2024.02.08  2024.02.18|新規開業ノウハウ

ネットカフェの開業資金はいくら?年収・業態・資格・許可・事例も紹介

ネットカフェの開業資金はいくら?年収・業態・資格・許可・事例も紹介

本記事で、ネットカフェの開業資金について解説します。ネットカフェの年収や業態、資格・許可、事例などもご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

ネットカフェ開業の基本情報

ネットカフェ開業の基本情報

ネットカフェの開業準備を始める前に、まずは基本情報を確認しましょう。基本情報を把握することで、開業準備を進めやすくなるからです。それではネットカフェのニーズや業態、メリット・デメリット、経営者の年収をご覧ください。

顧客層とニーズ

まずネットカフェの顧客層は、以下の資料によると主に若年男性です。1回3000円以内の消費額で、数か月に1回利用しています。ただし利用を希望している高齢男性や若年女性もいます。

参照元:J-Net21 経営課題を解決する羅針盤「 市場調査データ:インターネットカフェ」

そしてネットカフェに対する消費者のニーズには、セキュリティ対策(女性専用エリア)やプライバシー保護(鍵付き個室)、無料サービス(シャワーやタオル、ドリンク、モーニング)、清潔な店内などがあります。

参照元:

日経XTREND「縮小市場でなぜ勝てる? 『快活CLUB』一強を支える“緩い会議”」

PRITIMES プレスリリース・ニュースリリース配信サービスのPRTIMES「 快活クラブは実際どのくらい利用されているのか調べてみた」

業態

次にネットカフェの業態には、個人経営とフランチャイズ経営があります。個人経営では、事業方針や料金設定などを自由に決められますが、サービスの開発や集客活動などを一から始めなくてはなりません。

一方のフランチャイズ経営では、本部のノウハウ活かして集客活動やサービスの提供をできますが、コスト(加盟料やロイヤリティなど)がかかり、加盟条件や事業方針への同意が必要です。

メリット・デメリット

またネットカフェを開業するメリットとして、運転資金の安さや営業時間の長さなどがあります。一般的なカフェよりも簡単なメニューと接客のため、仕入費や人件費がかからず、24時間営業や無人営業などができるからです。

ただし初期投資の高さや犯罪のリスク、競合店の多さなどは、ネットカフェを開業するデメリットです。通信設備や備品(漫画・雑誌など)の購入が必要ですが、盗難の恐れがあります。また大手チェーン店が、ネットカフェ市場の大半を占めています。

参照元: NIKKEI COMPASS「ネットカフェ・漫画喫茶業界 市場規模・動向や企業情報」

経営者の年収

それからネットカフェ経営者の年収について、Web上に調査結果などは掲載されていませんでした(2024年1月時点)。立地や店舗数、従業員数、利益率などに応じて、500万~1,500万円程度だと推定されます。

例えば「客単価1,000円で1日60人を集客できる利益率30%のインターネットカフェ」1店舗を月26日営業するなら、経営者の年収は560万円程度です。

  • 客単価1,000円×1日60人×月26日営業×12か月×利益率30%=560万円程度

そして上記の店舗を3店舗に拡大できれば、経営者の年収は1,500万円以上になります。

  • 1店舗の利益560万円×3店舗=1,580万円程度

参照元:J-Net21「インターネットカフェ]」

ネットカフェの開業準備に関する注意点

ネットカフェの開業準備に関する注意点

基本情報を踏まえて、ネットカフェの開業準備に関する注意点も確認しましょう。8点(コンセプトと立地・物件、店舗のデザイン・工事、商品・サービス、資格・免許、届出・許可、採用・研修、集客活動)を取り上げています。

コンセプトの設計

まずネットカフェの開業準備に関する注意点として、コンセプトの設計が挙げられます。コンセプトの設計が必要な理由をご確認ください。

  • 店舗経営の基本方針となるため
  • 事業計画書に活用できるため
  • 競合店との差別化を図るため

そこで市場調査に基づいて、開業するネットカフェに明確なコンセプトを設計しましょう。店舗のコンセプトを設計する流れと方法などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

立地と物件の選定

次に立地と物件の選定も、ネットカフェの開業準備に関する注意点です。店舗の立地と物件の選定はコンセプトの実現にとって重要で、集客に影響します。また店舗の賃料は、運転資金の中で大きな割合を占めます。

そこで設計したコンセプトに基づいて、希望条件に合う店舗の立地と物件を選定しましょう。店舗物件を選ぶときの注意点などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗(外観と内装・設備・機器・什器)のデザイン・工事

