2022.04.06  2022.09.11|内装工事

美容室の内装デザイン!内装設備や施工事例、業者選び、工事費用も紹介

美容室の内装デザイン!内装設備や施工事例、業者選び、工事費用も紹介

「美容室を開業したいけど、どのように内装をデザインしたらいいのか分からない」とお悩みの方へ向けた記事です。特に初めて開業するときは準備に迷ってしまいますよね。しかし内装デザインは、美容室の集客や売上に大きく影響します。

そこで今回は美容室の内装をデザインするときのポイントをご紹介します。内装設備や施工事例、業者選び、工事費用についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。

美容室の内装をデザインする前のコンセプトづくり

美容室の内装をデザインする前のコンセプトづくり

顧客は在籍する美容師のスキルだけではなく、美容室の内装から「センスの良さ」を判断して来店するかを決めます。顧客からセンスが良いと感じてもらえる魅力的な美容室をデザインするためには、ポイントを押さえてコンセプトをつくることが重要です。

美容業界の市場を調査する

美容室のコンセプトを考えるために、まずは美容業界のトレンドや競合となる美容室の内装デザインなどを調査しましょう。

例えば「30代の流行に敏感な女性」をターゲットとする美容室であれば、モダンテイストを取り入れた内装をデザインすることが有効です。同じテイストであっても、ベースの色合いやトーンの違いなどで雰囲気は変わります。

また使用する素材も重要です。例えばコンクリートを多く使用することで、都会的でスタイリッシュな美容室を演出できます。しかし冷たくて硬いイメージになりがちなので、木材などの自然な素材をポイントに使うと印象を柔らかくできます。

以上のように美容業界のトレンドや内装デザインを参考にすることで、開業する美容室のコンセプトを具体的にイメージすることができます。一貫したコンセプトに基づくことで、美容室の内装の統一感を保ちましょう。

ターゲットとポジションを明確にする

美容業界の市場調査を踏まえて、ターゲットとする顧客層を明確にしましょう。美容室はさまざまな年代に利用される店舗ですが、主にターゲットとする顧客層を決めることが内装デザインを決めるうえで非常に重要です。

例えば10代であれば明るくポップな内装を好む女性が多く、30代であればモダンな雰囲気の内装に惹かれる男性が多いように、年代や性別によって好みの傾向は異なります。ターゲットによって美容室の内装も大きく変化するわけです。

ターゲットとする年代や性別を決めたら、デザインする美容室の業界におけるポジションも明確にしましょう。ターゲットの仕事や趣味、生活行動、家族構成などをできるだけ細かくイメージすることで、提供するサービスや内装デザインの方向性を決めやすくなります。

美容院の内装をデザインするポイント

美容院の内装をデザインするポイント

明確なコンセプトを設計できたら、美容室の内装を具体的にデザインしていきます。美容室を開業するために守らなければならない施設基準もありますので、内装デザインのポイントを押さえておきましょう。

「映えるポイント」をデザインする

美容室の内装のどこかに「映えるポイント」をデザインしましょう。目を引くおしゃれな内装をデザインすることで、顧客がSNS上に写真や動画を上げたくなるように演出するためです。

SNSが浸透した現代において、TwitterやInstagramなどが集客手段の役割を担ってくれます。例えば美容室のSNS公式アカウント上で内装の「映えるポイント」を投稿することで、「行ってみたい」と興味を示すユーザーを集めましょう。

また美容室を利用した顧客に内装を写真や動画に撮ってSNSに投稿してもらうことができれば、口コミを拡散することができます。明確なコンセプトに基づいて統一感のある内装は魅力的ですが、まとまり過ぎていると面白味がなくなり印象に残りづらくなります。

「おしゃれさ」だけではなく「動線」も考慮する

美容室の内装は、デザインのおしゃれさだけでなく動線も考慮しなければなりません。待合場所からセット面、セット面からシャンプー台と、美容室では顧客がたびたび移動するためです。

したがってセット面や椅子などの什器をレイアウトするときには、動線を邪魔しない大きさを選んでくださいケープをした状態で顧客が席を移動することもあるため、動線に大きな物が配置されていると危険です。顧客がスムーズに移動できる動線の確保は、非常に重要な要素です。

また顧客だけではなく、従業員にも適した動線をデザインしましょう。従業員がタオルやクロス、薬剤などの備品を取るために動いたり、床に落ちた髪をホウキで掃いたりする際に、顧客の邪魔にならないように配慮しなければなりません。

配置する設備や什器に統一感をもたせる

おしゃれな内装は明確なコンセプトに基づいてデザインされているため、統一感があります。例えばラグジュアリーな内装空間に手作り感のあるアイテムを置いてしまうと、高級感が損なわれてしまい、美容室の売りが顧客に伝わりにくくなります。

