本記事で、店舗を開業する流れと…
2022.11.02 2022.11.11|新規開業ノウハウ
サロン開業ポイントと業界動向!種類・業態・流れ・資金・事例
本記事でサロン開業ポイントと業界動向を解説します。サロンの種類・業態から開業の流れ、資金、事例までをご紹介します。
「サロン開業のポイントを知りたい!」「サロン開業資金はいくら?」などとお悩みではありませんか?サロンの開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
サロンとは?種類と業態
サロンの狭義は「洋室の客間や応接室、談話室」を示しますが、今回は美容系サロンを対象にしています。サロンの種類と業態をご紹介しますので、サロンの基本事項を確認しましょう。
サロンの種類
サロンの主な種類は、次のとおりです。
- ヘアサロン
- ネイルサロン
- エステサロン
- リラクゼーションサロン
- ヨガサロンやピラティスサロン
サロンの種類について詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
サロンの業態
サロンの業態は、主に3つです。
- 貸店舗型
- 店舗付き住宅型
- 間借り型
貸店舗型
貸店舗はテナント物件とも呼ばれて、ビルやマンション、ショッピングセンターなどの一室を借りて店舗を運営する業態です。貸店舗物件には、2種類(居抜き物件とスケルトン物件)あります。
居抜き物件には旧借主が施工した内装や設備が残されていますので、新借主は譲渡料を支払うことで残された内装や設備を利用することが可能です。内装工事の費用と時間を節約できる反面、デザインの自由度が低くなります。居抜き物件についてまとめてある次の記事も併せてご覧ください。
スケルトン物件は、内装や設備が残されていない状態です。居抜き物件に比べてデザインの自由度が高く、店舗のコンセプトを表現しやすくなります。ただし内装や設備を一から施工するため、内装工事の費用や時間がかかります。スケルトン物件についてまとめてある次の記事も併せてご覧ください。
また店舗の位置により、次のように貸店舗型を分類できます。
- 路面店(道路や街の通りなどに面した店舗)
- ロードサイド店(交通量の多い沿道にある店舗)
- 空中店(地上2階以上にある店舗)
- 地下店(地下にある店舗)
店舗の位置によって、集客しやすいターゲット層が異なります。路面店とロードサイド店舗について別の記事にまとめてありますので、ご覧ください。
店舗付き住宅
同じ物件内に店舗部分と住宅部分があります。店舗付き住宅型のメリットは、通勤にかかる時間と交通費を減らせる点です。ただし店舗付き住宅にサロンを開業する際は、法規制に注意する必要があります。次の記事に店舗付き住宅型の特徴や開業のポイントをまとめてありますので、併せてご覧ください。
間借り型
カフェやコインランドリーなどに併設されたサロンスペースです。物件取得などの初期費用を抑えて開業できる点がメリットです。他店舗を利用する顧客にサロンを利用してもらうことで、集客効果を期待できます。
一方で間借りする施設の規則に従う必要があり、内装デザインの自由度が下がります。サロンにも活用できる間借りの情報をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
サロン開業の流れと資金
サロンごとの特徴を踏まえたうえで、開業の流れや資金を確認する必要があります。サロンの業態別に開業の流れと資金についてご紹介します。
ヘアサロン
ヘアサロンは美容室や美容院、理容室、床屋の総称で、ヘアカットやシャンプー、ブロー、カラーリング、パーマなどの美容サービスを提供します。ヘアサロンの開業ポイントをまとめてありますので、次の記事を併せてご覧ください。
ネイルサロン
ネイルサロンは顧客の爪を整えるサービスを主に提供して、オプションとして腕や脚のケアを提供するネイルサロンもあります。ネイルサロンの開業の流れや資金についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
エステサロン
エステサロンは美容施術全般を提供して、フェイシャルエステやボディケア、脱毛、メンズエステなどに細分化されています。エステサロン開業の流れと資金についてまとめてありますので、次の記事を併せてご覧ください。
リラクゼーションサロン
リラクゼーションは、心身を癒す施術を提供します。開業の流れや資金については、基本的に上記の3業態と同様です。
