2023.09.11  2023.08.24|店舗運営ノウハウ

仮設店舗の営業許可!仮設店舗の注意点・種類・価格・事例も紹介

仮設店舗の営業許可!仮設店舗の注意点・種類・価格・事例も紹介

本記事で、仮設店舗の営業許可について解説します。仮設店舗の注意点・種類・価格・事例もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

仮設店舗とは?

仮設店舗とは?

始めに仮設店舗とは、仮に設営された店舗です。営業許可を申請する前に、仮設店舗の目的や場所、開業方法、注意点などを確認しましょう。基本情報を押さえることで、開業準備がしやすくなります。

目的

まず仮設店舗の目的は、店舗工事中の仮設営業や期間限定イベントでの臨時営業などです。大がかりな店舗工事中には休業しなければなりませんが、別の場所に仮設店舗を構えることで営業を続けられます。

また地域の祭りやイベント会場の行事などに仮設店舗を出店することで、飲食物や雑貨などを販売できます。通常の店舗とは異なり、仮設店舗の移設や撤去は簡単です。ただし仮設店舗には営業許可が必要ですので、後ほど申請方法をご紹介します

場所

次に仮設店舗を営業できる場所をご紹介します。

  • イベント会場
  • レジャー施設
  • ショッピングモールやサービスエリアの敷地内(施設内や駐車場など)

上記のような多くの人が集まる場所で、仮設店舗を営業すると、集客と売上を期待できます。ただし店舗の業種に適した場所を選ぶことも重要です。例えばレジャー施設では飲食物の需要は予想されますが、雑貨販売などには向きません。

開業方法

また仮設店舗の開業方法として、ユニットハウスやプレハブハウス、コンテナハウス、キッチンカーなどの自動車が挙げられます。各仮設店舗の種類と価格については、後ほど詳しくご紹介します。

上記の仮設店舗を新規購入するだけではなく、中古の購入やレンタルなどの開業方法もあります。中古やレンタルを選択することで、開業費用の節約が可能です。ただし店舗の状態や条件を確認したうえで、契約を決めましょう。

注意点

そして仮設店舗の営業許可を申請する前に、注意点も把握しておきましょう。特に飲食業の仮設店舗に関する注意点をまとめましたので、ご覧ください。

設備管理に関する注意点

  • 給排水設備の状態
  • 調理設備の高さ
  • 冷蔵冷凍設備の有無
  • 廃棄物処理設備のサイズ

衛生管理に関する注意点

  • 店舗内での調理・加工・販売方法
  • 食品・調理器具・包装容器の保管
  • 使い捨て容器の使用
  • 清潔や衣類の着用
  • 手指の洗浄と消毒

なお実店舗を開業する流れとポイントもまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

仮設店舗の営業許可

仮設店舗の営業許可

それでは仮設店舗の基本情報を押さえたところで、仮設店舗の営業許可申請の条件や方法も確認しましょう。本記事では、4業種(飲食業と食品製造販売業、酒類販売業、古物営業)の仮設店舗を取り上げます。

飲食業の仮設営業または臨時営業

まず飲食業の仮設店舗なら、仮設営業または臨時営業の許可を申請してください。仮設営業許可はイベント期間中だけ食品を調理して販売する場合に、臨時営業許可は数日間だけ営業する場合に必要です。

また飲食業の仮設店舗の営業許可を取得するためには、営業予定地を管轄する保健所に、申請書類を提出します。自治体によって仮設営業許可の区分や申請条件が異なるため、事前に相談しましょう。

飲食業の仮設店舗の営業許可を申請すると、食品衛生監視員が現場を視察して、設備や衛生管理方法などを審査します。審査を通れば、申請から数週間程度で許可が下ります。

参照元:

TOKIMESSE「臨時食品営業の許可申請について」

宮城県「食品衛生法改正により新しい営業許可制度が始まっています【仮設営業】」

なお実店舗の営業許可についてもまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

食品製造販売業の仮設営業または臨時営業

次に食品製造販売業の仮設店舗も、仮設営業または臨時営業の許可を申請しましょう。ただし飲食業の仮設店舗とは異なり、食品製造加工施設で製造加工された食品を仮設店舗内へ運び、包装された食品を販売しなくてはなりません。

また食品製造販売業といっても、あらゆる食品が認められるわけではありません。食品衛生法などの法令や自治体の条例などに基づいて、乳類販売業や食肉販売業、魚介類販売業などが許可されています。

