲食店営業許可の申請

動物カフェ内で食事やドリンクを製造・販売する場合には、飲食店営業許可の申請を行います。内装工事前に、地域を管轄する保健所に相談へ行きましょう。必要書類(工事する内装の図面や水質検査の成績書など)を揃えて申請します。保健所による立ち入り検査に合格できれば、営業許可証が交付されます。

参考:千葉県「食品営業許可関係手続|市川保健所(市川健康福祉センター)」

ただし動物カフェは一般的なカフェと違い、店内に常に動物が展示されています。動物展示スペースを飲食スペースから区切ったり、展示する場所を指示されたりと、自治体によって審査基準が異なる点にご注意ください。

参考:愛知県「『いわゆる「ドッグカフェ」に対する衛生指導要綱』の制定について」

なお飲食店営業許可を申請するためには、食品衛生責任者の資格が必須です。下の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

第一種動物取扱業の登録申請

第一種動物取扱業とは、事業者の利益のために商品やサービスとして動物を扱う仕事です。動物を顧客に見せたり、触れ合う場所を提供したりするサービスは、展示に該当します

したがって「動物の愛護及び管理に関する法律」および各自治体の条例に基づいて、動物カフェには第一種動物取扱業の登録が求められています。開業までに保健所や動物愛護センターへ登録を申請しなければなりません。業種ごとに申請が必要である点と5年ごとの更新制である点にご注意ください。

なお必要書類は次の通りです。

  • 第一種動物取扱業登録申請書
  • 動物の愛護及び管理に関する法律に違反していないことを示す書類
  • 飼養施設の平面図と付近の見取図
  • 土地と建物について必要な権原を所持していることを示す書類
  • 動物取扱責任者研修修了証コピー
  • 法人の場合には登記事項証明書や役員の氏名・住所

参考:環境省「第一種動物取扱業者の規制」

参考:e-Gov法令検索「動物の愛護及び管理に関する法律施行規則」第二条

動物取扱責任者の選定と届出

第一種動物取扱業の登録申請をするためには、動物取扱責任者の選定と届出が必要です。動物取扱責任者の選定と届出を申請してから、動物取扱責任者研修を年1回受講し続ける必要がある点を覚えておきましょう。また動物取扱責任者を変更する場合には、変更の届出が必要です。

参考:e-Gov法令検索「動物の愛護及び管理に関する法律施行規則」第十条

参考:東京都福祉保健局東京都動物愛護相談センター「動物取扱責任者等」

参考:福島県「動物取扱業の登録・届出の手続きについて 」

動物カフェを営業する前の注意点

動物カフェを営業する前の注意点

届出・許可の申請を無事に終えられても、安心してはいけません。動物カフェを営業するために、注意したいポイントがあります。営業開始後に追加費用がかかったり、経営方針を見直したりすることがないように対策しておきましょう。

営業時間の制限を守る

まず動物カフェを営業するためには、営業時間の制限を守るようにご注意ください。長時間展示される動物のストレスと鳴き声による周辺地域への騒音を軽減するためです。営業時間は基本的に午前8時ー午後8時です。

ただし次の条件を満たす猫カフェなら、午後10時まで営業できます。

  • 生後1年以上の猫を取り扱っている
  • 猫の展示時間が12時間を超えない
  • 猫が休息を取れる場所へ自由に移動できる
  • 猫の移動が難しい場合に6時間ごとに展示しない時間帯を設ける

参考:環境省「第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令」(『五 動物の展示又は輸送の方法に関する事項』、13ページ)

衛生的で安全な内装をデザインする

また動物カフェは店内に動物を展示するため、一般的な飲食店と比べて衛生的で安全な内装をデザインするようにご注意ください。特に注意したい内装デザインは、食品を扱う厨房です。衛生的で安全に食品を取り扱って、顧客に提供しなくてはなりません。

具体的なデザインとして、厨房スペースと動物展示スペースを明確に区切り、動物が自ら入ってこれないないようにしてください。また動物用トイレを洗浄する場所を厨房の外に設けたり、従業員専用の手洗い場を設けたりする必要もあります。

加えて落ち着いて動物と触れ合える環境を顧客へ提供しましょう。例えば動物用トイレの消臭や店舗内の換気が十分でなければ、顧客が動物特有のにおいに不快さを感じます。顧客も動物も快適に感じる空間をデザインするために、経験豊富な内装工事業者に依頼してください。

飼育環境に配慮する

さらに動物の飼育環境に配慮するように注意しましょう。動物は命ある生き物ですので、ずさんな管理で動物へストレスを与えたり、健康を害したりすれば、動物カフェ経営は成り立ちません。

動物は体調を崩しても、見た目からは分かりくい場合があります。定期的なワクチン接種と健康診断を受けさせて、健康状態を把握しましょう。動物が十分に休息を取れるスペースの確保も必要です。

また動物が逃げ出さないように飼育方法を徹底してください。例えばドアを二重にしたり、窓に柵を設けたりすることで対策できます。閉店後に十分なスペースを設けて、破壊されない強度のケージの中で動物を休ませるようにしましょう。

動物カフェの資格・届出・許可を計画的に進めよう!

動物カフェの資格・届出・許可を計画的に進めよう!

動物カフェを開業させるには、動物愛護管理法に定められた資格を取得して、開業に必要な届出・許可の申請が必要です。一般的な飲食店より注意すべき点がありますので、開業日から逆算して計画的に進めましょう。

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