ただしマッサージを提供する場合は、国家資格が必要です。マッサージは医療行為となり、リラクゼーションサロンでは提供できないからです。整骨院を開業する流れと資金については、次の記事をご覧ください。
ヨガサロンやピラティスサロン
ヨガサロンやピラティスサロンは顧客の心身の健康を保つためにヨガやピラティスのレクチャーを提供します。開業の流れや資金については、上記の業態と同様です。最新のマットやマシンを導入したり、競合サロンとの差別化を図るサービスを提供したりして、独自性を出した経営が求められます。
サロン業界の動向と課題
サロンを開業するにあたり、業界の動向や課題を調べましょう。市場のニーズや競合を踏まえて開業エリアや店舗のコンセプトなどを決める必要があるからです。サロン業界に関する調査結果を参照しながら、サロン業界の動向と課題をご紹介します。
コロナ禍による市場縮小から回復しつつある
まずサロン側も顧客側も感染症対策をすることで、徐々にコロナ禍による市場縮小から回復しています。
株式会社矢野経済研究所によると、新型コロナウイルス感染症の影響で社会活動や経済活動が制限され、2020年度の市場は冷え込みましたが、2021年度の理美容サロン市場は前年度比103.9%となりました。
参考:株式会社矢野経済研究所「理美容サロン市場に関する調査を実施(2022年)」
また株式会社日本政策金融公庫によると、理容・美容業界が好転している自治体があります。しかしコロナ禍前の2019年度に比べると、全国的に市場規模が小さい状況です。
参考:株式会社日本政策金融公庫「生活衛生関係営業の景気動向等調査結果(2022年4〜6月)」(P16)
美容所は増加して理容所は減少している
次に美容所は増加して理容所は減少しています。市場規模が回復傾向のサロン業界であっても、業態によって差が出ています。
厚生労働省によると、1993年以降美容所の施設数は増加しています。1993年度には20万施設を下回っていましたが、2020年度には全国で25万施設を超えました。一方の理容所数は1993年以降に減少が続きます。2020年度に全国に10万施設以上ありますが、美容所数とは大きく差が開いています。
ただし美容所数や理容所数は、他の生活衛生関係施設よりも施設数が多いです。美容所と比べて施設数の少ない理容所だけでも、他の生活衛生施設数を上回っています。
参考:厚生労働省「令和2年衛生行政報告例の概要(3.生活衛生関係)」(P5-6)
都会と地方で景気が異なる
美容所や理容所の施設数は他の業種に比べて多く、コロナ禍前から少しずつ市場規模が戻りつつあります。しかし都会と地方で景気が異なります。
株式会社日本政策金融公庫により、理容と美容の業況が簡潔に公開されています。理容においては2022年度の業況で栃木県は好転すると判断していますが、山形県は悪化する判断されています。美容では2022年度の業況で茨城県が好転で長野県が悪化と判断されています。
好転と判断された自治体からは「新型コロナの流行が落ち着き始めた」などの回答が出されいます。悪化と判断した自治体からは「感染者数の高止まりで各種行事がなくなり影響を受けている」などと回答されています。都市部と地方の業況の違いが伺えます。
参考:株式会社日本政策金融公庫「生活衛生関係営業の景気動向等調査結果(2022年4〜6月)」(P16)
顧客数減少と客単価低下が課題である
ヘアサロン業態においては、顧客数減少と客単価低下が課題として挙げられます。根拠として、株式会社日本政策金融公庫の調査結果をご紹介します。
生活衛生関係業界全体においては、コロナ禍当初(2020年4〜6月)に比べて「顧客減少が経営上の課題だ」と回答した事業者が減少しています。しかしヘアサロン業界の事業者の6割が課題だと回答しており、業界全体の平均値より高い割合となりました。
また客単価低下を経営課題としているヘアサロン業界の企業は2割以上です。業界全体では2割を下回っていますので、ヘアサロン業界では「客単価低下が課題だ」と捉えられている割合が高いです。
参考:株式会社日本政策金融公庫の「生活衛生関係営業の景気動向等調査結果(2022年4〜6月)」(P9-10)
サロン開業のポイント
サロン業界の動向や課題を対策したうえで、開業準備を進めましょう。サロン開業のポイントを4点に整理してご紹介します。
コンセプトに基づいてサロンをデザインする
まずはコンセプトに基づいてサロンをデザインしましょう。内装デザインやメニュー、料金などを含めてサロンをデザインしましょう。