また店舗(外観と内装・設備・機器・什器)のデザイン・工事も、ネットカフェの開業準備に関する注意点です。集客と売上を伸ばせるように、ネットカフェの内装をデザインするポイントを押さえましょう。

  • コンセプトの設計
  • 個室のレイアウト
  • パーテーションの活用
  • 通信環境の設備
  • 快適な什器
  • 適した空調・換気設備
  • 防犯対策

以上のポイントだけではなく、ネットカフェ内装デザインの施工事例もまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

商品・サービスの開発

さらに商品・サービスの企画・開発も、ネットカフェの開業準備に関する注意点です。サービスを企画・開発する目的は、集客の向上と売上の安定などです。商品・サービスを企画・開発するプロセスを押さえましょう。

  • 市場調査
  • アイデアの洗い出し
  • コンセプトの決定
  • 企画・開発書の策定
  • 商品・サービスの開発
  • 発売準備
  • 広告宣伝と発売

店舗経営の商品・サービスを企画・開発した事例などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

資格・免許の取得

それから資格・免許の取得も、ネットカフェの開業準備に関する注意点です。飲食店の営業許可を取得するためには、食品衛生責任者の資格が求められます。食品衛生責任者の資格を取得する方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

また配置基準を満たす店舗物件には、防火管理者(建物火災の予防と対応に必要な業務を統括する役職)の選任も必要です。防火管理者資格の取り方などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

届出・許可の申請

そして届出・許可の申請も、ネットカフェの開業準備に関する注意点です。ネットカフェの開業に必要な届出・許可をリストにまとめました

  • 税務に関する手続き(個人事業の開業届または法人の設立届など)
  • 飲食店営業許可
  • 防火管理者選任届・防火対象設備使用開始届・火を使用する設備等の設置届(該当する場合)
  • 社会保険や労働保険の加入手続き(従業員を雇用する場合)
  • 深夜における酒類提供飲食店営業開始届出(深夜に酒類を提供する場合)

参照元:

国税庁「個人で事業を始めたとき/法人を設立したとき」

日本年金機構「事業所が健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」

厚生労働省「労働保険の成立手続」

なお深夜酒類提供飲食店営業についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

従業員の採用と研修

続いて人材の採用と研修も、ネットカフェの開業準備に関する注意点です。店舗の営業を任せる場合や複数の店舗を経営する場合などには、従業員を雇用しなければなりません。以下の流れに沿って進めましょう。

  • 求人広告を掲載する
  • 応募者の書類を選考する
  • 採用試験を実施する
  • 合否を通知する
  • 雇用契約を締結する

そしてネットカフェの営業マニュアルやクレームマニュアルなどを作成したうえで、従業員の研修を開始します。なお店舗経営における人材採用のコツや研修の注意点などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客活動の計画

なおネットカフェの開業準備に関する注意点には、集客活動の計画もあります。開業当初から新規顧客を獲得するためには、開業前から知名度を上げなくてはなりません。リピート率を上げるためには、開業後の集客活動も重要です。

店舗の集客方法には、オンライン集客(SNSやMEOなど)とオフライン集客(交通広告やポスティングなど)があります。店舗の集客に成功した事例などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ネットカフェの開業事例

開業準備に関する注意点だけではなく、ネットカフェの開業事例も調査しましょう。本記事では事例5点を取り上げて、各ネットカフェの特徴(独自サービスやアミューズメントエリア、設備投資、イメージモデルオーディション、e-sportsエリア)をご紹介します。

独自サービスを提供する店舗

独自サービスを提供する店舗

まず「快活CLUB」は、独自サービスを提供するネットカフェです。女性専用エリアや鍵付き完全個室、ドリンクの飲み放題、ソフトクリームの食べ放題、シャワーやタオルの無料化などが導入されています。

また「快活CLUB藤沢六会店」には、フィットネスジムが併設。通常の漫画やオンラインゲームなどに加えて、筋トレや有酸素運動に取り組めます。なお全国に展開している505店舗(2021年時点)が、直営店です。

参照元:

日経X TREND「 縮小市場でなぜ勝てる? 「快活CLUB」一強を支える“緩い会議” 

快活CLUB「快活CLUBフィットネス」

アミューズメントエリアが併設された店舗

アミューズメントエリアが併設された店舗

次に「DiCE大宮店」は、アミューズメントエリアが併設されたネットカフェです。カラオケやダーツ、ビリヤード、卓球、eスポーツなどを24時間楽しめます。食事のメニューやコミック、雑誌、ドリンクなども24時間対応です。

また「DiCE大宮店」に併設されている「eスポーツカフェAIM」には、全20席の各座席にゲーミングPC(OMEN 45L DESKTOP GT22-0781JP)が設置。eスポーツを楽しむことができます。

