2024.05.20  2024.04.14|新規開業ノウハウ

ペットショップ開業の基本情報!資格・許可などの注意点と事例・資金も紹介

ペットショップ開業の基本情報!資格・許可などの注意点と事例・資金も紹介

本記事で、ペットショップ開業の基本情報を解説します。資格・許可などの注意点と事例・資金もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

ペットショップ開業の基本情報

ペットショップ開業の基本情報

ペットショップの開業準備を始める前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を確認することで、開業準備を進めやすいからです。それではペットショップの市場規模と主なサービス、法規制、業態をご紹介します。

市場規模

まずペットショップの市場規模は、以下の資料によると1.7兆円程度(2021年のペット関連事業の市場規模)でした。コロナ禍において市場規模が縮小した飲食業界とは対照的に、巣ごもり需要からペットと過ごす時間が増加したためだと推測されています。

そして今後もペットショップの市場規模は拡大していくと予想されています。ペットフードやペット用品、生体販売・サービスに対する需要が増えているからです。人間と同様に、飼い主のペットに対する健康意識が高まっています。

参照元:市場調査とマーケティングの矢野経済研究所「ペットビジネスに関する調査を実施(2022年)」

主な商品・サービス

次にペットショップの主な商品・サービスは、幅広いです。

  • ペットフード・用品・サプリメント・洋服などの販売
  • 生体の販売
  • 教育・健康に関するサービス(しつけ・トリミング・ホテル・保険)
  • レジャーに関するサービス(旅行・カフェ・ドッグラン)

従来はペットの生体や用品の販売がメインサービスでしたが、飼い主のペットに対する愛護意識が高まるにつれて、幅広い商品・サービスが開発・販売されています。

参照元:PEDGE(ペッジ)「ペット産業の動向~市場規模、競争環境、主要プレイヤー 」

法規制

それからペットショップは、「動物の愛護及び管理に関する法律」によって規制されています。動物の所有者や占有者、販売業者の責務や地方公共団体の措置などが定められた法律です。

そしてペットショップを開業する際には、「動物の愛護及び管理に関する法律」に基づいて、第一種動物取扱業(動物の販売・保管・貸出・訓練・展示・競り斡旋・譲受飼養)の登録が必要です。

参照元:e-gov法令検索「動物の愛護及び管理に関する法律」(第1~10条)

業態

そしてペットショップの業態は、経営手法によって個人経営とフランチャイズ経営に分類されます。自由な方針で経営できる個人店に対して、フランチャイズ店にはブランド力やノウハウがあります。

また業務内容(動物の販売・保管・貸出・訓練・展示・競り斡旋・譲受飼養)によっても、ペットショップの業態は分類されます。例えばペットグッズの販売とトリミングの提供など、複数の業務を取り扱うペットショップの開業も可能です。

ペットショップの開業準備に関する注意点

ペットショップの開業準備に関する注意点

基本情報だけではなく、ペットショップの開業準備に関する注意点も確認しましょう。8点(コンセプト・事業計画書と店舗物件、商品・サービス、仕入先、資格・免許・届出・許可、採用・研修、集客活動)をご紹介します。

コンセプト設計と事業計画書作成 

まずペットショップの開業準備に関する注意点として、コンセプト設計と事業計画書作成が挙げられます。店舗経営の基本方針であるコンセプトは、競合店との差別化や開業資金の調達などに必要です。

そして設計したコンセプトや売上目標などを記載して、事業計画書を作成しましょう。ペットショップにも活用できる事業計画書の書き方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

開業資金の調達

次に開業資金の調達も、ペットショップの開業準備に関する注意点です。開業前の初期投資(物件取得費やデザイン・工事費など)や開業後の運転資金(人件費や集客費など)が不足する場合には、開業資金の調達を開始しましょう。

開業資金の調達方法には、出資や借入、融資、補助金・助成金などがあります。ペットショップにも活用できる開業資金を調達するポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗物件の選定とデザイン・工事

それから店舗物件の選定とデザイン・工事も、ペットショップの開業準備に関する注意点です。店舗物件はコンセプトを実現させるための手段であり、立地は集客率に影響します。賃料や間取りなどの希望条件を整理したうえで、店舗物件を選定しましょう。

店舗物件の購入や賃借を契約できたら、デザイン・工事を計画します。ペットショップにも活用できる外観をデザインするコツや内装工事費用などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

商品・サービスの企画と開発

さらに商品・サービスの企画と開発も、ペットショップの開業準備に関する注意点です。競合店との差別化を図り、集客と売上を伸ばすために、魅力的な商品・サービスを企画しましょう。