コンセプトを決める際は、ターゲットと業界内でのポジションの設定から始めてください。年齢や性別、職業、住まい、趣味などについてターゲットの属性を細かく設定します。ターゲットを細かく設定することで独自のポジションを取りやすく、競合サロンとの差別化につながります。
コンセプトが固まったら、メニューや内装デザインなどに落とし込んでいきます。内装や設備、什器などのレイアウトや素材について細部までこだわりましょう。サロン全般に活かせる内装デザインのポイントについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
ターゲットを踏まえて集客方法を選ぶ
次にサロンのターゲットを踏まえて集客方法を選んでください。オフライン集客方法とオンライン集客方法があります。オフライン集客方法は看板やチラシのポスティングなどで、オンライン集客方法にはSNSやWebサイト、リスティング広告などがあります。
ターゲットが高齢層であれば、オンライン集客よりもオフライン集客を展開します。チラシのポスティングや見やすい看板の設置などをご検討ください。ターゲットが若年層であれば、SNSやアプリなどによる集客が適します。ただしSNSやアプリの種類によってユーザー層が異なる点にご注意ください。
なおWeb集客についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
体系的な研修体制を構築する
従業員を雇う場合は、一貫したレベルで接客や施術を提供できるように体系的な研修体制を構築してください。メニューやサービスに応じた研修内容を企画して、従業員のスキルを引き上げましょう。
具体的にはサロン業界のセミナーに参加させたり、資格取得や認定試験の費用を補助したりする方法があります。美容機器を使ってサービスを提供するサロンでは、美容機器メーカーによる研修会への参加も有効です。
高品質なサービスを提供できるように、さまざまな方法によって従業員に研修機会を与えましょう。サロン経営では技術力を高めることが顧客からの信頼につながります。顧客満足度を上げることで、リピーター獲得を期待できます。
在庫や売上の管理を徹底する
サロン開業からしばらくは思うように集客できない状況が想定されるため、在庫や売上の管理を徹底する必要があります。開業時には当面の運転資金を用意しなくてはなりませんので、在庫と売上を正確に管理できないと運転資金が底をついてしまう危険性があります。
そこで客単価が低い場合は、メインメニューやオプションサービスの値上げを検討しましょう。また施術に必要な消耗品のグレードを見直して、販売価格を変えないまま仕入値を下げる方法もあります。
サロン開業の事例
サロン開業のポイントを押さえて経営できるように、参考となる事例を調べてください。サロン開業事例を参考にすることで、開業準備や資金調達の失敗を防ぎましょう。
オープン日から逆算して開業準備を進めたヘアサロン
引用:Ecru Webサイト
「Ecru」様は、東京都西東京市に店舗を構える完全マンツーマンの美容室です。オーナー様がオープン日から逆算して開業準備を進めました。開業準備は、サロンのコンセプトを事業計画書に落とし込む作業から始まりました。
事業計画書を完成させたうえで、コンセプトにふさわしい物件が選ばれています。施工業者と協力しながら、開業準備のさまざまな工程が予定通りに行われました。
開業資金調達を円滑に進めたネイルサロン
「nailsalon tete(ネイルサロン テテ)」様は、大阪府貝塚市に店舗を構えるネイルサロンです。オーナ様は開業を決めてからすぐに物件調査を開始して、開業資金の調達を円滑に進められました。調査を開始して1か月弱で理想の物件に出会い、開業しています。
また巻き爪や深爪などのトラブル爪のケアにも対応しており、競合店との差別化が図られています。個室で他の顧客の視線を気にすることなく施術できる点など、こだわりが反映されています。
ポイントを押さえてサロンを開業しよう!
サロンを開業して集客と売上を伸ばすためには、メニュー開発や従業員研修などが重要です。サロン開業事例を参考にしてポイントを押さえながら、サロンの開業準備を進めましょう。
IDEALは、サロンを含む店舗全般のコンセプト設計から物件探し、内外装のデザイン・工事、資金調達、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。
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監修者
-
IDEAL編集部
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