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2023.05.18 2023.05.22|新規開業ノウハウ
歯科医院開業に失敗しないコツ!メリット・流れ・資格・届出・許可・資金
本記事で、歯科医院開業に失敗しないコツを解説します。歯科医院を開業するメリットや流れ、必要な資格・届出・許可、開業資金もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
歯科医院とは?開業するメリット・デメリット
そもそも歯科医院とは、どういった医療機関なのでしょうか?歯科医院の主な医療サービスや大学病院の歯科との違い、開業するメリット・デメリットをご紹介します。開業準備を始める前に、歯科医院の基本情報を押さえましょう。
歯科医院とは?
まず歯科医院とは、患者に歯と口腔内の治療や予防処置などを提供する医療機関です。歯や口腔内の健康は、全身の健康にとって重要です。したがって内科や外科のクリニックとの連携も求められます。
歯科医院の主な医療サービスは、次のとおりです。
- むし歯や歯周病などの治療
- むし歯や歯周病などの予防処置
- 歯の機能回復や矯正、ホワイトニング
また歯科医院と大学病院の歯科との違いは、治療の受けやすさや範囲、歯科医師の研究や教育などです。歯科医院はかかりつけの医療機関ですから、患者が気軽に診察を受けられます。歯や口腔内の手術が必要になると、大学病院の歯科を紹介してもらうことが可能です。
一方の大学病院の歯科は通常の歯科治療だけではなく、歯科医院に対応できない手術や歯科医師の研究や教育に対応できます。ただし患者は、かかりつけ歯科医院からの紹介状や予約・診察の待ち時間を求められます。
開業するメリット
次に歯科医院を開業するメリットとして、以下の点が挙げられます。
- 歯科医院の経営方針やデザインなどを決められる
- 集患できる分だけ利益を増やせる
開業医になれば、開業する歯科医院の経営方針やデザインなどを決めることができます。また完全歩合制として報酬を得ることができるため、集患数を伸ばすことで利益増加が可能です。
一方の勤務医は、在籍する歯科医院の経営方針に沿って治療を進めなければなりません。また一般的に、歯科医院や大学病院では勤務医に対して固定給が支払われます。
開業するデメリット
ただし歯科医院を開業するメリットだけではなく、以下のデメリットも想定されます。
- 開業資金がかかる
- 集患できないと廃業リスクを抱える
- 人材の採用や研修などにコストがかかる
開業医を目指すなら、歯科医師免許の取得費用だけではなく、歯科医院の物件や設備を準備する費用が必要です。無事に開業できても、集患を安定させられなければ、毎月の固定費(物件の賃料や水道光熱費など)を払えなくなる恐れがあります。そして歯科衛生士や受付スタッフなどを採用して、研修しなければなりません。
一方で勤務医になるためにも、歯科医師免許の取得費用はかかりますが、就職するための費用はかかりません。また歯科医院や大学病院が経営難に陥っても、負債を抱えるリスクはないです。そして人材の採用や研修を担当しても、金銭的なコストを求められません。
歯科医院を開業する流れ!失敗しないコツ
歯科医院を開業するメリットを活かして、デメリットを対策できるように、歯科医院を開業する流れをご確認ください。歯科医院を開業する流れは、一般的なクリニックと同様です。下記の流れについて解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。
- クリニックのコンセプト設計と事業計画立案
- クリニック開業に必要な資格の取得
- 開業資金の調達
- クリニックの物件選び・内装デザインと工事
- 什器の選定
- 人材の採用
- 労務や税務処理の依頼
- 集患活動
本記事では、開業エリアや競合との差別化、人材採用、資金繰り、集患、自費診療、カウンセリングについて、歯科医院開業に失敗しないコツをご紹介します。
集患できるエリアを選ぶ
歯科医院開業に失敗しないコツとして、まず集患できるエリアを選びましょう。2021年10月時点で、全国の歯科医院数は67,899施設です。したがって集患数を伸ばすためには、競合医院の少ないエリアを選ばなくてはなりません。
引用元:厚生労働省「令和3(2021)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況」
