2023.12.28  2023.11.28|内装工事

造作工事とは?意味・目的・内装工事との違い・耐用年数・種類・注意点・費用

造作工事とは?意味・目的・内装工事との違い・耐用年数・種類・注意点・費用

本記事で、「造作工事とは?」という疑問にお答えして、造作工事の意味・目的・内装仕上げ工事との違いを解説します。また造作工事の耐用年数・種類・注意点・工事費用もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

店舗の内装における造作工事とは?基本情報を紹介

店舗の内装における造作工事とは?基本情報を紹介

そもそも造作工事とは、どういった工事でしょうか。そこで店舗の内装における造作工事について、意味や目的を確認しましょう。混同しやすい内装仕上げ工事との違いや資格もご紹介します。

意味

まず店舗の内装における造作工事には、「内装(天井や壁、床、建具、敷居、窓枠など)の下地をつくる工事」という意味があります。内装材の選定や加工(切断・接合・塗装など)、進捗管理などの知識・技術が必要です。

なお店舗の内装工事においては、設備・機器・什器の下地をつくる工事も含まれます。例えば空調・換気設備や厨房機器、カウンター・収納棚などを施工するためには、下地が必要です。

目的

次に店舗の内装における造作工事の目的は、内装の仕上がりを良くすることです。造作した下地に内装材(天井や壁や床などの素材)を施工することで、デザイン性と機能性が高まります。

例えば正確な寸法で造作された窓枠にガラス戸を施工することで、見た目が良く開閉がスムーズな窓になります。店舗内装工事の種類をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

仕上げ工事との違い

また店舗の内装における造作工事と仕上げ工事との違いは、役割です。造作工事は、店舗の内装(天井や壁、床、建具、設備・機器・什器など)の下地をつくります。完成された店舗の内装では、見えない部分です。

一方の仕上げ工事は、造作された下地に内装材(天井や壁、床、建具、設備・機器・什器など)を施工します。店舗の内装における仕上げ工事についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

資格

なお店舗の内装における造作工事の内容によっては、以下のような資格が必要です。

資格名特徴
木造建築物の組立て等作業主任者技能講習木造建築物の構造部材の組立てや屋根下地、外壁下地の取り付け作業に必要である
建築大工技能検定隅木小屋組や屋根筋かいを用いた小屋組の平面図作成から加工組立てなどの能力を証明する
建築施工管理技術検定建築施工管理の技術と知識を証明する
建築士免許建築物の設計や工事監理などを行う技術者に交付される

参照元:

建設業労働災害防止協会「木造建築物の組立て等作業主任者技能講習」

中央職業能力開発協会(JAVADA)「建築大工(大工工事作業)」

一般財団法人 建築業振興基金「1級 建築施工管理技術検定」

公益財団法人 建築技術教育普及センター「建築士制度」

店舗の内装における造作工事の種類

店舗の内装における造作工事の種類

基本情報だけではなく、造作工事の種類も確認しましょう。5点(天井の野淵や間仕切り壁と窓枠、石膏ボード、設備の下地、造作什器)に分けて、各工事の目的や特徴などをご紹介します。

天井の野縁

まず天井の野縁が、店舗の内装における造作工事の種類に含まれます。天井材や電気設備の配線、空調設備の配管、照明器具などの下地として必要です。天井裏に木材や石膏ボードなどで施工され、装飾的な縁や枠が付けられます。

また天井の野縁は、内装や設備・機器などの下地としてだけではなく、内装空間のアクセントとしても機能します。例えば木材で施工された野縁には、温かみやナチュラルな雰囲気があります。内装デザインのテイストに合わせて、野縁の素材を選びましょう。

間仕切り壁と窓枠・扉枠

次に間仕切り壁と窓枠・扉枠も、店舗の内装における造作工事の種類です。店内フロアのゾーニングやドア・窓の施工などのために必要です。間仕切り壁は軽量鉄骨や石膏ボードなどで、窓枠・扉枠はアルミやプラスチック、木材などで施工されます。

間仕切り壁と窓枠・扉枠は、内装空間のプライバシー保護や防音、断熱・遮熱、採光などにも影響します。各ゾーンのデザイン性と機能性を考慮して、間仕切り壁の素材や窓や扉の数などを決めましょう。

石膏ボード

また石膏ボードも、店舗の内装における造作工事の種類に含まれます。内装空間の防火や断熱、防音などのために必要です。配線・配管工事のあとに、天井や壁、床などに施工されます。

石膏ボードのメリットは、寸法の安定性や工事の容易性、値段の安さなどがあります。ただし耐水性や耐湿性の低さがデメリットであるため、防水加工された種類を選びましょう。

設備・機器・什器の下地

それから店舗の内装における造作工事の種類には、設備・機器・什器の下地もあります。石膏ボードには設備・機器・什器などを施工できないため、下地が必要です。下地は、主に木材で施工されます。

例えば店舗の内装にカウンターや収納家具などの什器を造作する場合には、木材の下地から施工されます。什器のデザイン性によって、工場で制作されてから運搬されたり、現場で一から造作されたりします。

造作什器

なお店舗の内装における造作工事の種類には、造作什器も含まれます。店舗内に造作される什器の具体例は、カウンターや収納棚、テーブルなどです。木材で施工された下地に、什器が固定されます。

内装空間のテイストやレイアウトなどに合わせて造作什器を施工できるため、既製品よりもデザイン性や機能性を高められます。ただし造作什器にはメリット・デメリットがありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗内装の造作工事を依頼する際の注意点

