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2024.01.04 2023.12.04|内装工事
内装工事に対する保証と保険とは?不適合責任の期間・保険料などを解説
本記事で、内装工事に対する保証(不適合責任)の期間や保険料などをご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
内装工事に対する保証とは?基本情報
内装工事を依頼する際には、内装工事に対する保証について把握しておきましょう。そこで契約不適合責任の法的根拠と内容、期間、瑕疵担保責任空の法改正、保証書について解説します。
契約不適合責任の法的根拠
まず内装工事に対する保証(契約不適合責任)の法的根拠は、民法第562条です。契約不適合責任に基づいて、売買契約の買主には、請求権(追完や代金の減額、損害賠償)や解除権が認められています。
したがって請負契約の条件どおりに内装工事が行われなかった場合には、施工業者は依頼主に対して契約不適合責任を負います。契約不適合責任の具体的な内容について、次にご紹介します。
契約不適合責任の内容
次に内装工事に対する保証(契約不適合責任)の内容は、以下の4つです。
- 契約履行の追完(内装工事の追加や交換、不足分の引き渡しなど)
- 代金の減額 (内装工事を追完できない場合)
- 損害の賠償 (店舗物件や顧客・従業員などに損害を与えた場合)
- 契約の解除 (債務不履行の場合)
例えば契約期間内に内装工事を完了してもらえない場合には、依頼主から業者に対して、早急な工事の完了や減額を請求できます。また内装工事中に店舗物件内の設備に損傷を付けられた場合には、損害賠償の請求が可能です。
契約不適合責任の期間
また内装工事に対する保証(契約不適合責任)の期間は、依頼主が内装工事の施工不良を認識した時から1年以内です。ただし内装工事業者が施工不良を把握していたり、重大な過失があったりする場合には、保証期間に制限はありません。
したがって依頼主が施工不良を発見してから1年以内に、内装工事業者に告知しないと、時効によって保証を受ける権利を失ってしまう恐れがあります。内装工事完了後の立会検査において、施工の状態を正確に確認しましょう。
瑕疵担保責任からの法改正
そして内装工事に対する保証(契約不適合責任)は、2020年に瑕疵担保責任からの法改正がなされました。日常生活で馴染みのない「瑕疵」(キズや欠点)という表現が使用されなくなり、「引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しない場合」と明記されました。
つまり責任の所在が曖昧な「キズや欠点」ではなく、「種類・品質・数量」という明確な判断材料が示されました。そして契約不適合責任の内容(契約履行の追完や代金の減額、損害の賠償と契約の解除)も明示されています。
保証書
なお内装工事に対する保証の内容や期間などは、一般的に保証書に記載されます。内装工事の保証書で、内装の追加工事や交換、減額、損害賠償などが保証される対象や条件を確認しましょう。
加えて一般的な内装工事の保証書には、補償対象外の条件も記載されています。例えば依頼主の過失や自然災害による損傷、経年劣化などは、補償の対象外です。内装工事の請負契約書にサインする前に、契約や保証の条件を確認しましょう
内装工事に対する保険とは?
保証だけではなく、内装工事に対する保険についても確認しましょう。そこで内装工事に対する保険の保障内容と期間、種類、保険料を解説します。
補償対象
まず内装工事に対する保険の補償対象は、内装工事の対象物(物件や設備・機器・什器など)や第三者(顧客や通行人などの身体や所有物)、工事業者の従業員に対する損害です。ただし保険の種類によって、補償の対象は異なります。
例えば対物・対人事故による賠償責任を補償する保険なら、店舗物件の内装工事に伴う物品の損傷や顧客の怪我などに対する損害賠償を補償します。ただし補償対象外となる条件もありますので、ご注意ください。
期間
次に内装工事に対する保険の期間は、保険の種類や条件などによって異なります。例えば工事期間中だけ賠償責任が補償される保険や工事中から引き渡し後も賠償責任が補償される保険などがあります。
また内装工事を請け負う業者によっても、加入している保険は異なります。そして一般的に保険期間が長いほど、支払う保険料が高いです。工事業者と相談しながら、内装工事の種類や規模などに応じて、保険の対象期間を決めましょう。
保険料
また内装工事に対する保険の補償対象や期間などによって、保険料が異なります(年間数万〜数百万円程度)。一般的には補償の対象が広く、期間が長いほど、保険料が高いです。
一方で過去に損害賠償の請求が少ない工事業者なら、保険料は少なくて済みます。内装工事に対する保険に加入する前には、複数の業者に問い合わせて、保険料の相場を確認しましょう。
種類
なお内装工事に対する保険の種類は、補償対象によって分けられます。主な種類をまとめました。
- 内装工事の対象物:建設工事保険や組立保険
- 第三者 :請負業者損害賠償保険や生産物賠償責任保険(PL保険):
- 工事業者の従業員:使用者賠償責任(EL)保険や労働災害総合保険
内装工事に対する保険の種類によって、補償の対象や期間などが異なります。内装工事を依頼する前に、工事業者に確認しましょう。
参照元:法人損害保険の教科書「工事保険の選び方|3つのリスクから考える本当に必要な補償内容」
内装工事の保証や保険に関する注意点
以上の基本情報と併せて、失敗や不利益などを避けるために、内装工事の保証や保険に関する注意点も確認しましょう。そこで契約の条件と内容、期間、請求の方法、業者間のトラブルに関する注意点をご紹介します。
契約の条件
まず契約の条件が、内装工事の保証や保険に関する注意点として挙げられます。契約の条件を満たさないと、内装工事中の損害に対する補償や引き渡し時の不備に対する追加工事などを受けられません。
一般的には工事業者の過失や不備による損害に対して、保障や保険が適用されます。つまり依頼主の過失や自然災害による損害は基本的にカバーされません。したがって内装工事の請負契約や保険の加入を検討する際には、契約の条件を正確に理解しましょう。
契約の内容