そこで開業エリア選びに失敗しないために、各エリアの情報を調査しましょう。調査すべき項目は競合医院数だけではなく、世帯数や昼夜の人口比率、交通の便などです。調査したデータを分析して、集患しやすいエリアを特定してください。
歯科医院にも活用できる物件の探し方を紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
競合との差別化を図る
次に競合との差別化を図ることも、歯科医院開業に失敗しないコツです。開業エリア内の競合医院を調査して、経営方針や診療内容を分析しましょう。同じ歯科医院だとしても、診療内容を特化させること(インプラントやホワイトニング、虫歯予防など)で、独自性を出せます。
内装や外装をデザインする
また診療内容だけではなく、歯科医院の内装や外装のデザインに独自性を出して、競合との差別化を図ることも可能です。歯科医院の内装をデザインするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
優秀な人材を採用・研修する
また優秀な人材を採用することも、歯科医院開業に失敗しないコツです。歯科医師はもちろん、歯科衛生士や接客スタッフの働きぶりが、集患数に影響を及ぼします。
そこで優秀な人材を採用するために、雇用条件や職場環境を整備してください。良い待遇や環境を提供することで、離職率を下げるためです。また定期的に研修の機会を提供することで、従業員に仕事に対するモチベーションを維持させましょう。
丁寧にカウンセリングする
また丁寧にカウンセリングすることも、歯科医院開業に失敗しないためのコツです。カウンセリングを怠ってしまうと、新規患者のリピート率を下げる恐れがあります。もちろんリピートしてくれる患者に対しても、定期的にカウンセリングの機会を設けてください。
カウンセリングでは、診療に対する患者の要望を踏まえて、適切な治療方法を提示します。保険診療と自費診療を公平に説明することで、患者に納得して治療方法を選択してもらうことが可能です。
適切に資金を管理する
また適切な資金を管理することも、歯科医院開業に失敗しないコツです。他業種(飲食業やサービス業など)に比べると、医療・福祉業の開業資金は高いため、資金管理がより重要です。
そこで適切に資金を管理するために、事業や資金の計画を綿密に立案してください。1日当たりの患者数や患者単価、目標売上、毎月の固定費などを正確に計算したうえで、事業計画書や資金計画書をまとめることができます。
歯科医院にも活用できる事業計画書の書き方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
集患方法を工夫する
そして歯科医院開業に失敗しないためコツとして、集患方法を工夫しましょう。さまざまな集患方法がありますが、以下の方法が歯科医院に当てはまります。
- 地域イベント
- MEOとSEO
- ポータルサイトとターゲティング広告
地域の歯科医療を支える施設としての信頼や評判を高めるために、地域イベントに出展する方法があります。地道な取り組みになりますが、地域住民と触れ合う機会です。
なおMEOとSEO、ポータルサイトとターゲティング広告についても紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
自費診療の割合を増やす
さらに自費診療の割合を増やすことも、歯科医院開業に失敗しないためのコツです。自費診療には保険が適用されませんが、患者の症状や希望に沿った治療(インプラントやセラミックなど)を提供できます。患者の診療に対する満足度を高めながら、売上を伸ばすことが可能です。
自費診療の割合を増やすためには、医療設備を充実させて、診療内容を増やしてください。また患者に納得して診療内容を選択してもらえるように、カウンセリングの機会を充実させてください。
歯科医院開業に必要な資格・届出・許可
歯科医院開業に失敗しないように、歯科医院開業に必要な資格・届出・許可も押さえましょう。クリニック経営全般に必要な資格・届出・許可を紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
- 防火管理者
- 医療経営士
- 病院経営管理士
- 医業経営コンサルタント
本記事では、歯科医院開業に必要な資格・届出・許可を取り上げます。
歯科助手