設備や什器にこだわることは重要ですが、特徴の異なるアイテムを組み合わせると個々の主張が激しくなってしまいます。どこか雑多なイメージを与えてしまうと、顧客は「癒し」ではなく「疲労」を感じてしまう可能性があります。

内装デザインには「ナチュラル」「リゾート」「モダン」「アジアン」などのテイスがあります。設計したコンセプトに合わせてベースとなるテイストを決めてから、配置する設備や什器を選んで統一感をもたせましょう。

「非日常感」や「特別感」を演出する

「非日常感」や「特別感」を演出することも、おしゃれな内装デザインのポイント。感性に訴えかけるデザインや日常ではあまり目にしないデザインは、洗練された印象を与えます。美容室へ行くのが楽しみになるような内装空間を演出しましょう。

美容室は自分のヘアスタイルを新しくする貴重な場所です。アットホームな内装は落ち着いた親しみやすい雰囲気を演出できますが、「美しく変身できる」という「非日常」感を出せなくなります。

また月に1回から数ヶ月に1回ほど通うため、美容室は顧客にとって頻繁に訪れる場所ではありません。頻繁に訪れないからこそ、美容室で過ごす時間を「特別な経験にしたい」と期待する顧客は少なくないでしょう。

条例で定められた「施設基準」を遵守する

開業する美容室の内装は、条例で定められた施設基準を満たす必要があります。例として東京都の施設基準を下の表にまとめました。

施設の内装施設の基準
作業質の床面積13㎡以上
椅子の台数床面積13㎡以下の作業室には6台まで設置できる
7台以上置くなら1台につき床面積を3㎡増やす
顧客の待合場所作業室と明瞭に区分する
床・腰板コンクリートやタイル、リノリウム、板等不浸透性材料を使用する
洗場流水装置を施工する
採光・照明・換気採光、照明および換気を十分にする
作業面の照度を100ルクス以上とする
施設内の炭酸ガス濃度を0.5 %以下に保つ
格納設備消毒済物品容器および未消毒物品容器を備える
汚物箱・毛髪箱フタつきの汚物箱および毛髪箱を備える
消毒設備消毒設備を設ける
参照:東京都福祉保健局「美容所の開設に関する基準等について」

上記の施設基準を全てクリアするためには、内装デザインの専門家に相談することをおすすめします。

美容室内装デザインの施工事例

魅力的な美容室は、先ほど解説した内装デザインのポイントを押さえています。IDEALの手がけた美容室内装デザインの施工事例を紹介しますので、画像でイメージを膨らませながら具体的にデザインするためにぜひ参考にしてください。

コンセプトカラーのインスタ映えする壁

コンセプトカラーのインスタ映えする壁

おしゃれな雑貨屋のような入口を開けると、さわやかなミントグリーンの壁が目に入る「Kiitos」様の内装デザイン。ミントグリーンは店舗のコンセプトカラーで、ロゴにも使用されています。

壁面にフラワーアレンジメントを飾り「映えるポイント」を作るのも忘れていません。壁をバックにカットしている様子を写真に撮影してSNSへ投稿すれば、インスタ映えできそうですよね。

プライベート感演出と動線確保のパーテーション

プライベート感演出と動線確保のパーテーション

RAY+beauty様は「ユニセックスなトータルビューティーサロン」というコンセプトの美容室ですプライベート感を演出するために、座席の間にパーテーションを配置。光が透ける素材を使用して顧客が圧迫感なくリラックスできるように配慮されています。

またパーテーションの高さを最小限にして空間を広く見せています。フロアが適度に仕切られていることで、顧客同士や従業員同士が交差しないように動線が確保されています。

清潔感あるカラーで統一されたカットスペース

清潔感あるカラーで統一されたカットスペース

プライベートサロン「CREAM」様のカットスペース。グレーとホワイトを基調とした清潔感のある床や壁がおしゃれで魅力的です。一方で椅子や棚などの什器にブラックを配色することで落ち着いた雰囲気に仕上げられており、統一感が保たれています。

また大きな窓を施工して外から光を取り込むことで、明るさが確保されています。イメージが硬くなりすぎないように、ところどころに木材を使用している点もポイントです。

「非日常感」を演出するスケルトン天井

「非日常感」を演出するスケルトン天井

「Pearl Hair Design」様の内装は、配管をむき出しにすることで天井の高さを出しています。配管や配線、鉄筋コンクリートの構造などをむき出しにした状態の天井は「スケルトン天井」と呼ばれ、おしゃれなサロンや飲食店によく取り入れられるデザインです。日常を過ごす住宅とは異なる「非日常感」を演出するのにピッタリです。

また同じフロアに2つの異なるテイスト(明るくクリアな白ベースと落ち着いたブラウンベース)のカットスペースをデザイン。メリハリのある大人な雰囲気に仕上がっています。

