2023.09.27 2023.09.11|店舗運営ノウハウ
店舗経営における商品・サービスの企画・開発とは?費用・プロセス・ポイント・事例
本記事で、店舗経営における商品・サービスの企画・開発について、費用の目安やプロセス、ポイント、事例などをご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
店舗経営における商品・サービスの企画・開発とは?基本情報
そもそも店舗経営における商品・サービスの企画・開発とは、どういった活動でしょうか?そこで商品・サービスの企画・開発について、基本情報(目的や特徴、必要な知識と技能、費用の目安)をご紹介します。
目的
まず店舗経営における商品・サービスの企画・開発の目的は、集客の向上と売上の安定などです。幅広い顧客層から興味や関心を集める商品やサービスを企画・開発できれば、新規顧客の来店数を増やして、売上が向上します。
また定期的に新しい商品・サービスを企画・開発して、既存顧客のリピート率を維持できれば、顧客の流出を防止しながら、売上を安定させられます。既存の商品・サービスの問題点を改善することが重要です。
方法
次に店舗経営における商品・サービスの企画・開発の方法は、品揃えの拡充と購買体験の改善などです。市場のトレンドや顧客のニーズを汲み取ったうえで、店舗の品揃えを拡充させることで、幅広い顧客層からの興味や関心を集めることができます。
また購買体験の改善を図ることで、既存顧客を飽きさせることなく、新たな来店の動機を感じさせることができます。来店した顧客からフィードバックをもらうことで、商品・サービスの改善点を探しましょう。
必要な知識と技能
また店舗経営における商品・サービスの企画・開発に必要な知識と技能には、マーケティングの知識や発想力、研究・実験の技能などがあります。新たな商品・サービスを生み出すためには、市場分析に基づいたデータや柔軟な発想から生まれたアイデアなどが必要です。
また企画した商品・サービスを製造販売する前には、品質や安全性、生産性などを高めるために、研究・実験しなければなりません。店舗マーケティングの流れと方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
費用
そして店舗経営における商品・サービスの企画・開発にかかる費用について、一例をご紹介します。
- 飲食サービス業:1メニューにつき5万円前後~
- 生活サービス業:1サービスにつき5万円前後~
- 製造業 :1商品につき10万円前後~
- 小売業 :1商品につき売上の10%前後(販売促進費)
- 情報通信業 :1サービスにつき50万円前後~
なお商品・サービスの製造・販売にかかるコストやプロセスが多いほど、企画・開発にかかる費用は増えます。また一般的には、既存の商品・サービスの改善よりも、新たな商品・サービスの企画・開発にかかる費用が高いです。
店舗経営において商品・サービスを企画・開発するプロセス
基本情報を踏まえたうえで、店舗経営において商品・サービスを企画・開発するプロセスも確認しましょう。7点(市場調査からアイデア、コンセプト、企画・開発書、開発、発売準備、広告宣伝、発売まで)に整理して、ご紹介します。
市場調査
まず店舗経営において商品・サービスを企画・開発するプロセスは、市場調査から開始されます。集客と売上を伸ばす商品・サービスを企画・開発するためには、市場調査をとおして市場のトレンドや顧客のニーズを知る必要があるからです。
そこで自店舗の商圏内にある競合店舗の調査を行いましょう。競合店舗の人気商品・サービスや販売価格、販促方法などは、商品・サービス企画・開発のヒントになります。市場の売れ行きや相場を踏まえて、商品・サービスの企画・開発を進めましょう。
アイデアの洗い出し
次に市場調査を踏まえて、企画・開発する商品・サービスのアイデアを洗い出しましょう。市場のトレンドや顧客のニーズに応えるアイデアを洗い出すことで、自店舗の経営に適した商品・サービスを企画・開発しやすくなります。
アイデアを洗い出していく際には、自店舗が過去に販売してきた商品・サービスと比較しましょう。企画・開発する商品・サービスの成功確立を上げるためには、過去の成功に学び、失敗した原因の対策が必要です。
コンセプトの決定
またアイデアを洗い出したうえで、企画・開発する商品・サービスのコンセプトを決定しましょう。店舗経営の事業方針やコンセプトから外れないように、企画・開発する商品・サービスのコンセプトを決める必要があります。