まず歯科助手は、歯科医院の事務(受付や会計など)や診察室内での補助業務などを担当する従業員です。資格取得は法的に必須ではありませんが、資格を取得することで専門性や信頼性を高められます。資格を取得しても、患者の口腔内に触れる医療行為を行うことはできません。
歯科医院が歯科助手を採用する際には、資格取得を補助することで、モチベーション維持や離職率低下を期待できます。売上目標から人件費を計算して、必要な人数を配置しましょう。
歯科衛生士
次に歯科衛生士は、歯科予防処置や歯科診療の補助、歯科保健指導などを担う従業員です。歯科衛生士の業務に従事するためには、国家資格の取得が求められます。
また患者の口腔内に触れる医療行為を提供して、診療報酬を算定するためには、歯科医師または歯科衛生士の配置が法的に必要です。毎日の患者数を計算したうえで、必要な数の歯科衛生士を採用しましょう。
参照元:厚生労働省「令和4年度診療報酬改定の概要」(37ページ)
専門医・認定医・指導医
そして歯科の団体や学会から、専門医・認定医・指導として認められることで、専門性の高い診療を提供して患者からの信頼を獲得したり、在籍する歯科医師を指導したりできます。
例えば日本歯科専門医機構や日本矯正歯科学会などが、専門医・認定医・指導医の制度を整備しています。
参照元:
公益社団法人日本矯正歯科学会「認定医・指導医・臨床指導医について」
歯科医院の開業資金
歯科医院の開業準備を滞りなく進めるために、歯科医院の開業資金を調達しておきましょう。開業資金が不足すると準備が滞るだけではなく、開業後の運転資金にも影響します。そこで歯科医院開業資金の相場と内訳、節約方法をご紹介します。
資金の相場
まず歯科医院開業資金の相場は、5千万~1億円程度です。ただし歯科医院の立地や規模、物件の種類(スケルトンか居抜き)、診療内容に応じて、開業資金は変動します。特に診療内容に応じて、必要な歯科医療の設備・機器・什器が異なりますので、ご注意ください。
資金の内訳
次に下表に、歯科医院開業資金の内訳をまとめました。参考情報として、スケルトン物件(20坪で賃料月50万円)を賃借する場合にかかる開業資金を試算してあります。
開業資金の内訳 | 各費用の目安 | スケルトン物件にかかる費用(20坪で賃料月50万円) |
物件取得費(敷金・礼金・前賃料) | 合計の5%程度(賃料の6~12か月分程度) | 300万~600万円程度 |
内外装工事費 | 合計の30%程度 | 1,500万~3,000万円程度 |
設備・機器・什器費 | 合計の30%程度 | 1,500万~3,000万円程度 |
諸経費(消耗品や集客、採用、届出・許可など) | 合計の5%程度 | 200万~400円程度 |
運転資金 | 合計の30%程度 | 1,500万~3,000万円程度 |
合計 | 100% | 5千万~1億円程度 |
上表のとおり、歯科医院の開業資金において、内外装工事費と設備・機器・什器費の割合が大きいです。したがって開業資金を節約するためには、内装工事費と設備・機器・什器費を抑えることが求められます。
資金の節約・調達方法
歯科医院開業資金の節約方法として、まず必要最低限の内装・設備・機器・什器を導入しましょう。開業後に利益を蓄えてから、追加投資できるからです。
また人件費を抑えるために、正規雇用だけではなく、非正規雇用の従業員を採用しましょう。有資格者の歯科衛生士や歯科助手を正規雇用として配置しますが、無資格者をパートやアルバイトとして採用し資格取得を補助できます。
そして補助金や助成金を活用しましょう。例えば下記の助成金・補助金がありますが、助成・補助の目的や申請の条件・時期などが異なります。開業する歯科医院に適する補助金・助成金の申請をご検討ください。
- キャリアアップ助成金
- 両立支援等助成金
- 人材確保等支援助成金
- 働き方改革推進支援助成金
- 人材開発支援助成金
- ものづくり補助金
- 事業復活支援金
- IT導入補助金
- 事業再構築補助金
- オンライン資格確認関係補助金
参照元:
医療機関等向けポータルサイト「オンライン資格確認関係補助金」
歯科医院を失敗しないように開業しよう!
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監修者
-
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