食品製造販売業の仮設店舗の営業許可を取得するためには、営業予定地を管轄する保健所に、申請書類を提出します。自治体によって仮設営業許可の区分や申請条件が異なるため、事前に相談しましょう。

参照元:

TOKIMESSE「臨時食品営業の許可申請について」

宮城県「食品衛生法改正により新しい営業許可制度が始まっています【仮設営業】」

宮城県「仮設店舗における販売3業種の営業許可について」

なお特定の食品営業施設に必要な食品衛生管理者資格についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

酒類販売業の仮設営業

また酒類販売業の仮設店舗には、仮設営業の免許が必要です。酒類の容器を開栓せずに販売する場合には、期限付酒類小売業免許を申請します。営業予定地を管轄する税務署に申請書類を提出しましょう。

参照元:国税局「期限付酒類小売業免許について」

なお飲食業の仮設店舗において、酒類の容器を開栓して紙コップに注いで販売する場合には、酒類小売業免許は不要です。上記の飲食業の仮設営業または臨時営業の許可が必要になるため、営業予定地を管轄する保健所に事前に相談しましょう。

以上の違いが生まれる原因は、販売される酒類が消費されるタイミングです。例えばお祭りで紙コップに注がれたビールが販売される場合には会場内で酒類が消費されますが、イベント会場で地酒のボトルが販売される場合には会場外で(帰宅後に)開封されます。

古物営業の仮設営業

そして古物営業の仮設店舗には、仮設営業の届出が必要です。仮設営業を行う営業予定地を管轄する警察署に、営業開始3日前までに、日時と場所を申請しなければなりません。ただし仮設営業予定地に営業所がない場合には、営業所のある都道府県で許可を申請できます。

古物営業の仮設店舗は、古物の買い受けなどのために、営業所以外に仮で設けられ、容易に移動できる店舗です。仮設営業の許可申請には、手数料が発生しませんので、届出が受理されれば営業を開始できます。

なお古物営業の仮設店舗を営業する際には、許可証の携帯や標識の掲示、帳簿などによる取引記録が必要です。仮設営業中には警察職員が立ち入る場合がありますので、ルールを守って営業しましょう。

参照元:

警視庁「仮設店舗営業届出」

愛知県警察「仮設店舗営業の届出」

熊本県警察「古物営業仮設店舗の届出手続き」

仮設店舗の種類と価格

仮設店舗の種類と価格

次に仮設店舗の営業許可を把握したうえで、仮設店舗の種類と価格も確認しましょう。仮設店舗の価格は、業種や規模によって変わります。それではユニットハウスとプレハブハウス、コンテナハウス、キッチンカーの特徴と価格をご紹介します。

プレハブハウス

まずプレハブハウスが、仮設店舗の種類として挙げられます。プレハブハウスの特徴は、あらかじめ工場で製造された建築部材が現場へ運搬されてから組み立てられる点です。価格は坪単価10万~30万円程度で、サイズや状態(新品か中古品か)によって変動します。

プレハブハウスには画一化された建築部材が使用されるため、ユニットハウスと比べて価格が安いです。施工期間は1週間程度とユニットハウスよりも長いですが、仮設営業に適しています。

なおプレハブハウスのサイズや状態(新品か中古品か)によって、デザイン性や耐久性が異なる点にご注意ください。中古プレハブには劣化や破損の恐れがありますが、塗装や修繕が可能です。

ユニットハウス

次にユニットハウスも、仮設店舗の種類です。ユニットハウスの特徴は、工場で組み立てられてから現地へ運搬される点です。価格は坪単価20万~50万円程度で、サイズや状態(新品か中古品か)によって変動します。

またユニットハウスは、プレハブハウスに比べて耐震性が高く、ローコストです。そして大きさを自由に選べ、施工期間が1日程度と短いです。仮設営業の終了後には、中古品として再利用できます。

ただしユニットハウスのサイズや状態(新品か中古品か)によって、デザイン性や耐久性が異なる点にご注意ください。中古品は安いですが、利用期間が長い分だけ劣化や損傷のリスクが高まります。

コンテナハウス

それからコンテナハウスも、仮設店舗の種類です。コンテナハウスの特徴は、組み合わせの自由度が高く、プレハブハウスよりも耐震性が高い点です。価格は坪単価50万~100万円程度で、サイズや状態(新品か中古品か)によって変動します。

しかしコンテナハウスのデメリットとして、プレハブハウスやユニットハウスよりも熱がこもりやすいです。またトラックでコンテナを輸送できる場所に限定され、輸送費用もかかります。

