2020.09.01  2024.11.22|店舗デザイン

店舗運営における業務効率化のポイント!方法や事例も紹介

店舗運営における業務効率化のポイント!方法や事例も紹介

本記事で、店舗運営における業務効率化のポイントを解説します。また業務効率化の方法や事例もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

店舗運営における業務効率化の基本情報

店舗運営における業務効率化の基本情報

店舗運営における業務効率化の方法を検討するために、基本情報(店舗運営の業務内容や業務効率化の目的、課題、流れ)を確認しましょう。基本情報を確認することで、適切な方法を選びやすくなるからです。

業務内容

まず店舗運営の業務内容は幅広く、業種・業態によって異なります。一般的な店舗運営の業務内容は、以下のとおりです。

  • 開店準備・閉店作業
  • 接客と商品・サービスの提供
  • 仕入れ・在庫管理
  • 人材の採用と研修
  • 集客活動
  • 売上と経費の管理
  • 店舗物件の管理と修繕

営業活動の仕組みを回す店舗運営に対して、店舗経営は店舗運営の仕組みや状況を管理します。店舗経営と店舗運営との違いを詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

目的

次に店舗運営における業務効率化の目的は、コストの削減や人材不足の解消、顧客満足度の向上などです。在庫管理や売上管理などの業務を効率化できると、人件費や光熱水道費などのコストを削減しながら、従来よりも少ない従業員数で店舗を運営できます。

削減したコストを接客や商品・サービスの開発などに充てることで、顧客満足度を向上させられると、店舗の集客と売上のアップにつながります。店舗運営における業務効率化の方法について、後ほどご紹介します。

課題

それから店舗運営における業務効率化の課題は、優先順位の整理や属人化の解消、無駄な業務の削減などです。店舗運営の全ての業務を一度に効率化させることはできないため、優先順位を整理しましょう。

属人化されている業務や無駄な業務に対しては、効率化を進める前に各業務の方法や内容を見直して、属人化の解消と無駄な業務の削減を図らなくてはなりません。業務の見直しやECRS(改善の4原則)の活用について、後ほどご紹介します。

流れ

そして店舗運営における業務効率化の流れは、下記のとおりです。

  • 業務効率化の内容と方法を計画する
  • 計画に沿って各業務の効率化を図る
  • 業務効率化の達成度を評価する
  • 業務効率化の内容や方法を改善する

以上の流れに沿ってPDCAサイクルを回しながら、店舗運営における業務効率化を図ります。評価・改善するためには、計画段階で業務効率化の目的を明確にし、目標を数値化しておきましょう。

店舗運営における業務効率化の方法

店舗運営における業務効率化の方法

基本情報を踏まえて、店舗運営における業務効率化の方法を検討しましょう。6点(業務の見直しと業務のデータ化、DXの推進、マニュアルの作成、エリアマネージャーの配置、採用・研修の見直し)をご紹介します。

業務の見直し

まず業務の見直しが、店舗運営における業務効率化の方法として挙げられます。優先順位の整理や属人化の解消、無駄な業務の削減などのために、業務の見直しが必要です。店舗運営の全業務を整理しながら、各業務の目的や方法などを文書にまとめましょう。

例えば顧客に手書きで個人情報を記入してもらった紙媒体のシートを管理している店舗には、顧客情報管理システムとタブレット端末を導入しましょう。顧客にタブレット端末で直接入力してもらえば、デジタルシステムに会員情報を自動的に保存できます。

業務のデータ化

次に業務のデータ化も、店舗運営における業務効率化の方法です。集客活動や在庫管理、売上管理などの情報をデータ化することで、業務効率化の評価・改善がしやすくなります。各業務に適したデジタルシステム・ツールを導入しましょう。

例えば売上データを表計算ソフトに手入力している店舗には、キャッシュレス決済システムや売上管理システムを導入しましょう。商品・サービスの会計や販売後の売上管理を効率化できます。

DXの推進

それからDXの推進も、店舗運営における業務効率化の方法です。店舗のDX(デジタル技術による店舗経営の仕組みや商品・サービスなどの変革)を推進することで、業務効率化はもちろん競争力の強化や利便性の向上などにもつながります。

