2021.07.08  2022.11.01|店舗デザイン

店舗設計のポイントとは?流れと期間や業者・設計図・費用

店舗設計のポイントとは?流れと期間や業者・設計図・費用

本記事で、店舗設計のポイントについてご紹介します。店舗設計の流れと期間、依頼できる業者、設計図の種類、費用なども解説します。

「どのように店舗設計を進めればいい?」「店舗設計の費用を知りたい!」とお悩みではありませんか?店舗の開業や移転、リニューアルなどを検討している方はぜひご覧ください。

店舗設計とは?

店舗設計とは?

店舗設計とは、店舗の内外装のレイアウトやデザインなどを設計図にまとめる活動です。店舗設計によって顧客や従業員の居心地や動線が変わるため、集客や売上に影響します。店舗を開業や移転、リニューアルする際に、重要な役割を果たします。

店舗設計と店舗デザインの違い

「店舗設計」とよく似た言葉として、「店舗デザイン」があります。店舗設計と店舗デザインの違いは、店舗経営視点の有無です。店舗デザインでは店舗設計に加えて、ブランディングや集客などを含めた店舗経営の方針やビジョンを検討します。

店舗デザインの流れは、店舗設計と共通点があります。まずは店舗のコンセプトを基に内外装やレイアウト、配色などを決めます。よって店舗設計のポイントを確認しておくと、店舗デザインにも活かせます。

なお店舗デザインについて次の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

店舗経営者が設計できる?

店舗設計に必須の資格はありませんので、店舗経営者が設計することは可能です。しかし店舗設計に関する専門的な知識がないと法規制に引っかかったり、構造上無理のある店舗を設計したりする危険性があります。よって専門的な知識・技能を提供する業者への依頼をおすすめします。

店舗設計を依頼する際は、業者に希望条件を細かく伝えてください。業者と密に相談することで、理想的な店舗を設計できます。ただし業者によって対応できる範囲が異なりますので、事前に業務内容を確認しておきましょう。店舗設計を依頼できる業者の種類を後ほどご紹介します。

店舗設計の流れと期間

店舗設計の流れと期間

店舗設計をスムーズに進めるには、店舗設計の流れと期間を把握しておく必要があります。開業予定日やリニューアル後の営業再開予定日から逆算して、余裕をもって店舗設計の期間を設定しましょう。

コンセプトを明確にする

まずはコンセプトを明確にしてください。店舗の方向性や理念などを定めることで、内外装のイメージを具現化しやすくなり、デザインに統一感を出せるからです。新規営業とリニューアルオープンによって異なりますが、営業開始6ー12か月前にはコンセプト設計を始めましょう。

取り扱う商品やターゲット、営業時間、販売方法、価格まで細かく設定することで、適した内外装のテイストやレイアウトなどが決まります。店舗全般に活かせるコンセプト設計について次の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

店舗物件を選ぶ

コンセプトを明確にできたら、店舗物件を選びます。事前調査を行いながら希望条件に合う店舗物件を探して、営業開始の約3ー6か月前に契約を申し込みましょう。物件の種類(居抜きかスケルトン)によって、設計や工事の内容が異なります。

適した物件を選べない場合は、業者に物件選びを相談することが可能です。店舗物件の探し方やコツ、注意点についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

業者と設計監理契約を結ぶ

店舗物件を選んだら、業者と設計監理契約を結びます。設計監理とは、設計図作成と工事監理です。業者に相談して、費用や支払い時期、設計の期間や重要事項を取りまとめます。営業開始4〜5か月前には契約してください。

ただし業者によって契約の順序が異なる点にご注意ください。先に基本設計と見積もりを終えてから、設計監理契約を提案する業者も存在します。見積もり後に契約する場合は、営業開始2〜3か月前に契約を結んで施工が開始されます。

なお設計費用を店舗の広さや工事費用の総額から割り出す方法がありますので、後ほど詳しく解説します。

基本設計を検討する

設計監理契約を結んだら、基本設計を検討します。基本設計とは、コンセプトを反映させた図面です。設計士と相談しながら、店舗の基本となるレイアウトやデザイン(使用する色や内装材など)を決定します。営業開始3-4か月前までに完成させてください。。