店舗内装の造作工事を依頼する際の注意点

店舗の内装における造作工事の種類を踏まえて、依頼する際の注意点も確認しましょう。7点(工事範囲と耐用年数、内装制限、物件、賃貸借契約、建築確認、請負契約)を取り上げます。

工事の範囲

まず工事の範囲が、店舗内装の造作工事を依頼する際の注意点として挙げられます。店舗に必要な工事は、内装工事(天井や壁、床、建具、造作什器など)と設備・機器工事(電気やガス、水道、空調・換気、照明など)に分類されます。

したがって施工する内装・什器や設備・機器などによって、造作工事の範囲が異なります。例えば同じ壁の工事でも、造作壁や施工型パーテーションなどがあります。内装工事の種類について詳しく解説してありますので、次の記事も併せてご覧ください。

耐用年数の確認

次に耐用年数の確認も、店舗内装の造作工事を依頼する際の注意点です。耐用年数とは、所得税法や法人税法に定められた減価償却の配分期間です。減価償却とは、長期間使用する建物・設備・備品などの経費を一定期間内に分配する税務処理です。

したがって店舗の内装工事を依頼する際には、内装や設備・機器・什器などの耐用年数(減価償却の期間)を確認しておきましょう。内装工事の耐用年数や減価償却の考え方についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

内装制限の遵守

さらに内装制限の遵守も、店舗内装の造作工事を依頼する際の注意点です。消防法(火災予防や消火活動に必要な内装制限)と建築基準法(火災初期の避難経路確保に必要な内装制限)によって定められています。

内装制限の違反に対しては罰則が科されますが、緩和策もあります。内装制限の対象建築物や判定方法などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

物件の種類

続いて物件の種類も、店舗内装の造作工事を依頼する際の注意点です。スケルトン物件には一から内装や設備・機器・什器などを施工できるため、デザインの自由度が高いです。しかし下地から造作する必要があるため、工事の費用や時間がかかります。

一方で居抜き物件には内装や設備・機器・什器などが施工されているため、新規の工事費用を節約できます。ただしデザインの自由度が低く、リフォームやリノベーションには費用が必要です。

賃貸借契約の条件

それから賃貸借契約の条件も、店舗内装の造作工事を依頼する際の注意点です。店舗物件の賃貸借契約においては、借主に原状回復義務が生じます。つまり物件を賃貸する前の状態に戻してから退去しなければなりません。

また店舗内装工事の区分(A工事・B工事・C工事)によって、条件(工事の対象や権限、費用負担など)が異なります。A工事・B工事・C工事に関する借主の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

建築確認と完了検査

さらに建築確認と完了検査も、店舗内装の造作工事を依頼する際の注意点です。建築確認は、店舗の階数や面積などによって、新築・増改築・移転工事などの着工前に必要な法的手続きです。

また完了検査とは、店舗の新築・増改築・移転工事などの工事完了後に必要な法定検査です。店舗物件の建築確認から完了検査までの流れをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

請負契約の条件

なお店舗内装の造作工事を依頼する際の注意点には、請負契約の条件もあります。建設業法に基づいて、店舗内装工事の請負契約書には、以下の条件を記載しなければなりません。

  • 工事内容
  • 工事期間
  • 請負代金
  • 支払い時期
  • 損害賠償の負担
  • 引き渡し方法
  • 引き渡し後の保証
  • 紛争の解決方法

参照元:e-gov法令検索「建設業法」(第19条)

店舗内装工事における請負契約書のひな形などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗内装の造作工事費用

店舗内装の造作工事費用

希望条件に沿って工事を依頼するためには、予算が必要です。そこで店舗内装の造作工事費用の相場と内訳を確認しましょう。無駄な経費を削減できるように、工事費用の節約法もご紹介します。

相場

まず店舗内装の造作工事費用の相場は、坪単価10万〜20万円程度です。例えば20坪のスケルトン物件であれば、200万〜400万円程度かかります。ただし物件の立地や規模、店舗の業種・業態、施工する設備・機器・什器の台数などによって、工事費用は異なります。

内訳

次に店舗内装の造作工事費用の内訳について、以下の一覧表にまとめました。参考情報として、20坪のスケルトン物件にかかる工事費用を試算してあります。

費用の内訳費用の相場費用の試算
(スケルトン物件・20坪)
天井の野縁5%程度
坪単価5千円~1万円程度
10万~20万円程度
間仕切り壁と窓枠・扉枠30%程度
坪単価3万~5万円程度
60万~100万円程度
石膏ボード5%程度
坪単価3千円~5千円程度
6万~10万円程度
設備・機器・什器の下地30%程度
坪単価3万~10万円程度
60万~200万円程度
造作什器
(カウンター・収納棚・
テーブル・チェア・
ソファなど)
30%程度
1台数万~数十万円程度
50万~100万円程度
(カウンターと収納棚)
合計100%
坪単価10万~20万円程度
200万~400万円程度

上表のとおり、店舗内装の造作工事において、設備・機器・什器の下地と造作にかかる費用が高いです。したがって施工する設備・機器・什器が増えるほど、工事費用がかかります。

節約法

そして店舗内装の造作工事費用の節約法には、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取ることで、各業者の提案する造作工事の費用や期間、内容を比較できるため、無駄な経費を削減しやすいです。

また居抜き物件を購入・賃借して、施工された内装や設備・機器・什器などを活用することで、新規工事費用を節約できます。そして店舗の改装・リフォームに活用できる補助金や助成金がありますので、次の記事も併せてご覧ください。

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監修者

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