2020.10.26 2022.06.16|店舗デザイン
クリニック内装デザインのポイント!工事費用や施工事例もご紹介
「クリニックの内装をどうデザインしたらいい?」「内装の施工事例を知りたい!」とお悩みではないでしょうか?内装デザインは、クリニックの利便性と集患に影響する大切な要素です。
そこで本記事では、内装デザインの重要性やポイントを解説します。内装制限やバリアフリー法などのルールや工事費用、施工事例もご紹介しますので、クリニックの開業や移転、改装などを検討中の経営者・担当者の方はぜひご覧ください。
目次
クリニック経営における内装デザインの重要性
クリニック経営では、内装デザインが重要な役割を果たします。内装デザインの良し悪しは患者や従業員の利便性だけでなく、集患にも影響を与えるからです。加えて集患を伸ばすためには、独自性を演出する必要があります。
またリピーター獲得のためには、清潔感と機能性も必要です。清潔感のある内装をデザインすることで、「衛生管理を徹底している」姿勢を示せます。さらに「通い続けたい」という信頼を獲得するためには、待合室の導線やレイアウトなどを意識して居心地のよい空間をデザインしましょう。
さらに新規患者を獲得するためには、内装に独自性を出してください。Webサイトにクリニックの内装写真を掲載すれば、Web検索する患者の目を引きます。来院した顧客がSNSに投稿してくれたら、宣伝効果を得られます。
クリニック内装デザインのポイント
クリニック内装デザインの重要性をお伝えしましたが、具体的にどうデザインすればよいのでしょうか?診療科目によって必要な設備・機器は異なりますが、主なポイントを押さえることでデザインしやすくなりますので、ぜひご確認ください。
院内の動線を設計する
まずはスムーズな診療を保障するためには、院内の導線を設計することが大切です。患者と従業員の動線は異なりますので、互いに動線を妨げないように設計してください。医師や看護師のために、専用通路や休憩室などをレイアウトする必要があります。
また患者の導線については、来院して受付や診察室、検査室、会計場所へとスムーズに移動できるように、患者目線で検討しましょう。車椅子の患者が多いクリニックや子どもの来院が多いクリニックにおいては、通路や待合室の広さにも注意が必要です。
患者のプライバシーに配慮する
次に顧客のプライバシーに配慮できるようにデザインしてください。個人情報が漏れないように注意が必要です。特に個人情報が書かれている書類を鍵付きの書庫に収納して、なおかつ顧客の視線に入らない場所に配置してください。
また診療中や検察中の会話が外へ漏れないように、遮音性の高い間仕切りを施工します。内装設備のレイアウトや素材によって音が振動・共鳴しますので、内装業者に希望を伝えましょう。
衛生面と安全面に気をつける
クリニックでは医師や看護師が患者に直接触れる場面が多いので、内装の衛生面にも気をつけなければなりません。顧客の処置後に手洗いできるように、処置室に水道設備をデザインしたり、人がよく触れる内装に抗菌コーティングしたりしてください。
また注射器や薬といった医療器具・備品の取り扱いのために、内装の安全面にも配慮が必要です。患者の手が届かない場所に器具廃棄場所をデザインしたり、鍵付きの棚に薬を閉まったりすることで管理を徹底しましょう。
必要な収納スペースを確保する
医療器具・備品の在庫を想定して、必要な収納スペースを確保しましょう。特にカルテや使い捨ての医療器具の保管場所については、内装デザイン段階から明確にすることをおすすめします。デザイン段階で収納スペースを決めることで、想定外のトラブルを防ぎます。
特に家電製品(扇風機や加湿器など)や掃除用具などを患者に見えない形で収納する必要がありますので、事前に収納スペースを確保しておかなければなりません。内装のスペースは限られていますので、壁面収納や吊り戸棚の活用も検討してください。
クリニック内装デザインに対する内装制限
クリニックの内装をデザインする際には、内装制限を守らなければなりません。内装制限とは建築基準法によって内装の素材や設備などについて定められたルールであり、建物の防火と消火、人命救助などを目的としています。
