2022.10.10  2022.10.14|店舗デザイン

コの字カウンターのデザイン!メリット・工事費用・施工事例も紹介

コの字カウンターのデザイン!メリット・工事費用・施工事例も紹介

本記事で、コの字カウンターのデザインについて解説します。コの字カウンターのメリットや向いている業種・業態、工事費用、施行事例などもご紹介します。

「コの字カウンターのデザインで気を付ける点はある?」「工事費用を知りたい!」とお悩みではありませんか?飲食店の開業や移転、リニューアルなどを検討している方はぜひご覧ください。

コの字カウンターとは

コの字カウンターとは

コの字カウンターとはカタカナの「コ」の形をしているカウンターで、厨房や給仕スペースの周りを囲みます。主に飲食店で見られるカウンターの種類です。

I字やL字のカウンターとは異なり、コの字カウンターに座る顧客同士は向き合うことができます。したがって顧客同士のコミュニケーションが生まれやすく、従業員とも話しやすいため、親しみやすい雰囲気の演出が可能です。

またコの字カウンターには、従業員が客席全体を見渡しやすいメリットもあります。接客の質を上げて空いた皿をタイミングよく下げたり、おすすめメニューを提案したりすることで、顧客に居心地のよいサービスを提供しやすいです。

店舗にコの字カウンターをデザインするメリット

店舗にコの字カウンターをデザインするメリット

店舗にカウンターをデザインすると、さまざまなメリットを得られます。具体的なメリットとして、以下の点が挙げられます。

  • 店舗の第一印象を決める
  • 食品衛生に対する安心感を与える
  • 調理工程をパフォーマンスとして見せられる
  • 料理や飲み物を効率よく提供できる
  • 「おひとりさま」を集客しやすい
  • 顧客とのコミュニケーションが増える

上記のメリット以外に「コの字カウンターならではのメリット」がありますので、ご覧ください。

従業員の作業効率を上げやすい

コの字カウンターのメリットとして、まず従業員の作業効率を上げやすい点があります。厨房や給仕スペースがカウンター中央にあり、従業員からの顧客全体を見渡しやすいからです。I字やL字のカウンターよりも従業員の移動が少なくて済み、ホールを歩き回る必要がありません。

特に居酒屋のように顧客の注文頻度が高い業種では、コの字カウンターによって効率よく飲み物や料理を提供しやすくなります。作業効率が上がることで、人件費の削減と接客力の向上が見込めます。

賑やかな雰囲気を演出しやすい

また賑やかな雰囲気を演出しやすい点もメリットです。テーブル席やI字・L字カウンターと比べて、コの字カウンターに座る顧客同士が対面しやすいです。近くに座った顧客同士が会話しやすく、各カウンター席から会話が聞こえてきます。

コの字カウンターには角が2カ所あり、同じ角に座った顧客同士は斜めに向き合う形となります。斜めに座ると適度に目線を合わせることができ、自然に会話が生まれやすいです。顧客同士のコミュニケーションを促したい場合に、コの字カウンターをおすすめします。

ただし顧客同士の距離が近すぎると不快に感じる場合がありますので、座席間のスペースを十分に取りましょう。

コの字カウンターが向いている業種や業態

コの字カウンターが向いている業種や業態

コの字カウンターは飲食業の店舗によく取り入れられます。I字やL字のカウンターに向いている業種や業態について次の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

今回は、コの字カウンターが向いている業態をいくつかご紹介します。

居酒屋やバーなどの飲み屋

まず賑やかな雰囲気を演出したい居酒屋やバーなどの飲み屋に、コの字カウンターが向いています。カウンターに濃い色を配色して落ち着いた雰囲気にすることで、バーの内装にもコの字カウンターをデザイン可能です。

ただし居酒屋やバーは顧客に長時間の滞在を期待する業態ですので、顧客の居心地に配慮してください。基本的にはゆったりと座れるローカウンターが適しています。ハイカウンターをデザインする場合は、脚が疲れにくいように足掛けをデザインしましょう。