施工基準を満たしたスタイリッシュなデザイン

施工基準を満たしたスタイリッシュなデザイン

「suri-ru hair 」様の物件には撤去できない柱が多かったため、建築構造を生かして内装をデザイン。建築や美容所の施工基準を満たしたうえで、スタイリッシュな美容室を演出することができました。柱がたくさん立つ空間に木目の什器を配置することで、温かみを出しました。

美容室の内装工事にかかる費用

美容室の内装工事にかかる費用

美容室の内装をデザインしたら、業者に依頼して工事費用の見積もりを出してもらいましょう。内装工事費用の相場はスケルトン物件と居抜き物件で大きく異なりますので、なるべく抑えることが必要です。

美容室内装工事費用の相場

スケルトン物件の美容室内装工事費用の相場は、坪単価30-50万円ほどです。美容室の規模や設備のグレードなどによりますが、20坪なら600-1,000万円程度かかります。スケルトン物件は何もない状態から内装をデザインできるため、コンセプトに沿って細部までこだわることができます。

居抜き物件の美容室内装工事費用の相場は、坪単価15-30万円ほどです。譲渡される造作の種類や数によりますが、20坪なら300-600万円程度必要です。前借主から造作を譲渡してもらえる分だけスケルトン物件の工事費用よりも抑えられます。ただしレイアウトなどを大きく変更できませんので、コンセプトに合った物件を探さなくてはなりません。

美容室内装工事費用の抑え方

美容室内装工事費用を安く抑えるには、物件選びが重要です。まず物件の設備容量を事前に確認しましょう。美容室ではガス・電気を大量に使用しますので、必要容量に満たないと追加工事が必要となります。追加工事に100万円以上かかることもありますので、事前に工事業者に現地調査をしてもらうと安心できます。

また内装や造作の損傷が目立つ物件を避けましょう。例えば壁や床に穴がある場合はコンクリートを平らにしなければなりませんので、工数と費用が増えてしまいます。居抜き物件を工事する場合でも、損傷の見られる箇所には改修費がかかりますので、注意が必要です

美容室の内装工事業者を選ぶときのポイント

美容室の内装工事業者を選ぶときのポイント

内装工事費用の相場と抑え方を把握したら、工事業者を選定します。業者を選ぶときのポイントを3つに整理して解説しますので、ポイントを押さえて信頼できる業者に工事を依頼しましょう。

業者の得意分野や施工実績を確認する

まず美容室特有の設備機器(シャンプー台やボイラー)や動線設計について豊富なノウハウを持っている業者を選びましょう。また「理想とする美容室の内装デザイン」に似ている施工実績が豊富にあるかも確認してください。

各工事業者には、得意とする内装施工の分野があります。例えばシンプルな内装工事を得意とする業者やリゾート風の内装工事を得意とする業者など、さまざまな得意分野が挙げられます。

工事業者や美容室の公式Webサイトを検索して、施工実績を確認しながら自分の感性に合う業者を複数選定してください。実際に問い合わせや相談をすることで、得意分野や対応可能な時期を確認してみましょう。

工事費用の相見積もりを取って比較検討する

工事費用の見積額が適正であるかも確認してください。選定した複数の業者から見積もりを取って比較して、適正な工事費用を見極めましょう。

費用が高すぎる見積りには、無駄な工数がかかっている可能性があります。逆に安すぎる見積りだと、必要なコストまで削られていて施工後にトラブルが発生する恐れがあります。

顧客からの口コミや評判を調査する

最後に工事業者の顧客である店舗経営者からの口コミや評判も確認してください。単に希望を聞くだけでなく、顧客の予算や戦略を踏まえて提案してくれる業者は評判が高いです。専門家ならではの視点からメリットとデメリットを明確に示してくれる業者を選びましょう。

またリピーターの多い業者は、顧客満足度が高いといえます。例えば複数の店舗を経営している美容室グループが繰り返し依頼をしている業者は、信頼性が高いでしょう。

顧客を満足させる美容室の内装をデザインしよう!

顧客を満足させる美容室の内装をデザインしよう!

今回ご紹介したポイントを押さえることで、ターゲットとする顧客層を満足させる内装をコンセプトに基づいてデザインしてください。予算内に工事するために、慎重に業者を選定しましょう。

IDEALは美容室を含む店舗の内装デザインを数多く担当して参りました。豊富な実績を強みとして、コンセプト設計から資金調達、内装工事、Web集客までをワンストップソリューションでご支援いたします。

店舗の開業や移転、改装などをご検討の際には、ぜひお問い合わせください。

キーワード :

店舗工事のご相談・お問い合わせはこちら

監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
店舗づくりをプロデュースする「IDEAL(イデアル)」が運営。
新規開業、店舗運営のお悩みや知りたい情報をわかりやすくお届けいたします。

> IDEALの編集者ポリシー

店舗工事のご相談・お問い合わせはこちら

店舗作り、集客の
無料見積もり・相談をする