次に契約の内容も、内装工事の保証や保険に関する注意点です。工事後に内装や設備・機器・什器などの不良が見つかった際に、保証(契約不適合責任)を請求するためには、契約内容の達成度を確認してください。
例えば内装工事後の引き渡し時に、照明器具数の不足や造作家具の形状の不備などに気づいたなら、請負契約書や図面をチェックします。契約内容の達成度に応じて、工事業者に保証(追完や減額など)の請求が可能です。
契約の期間
また契約の期間も、内装工事の保証や保険に関する注意点です。請負契約や保険契約の期間によって、工事の追完を請求できる期間や工事による損害が補償される期間は異なります。
したがって内装工事後の立会検査においては、施工の不良や不備を入念に確認しましょう。また内装工事に対する保険に加入する際には、補償の期間(工事中のみか引き渡し後もカバーされるか)を確認してください。
請求の方法
そして請求の方法も、内装工事の保証や保険に関する注意点です。契約不適合責任が発生した際には、追完や減額から損害賠償へと順を追って請求しなければならず、速やかに追完されれば、損害賠償の請求は認められません。
内装工事に対する保険においては、対物・対人損害の証拠(写真や現物、被害者の証言など)が必要です。対物被害が出ている場合には写真を撮影しながら修理や交換などを進め、対人被害が出ている場合には救護を優先してください。
業者間のトラブル
なお内装工事の保証や保険に関する注意点として、業者間のトラブルもあります。内装工事の元請け業者が同じでも、下請け業者が保険に加入していない場合には、損害が補償されない恐れがあります。
例えば元請け業者が壁紙の施工を依頼して、下請け業者が窓ガラスを割ってしまった場合には、損害賠償を請求されます。しかし元請け業者が保険に加入していても、下請け業者の過失による損害はカバーされない恐れがあります。
内装工事に関する参考情報
内装工事の保証や保険以外にも、内装工事に関する参考情報をご紹介します。それでは賃貸借契約の連帯保証人や保証金(敷金)、請負契約書、造作工事、内装仕上工事、工事費用、メンテナンスについて確認しましょう。
賃貸借契約の連帯保証人
まず賃貸借契約の連帯保証人とは、賃借人に代わって義務(賃料支払いや退去時の原状回復など)を果たす人です。店舗物件の賃貸借契約においては、一般的に連帯保証人を立てる必要があります。
ただし連帯保証人を立てられない場合には、保証会社の利用を検討しましょう。店舗の賃貸借契約で保証会社を利用するメリット・デメリットについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
賃貸借契約の保証金(敷金)
次に賃貸借契約の保証金(敷金)とは、賃貸借契約の担保として賃借人が賃貸人に支払うお金です。賃借人が賃料を滞納したり、退去時に修繕費が発生したりした場合に、賃貸人は保証金(敷金)を支払いに充てられます。
賃貸借契約における保証金の相場は、賃料の6〜10ヶ月程度です。解約時には、保証金(敷金)から残りの賃料や原状回復の工事費用などが差し引かれてから、返還されます。賃貸店舗の保証金(敷金)に関する注意点などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
請負契約書
また請負契約書とは、内装工事の依頼内容や保証内容などについて記載された書類です。口頭でのやり取りで契約は成立しますが、建設業法に基づいて請負契約書を作成しなければなりません。
また請負契約書の記載事項(工事内容と工事期間、請負代金、支払い時期、損害賠償の負担、引き渡しの方法、引き渡し後の保証、紛争の解決方法)も定められています。店舗内装工事の請負契約書に関する注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
造作工事
そして造作工事は、内装(天井や内壁、床、建具、窓など)の下地をつくる工事です。下地を造作することで、内装の仕上がりが良くなります。
造作工事の種類をご覧ください。
- 天井の野縁
- 間仕切り壁と窓枠・扉枠
- 石膏ボード
- 設備・機器・什器の下地
- 造作什器
なお造作工事の種類や注意点などについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
内装仕上工事
それから内装仕上げ工事とは、造作された下地に内装材(天井や内壁、床、建具、窓など)を施工する作業です。内装材を施工することで、快適性や機能性、デザイン性などを向上できます。
内装仕上工事の範囲をご確認ください。
- インテリア工事
- 天井仕上工事
- 壁張り工事
- 内装間仕切り工事
- 床仕上工事
- たたみ工事
- ふすま工事
- 家具工事
- 防音工事
なお内装工事仕上工事の種類や注意点などについて解説していますので、併せてご覧ください。
工事費用
さらに店舗内装の工事費用は、スケルトン物件と居抜き物件で異なります。スケルトン店舗物件の内装工事費用は坪単価30万〜50万円程度で、居抜き店舗物件の内装工事費用の坪単価は15万〜30万円程度です。
また内装工事費用は店舗の業種・業態や立地、物件の規模、工事の内容などによっても、変動します。内装工事の流れなどについてもまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
メンテナンス
なお内装工事が終わり物件を引き渡されてからは、定期的なメンテナンスを心がけましょう。施工された内装を定期的にメンテナンスすることで、劣化と破損を修繕できます。設備・機器・什器の保守点検や業務効率の向上、安全の管理にもつながります。
そして店舗メンテナンス業者を選ぶ際の注意点には、受注実績や専門分野、アフターフォロー、相見積もりなどがあります。店舗メンテナンスの重点箇所と方法についてもまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
内装工事の保証・保険を検討しよう!
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監修者
-
IDEAL編集部
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