制限される範囲は建築物の種類や規模によって変わりますが、基本的には燃えにくい素材を使用する必要があります。燃えにくい素材を使うことで、急速な火の燃え広がりを防ぐことができ、顧客を安全に避難させることができるからです。
例えば病床のあるクリニックは「特殊建築物」に分類されるため、壁と天井に「準不燃以上」の素材を使用するように制限されています。内装制限を遵守しながらデザインできるように業者と相談してください。内装制限について下の記事に詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
バリアフリー法に基づいたクリニックの内装デザイン
内装制限以外だけではなく、バリアフリー法を守る必要もあります。バリアフリー法とは高齢者や障がい者が肉体的・精神的に負担なく移動できるようにバリアフリー化を促進する法律です。
患者が利用しやすい内装設備の広さや数などについて、「バリアフリー法に基づく建築物移動等円滑化基準(義務基準)」に具体的に定められていますので、基準を守って内装をデザインしなくてはなりません。
クリニックの診療科目によって、車椅子や松葉杖を利用する患者が来院します。建築物の出入り口や廊下、トイレといった設備の幅や広さをバリアフリー化することで、患者に利用しやすいクリニックを提供できます。
独自性のあるクリニック内装デザインの施工事例
内装制限やバリアフリー法を遵守すると、どのクリニックの内装デザインも同じになってしまうと感じるかもしれません。しかしルールを守りながら、独自性のある内装をデザイン可能です。IDEALが施工した事例もいくつか紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
落ち着いた配色の待合室
「MIZENクリニック市ヶ谷」様は、配色を工夫することで落ち着いた雰囲気の待合室をデザインされました。患者の緊張を緩和できるように、クリニックのコンセプトカラーであるライトグリーンを内装の各所に取り入れてあります。
また清潔感を演出できる白の壁に、相性のよい木の床材や什器を合わせることで、暖かな雰囲気を演出しています。さらに患者がゆったりと安らぎを感じていただけるように、暖色系の照明を施工しました。
ホテルのような内装
北原リハビリテーション病院は、病院とは思えない「ホテルのような外観と内装は、おしゃれで豪華な印象です。
参考:ジョブメドレー「温泉・牧場・宇宙船? “病院っぽさ” を徹底排除した「北原リハビリテーション病院」
上品で洗練された内装
「GLOWクリニック 渋谷院」様は上品で洗練された内装をデザインするために、クリニックの壁と床を白に統一しました。白は空間を広く見せる効果がありますが、エントランスを鏡張りにすることでさらに広く感じます。
またクリニックの柱に設置したネオンサインがクリニックのロゴをかたどっていて、インパクトがあります。一方でトイレには暖色系の照明を施工して、落ち着ける空間をデザインしています。
審美性を追求した内装
「YASUOKA DENTAL OFFICE UMEDA」様は「人生を好転させる歯科医療」をコンセプトに、歯に痛みが出たら通う場所という固定概念を払拭することを目指しています。安全性・審美性に優れた歯科サービスを連想させる豪華な内装をデザインされました。
審美治療を提供するクリニックにふさわしいように、治療室の壁と天井にグレーを、患者の座る診察台に黒を、医療器具にシルバーを選びました。トイレは黒をベースに高級ホテルのようなデザインを施しました。
和風にこだわった内装
たき歯科医院は「歯科医院らしくない内装」が印象的で、和風の要素を惜しげもなく取り入れています。
参考:たき歯科医院公式サイト
清潔でおしゃれな内装
「げんき堂整骨院 泉中央セルバテラス」様は、顧客が入りやすい雰囲気づくりを目指しています。従来の接骨院のイメージをくつがえすために、シンプルで洗練された院内をデザインされました。例えば柱と壁に統一感のあるモチーフを施工して、おしゃれさを出しています。
また洗練された空間に清潔感をプラスできるように、白とシルバーの院内に明るい照明を組み合わせています。さらに爽やかで誰からも受け入れてもらえる空間を演出できるように、入り口付近の柱にイメージカラーのグリーンをアクセントとして取り入れました。