なおコンテナハウスは、建築基準法第2条第1号に規定された建築物に該当しますので、建築確認の申請が必要です。ただし防災上や衛生上の支障がないと判断されれば、仮設店舗として条件が緩和されます。

参照元:国土交通省「コンテナを利用した建築物の取扱いについて」

なおコンテナハウスの施工事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

キッチンカーなどの自動車

そしてキッチンカーなどの自動車も、仮設店舗の種類に含まれます。キッチンカーなどの自動車の特徴は、プレハブやユニット、コンテナとは異なり施工が不要で、容易に移動できる点です。価格は1台200万~500万円程度で、サイズや状態(新品か中古品か)によって変動します。

ただしキッチンカーなどの自動車で営業するデメリットとして、天候に左右される点やメンテナンスや修理にコストがかかる点などが挙げられます。またショッピングモールやイベント会場などの営業場所を探さなくてはなりません。

なおキッチンカーなどの自動車で都道府県をまたいで営業する場合には、営業する都道府県ごとに営業許可を申請しなければなりません。調理する食品や販売する商品に応じて、営業許可を申請しましょう。

参照元:

愛知県「自動車による営業並びに露店営業、臨時営業及び短期営業に関する取扱要領」

徳島県「〔食品関係〕自動車による営業の許可について(令和3年6月1日以降)」

福島県「自動車を用いた食品営業について」

なお店舗をもたないゴーストレストランのメリット・デメリットもまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

仮設店舗による営業事例

最後に仮設店舗の種類を把握したところで、仮設店舗による営業事例を調査しましょう。ユニットハウスとプレハブハウス、コンテナハウス、キッチンカーの事例を取り上げて、各店舗の営業の特徴をご紹介します。

被災地に建設されたプレハブハウス

被災地に建設されたプレハブハウス

「しおがま・みなと復興市場」様は、被災地に建設されたプレハブハウスの仮設店舗です。プレハブハウスには鮮魚店や菓子店、洋品店などが立ち並び、地元住民だけではなく観光客も訪れてきました

震災から1年後に入居した「中山せんべい店」は、震災により店舗を失いましたが、事業を継承していくために、プレハブハウスで事業を再開。仮設店舗で資金を蓄えたうえで、震災から5年後に元の場所で営業を再開できました。

同様に「及善蒲鉾店」も、「南三陸さんさん商店街」の仮設店舗に入居されました。津波で本社と工場を失いましたが、仮設店舗での営業を経たのちに、水産加工の関連企業と共同で工場を再建できました。

参照元:J-Net21震災から5年『仮設店舗で伝統の味を守り続けた被災企業』」

飲食店のユニットハウス

飲食店のユニットハウス

「佐世保バーガー 川登」様は、ユニットハウスで営業する飲食店です。川登サービスエリアの屋外スペースで営業されています。サービスエリアに立ち寄った顧客が、手軽にご当地バーガーを食べることができます。

佐世保バーガーには決まったメニューはなく、「手作り」と「注文を受けてからの調理」が特徴です。ユニットハウスの仮設店舗ではありますが、注文を受けてから手作りでバーガーを製造できる設備が整っています。

参照元:食べログ「佐世保バーガー川登」

期間限定モールのコンテナハウス

期間限定モールのコンテナハウス

「another style town Magic Beach」様は、コンテナモールが利用された期間限定のモールです。モール内では、スポーツや音楽、ライフスタイルなどの世代を超えて楽しめるイベントが開催されました。

モールの敷地面積は1万㎡の広さで、「スポーツ・アウトドア・イベント」をコンセプトに施設全体がデザイン。ショッピングやイベント、ビーチなどのエリアがレイアウトされ、ショッピングエリアにはコンテナハウスの仮設店舗が並んでいます。

参照元:FASHION NETWORK「ビーチ・コンテナモール・イベントスペースの複合施設「マジックビーチ」豊洲にオープン

人気焼肉店のキッチンカー

「肉山」様は、キッチンカーでの移動販売も行う人気焼肉店です。実店舗は吉祥寺にあり、最高級の赤身肉を提供しています。実店舗の予約は取りづらいですが、キッチンカーでは焼肉弁当が販売されています。

また実店舗で肉を焼いている焼き師が、キッチンカーでも働いている点も魅力的です。平日のランチタイムに、都内のショッピングモールや商業ビル、遊歩道などで営業されています。

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監修者

IDEAL編集部

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