店舗DXの方法には、オンライン予約システムやデジタルサイネージ、セルフオーダーシステムなどがあります。店舗DXを進める流れとポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

マニュアルの作成

続いてマニュアルの作成も、店舗運営における業務効率化の方法です。各業務のマニュアルを作成することで、各従業員による業務のバラつきを減らしたり、ノウハウを共有したりできます。

例えば顧客からクレームを受けた際には、従業員が謝罪や解決策の提示などを判断しなくてはなりませんので、対応マニュアルを作成しておきましょう。幅広い業種の店舗に活用できるクレーム対応マニュアルをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

エリアマネージャーの配置

またエリアマネージャーの配置も、店舗運営における業務効率化の方法です。経営する店舗数を増やすほど、各店舗の運営方法にバラつきが生じやすくなりますので、各店舗を巡回指導するエリアマネージャを配置しましょう。

エリアマネージャーだけではなく、多店舗展開する際にはマーケティングの施策や出店のタイミング、投資回収の計画なども重要です。多店舗展開の失敗例と対策方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

採用・研修の見直し

そして採用・研修の見直しも、店舗運営における業務効率化の方法です。無駄な人件費を減らしたり、顧客満足度を高めたりするためには、職種ごとに必要な知識・技能を身につけた人材を採用します。

ただし優れた人材を採用できても、デジタルシステムやマニュアルなどを提供するだけで全ての従業員が同じように働けるようにはなりません。店舗運営の業務に関する研修を計画しましょう。

店舗運営における業務効率化のポイント

店舗運営における業務効率化のポイント

適切な方法を円滑に実践できるように、店舗運営における業務効率化ポイントも押さえましょう。6点(経営の方針と担当者の配置、課題の特定、改善の4原則の活用、情報の共有、システムの統一)をご紹介します。

経営の方針

まず経営の方針が、店舗運営における業務効率化のポイントとして挙げられます。店舗の経営方針によって、効率化すべき業務は異なります。全店舗や全従業員が同じ目標に向かって業務効率化を推進できるように、店舗の経営方針を示しましょう。

一般的には、事業計画書に店舗のコンセプトや経営方針などが記載されます。事業計画書は、開業資金の調達や経営の評価・改善などのためにも必要です。幅広い業種の店舗に活用できる事業計画書の書き方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

担当者の配置

次に担当者の配置も、店舗運営における業務効率化のポイントです。適材適所の人員配置でない場合には、店舗運営の業務効率性を下げてしまう恐れがあります。従業員の知識や技能、希望などに応じて、各業務の担当者を配置しましょう。

現段階で特定の知識・技能が乏しくても、モチベーションが高い人材なら、幅広い業務を遂行できる従業員へと成長できる可能性を秘めています。各業務の成果や各従業員の働きぶりをデータ化しながら、担当者の配置を評価・改善しなければなりません。

課題の特定

それから課題の特定も、店舗運営における業務効率化のポイントです。店舗運営における業務効率化の課題(優先順位の整理や属人化の解消、無駄な業務の削減など)によって、適した方法は変化します。

例えば接客業務が疎かになっている店舗には、在庫管理や売上管理などにデジタルシステム・ツールを導入して業務効率化を図ります。開店準備や閉店作業の時間が取れない店舗には、清掃業務の外注や清掃専門従業員の採用などが可能です。

ECRS(改善の4原則)の活用

続いてECRS(改善の4原則)の活用も、店舗運営における業務効率化のポイントです。ECRSは、以下の4英単語の頭文字から成ります。

  • Eliminate(排除)   :無駄な業務を排除する
  • Combine(結合)   :似ている業務を結合する
  • Rearrange(並べ替え) :業務の場所や順番を並べ替え
  • Simplify(簡素化)    :マニュアルやシステムなどで業務を簡素化する

参照元:JMAC「ECRS(改善の4原則)」

以上の4原則を活用して、店舗運営における業務効率化を図りましょう。

情報の共有

また情報の共有も、店舗運営における業務効率化のポイントです。コストの削減や人材不足の解消、顧客満足度の向上などのために、マニュアルやDXの推進、エリアマネージャー、研修などの方法で店舗運営全般の情報を共有しましょう。

店舗経営者と店舗運営責任者の間や店舗運営責任者と各従業員の間で、正確で確かな情報を共有するために、連絡の手段や記録の方法などを明確にしなければなりません。個人情報保護のために、セキュリティ対策も重要です。

