2022.10.12  2022.10.14|新規開業ノウハウ

小さなお店を開きたい!メリット・デメリットや開業の流れ・費用

小さなお店を開きたい!メリット・デメリットや開業の流れ・費用

本記事で、小さなお店の開業の流れについて解説します。小さなお店の特徴やメリット・デメリット、開業費用、内装デザインの施工事例もご紹介します。

「小さなお店を開きたい!」「小さなお店の開業費用が知りたい!」などとお悩みではありませんか?小さなお店の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

小さなお店の特徴

小さなお店の特徴

業態や業種によって店舗物件に求められる規模は異なるため、「小さなお店」の明確な定義はありません。そこで小さなお店の特徴を確認しましょう。

広さと座席数

小さなお店の特徴の一つとして、広さと座席数が同じ業種・業態の店舗よりも小規模である点が挙げられます。例えば飲食店とサロンでは、同じ坪数の店舗に配置できる座席や施術台の数が異なります。

小さな飲食店の広さは、10坪(約33㎡)程度になります。トイレに2㎡程度と収納に2㎡程度、キッチンに5㎡程度の合計3坪程度を要するため、残り7坪(24㎡)程度を客席スペースとして確保できます。

当然ながら座席数は、店舗の広さによって変わります。飲食店のダイニングフロアが7坪なら、10席程度を設置できます。ただし座席の大きさやコンセプトによって、配置できる座席数が異なります。

なお客単価と回転数(営業時間内に客席全体が利用される回数)も踏まえて、座席数は決定されます。

内装デザイン

小さなお店のもう一つの特徴は、限られた店舗面積で効率よく営業できるように工夫された内装デザインです。効率よく内装がデザインされている小さなお店では、客席スペースと設備・機器スペースのバランスが図られています。

座席数を確保するために無駄なスペースが排除されて、厨房やトイレ、収納などに必要最低限のスペースが割り当てられています。小さなお店は店舗面積が限られているため、業種やコンセプトを踏まえて設備・機器の設置が最小限に抑えられているわけです。

小さなお店を開きたい!メリット・デメリットとは?

小さなお店を開きたい!メリット・デメリットとは?

小さなお店を開くにあたり、メリットとデメリットを確認しましょう。メリットを活かしデメリットを対策したうえで、内装をデザインしなくてはなりません。

メリット

小さなお店を開くメリットは、開業資金や運転資金を抑えられる点です。物件の種類(居抜きかスケルトンか)やエリアによりますが、店舗面積が10坪程度なら敷金や家賃を抑えることができます。毎月の固定費を抑えられることにつながります。

また内外装の工事費用や設備・備品購入費用も、大規模な店舗よりかかりません。居抜き物件であればさらに費用を抑えることができます。ある程度の設備や内装が施工されたまま残されているからです。

さらに小さなお店を営業する場合には、限られた従業員で稼働できます。顧客の様子を把握しやすいので、丁寧な接客につなげることが可能です。顧客との距離が近いことから信頼関係を構築しやすく、リピーター増加が期待できます。

デメリット

小さなお店は座席数が限られることから、大規模な店舗に比べて売上げの最大値が小さいです。売上を向上させるために、座席の回転数や稼働率を意識した施策をご検討ください。リピーターを増やせるように、キャンペーンやイベントを企画することも必要です。

また小さなお店は大量仕入れができず、大規模な店舗より仕入費がかかる傾向にあります。仕入費を抑えるためには、売上目標に合わせて販売価格を設定したり、固定費を抑えたりしてください。

それから少人数の従業員で営業する場合は、欠勤により営業に支障が出やすいです。従業員に体調管理を呼びかけるだけではなく、日雇い従業員の派遣契約などが必要になります。

小さなお店を開く流れ

小さなお店を開く流れ

小さなお店を開くメリット・デメリットを踏まえたうえで、開業の流れをチェックしましょう。各開業準備の開始時期や内容をご覧ください。

コンセプト設計と事業計画書の策定

開業1年前頃から、店舗の基本理念や方向性を考えながらコンセプトを設計してください。店舗のコンセプトは、販売する商品・サービスの魅力や不可価値を顧客に伝えるために必要です。

設計したコンセプトに基づいて、事業計画書を策定します。店舗全般に活用できる事業計画書の書き方に関して次の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