ターゲットとする顧客層のニーズに応える商品・サービスを開発するためには、市場調査が重要です。ペットショップにも活用できる商品やサービスを企画・開発するポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

仕入先の選定

続いて仕入先の選定も、ペットショップの開業準備に関する注意点です。商品やサービスの価格や品質を保つために、仕入先の選定が重要です。複数の業者から見積もりを取って、比較・検討しましょう。

例えばペットの生体販売を扱う場合には、ブリーダーやオークション、卸売業者などの仕入先があります。ペットショップにも活用できる仕入先を選ぶ際のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

資格・免許取得と届出・許可の申請

また資格・免許取得と届出・許可の申請も、ペットショップの開業準備に関する注意点です。提供する商品・サービスや店舗物件の規模、従業員の有無などによって、必要な資格・免許や届出・許可が異なります

  • 愛玩動物飼養管理士やトリマーなどの資格(業態によって異なる)
  • 動物取扱責任者の資格
  • 第一種動物取扱業の登録
  • 税務に関する手続き(個人事業主の開業届または法人の設立届など)
  • 防火管理者選任届・防火対象設備使用開始届(該当する場合)
  • 社会保険や労働保険の加入手続き(従業員を雇用する場合)

参照元:

公益社団法人愛玩動物協会「愛玩動物飼養管理士」

一般社団法人 ジャパンケネルクラブ「トリマーについて」

東京都保健医療局「動物取扱責任者等」

東京都保健医療局「第一種動物取扱業の登録について」

国税庁「個人で事業を始めたとき/法人を設立したとき」

日本年金機構「事業所が健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」

厚生労働省「労働保険の成立手続」

従業員の採用・研修

そして、従業員の採用・研修も、ペットショップの開業準備に関する注意点です。大規模な店舗を開業する場合には多店舗展開する場合には、従業員の採用活動を開始します。採用したい職種と採用基準を明確にしておきましょう

なお開業前に、店舗の営業や接客、ペットの取り扱いなどに関する研修も必要です。ペットショップにも活用できる人材採用のコツと研修の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客活動

なお集客活動も、ペットショップの開業準備に関する注意点として挙げられます。ペット業界に新規参入する場合には知名度がありませんので、新規顧客を獲得するためには開業前からの集客活動が重要です。

集客活動の方法には、オンライン集客(SNSやMEOなど)とオフライン集客(交通広告やポスティングなど)があります。ペットショップにも活用できる店舗の集客に成功した事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ペットショップの開業事例

注意点に気をつけながら開業準備を進められるように、ペットショップの開業事例を調査しましょう。本記事では事例5点を取り上げて、各事例の特徴(ペットのいないペットショップや動物病院併設、野ウサギ専門、商業施設内、保護犬猫)をご紹介します。

ペットのいないペットショップ

ペットのいないペットショップ

まず「ペットフェリーチェ」は、ペットのいないペットショップを限定営業しました。保護犬・保護猫の里親という選択肢を周知するためです。生体販売を行わずに、犬や猫のホログラムが投影されました。

「ペットフェリーチェ」の通常の店舗では、ペットのトレーニングやホテル、トリミングなどのサービスが提供されています。動物愛護のために、保護犬・保護猫の里親探しも行うペットショップです。

参照元:

AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議「生体販売を行わないペットショップ 保護犬や保護猫をホログラムで投影、ペットフェリーチェ」

petfelice(ペットフェリーチェ)「サービス紹介」

動物病院併設のペットショップ

動物病院併設のペットショップ

次に「ペットショップCoo&RIKU」は、動物病院併設のペットショップです。店内フロアには、ペット用品コーナーやトリミングスペース、ペットホテル、動物病院がレイアウトされています。

店外には、アジリティコースを備えたドッグランもデザインされています。無料で開放されているため、愛犬の運動やストレス発散のために利用できます。ペットのグッズから健康管理までに対応しているペットショップです。

参照元:

ペットショップCoo&RIKU「2024年3月9日 移転リニューアルオープン 愛知県 岡崎店」

BCN+R「愛知県にドッグランを併設したペットショップがオープン、ペットホテルや動物病院も併設 」

野ウサギ専門の保護施設

野ウサギ専門の保護施設

それから「ふじみ野うさぎハウス」は、ウサギ専門の保護施設です。野ウサギの保護活動を中心に、情報発信やグッズ販売などを行っています。クラウドファンディングによるサポートを受け付けています。