人工芝を活用した開放的な内装
「B-spo スポーツ鍼灸接骨院」様は、施術スペースに人工芝を敷くことで開放的な空間を演出されています。床に人工芝を取り入れるクリニックとして独自性を出しており、人工芝の色に合わせてグリーンのカーテンやブラウンのタオル類を選びました。
また患者の気分を落ち着かせるデザインとして、エントランス付近を暖色系の照明で照らしたり、待合室の床や扉をブラウンにしたりしました。
美術館のような内装
江戸川病院は、美術館のような印象を受けます。病院らしくないユーモアを感じられる内装です。
参考:江戸川病院公式サイト
クリニックの内装工事費用
クリニック内装デザインの施工事例に触れると、どれだけの費用がかかっているのかも気になるところです。内装工事費用を事前に把握すれば、予算の確保や資金調達などに役立ちます。クリニックの内装工事費用の相場や内訳、注意点を解説しましょう。
内装工事費用の相場
クリニックの内装工事費用の相場は、坪単価30万〜80万円程度です。物件の種類(スケルトンや居抜き)や規模、立地などによって、工事費用は変動します。またレントゲン室などの特殊な医療設備を施工する分だけ、他業種の店舗より坪単価が高い傾向にあります。
また診療科目によっても、工事費用に差が出ます。クリニックの主な診療科目の坪単価について、下の表にまとめました。
診療科目 | 相場(坪単価) |
内科 | 20万~70万円程度 |
整形外科 | 20万~70万円程度 |
眼科 | 30万~80万円程度 |
小児科 | 30万〜80万円程度 |
心療内科 | 20万〜50万円程度 |
歯科 | 30万~80万円程度 |
ただし同じ診療科目であっても、診療内容(手術や入院の有無など)によって必要な設備は変わります。具体的な診療内容を決定することで、必要な設備や什器の工事費用を計算できます。
内装工事費用の内訳
クリニックの内装工事費用には、さまざまな内容が含まれています。内訳を把握しておくと、見積もりを確認するときの参考になります。30坪のクリニックを内装工事する費用の内訳を下表にまとめました。
内装工事費用の内訳 | 30坪の内科クリニックを工事する費用 |
仮設・解体工事費 | 15万~30万円程度 |
軽量鉄骨・ボード工事費 | 120万~150万円程度 |
建具工事費 | 130万~200万円程度 |
内装仕上げ工事費 | 120万~140万円程度 |
家具工事費 | 100万~200万円程度 |
給排水設備工事費 | 50万~100万円程度 |
電気設備工事費 | 50万~140万円程度 |
空調設備工事費 | 50万~150万円程度 |
合計 | 600万~1100万円程度 |
内装工事費用の注意点
まず高額な医療設備の導入にご注意ください。設備の数が増えるほど、施工費も高くなります。医療設備を施工するためには、設備を支える床や配線の工事が必要になります。特に審美歯科や美容外科などは、高額な設備を必要とします。
また物件探しの段階で電気容量を確認するようにご注意ください。物件の電力容量が足りなければ、電気工事が必要になります。予定外の追加費用が発生することを防ぎたいですよね。
そこで内装工事費用を正確に計算するために、図面を入手して内装業者に相談するのがおすすめです。図面があれば、設備工事や電気工事に関して費用がどれくらいになるのかを見積りしてもらえます。
患者が安心して過ごせるクリニックの内装をデザインしよう
クリニックには、患者が安心して過ごせる空間が求められます。受付から診療までを気分よく過ごせるレイアウトや動線などを意識してください。I施工事例を参考にしながら、顧客満足度を高める内装をデザインしましょう。
IDEALはクリニックや店舗のコンセプト設計から内装デザイン・工事、資金調達、集客までをワンストップソリューションとしてお手伝いしております。
クリニックや店舗の開業や移転、改装をご検討中の経営者・担当者の方は、お気軽にご相談ください。
監修者
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IDEAL編集部
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