2024.03.04 2024.04.01|新規開業ノウハウ
ダンススタジオ開業に関する基本情報!開業の注意点・事例・資金も紹介
本記事で、ダンススタジオ開業に関する基本情報を解説します。ダンススタジオ開業の注意点・事例・資金もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
ダンススタジオの開業に関する基本情報
ダンススタジオの開業準備を始める前に、基本情報を押さえておきましょう。基本情報を押さえることで、開業準備に必要な情報を確認できるからです。そこでダンススタジオの主なサービスやメリット・デメリット、ダンスの種類、経営者の年収をご紹介します。
主なサービス
まずダンススタジオの主なサービスには、ダンスのレッスンやイベント、物販、スタジオのレンタルなどが挙げられます。ダンススタジオの経営においては、稼働していない時間を減らせるほど、売上を増やせますので、幅広いサービスの提供を検討しましょう。
例えば日中に学生や高齢者へ向けたダンスのレッスンを提供するなら、夜間にレンタルスタジオとして社会人に貸し出すことで、営業時間を伸ばせます。なお店舗物件を所有・賃借せずに、スタジオの間借りやレンタルによっても、サービスの提供は可能です。
メリット・デメリット
次にダンススタジオを開業するメリットには、初期費用の低さや特別な資格が不要なこと、スタジオのレンタルによる収益獲得などがあります。他業種(飲食店やサロンなど)とは異なり、特別な設備・機器・什器(厨房設備や美容器具など)が不要です。
一方で集客や騒音・振動対策などのコストは、ダンススタジオを開業するデメリットです。食事や医療などのサービスと比べると、ダンスに対する需要は少ないため、集客にコストがかかります。またダンスの騒音や振動による近隣トラブルを避けなくてはなりません。
ダンスの種類
またダンススタジオを開業する前には、ダンスの種類も確認しておきましょう。
- 古典的なダンス(バレエダンスや社交ダンス、ジャズダンス、タップダンスなど)
- 現代的なダンス(ポップダンスやヒップホップダンス、ブレイクダンス)
- 世界的なダンス(K-POPダンスやレゲエダンス、ラテンダンスなど)
参照元:
RADBASE「世界のダンス8種類を一覧でご紹介!踊りのジャンルを選ぶ方法も合わせて解説」
SHINYDANCEACADEMY「ダンスのジャンル【動画付きで解説】ダンスを始めてみたい方必見!」
以上のような種類の中から、開業するダンススタジオでレッスンやレンタルに対応するダンスを厳選しなくてはなりません。ダンスの種類によっては、特殊な床材や設備などが必要になるからです。
経営者の年収
それからダンススタジオを開業する経営者の年収について、Web上に調査結果などは掲載されていませんでした(2024年1月時点)。ただし立地や店舗数、従業員数、利益率などに応じて、400万〜1,500万円程度と推定されます。
例えば「月1万円で120人に小グループのレッスンを提供する利益率30%のダンススタジオ」を1店舗経営するなら、経営者の年収は約430万円程度です。
- 月1万円×120人×12ヶ月×利益率30%≒約430万円程度
そして上記の店舗を3店舗に拡大できれば、経営者の年収は約1,300万円になります。
- 1店舗の利益430万円×3店舗≒約1,300円程度
ダンススタジオの開業準備に関する注意点
基本情報だけではなく、ダンススタジオの開業準備に関する注意点も確認しましょう。8点(コンセプト・事業計画書や開業資金、店舗物件、デザイン・工事、設備・機器・什器、資格・免許・届出・許可、採用・研修、集客活動)を取り上げます。
コンセプトの設計と事業計画書の作成
まずダンススタジオの開業準備に関する注意点として、コンセプトの設計と事業計画書の作成が挙げられます。コンセプトは、店舗経営の基本方針となり、競合店との差別化に活用できるからです。
そして店舗のコンセプトに基づいて事業計画書を作成することで、開業資金の調達や従業員の研修などに活用できます。店舗のコンセプトを設計する流れと方法などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
開業資金の調達
次に開業資金の調達も、ダンススタジオの開業準備に関する注意点です。自己資金だけで不足する場合には、開業資金の調達方法(出資や借入、融資、補助金・助成金など)を検討しましょう。
ただし開業資金の調達方法ごとに、申請の条件や時期、方法などが異なります。各調達方法の詳細や開業資金を調達するポイントなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
店舗物件の選定
また物件の選定も、ダンススタジオの開業準備に関する注意点です。店舗物件は、コンセプトを実現させる手段です。また立地は集客に影響して、賃料は運転資金の中で大きな割合を占めます。