システムの統一

そしてシステムの統一も、店舗運営における業務効率化のポイントです。デジタルシステムを導入しても、関連業務のシステムと連携していなかったり、各店舗のシステムが異なったりすると、業務効率化を図れません

例えばオンライン予約システムとセルフオーダーシステム、キャッシュレス決済システム、売上管理システムが連携していると、予約から注文、会計、売上管理までのデータを一元的に管理できます。

店舗運営における業務効率化の事例

ポイントを押さえて店舗運営における業務効率化を推進できるように、参考となる事例を調査しましょう。事例5点(飲食店と温泉旅館、サロン、クリニック、百貨店)を取り上げて、各事例の特徴をご紹介します。

DXを推進した飲食店

DXを推進した飲食店

まず「相川食堂」は、DXを推進した飲食店です。店舗運営における業務効率化のために、IT導入補助金を活用して、スマホとタブレットを利用するオーダーエントリーシステムが導入されました。

従来は従業員が手書きで注文を受けてから厨房に口頭で伝達したり、レジ打ちをして会計処理をしたりしていましたが、接客・調理・会計のコストを削減できています。デジタルシステムで処理することで、正確性も向上した店舗運営における業務効率化の事例です。

参照元:本庄経済新聞「上里町の創業60周年『相川食堂』、DX化して半年 スマホとタブレットで来店客に対応」

コミュニケーションツールを導入した温泉旅館

コミュニケーションツールを導入した温泉旅館

次に「峡泉」は、コミュニケーションツールを導入した温泉旅館です。宿泊施設運営における業務効率化のために、各客室にタブレット端末が導入されました。タブレット端末により、宿泊客と受付の従業員が非接触でコミュニケーションできます。

従来は少ない従業員数で内線電話の対応にコストがかかっていましたが、タブレット端末によりメッセージでコミュニケーションできています。コミュニケーションだけではなく、お土産販売にも活用されている店舗運営における業務効率化の事例です。

参照元:crotta「導入事例」

研修で技術の均一化を図るサロン

研修で技術の均一化を図るサロン

それから「FaSS」は、研修で技術の均一化を図るサロンです。店舗運営における業務効率化のために、ヘアカット・スタイリングの技術やオーダーの多いヘアスタイルなどに関する研修会が開催されています。

指名制のヘアサロンではないため、カウンセリングで顧客の希望条件を把握しなくてはなりません。理想のヘアスタイルを実現できるように、漠然とした質問ではなく、具体的な質問でやり取りするように従業員が指導されています。

参照元:ウォーカープラス「10分カット『QB HOUSE』の新業態『2400円カット』なぜ人気?安さだけじゃないこだわりとは」

クリニックの電子カルテシステム

クリニックの電子カルテシステム

続いて「CLIUS」は、クリニックの電子カルテシステムです。クリニック運営における業務効率化のために、電子カルテシステムの有料オプションとして、マイナ保険証に対応したチェックインシステムが搭載されています。

従来は患者から紙媒体の保険証と診察券を預かり、従業員が手動でカルテを探していましたが、チェックインシステムで受付業務を自動化できます。電子カルテにチェックインシステムが連携されたクリニック運営における業務効率化の事例です。

参照元:PR TIMES「マイナ保険証のチェックインシステムを開発!クラウド型電子カルテ『CLIUS』マイナンバーカードで患者さまの受付を自動化」

カスハラ対策マニュアルを作成した百貨店

カスハラ対策マニュアルを作成した百貨店

そして「福田屋」は、カスハラ対策マニュアルを作成した百貨店です。厚生労働省の策定したマニュアルを参考にして、カスハラ対策マニュアルが作成されました。店舗運営における業務効率化だけではなく、従業員の心身の健康を守る取り組みです。

マニュアル作成前には、顧客から過剰な要求を受けたり、人格を否定されたりして、疲弊した従業員が退職を希望することがありました。店舗運営者にカスハラ対応を任せるのではなく、店舗経営者として対応方針を示した事例です。

参照元:下野新聞デジタル「『不当要求には毅然と』 県内企業で『カスハラ』対策進む マニュアルに具体例や映像で研修」

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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