物件探しと内装工事

開業半年前頃から、策定した事業計画書に基づいて小さなお店を開く物件探しを開始します。店舗物件の探し方に関して次の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

店舗物件を所有や賃借できたら、内装工事を行います。開業資金の予算内に収まるように、内装工事費の見積もりを確認してください。店舗内装工事に関して次の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

開業資金の調達

物件探しや内装工事と並行して、開業資金の調達を行います。開業資金の内訳を細かく計算して、借入や融資を申し込んでください。開業資金の調達方法は幅広いため、事前に検討しておきましょう。

なお開業資金の調達方法や種類に関しては次の記事に詳しくまとめてあります。併せてご覧ください。

開業に必要な資格やスキルの習得

店舗の準備だけではなく、業種や業態に応じて開業に必要な資格やスキルを習得します。飲食店や小売店、サロンなどの業種に必要な資格やスキルを確認しておきましょう。

業種・業態ごとに必要な資格やスキルをご紹介していますので、次のアーカイブページも併せてご覧ください。

参考:IDEAL「開業・経営に必要な資格」

開業に必要な届出・許可の申請

また開業に必要な届出・許可の申請も早めに確認しましょう。届出・許可ごとに提出期限・方法が異なりますので、開業予定地を管轄する官公庁のWebサイトをご確認ください。

業種・業態ごとの開業に必要な届出・許可をご紹介していますので、次のアーカイブページも併せてご覧ください。

参照:IDEAL「届出・許可」

仕入れルートの確保

開業3か月前までに、仕入れルートを確保してください。余裕をもって仕入れルートを確保できれば、開業後の商品やサービスの提供が円滑に進むからです。

仕入れ先を選ぶ際は、「価格」「品質」「注文量」に着目してください。複数の仕入れ先候補から相見積もりをとって、価格と品質、注文量を比較検討しましょう。

集客活動の開始

仕入れルート確保と同時期に、集客活動を開始します。チラシ・広告などのオフライン集客とオウンドメディア・SNSアカウントなどのオンライン集客を組み合わせて、ターゲットにアプローチしてください。

オンライン集客に関して次の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

小さなお店の開業費用

小さなお店の開業費用

小さなお店の開業準備を進められるように、開業費用の相場や内訳、節約方法をご紹介します。必要な開業費用を予算化したうえで、物件選びや内装工事を開始しましょう。

開業費用の相場

小さなお店の開業費用相場は、坪単価50万〜80万円です。10坪の店舗面積であれば、500万〜800万円ほどかかります。

ただし物件の種類(居抜き物件・スケルトン物件)や立地、内装工事の内容などによって、開業費用は大きく異なります。例えばスケルトン物件の内装工事費用は坪単価30万〜60万円ほどですが、居抜き物件の場合は坪単価10〜30万円ほどです。

特に厨房設備が必要な飲食店においては、設備・機器のグレードによって費用が増減します。什器や備品などのグレードや選び方も、開業費用に影響します。

開業費用の内訳

小さなお店の開業費用の内訳を一覧にまとめて、スケルトン物件(10坪、賃料10万円)にかかる開業費用を試算しました。

開業資金の内訳割合スケルトン物件の店舗
(10坪賃料10万円と
月間売上50万円を想定
物件取得費
(家賃の6~10か月分程度)
15%程度60万~100万円程度
内外装工事費
(坪単価30万~60万円程度)
20%程度100万~200万円程度
設備・機器・備品の購入費20%程度100万~300万円程度
諸経費
(資格取得や届出・許可申請など)
5%程度10万~50万円程度
運転資金
(固定費の半年分。
月間売上に対して固定費70%と想定。)
40%程度200万円程度
合計100%500万~800万円

上記のとおりに、物件取得費・内外装工事費と設備・機器・備品の購入費が開業費用全体の50%以上を占めることになります。ただし各費用の金額は、業種や業態によって大きく変動します。

開業費用の節約方法

小さなお店の開業費用の節約方法として、居抜き物件の利用があります。前借主に譲渡料を支払い造作物を譲渡してもらうことで、内装工事費用を抑えることが可能です。居抜き物件のメリット・デメリットについて紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