寿司屋や天ぷら屋などの和食屋

次に調理の様子を顧客にアピールしたい寿司屋や天ぷら屋などの和食屋にも、コの字カウンターが向いています。寿司を握る板前の手さばきや天ぷらを揚げる音を楽しめると、顧客に付加価値を提供できるからです。

コの字カウンターをデザインすれば、どの席からも調理の様子を楽しんでもらえます。従業員と顧客のコミュニケーションが取りやすく、注文を受けやすくもなります。ただし顧客から厨房の様子が見える高さを計算してください。

どんぶり屋やラーメン屋などの飲食店

最後に回転率を上げたいどんぶり屋やラーメン屋などの飲食店にも、コの字カウンターが向いています。無駄のないレイアウトにすれば、スムーズな料理提供が可能です。

例えばコの字カウンターが給仕スペースを囲み、奥に厨房がレイアウトされているどんぶり屋やラーメン屋があります。カウンターの内側が、従業員の盛り付けスペースや食事を提供する通路として活用されています。

コの字カウンターをデザインするポイント

コの字カウンターをデザインするポイント

開業する店舗にコの字カウンターを施工するなら、デザインするポイントを確認しておきましょう。カウンターの高さについては、次の点にご注意ください。

  • コンセプトに合った高さにする
  • 従業員と顧客の目線の高さを考慮する
  • 足掛けや足置きを作る

またカウンターの幅や奥行きについては、次の点をご確認ください。

  • 適切な幅を決める
  • 適切な奥行きを決める

それでは今回はカウンターの形(コの字カウンター)をデザインするポイントをご紹介します。

カウンター内に収納スペースを確保する

まず顧客に見せたくない物を見せないように、コの字カウンター内に収納スペースを確保してください。コの字カウンターの内部は、周りを取り囲む顧客からよく見えるからです。顧客からの見え方に配慮した収納を心がけましょう。

例えば顧客が不快に感じる物(生ゴミや食べ残しなど)を、カウンター席から見えない場所に処分する必要があります。また調理器具やお皿などを雑に置いたり、調味料などの小物を出しっぱなしにしないように心がけましょう。

顧客のパーソナルスペースを確保する

また居心地よい空間を提供するために、顧客のパーソナルスペースを確保する必要があります。日本人の平均的な身長(男性170㎝程度、女性160㎝程度)に適しているカウンターの奥行き・幅は60cm前後です。

参考:国立成育医療研究センター「日本人の平均身長は低下傾向―低出生体重児増加が影響している可能性あり―」

コの字カウンターを取り入れる店舗には、カウンター以外の席が設けられない場合があり、I字やL字カウンターよりも大きくなります。小皿料理が多い場合や顧客にゆったり過ごしてもらいたい場合は、カウンターに75〜90cm前後の奥行きを確保してください。

荷物を置く場所も確保する

さらに顧客が不便を感じないように、荷物を置く場所も確保してください。コの字カウンターの座席は、テーブル席や座敷席に比べて狭くなりやすいからです。カウンターテーブルの下に棚を施工したり、荷物カゴを配置したりすると、限られたスペースに荷物置き場を提供できます。

また壁に上着をかけられるフックやハンガーを用意することで、荷物置きに収まらないコートやカバンなどを収納してもらえます。コの字カウンター下のスペースは限られているので、複数の収納スペースをご検討ください。

コの字カウンターの施工事例

デザインの参考にするために、コの字カウンターの施工事例を確認しましょう。グルメサイトや飲食店公式サイトを調査して、上記のデザインポイントが活かされているコの字カウンターをご紹介します。

