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2021.10.12 2024.04.10|新規開業ノウハウ
フィットネスクラブの開業資金はいくら?開業の流れ・資格・届出・許可
本記事で、フィットネスクラブの開業資金を解説します。またフィットネスクラブ開業の流れや資格・届出・許可もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
フィットネスクラブ開業に関する基本情報
フィットネスクラブの開業準備を始める前に、基本情報(市場規模やニーズ、業態、スポーツクラブとの違い)を確認しましょう。基本情報を確認することで、必要な開業準備を整理できるからです。
市場規模
まずフィットネスクラブの市場規模は、以下の資料によると、2022年に4,500億円程度でした。2020年にコロナ禍の影響から市場規模が縮小しましたが、2021年より回復傾向にあります。
なお2000年代から2020年までは、市場規模が4,000億円程度から5,000億円程度まで成長していました。したがって2023年以降も市場規模の回復が続けば、5,000億円程度まで成長する可能性があります。
参照元:Fitness Business「日本のフィットネス市場、令和4年は4,503億円」
ニーズ
次にフィットネスクラブに対するニーズには、以下の資料によると、アクセスしやすい立地や低価格、充実した設備とサービス、利用のしやすさなどが挙げられます。フィットネスクラブにかける費用は、月額1万円未満です。
またコロナ禍にはフィットネスクラブの利用を止めたり、中断したり、減少したりした消費者もいましたが、利用を続けた消費者もいました。アフターコロナにおいては、休会や中断をした消費者がフィットネスクラブの利用を再開する可能性があります。
参照元:J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]「フィットネスジム/パーソナルトレーニング | 市場調査データ 」
業態
それからフィットネスクラブの業態は、施設の種類によって総合型や特化型などがあります。
- 総合型:幅広い設備やプログラムが提供される
- 特化型:特定の設備やプログラムが提供される
また経営主体によって、フィットネスクラブの業態は個人経営やフランチャイズ経営に分類されます。
- 個人経営:自由に経営できるが、集客努力が求められる
- フランチャイズ経営:ノウハウを活用できるが、加盟料が発生する
スポーツジムとの違い
そしてフィットネスクラブとスポーツジムの違いは、設備・プログラムの充実度や料金設定などです。フィットネスクラブではトレーニングスタジオやプール、サウナなどが施工されており、トレーナーやインストラクターによるレッスンも提供。月会費制や都度利用料金などが設置されています。
一方で、一般的なスポーツジムにはトレーニングスタジオが施工されており、利用者が自由にトレーニングに取り組めます。回数券や1回利用などの料金が設定されています。ただしフィットネスクラブに近い業態でも、スポーツジムと名乗る店舗もあります。スポーツジムの種類や業態をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
フィットネスクラブ開業の流れ
基本情報だけではなく、フィットネスクラブ開業の流れも確認しましょう。8点(コンセプト・事業計画書と開業資金、店舗物件、デザイン・工事、設備・機器・什器、資格・免許・届出・許可、採用・研修、集客活動)に整理してご紹介します。
コンセプト設計と事業計画書作成
まずコンセプト設計と事業計画書作成から、フィットネスクラブ開業の流れを始めましょう。コンセプトは店舗経営の基本方針であり、競合店との差別化や開業資金の調達に必要です。店舗のコンセプトを設計する方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
そして事業計画書に、設計したコンセプトや経営者の経歴、事業目的などを記載しましょう。開業資金の調達や従業員の研修などに、事業計画書を活用できます。フィットネスクラブにも活用できる事業計画書の書き方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
開業資金の調達
次にフィットネスクラブの事業計画書に基づいて、開業資金を調達します。店舗のデザイン・工事や設備・機器・什器の購入などには、開業資金が必要です。自己資金だけで不足する場合には、開業資金の調達を開始しましょう。
開業資金の調達方法には出資や借入、融資、補助金・助成金などがあり、調達方法ごとに条件や期限などが異なります。開業資金を調達する際のポイントなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