またスケルトン物件の場合は、造作家具を減らしたり設備のグレードを下げたりして工事費用を節約できます。顧客から見えない部分やデザインにこだわらない箇所があれば、使用する素材などのグレードを下げましょう。次の記事も併せてご覧ください。

なお物件探しから内装工事までをワンストップで依頼できる業者を選ぶと、総合的な費用を抑えることができ、開業準備ごとに異なる業者とやり取りする手間も省けます。

小さなお店の内装デザインの施工事例

小さなお店に理想的な内装をデザインできるように、施工事例を調べましょう。施工事例を集めることで、内装業者との打ち合わせを進めやすくなります。IDEALの施工した小さなお店などをご紹介します。

顧客をもてなすロングカウンター

顧客をもてなすロングカウンター

「&chill」様は、台湾直輸入のタピオカとイギリスから仕入れた紅茶を提供するタピオカスタンドです。「シンプルにタピオカを楽しんでいただきたい」というコンセプトに基づいて、クリーミーカラーで内外装がデザインされています。

店舗面積5坪と限られた空間ですが、顧客をもてなすロングカウンターが施工されています。また落ち着いて過ごせるように暖色系の照明が空間を優しく照らしています。

日が差し込む大きなガラスの窓・扉

日が差し込む大きなガラスの窓・扉

「PINATA」様は、総菜やスイーツなどを取り扱うデリカフェです。顧客に開放感を感じてもらえるように、日が差し込む大きなガラス窓と扉が施工されました。店外から商品が見えるように、ショーケースが店内の路面側に設置されています。

内装は清潔感や上品さを感じる白色で統一されており、床には風合いのある大理石風のデザインが施されています。また顧客ニーズに応えるために、カウンター席だけではなくテーブル席もレイアウトされています。

空間を有効活用できるカウンター席

空間を有効活用できるカウンター席

「Affidamento Cafe」様は、「ヒトとモノとコトがつながる」をコンセプトにしたカフェです。店内にカウンター席とテーブル席が配置され、気分に応じてソファー席を選ぶこともできます。店外のウッドデッキにも2席が用意されています。

内装空間を有効活用できるように、カウンター席がキッチンスペースを囲んでいます。また店内にこだわりのインテリアが配置され、ギャラリーも併設されました。

動線を確保できる座席配置

動線を確保できる座席配置

「ねっこcafe」様は、「南フランスの田舎」をイメージして内装がデザインされたカフェです。温もりや落ち着きを感じてもらえるように、木目調の床や白色の壁紙、優しい光の照明が施工されています。

従業員と顧客の動線を確保できる座席配置となるように、カウンターテーブルが壁面や窓際に施工されています。また展示する絵画を目立たせるように、壁紙の色味と素材に工夫が凝らされています。

本物志向の和室

本物志向の和室

「柿沼」様は、茶道具や花器を取り扱う販売店です。店主によってセレクトされたアイテムの個性を感じてもらえるように、内装がデザインされました。ありきたりな和テイストではなく、本物志向の和室となるように内装材が選ばれています。

例えば茶室の床や壁には、銘木屋で選んだ桜の木や赤松が施工されています。風情を感じさせる模様をデザインするために、漆喰調の壁面に「ゆず肌」といわれる塗装が施されました。

コンセプトを表現したヘアカットスペース

コンセプトを表現したヘアカットスペース

引用:Ishizuka BARBER’S CLUB「サロン紹介」

「Ishizuka BARBER’S CLUB」様は、優先予約制のヘアサロンです。コンセプトである「丁寧な接客」「アットホームな雰囲気」が内装デザインで表現されています。例えば内装に木目調の床と白の壁紙が施工されており、親しみや清潔感を感じさせます。

また欧米テイストのスタイリングチェアが配置されており、おしゃれです。カット中に落ち着きを感じられるように、スタイリングチェア間の間隔にゆとりがあります。

小さなお店のメリットを活かして開業しよう!

小さなお店のメリットを活かして開業しよう!

小さなお店ならではのメリットをご理解のうえ、コンセプト設計や内装デザインに活かしてください。開業費用の節約を検討して、予算内に開業準備を完了させましょう。

IDEALは小さなお店を含む店舗全般のコンセプト設計から物件探し、内外装のデザイン・工事、資金調達、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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