そこで希望条件(立地や間取り、賃料など)を整理したうえで、店舗物件の選定を開始しましょう。店舗物件の探し方や選ぶときの注意点などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
店舗のデザイン・工事
それから店舗のデザイン・工事も、ダンススタジオの開業準備に関する注意点です。店舗のデザインは、集客と売上に影響します。特にダンススタジオにおいては、防音・防振対策を講じなければ、近隣からのクレームを受ける恐れもあるため、ご注意ください。
そこでダンススタジオの対応するダンスの種類に応じて、床材や防音・防振対策などを検討しましょう。他にもダンススタジオの内装をデザインするコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
設備・機器・什器の手配
そして設備・機器・什器の手配も、ダンススタジオの開業準備に関する注意点です。一般的なダンススタジオでは、水道・電気設備や音響・映像機器や個人用ロッカー・可動型パーテーションなどの什器が利用されます。
開業するダンススタジオのサービスや用途に応じて、必要な設備・機器・什器を手配しましょう。店舗で利用される什器の分類や入手方法などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
資格・免許の取得や届出・許可の申請
さらに資格・免許の取得や届出・許可の申請も、ダンススタジオの開業準備に関する注意点です。法的にダンススタジオの開業に必須となる資格・免許はありませんが、ダンス教師の資格を取得することで専門的なレッスンの提供が可能です。
参照元:
またダンススタジオの開業に必要な届出・許可をご確認ください。
- 税務に関する手続き(個人事業の開業届または法人の設立届など)
- 防火管理者選任届・防火対象設備使用開始届(該当する場合)
- 社会保険や労働保険の加入手続き(従業員を雇用する場合)
日本年金機構「事業所が健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」
なお基本的に「客にダンスをさせる営業」(キャバレーやナイトクラブ、ダンスホールなど)は、風営法の規制対象です。ただし条件(指定講習の修了など)を満たすダンススタジオは、規制対象外となります。
参照元:内閣府「風営法で規制する『客にダンスをさせる』営業」
人材の採用・研修
加えて人材の採用・研修も、ダンススタジオの開業準備に関する注意点です。ダンスレッスンのインストラクターを雇用する場合や複数の店舗を経営する場合などには、人材を採用しなくてはなりません。
そしてダンススタジオ開業の数週間前には、従業員に対する研修も必要です。店舗経営における人材採用のコツや研修の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
集客活動の計画
なおダンススタジオの開業準備に関する注意点として、集客活動の計画も挙げられます。特に新規参入する場合には、開業当初から新規顧客を獲得できるように、開業前からの集客活動が重要です。
そこで開業するダンススタジオのターゲット層に情報を届けられるように、オンライン(SNSやMEOなど)とオフライン(ポスティングや雑誌広告など)の集客方法を組み合わせましょう。店舗の集客に成功した事例などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
ダンススタジオ開業の参考事例
開業準備に関する注意点と併せて、ダンススタジオ開業の参考事例を調査しましょう。本記事では事例5点を取り上げて、各事例の特徴(駅チカ・レンタルスペース・無人スタジオ・フロア面積の広さ・コスパ)をご紹介します。
駅チカのレッスンスタジオ
まず「DANCE STUDIO BRIGHT」は、駅チカのレッスンスタジオです。阪急電鉄宝塚本線池田駅より徒歩2分でスタジオに到着します。交通の便が良いため、幅広い顧客層(社会人や学生、高齢者など)にとって通いやすいです。
オープン当初には、入会金や初回レッスンの無料キャンペーンを実施して、集客活動を展開。早朝から夜間まで、ダンス未経験者からプロを目指すダンサーへ向けて、レッスンを提供しているスタジオです。
参照元:
DANCE STUDIO BRIGHT 「TOP PAGE」
PR TIMES「大阪府池田市に地域密着型ダンススタジオをオープン ~地域活性化に貢献すべく地域イベント等へ積極的に参加します~」
ダンスレッスンにも活用できるレンタルスペース
次に「レンタルスペースBay Sands」は、ダンスレッスンにも活用できるレンタルスペースです。2~3人程度の小規模レッスンが推奨されています。ダンス用の大きな鏡やWi-Fi、Bluetoothスピーカー、三脚も利用できるため、重たい機材を持ち込む必要がありません。