基本設計を土台にしてさらに詳細な設計図が作成されますので、基本設計の時点で気になる点があれば修正してもらいましょう。

工事費用の見積もりを取る

店舗の基本的なレイアウトやデザインを設計できたら、工事費用の見積もりを取ってください。店舗工事に1〜2か月を要しますので、開業2-3か月前には見積もりを取って施工を開始したいです。

店舗設計を依頼できる業者

店舗設計を依頼できる業者

店舗設計の流れを把握したうえで、業者に店舗設計を依頼しましょう。

業者の種類

店舗設計を依頼できる業者は、主に3種類(設計事務所と内装工事業者、工務店)に分けられます。業者の種類によって対応範囲が異なりますので、下の表をご覧ください。

業者の種類対応範囲
設計事務所基本的に設計と施工監理のみで、施工管理や施工を他業者へ委託する
内装工事業者設計・施工監理から施工管理・施工まで対応できる業者が存在する
工務店主に施工管理・施工に対応するが、設計や施工監理に対応できる業者も存在する

上記の対応範囲はあくまで一般的な傾向を示しており、業者によって対応範囲は異なります。例えば設計事務所でも施工管理に対応できる場合がありますので、依頼を検討している業者に確認してください。

業者を選ぶコツ

また業者のタイプによってメリット・デメリットがありますので、各業者の特徴を把握したうえで依頼する業者を選んでください。基本的に設計に特化している業者に依頼すると、費用が高くなる傾向があります。

一方で設計から施工までを同じ業者に依頼できると、時間と費用のコストを抑えやすいです。内装業者について詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗設計のポイント

店舗設計のポイント

理想的な店舗を開業するためには、店舗設計のポイントを押さえる必要があります。業者選びや設計図作成の際に意識したいポイントをいくつかご紹介します。

実績の豊富な業者を選ぶ

まず実績の豊富な業者を選びましょう。特に業者の得意な業種・業態やテイストに注目してください。自店舗の業種・業態や希望のテイストを得意とする業者に依頼すると、イメージどおりに設計してもらえる可能性が高まります。

業者のWebサイトに掲載されている施工事例を確認すると、得意分野や実績が分かります。例えば「飲食店の店舗設計が得意」、「和モダンテイストの実績が豊富」などの傾向を把握しましょう。自店舗のコンセプトを表現できる業者を選ぶことが重要です。

希望条件や基本情報を詳しく伝える

次に依頼する業者に、店舗設計の希望条件や基本情報を詳しく伝えましょう。業者と共通認識をもてると理想的な店舗をスムーズに設計しやすくなります。後から重要な情報を伝えて設計図を変更しないように、事前に条件や情報を洗い出してください。

伝えるべき情報は、店舗のコンセプトや開業予定日、予算、物件の規模やエリアなどです。スケジュールを立てたり、工事内容を決めたりするために必要ですので、詳しく情報を伝えてください。情報を伝えた後も、設計や施工の各段階で業者と密な連携が必要です。

コンセプトを設計図に反映させる

そしてコンセプトを設計図に反映させてください。コンセプトが明確でも、店舗デザインに反映されなければ集客につながらないからです。業者とイメージを共有して、細部まで擦り合わせましょう。

例えば客単価を低く設定している大衆店に高級感のありすぎる内外装を設計すると、ターゲットとなる顧客層を集客しづらくなる恐れがあります。リピーターを獲得しやすくするために、ターゲットの好みや生活行動を踏まえた設計図を作成しましょう。

顧客と従業員の動線を考慮する

また店舗設計では、顧客と従業員の動線を考慮してください。動線の良し悪しで、売上高や作業効率に違いが出るからです。基本的には顧客と従業員の動線を分けて、顧客の動線にゆとりをもたせて、従業員の動線から無駄を省いてください。

例えば販売店の入口と出口を分けることで、顧客が商品を隅々まで見て回ることができます。一方で従業員の無駄な作業を省いて生産性を上げるために、陳列棚や収納スペースの位置や高さなどを検討してください。

周辺環境と調和させる

最後に周辺環境と調和させるように、店舗設計してください。近隣の店舗と比べて目立ちすぎたり、逆に埋もれたりすると、集客しづらいからです。店舗周辺の景観やターゲットの好みに合わせた内外装を設計しましょう。

例えば自然の豊かな立地ではナチュラルテイストの店舗を設計して、周辺環境と調和させましょう。ただし独自性を出してターゲット層の目を引く工夫も必要です。高齢者向けにサービスを提供するなら、落ち着いた雰囲気とバリアフリーの店舗設計が求められます。