野ウサギは「動物の愛護及び管理に関する法律」の対象でありながら、保護施設の設置が義務づけられていません。そこで犬猫のペットショップと同じように来店しやすい場所を目指しています。

参照元:

ふじみ野うさぎハウス「 埼玉県でうさぎの保護活動をしています」

READYFOR「ペットショップよりも保護うさぎを選んでいただくために【継続支援】(うさぎとひとの幸せを支える会 2024/03/05 公開) – 継続寄付」

商業施設内にあるペットショップ

商業施設内にあるペットショップ

続いて「ひごペット ヴィアモール アピタ江南西店」は、商業施設内にあるペットショップです。ヴィアモールアピタ江南西の1階に位置し、370坪のフロア面積を誇ります。ペットの生体販売やフード販売、ホテル、サロン、しつけ教室などを提供する店舗です。

販売するペットは犬猫だけではなく、鳥や小動物、魚類、爬虫類・両生類、昆虫と幅広いです。「HIGO ENJOY PARK」をコンセプトに、飼い主とペットの快適な暮らしをサポートするペットショップです。

参照元:

PR TIMES「東海地区最大級!「ひごペットフレンドリー ヴィアモール アピタ江南西店」が12月1日(金)グランドオープン!」

ペットショップ ひごペットフレンドリー「ひごペット ヴィアモール アピタ江南西店」

保護犬猫の里親を募集するペットショップ

保護犬猫の里親を募集するペットショップ

そして「犬居猫座衛門」は、保護犬猫の里親を募集するペットショップです。犬猫のトリミングやホテル・ドッグランのサービスを提供しながら、保護犬・保護猫の里親募集を行っています。

経営者はトリマーや動物看護士の資格を所持しており、災害時にはペットレスキューにも出かけます。犬猫の保護活動が認められて、地元のメディアに取材も受けているペットショップです。

参照元:

犬居猫座衛門「佐賀市 トリミングサロン、ペットホテル、ドッグラン」

kachi kachi plus「保護犬・保護猫の里親募集なども行うペットショップ!佐賀市「犬居猫座衛門」」

ペットショップの開業資金

ペットショップの開業資金

事例のようなペットショップを開業するためには、資金が必要です。そこでペットショップ開業資金の相場と内訳をご紹介します。無駄な経費を削減できるように、開業資金の節約法もご紹介します。

相場

まずペットショップ開業資金の相場は、坪単価30万~60万円程度です。例えば30坪で賃料月30万円の店舗物件を賃借するなら、900万~1,800万円程度の開業資金がかかります。ただし店舗の立地や物件の種類(居抜きかスケルトン)、商品・サービスなどによって、開業資金は変動します。

内訳

次にペットショップ開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、30坪で賃料月30万円の店舗物件を賃借する際の開業資金を試算してあります。

資金の内訳資金の目安資金の試算
物件取得費
(敷金や礼金、前賃料など)
10%程度
賃料の3〜6ヶ月程度
90万〜180万円程度
(賃料月30万円で
30坪の店舗物件)
店舗デザイン・工事費
(内装や外観、設備・
機器・什器など)
70%程度
坪単価20万〜50万円程度
600万~1,500万円程度
諸経費
(開業前の資格や届出・
許可、仕入れ、採用・研修、集客など)
10%程度90万〜180万円程度
運転資金
(開業後の光熱水費や
賃料、人件費など)
10%程度
賃料の3〜6ヶ月程度
90万〜180万円程度
合計100%
(坪単価30万~60万円程度)
900万円〜1,800万円程度

上表のとおり、ペットショップの開業資金においては、店舗デザイン・工事費が大半を占めます。つまり店舗の内装や外観、設備・機器・什器などにこだわるほど、開業資金が増加するわけです。

節約法

そしてペットショップ開業資金の節約法には、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取って、各業者の見積もり(工事の費用や期間など)を比較すれば、無駄な経費を削減しやすいです。

居抜き物件を契約して、店舗の外観や内装、設備・機器・什器などを引き継げれば、新規工事費用を削減できます。ただし居抜き物件にはデメリットもありますので、次の記事も併せてご覧ください。

補助金・助成金の申請が通れば、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。例えば「小規模事業者持続化補助金」です。環境省により、動物取扱業者が活用できる補助金として紹介されています。

参照元:環境省「動物取扱業者が活用できる補助金」

ペットショップの開業準備を開始しよう!

IDEALは、店舗全般のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
店舗づくりをプロデュースする「IDEAL(イデアル)」が運営。
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