店舗物件の選定
またフィットネスクラブの開業資金調達と並行して、店舗物件の選定を開始してください。店舗物件は、コンセプトを実現させるための手段です。希望条件(物件の立地や規模、間取り、賃料など)を整理してから、選定を開始しましょう。
店舗物件探しのコツとして、不動産会社や商工会議所、内装工事業者への相談などがあります。店舗物件を選ぶときの注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
店舗のデザイン・工事
それからフィットネスクラブを開業する物件を契約できたら、店舗のデザイン・工事を計画します。店舗の外観は顧客に与える第一印象につながり、ブランディングへの活用が可能です。
外観と同様に、店舗の内装は利用者の満足度に影響するため、集客と売上を伸ばすために重要です。店舗内装デザイン・工事の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
設備・機器・什器の手配
続いてフィットネスクラブのデザイン・工事後には、設備・機器・什器の手配を検討しましょう。フィットネスクラブのサービスに応じて、空調や照明などの設備、トレーニングマシンや照明などの機器、ソファやロッカーなどの什器が必要です。
特に什器の素材や色味などは、内装のデザインに影響を与えます。用途や機能性を踏まえて、適した什器を選びましょう。店舗におしゃれな什器を選ぶポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
資格・免許の取得と届出・許可の申請
そして実店舗の準備だけではなく、フィットネスクラブ開業に必要な資格・免許の取得と届出・許可の申請も進めてください。フィットネスクラブ開業に法的に必須となる資格・免許はありませんが、資格・免許を取得することでサービスの専門性を高められます。
参照元:FCM技能検定「フィットネスクラブ・マネジメント技能検定」
またフィットネスクラブ開業に必要な届出・許可がありますので、計画的に手続きを進めましょう。
- 税務に関する手続き(個人事業の開業届または法人の設立届など)
- 防火管理者選任届・防火対象設備使用開始届・火を使用する設備等の設置届(該当する場合)
- 社会保険や労働保険の加入手続き(従業員を雇用する場合)
日本年金機構「事業所が健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」
従業員の採用・研修
さらにフィットネスクラブの開業には、従業員の採用・研修も必要です。長時間営業する場合や多店舗展開する場合などには、店舗の営業を任せる従業員を採用します。明確な採用基準を設定したうえで、採用活動を開始しましょう。
そして開業予定日に間に合うように、従業員の研修も必要です。フィットネスクラブにも活用できる人材採用のコツや研修の注意点などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
集客活動の計画
なおフィットネスクラブ開業前から、集客活動の計画を立てましょう。フィットネス業界へ新規参入する場合には知名度がないため、開業前からの集客活動が必要です。ターゲットとする顧客層へ向けて店舗の情報を発信します。
店舗の集客には、オンライン(SNSやポータルサイト、MEOなど)とオフライン(看板や雑誌、ポスティングなど)の方法があります。店舗の集客に成功した事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
フィットネスクラブの開業事例
フィットネスクラブ開業の流れがスムーズになるように、参考となる開業事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(直営と受託、接客、独自メソッド、豊富なプログラム、女性専用)をご紹介します。
直営と受託をしているフィットネスクラブ
まず「コナミスポーツクラブ」は、直営と受託をしているフィットネスクラブです。1973年創業で、全国に385施設(直営160施設と受託225施設)を展開しています(2023年9月時点)。
多数の施設運営を通してノウハウを蓄積しながら、幅広いニーズ(ダイエットや体力づくり、筋力トレーニング、ロコモティブシンドローム予防、認知症予防など)に対応しています。
参照元:コナミスポーツクラブ「PPP(官民連携)におけるコナミスポーツの特長」
接客対応を重視するフィットネスクラブ
次に「ルネサンス」は、接客対応を重視するフィットネスクラブです。初めて通う顧客に安心して利用してもらえるように、親身に接客するように心がけています。ホスピタリティ・コーディネーター資格の取得やベストスタッフコンテスト、スタッフ研修が推進されています。