なおコンセプトを決定する際には、市場におけるターゲティングとポジショニングが重要です。店舗のコンセプトを設計する方法や事例などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
企画・開発書の策定
そしてコンセプトに基づいて、商品・サービスの企画・開発書を策定しましょう。企画・開発書には、商品・サービスを企画・開発する目的や売上目標、発売日、販促方法などを記載します。
なお商品・サービスのコンセプトと同じく、企画・開発書も店舗経営の事業計画書に位置付けられます。幅広い業種・業態の店舗経営に活用できる事業計画書の書き方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
商品・サービスの開発
さらに企画・開発書に従って、商品・サービスの開発を行います。発売開始日までの開発予定を立てたうえで、店舗経営の集客と売上を伸ばせる商品・サービスの試作品を開発してください。
また発売前の商品・サービスに改良を加えるためには、モニターキャンペーンやプレ発売を実施しましょう。実際に顧客に商品・サービスを体験してもらうことで、開発者の気づかなかった改善点をフィードバックしてもらえます。
発売準備
なお商品・サービスの開発を進めながら、発売準備も開始してください。販売店や代理店に契約してもらうためには、プレゼンテーションを実施して開発している商品・サービスの魅力を紹介します。
また発売準備には、メンテナンスやアフターサポートの体制構築も含まれます。発売後に起こりうるリスクに予め備えることで、顧客とのトラブルを回避しましょう。幅広い業種・業態の店舗に活用できるクレーム対応マニュアルをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
広告宣伝と発売
いよいよ開発と発売準備が完了したら、広告宣伝を展開しながら発売を開始します。企画・開発した商品・サービスの情報を効果的に発信するために、ターゲットに適した広告宣伝の方法を選びましょう。店舗へ集客する方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
なお発売当初には、思わぬトラブルが発生する恐れもあります。トラブルが発生した際にも、顧客との良好な関係を継続できるように、マニュアルに沿ってクレームに対応しましょう。
店舗経営において商品やサービスを企画・開発するポイント
企画・開発のプロセスだけではなく、店舗経営において商品やサービスを企画・開発するポイントも押さえておきましょう。5点(フレームワークと店舗デザイン、異業種や他業態とのコラボ、スピード感、効果検証)を取り上げます。
フレームワークの活用
まずフレームワークの活用が、店舗経営において商品やサービスを企画・開発するポイントです。フレームワークを活用すると、分析や思考の過程がクリアになり、アイデアの洗い出しやコンセプトの決定などの作業を効率的に進められます。
例えば商品・サービス企画・開発に活用できるフレームワークとして、「KJ法」「オズボーンのチェックリスト」などがあります。ブレインストーミングに役立ちますので、フレームワークを活用しましょう。
参照元:
東大IPC「KJ法とは?メリットやデメリット、やり方・手順を解説」
コンセプトに基づいた店舗デザイン
次にコンセプトに基づいた店舗デザインも、店舗経営において商品やサービスを企画・開発するポイントです。店舗デザインで商品やサービスのコンセプトを表現することで、集客率を高め、顧客の購買行動を促し、売上の向上を期待できます。
そこで店舗デザインに、商品やサービスのコンセプトに合うテイスト(和モダンやナチュラル、ゴージャスなど)を取り入れましょう。店舗内装デザインのテイスト事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
異業種や他業態とのコラボ
また異業種や他業態とのコラボも、店舗経営において商品やサービスを企画・開発するポイントです。異業種や他業態の商品・サービスとコラボすることで、集客や販促の相乗効果を期待できます。
例えば他店舗との共同開発を企画すると、自店舗にないスキルや資格を活用しながら、商品やサービスを開発できます。また有名キャラクターとのキャンペーンを企画すると、キャラクターのファンに顧客として自店舗へ訪れてもらいやすいです。
スピード感の重視