またダンスレッスンだけではなく、多用途(ヨガや映画鑑賞、テーブルゲームなど)に対応しています。駅から徒歩5分の場所にあるため、交通の便が良いレンタルスペースです。
参照元:
SPACE MARKET「レンタルスペースBaySands」
動画撮影に対応した無人スタジオ
そして「ZERO DANCE STUDIO」は、動画撮影に対応した無人スタジオです。調光・調色可能な照明器具や音響設備が設置されているため、手軽にSNS用の動画などを撮影できます。スタジオのレンタル料を支払えば、設備・器具の利用は無料です。
また札幌市内の3箇所に、無人スタジオが展開されています。公式LINEアカウントから予約をすると、暗証番号が送られてくるため、無人スタジオへ入室できます。時間単位での予約が可能です。
参照元:
【公式】ZERO DANCE STUDIO (ゼロダンススタジオ)「札幌のレンタルダンススタジオ- 綺麗でオシャレ映えるスタジオ」
フロア面積の広いレンタルスタジオ
さらに「アテール明大前第一スタジオ」は、フロア面積の広いレンタルスタジオです。足腰への負担軽減のために、80㎡を超えるバレエ専用の床が施工。同時に20名までの利用に対応されています。
また音響設備や電子ピアノ、バレエバー、ヨガマットなどが準備されているため、バレエ以外のダンスだけではなく、ヨガやピラティスなどにも対応しています。最寄駅から徒歩数分の立地で、交通の便が良いスタジオです。
参照元:ATERRE「アテール明大前第1スタジオ| アテールのレンタルバレエスタジオ」
コスパに優れたレンタルスタジオ
それから「BUZZ福岡天神2nd」は、福岡市内の3店舗を構えるレンタルスタジオです。30分100円からレンタルできるため、コスパに優れています。ただしレンタル料金は、店舗の立地や時間帯によって異なります。
スタジオの広さも、店舗ごとに異なります(Aスタジオ31.6㎡とBスタジオ12㎡、Cスタジオ13㎡)。Aスタジオは最大12人を収容できるためグループの利用に対応しており、B・Cスタジオは個人練習に適しています。
ダンススタジオの開業資金
参考事例のようなダンススタジオを開業するためには、開業資金が必要です。そこでダンススタジオ開業資金の相場と内訳をご紹介します。無駄な経費を削減できるように、開業資金の節約法も確認しましょう。
相場
まずダンススタジオ開業資金の相場は、坪単価40万〜70万円程度です。例えば20坪のスケルトン物件を賃貸するなら、800万〜1400万円ほどかかります。ただし店舗の立地や物件の種類(居抜きかスケルトン)、設備・機器・什器の台数などによって、開業資金は変動します。
内訳
次にダンススタジオの開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、20坪のスケルトン店舗物件にかかる資金を試算してあります。
開業資金の内訳 | 各費用の目安 | 各費用の試算 |
物件取得費 (敷金や礼金、前賃料など) | 10%程度 賃料の4〜7ヶ月程度 | 80万〜140万円程度 (賃料20万円で20坪の スケルトン物件) |
店舗デザイン・工事費 (内装や外観、設備・ 機器・什器など) | 70%程度 坪単価30万〜50万円 | 600万〜1000万円程度 |
諸経費 (開業前の資格や届出・許可、 採用・研修、集客など) | 10%程度 | 80万〜140万円程度 |
運転資金 (開業後の光熱水費や賃料、 人件費など) | 10%程度 賃料の4〜7ヶ月程度 | 80万〜140万円程度 |
合計 | 100% (坪単価40万〜70万円) | 800万円〜1400万円程度 |
上表のとおり、ダンススタジオ開業資金においては、店舗デザイン・工事費が大半を占めます。つまり店舗の内装や外観、設備・機器・什器にこだわるほど、開業資金がかかりますのでご注意ください。
節約法
そしてダンススタジオ開業資金の節約法には、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取って、各業者の見積もり(工事の費用や内容、期間など)を比較すれば、無駄な経費を削減しやすいです。
居抜き物件を活用して、内装や外観、設備・機器・什器などを譲渡してもらえると、新規工事費用を抑えられます。ただし居抜き物件にはメリットだけではなく、デメリットもありますので、次の記事を併せてご覧ください。
店舗の設備投資や人材育成に対する補助金・助成金を受給できれば、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。ただし補助金・助成金ごとに申請の条件や期限、方法などが異なりますので、次の記事も併せてご覧ください。
ダンススタジオの開業準備を始めよう!
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監修者
-
IDEAL編集部
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