サービスには、フィットネスのサポートやプログラム、パーソナルトレーニング、ジュニアスクールなどがあります。ジムやスタジオ、プール、温浴施設などを提供するフィットネスクラブです。
独自メソッドを提供するフィットネスクラブ
それから「メガロス」は、独自メソッドを提供するフィットネスクラブです。
- 日々を快適に過ごせる身体作り
- 美しい姿勢を作る
- 若々しい身体を維持する
- 生活習慣病を予防する
- 心身の健康を維持する
- 質の良い睡眠をとる
- 居心地が良いコミュニティに加わる
以上のメソッドにより、幅広い利用者のニーズに応えています。具体的なサービスとして、パーソナルトレーニングやキッズスクール、オンラインフィットネスなどがあります。
参照元:メガロス「メガロスが実践している7つの健康メソッド」
豊富なプログラムを提供するフィットネスクラブ
続いて「JOYFIT」は、豊富なプログラムを提供するフィットネスクラブです。ホットヨガやベリーダンス、フラダンス、サルサ、ボクササイズ、骨盤体操、ズンバ、ピラティス、エアロビクスなどがあります。
以上のプログラムだけではなく、パーソナルトレーニングやトレーニングマシン、運動サポートプログラム、リラクゼーションルームなどの利用も可能です。
参照元: JOYFIT「レッスンもマシンも楽しめるスポーツクラブ」
女性専用のフィットネスクラブ
そして「LALLA」は、女性専用のフィットネスクラブです。「私らしく、私を磨く」「ココロとカラダをキレイに」をコンセプトに、女性利用者のニーズに応えるプログラムが提供されています。
相談しやすいように、トレーニングやプログラムをサポートする従業員も女性です。追加料金で、セルフエステも利用できます。4S(整理・整頓・清潔・清掃)を心がけているフィットネスクラブです。
参照元:LALLA「女性専用のジム・フィットネス・スタジオ」
フィットネスクラブの開業資金
事例のようなフィットネスクラブを開業するためには、資金が必要です。そこでフィットネスクラブ開業資金の相場と内訳をご紹介します。無駄な経費を削減できるように、開業資金の節約法も確認しましょう。
相場
まずフィットネスクラブ開業資金の相場は、坪単価100万~150万円程度です。例えば40坪のスケルトン物件に開業するなら、4,000万~6,000万円程度の資金がかかります。ただし店舗物件の立地や規模、種類(居抜きかスケルトン)、設備・機器・什器の台数などによって、開業資金は変動します。
内訳
次にフィットネスクラブ開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、40坪のスケルトン物件にかかる開業資金を試算してあります。
開業資金の内訳 | 各費用の目安 | 各費用の試算 |
物件取得費 (敷金や礼金、前賃料など) | 10%程度 (賃料の10〜15ヶ月分程度) | 400万〜600万円程度 (賃料40万円で40坪の スケルトン物件) |
店舗デザイン・工事費 (内装や外観、設備・ 機器・什器など) | 70%程度 (坪単価50万〜100万円程度) | 2,000万〜4,000万円程度 |
諸経費 (開業前の資格や届出・ 許可、採用・研修、集客など) | 10%程度 | 400万〜600万円程度 |
運転資金 (開業後の光熱水費や 賃料、人件費など) | 10%程度 (賃料の10〜15ヶ月分程度) | 400万〜600万円程度 |
合計 | 100% (坪単価100万〜150万円程度) | 4,000万円〜6,000万円程度 |
上表のとおり、フィットネスクラブ開業資金においては、店舗デザイン・工事費が大半を占めます。つまり内装や外観、設備・機器・什器にこだわるほど、開業資金が増加するわけです。
節約法
そしてフィットネスクラブ開業資金の節約法には、相見積もりや居抜き物件、中古品・リース品などがあります。相見積もりを取って、各業者の見積もり(工事の費用や期間など)を比較すれば、無駄な経費を削減しやすいです。
居抜き物件を契約して、内装や外観、設備・機器・什器などを譲渡してもらえると、新規の工事費用を削減できます。ただし居抜き物件にはデメリットもありますので、次の記事も併せてご覧ください。
設備・機器・什器の中古品・リース品を選ぶと、新品よりも初期費用を削減できます。ただし新品よりも劣化・故障しやすいため、メンテナンス費用が必要です。導入する設備・機器・什器ごとに、機能や状態を見極めましょう。
フィットネスジムの開業準備を始めよう!
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監修者
-
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