そしてスピード感の重視も、店舗経営において商品やサービスを企画・開発するポイントです。スピード感を重視して商品・サービスの企画・開発を進め、トレンドが去ってしまう前に発売しましょう。
企画・開発のスピードが遅れると、自店舗と類似する商品・サービスが発売されてしまう恐れがあります。発売してからの改良も視野に入れたうえで、企画から開発、発売までの計画を立てましょう。
効果検証
さらに効果検証も、店舗経営において商品やサービスを企画・開発するポイントです。商品・サービスを市場に投入したら、集客と売上のデータに基づいて評価し、改善を加えましょう。
売上が伸びなかった場合には、「商品やサービスのコンセプトと顧客のニーズにズレがないか」「宣伝広告や販売促進の方法は適切であるか」などを検証します。同じ観点から各商品・サービスを評価すると、販売を継続する商品と中止する商品を判別しやすいです。
店舗経営の商品・サービスを企画・開発した事例
店舗経営において商品やサービスを企画・開発する際には、参考となる事例を調査しましょう。事例5点(飲食店と美容室、小売店、学習塾、保育園)を取り上げて、企画・開発された商品・サービスの特徴をご紹介します。
日本人向けのハンバーガーを開発した飲食店
「株式会社モスフードサービス」様は、ハンバーガーチェーンの飲食店を経営しています。アメリカ発のハンバーガーチェーン店の国内参入をきっかけに、日本人の好みに合った味つけのハンバーガーが開発されました。
開発中には、何度もハンバーガーの試作品を作りながら、納得できる味が追求されました。開発から1年後に商品開発を終えて、スピード感をもって発売された点がポイントです。開業後から定期的に、商品改良が続けられています。
参照元: J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]「『モスバーガー』食べ物屋である以上、食品の味で勝負しよう」
オリジナル商品を開発した美容室
「株式会社エアーエンターテイメント」様は、美容室を経営しています。美容室を訪れる顧客の髪や地肌に対する悩みを解決するために、オリジナル商品のシャンプーが開発されました。
美容室の全従業員に開発へ参加してもらうことで、商品に愛着が芽生え、店販の利益も向上されました。遠方で美容室まで来れない顧客にも商品を届けるために、オンラインショップやセレクトショップでの販売を展開しています。
参照元:株式会社エアーエンターテイメント「PLATINUM DROP by air」
家具の月額定額サービスを企画した小売店
「株式会社 良品計画」様は、家具や雑貨、衣料品などを製造・販売する小売店です。家具の月額定額サービスが企画されました。家具のレンタルサービスにより、住み替えなどのタイミングで家具を処分する必要がなくなり、廃棄物の削減を期待できます。
ベッドや収納家具などのレンタル期間を終了すると、返却・延長・買い取りを選べる仕組みです。レンタル後にはメンテナンスされて、再レンタルされたり、中古品として販売されています。
参照元:株式会社 良品計画「くらしの基本となる無印良品の家具 月額定額サービス開始のお知らせ」
オンライン個別指導サービスを企画した学習塾
「株式会社 スプリックス」様は、学習塾や塾講師のリクルートサイトを経営しています。コロナ禍に対面指導を提供しづらくなった際に、オンライン個別指導サービスが企画されました。そして手ごたえを得たことで、オンライン個別指導サービスの独自ブランドが立ち上げられています。
オンラインならではのリーズナブルな価格や塾経営のノウハウを活かした高品質な授業、通塾の負担がないこと、スマホで授業が聞ける手軽さなどにより、競合塾との差別化が図られています。
地域密着をテーマにサービスを企画した保育園
「企業主導型保育所 みのりナーサリー」様は、地域密着をテーマにサービスを企画した保育園です。人口減少をきっかけとして、地域の子どもたちと経済に貢献するために、開園されました。
企業主導型保育園として運営されており、提携企業で働く従業員の子どもが通園可能です。また幼保連携型認定こども園が併設されているため保育園の卒園後に入園でき、子育て支援サービスも受けられます。
参照:企業主導型保育所みのりナーサリー「みのりナーサリーとは 」
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監修者
-
IDEAL編集部
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