店舗設計図の種類

店舗設計図の種類

店舗設計を進めるにあたり、店舗設計図の種類を確認しておきましょう。店舗設計図には主に3種類(意匠図と構造図、設備図)があります。今回は、意匠図(店舗のレイアウトやデザインに関する設計図)の種類をご紹介します。

平面図

平面図は、店舗を上から見下ろした図面です。複数階ある店舗の場合は各階の平面図が作成されます。壁や柱、建具(窓や扉など)などの位置と種類が表記されて、店舗設計の基本となる図面です。実物の1/100もしくは1/200の縮尺で、インテリアや造作家具、壁の厚みまで正確に描かれます。

断面図

断面図は、店舗を垂直方向に切り取った図面です。主に天井や梁、床の高さなどを確認するために作成されます。断面を切り取る位置として、高さを把握する必要のある場所が選ばれます。平面図と同じく、1/100もしくは1/200の縮尺です。

立面図

立面図は、店舗の外観を正面、側面、背面の四方から見た図面です。窓や扉の高さが分かることはもちろん、屋根や外壁、テラス、外装材の種類などが描かれます。平面図や断面図と同じく、1/100もしくは1/200の縮尺です。

展開図

展開図とは、店舗の内観を正面と側面、背面の四方から見た図面です。外観を示す立面図と対照的に、展開図は内観を示します。店舗の形状というより内部の仕上げを表す図面で、壁面の寸法や内装材の種類、家具の配置などが1/50程度の縮尺で詳細に描かれます。

天井伏図

天上伏図とは、店舗の天井を下から見上げた図面です。天井の広さやデザインのほかに、エアコンや照明設備、火災報知設備などの位置を確認できます。一般的に平面図と同じ縮尺で作成されますが、寸法や内装材の種類がより細かく描かれています。

家具図・建具図

家具図にはソファやテーブルなどの家具が表記されて、建具図にはドアや窓などの建具が表記されます。家具や建具に番号を振られて、例えばWD-1はWood Doorの略で木製ドアを表します。素材や大きさ、ハンドルの種類まで細かく記載されて、家具や建具を具体的にイメージできる図面です。

店舗設計の費用

店舗設計の費用

店舗設計の費用の算出方法には、主に2種類あります。総工費から算出する方法と坪単価で算出する方法です。予算内に店舗設計を行えるように、算出方法ごとの費用相場や節約方法を確認しましょう。

設計費用の相場

総工費から店舗設計を算出する場合には、設計費用の相場は総工費の10〜15%程度です。内装工事費用が分からないと算出できないため、基本的に店舗設計から施工まで対応する業者に用いられます。

坪単価で算出する場合には、設計費用の相場は1坪3万〜10万円程度です。設計費用が店舗の規模に比例しますが、最低料金が設定される場合があります。業者によって料金設定が異なりますので、事前に確認が必要です。

設計費用の計算

10坪のスケルトン物件を例にして、店舗の設計費用を計算してみましょう。

総工費から算出する場合の設計費用は、30万〜75万円程度です。店舗工事費用の相場を坪単価30〜50万円程度とすると、10坪の店舗工事費用に300万〜500万円程度かかります。設計費用は総工費の10〜15%程度ですので、「300万~500万円×10~15%」が設計費用として請求されます。

坪単価で算出する場合の設計費用は、30万〜100万円程度です。設計費用の相場が1坪3〜10万円程度ですから、「3万~10万円程度×10坪」が設計費用と請求されます。ただし最低料金が50万円程度に設定されている場合がありますので、ご注意ください。

設計費用の節約方法

設計費用の節約方法として、設計から施工までのワンストップサービスを提供している業者への依頼があります。ワンストップで依頼することで、設計と施工を別々の業者に依頼するよりも時間や費用を節約可能です。

なお設計から施工までをワンストップで依頼するコストを計算してご紹介していますので、次のページも併せてご覧ください。

ポイントを押さえてスムーズに店舗を設計しよう!

ポイントを押さえてスムーズに店舗を設計しよう!

店舗設計を依頼できる業者や設計費用、設計図の種類などのポイントを押さえたうえで、スムーズに店舗を設計しましょう。

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監修者

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