参照元:ITmediaビジネスONLiNE「ネットカフェ「DiCE大宮店」がリニューアル 特徴は? 地域最大級に」

積極的に設備投資を行う店舗

積極的に設備投資を行う店舗

また「メディアカフェポパイ」は、積極的に設備投資を行うネットカフェです。8年前後でパソコンを入れ替える一般的なネットカフェとは異なり、5年ごとに入れ替えを行っています。常に最新機種を提供することで、顧客満足度を高める経営戦略です。

以上の戦略に沿って経営しているため、一般的なネットカフェより利用料金は高めですが、安定した集客に成功。入れ替えた中古のパソコンを販売することで設備投資の資金を獲得しています。

参照元:DIAMONDonline「他店より2割高くても、 ひっきりなしにお客がくる ネットカフェと 前年比150%成長の会社」

イメージモデルオーディションを開催した店舗

イメージモデルオーディションを開催した店舗

それから「コミックバスター」は、イメージモデルオーディションを開催したネットカフェです。より多くの顧客を集めるためのPR戦略として、ライブ配信アプリ「ミクチャ」から募集し、1位のライバーが公式サイトやポスターなどへ掲載されました。

なお「コミックバスター」は、全国に150店舗(2021年時点)が展開されており、ハイスペックPCやシャワールーム、鍵付き個室などが完備されています。

参照元:PR TIMES「インターネットカフェ『コミック・バスター』がHPモデルオーデションを開催!一位は誰の手に⁉」

e-sportsエリアを提供する店舗

e-sportsエリアを提供する店舗

そして「カスタマカフェ新宿歌舞伎町店」は、e-sportsエリアを提供する店舗です。e-sportsエリアはMSI社との協業で改修され、MSI社のゲーミング用のPCやモニター、マウス、ヘッドセットなどが設置されています。

e-sportsエリアだけではなく、「カスタマカフェ新宿歌舞伎町店」には、鍵付き個室やシャワー、ランドリーも設置されており、ワンドリンクサービスが提供。長時間滞在しながらゲームを楽しめる店舗です。

参照元:

カスタマカフェ「カスタマカフェ歌舞伎町店に最高のE-Sportsエリア誕生!」

GAME Watch「 MSI、『カスタマカフェ歌舞伎町店』に『eSports エリア』をオープン」

ネットカフェの開業資金

ネットカフェの開業資金

事例のような店舗を開業するためには、開業資金が必要です。そこでネットカフェ開業資金の相場と内訳を確認しましょう。無駄な経費を削減できるように、開業資金の節約法もご紹介します。

相場

まずネットカフェ開業資金の相場は、坪単価40万〜80万円程度です。例えば30坪のスケルトン物件を賃借して開業するなら、1,200万円〜2,400万円程度かかります。ただし店舗の立地や物件の規模、種類(居抜きかスケルトン)、従業員数、設備・機器・什器の台数などによって、開業資金は変動します。

内訳

次にネットカフェ開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、30坪のスケルトン物件にかかる資金を試算しました。

資金の内訳各費用の目安各費用の試算
物件取得費
(敷金・礼金・前賃料など)
全体の5%程度
(賃料2~4か月分程度)
60万〜120万円程度
(30坪で賃料月30万円の
スケルトン物件)
店舗デザイン・工事費
(内装・外観・設備・機器・
什器など)
全体75%程度
(坪単価30万~60万円程度)
900万〜1,800万円程度
諸経費
(開業前の採用・研修・届出・
許可・集客など)
全体の10%程度120万〜240万円程度
運転資金
(開業後の賃料・光熱水費・
人件費・仕入費など)
全体の10%程度
(賃料4~8か月分程度)
120万〜240万円程度
合計100%
(坪単価40万〜80万円程度)
1,200万〜2,400万円程度

上表のとおり、ネットカフェ開業資金においては、店舗デザイン・工事費の割合が60%程度を占めます。つまり内装・外観・設備・機器・什器などにこだわるほど、開業資金が増えていきます。

節約法

そしてネットカフェ開業資金の節約法として、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取って、各業者の見積もり(店舗デザイン・工事の内容や費用、期間など)を比較すれば、適正な価格を把握して、無駄な経費を削減しやすいです。

居抜き物件に施工されている内装・外観・設備・機器・什器などを譲渡してもらえば、新規工事費用を節約できます。ただし居抜き物件にはデメリットもありますので、次の記事を併せてご覧ください。

さらに補助金・助成金を受給できると、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。飲食店が申請できる補助金や助成金をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客できるネットカフェを開業しよう!

IDEALは、店舗全般のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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