大衆酒場BEETLE 本店

大衆酒場BEETLE 本店

引用:食べログ「大衆酒場BEETLE 本店」

「大衆酒場BEETLE 本店」様は、焼き鳥を中心に豊富なメニューを取り揃えた団塊ジュニア世代向けの大衆居酒屋です。ダイニングフロアの片側にコの字カウンターがレイアウトされており、反対側にテーブル席や個室も設けられています。

顧客の目の前で盛り付けや接客をできるように、コの字カウンター中央に従業員用のスペースが空いています。コの字カウンターに座る顧客の目線の高さに合わせて、テレビやメニューが設置されています。

井のなか

井のなか

引用:食べログ「井のなか」

「井のなか」様は、日本酒や新鮮な野菜などにこだわった居酒屋です。店内に厨房を囲む大きなコの字カウンターと掘りごたつのテーブル席がレイアウトされており、店外に少人数用のテラス席が設けられています。

カウンター席の上部に来店した著名人のサインやポスターが貼られ、日本酒の空きビンやカエルの置き物などが並んでいます。お酒と食事を楽しみながら、賑やかに会話できる雰囲気が演出されています。

美味ぇ津

美味ぇ津

引用:食べログ「美味ぇ津」

「美味ぇ津」様は、日本酒・焼酎・ワインなどを幅広く取り揃えており、芝浦牛煮込みが名物の大衆居酒屋です。ダイニングフロアにコの字カウンターだけが施工されており、従業員が接客のためにフロアを歩く必要がありません。

顧客が疲れにくいようにカウンター席の高さが低めに抑えられていますが、カウンター内で働く従業員の働く様子が見えるくらいの高さです。調理風景を見ながら、飲食を楽しめるカウンター席がデザインされています。

串かつ 末広

串かつ 末広

引用:食べログ「串かつ 末広」

「串かつ 末広」様は、大阪名物のどて焼き、串揚げ、おでんが楽しめる居酒屋です。ダイニングフロアにコの字カウンターだけがレイアウトされており、1人客用に衝立を設置できるようにデザインされています。

またミドルカウンターに座る顧客にカウンター内部を見せないように、カウンター内部から顧客へ油などを飛ばさないように、立ち上がり壁が施工されています。顧客に長く滞在してもらえるように、足置きのあるイスが設置されています。

燗コーヒー藤々

燗コーヒー藤々

引用:食べログ「燗コーヒー藤々」

「燗コーヒー藤々」様は、お酒のみならずコーヒーも提供する居酒屋です。居酒屋風の割烹として、ミシュランガイドのビブグルマンに選出されたことがあります。ダイニングフロアにコの字カウンター12席分だけが設置されています。

参照:ミシュランガイドレストラン「燗コーヒー 藤々 – Tokyo -」

顧客が長時間座っても疲れにくいローカウンターで、カウンター席に座るとお互いの顔が見えるため、顧客同士でコミュニケーションが取りやすいデザインです。ダウンライトと間接照明が施工されており、大衆居酒屋と異なる落ち着いた雰囲気になっています。

コの字カウンターの工事費用

コの字カウンターの工事費用

コの字カウンターのデザインを具体化させたうえで、工事費用も確認しましょう。新規カウンターの造作費用と施工済カウンターの塗装費用に分けて、コの字カウンター10席分の工事費用を試算しました。

新規カウンターの造作費用

新規カウンターの造作費用は、横幅1m当たり10万〜20万円程度です。カウンター席10席なら、60万〜120万円程度かかります。

カウンター1席を横幅60cm×奥行60cmとすると、10席で横幅6mが必要です。つまりコの字の形に造作するために、I字カウンター1台2m×3台を施工することになります。

ただし造作費用は、天板のグレードやデザインによって大きく異なります。顧客の目に入りやすい天板にこだわっても、他の内装材のグレードを下げることで費用を調整可能です。

施工済カウンターの塗装費用

施工済カウンターの塗装費用は、塗装面1㎡当たり2万〜3万円程度です。コの字カウンター10席分(3.6㎡程度)なら、7万〜10万円程度かかります。

ただしカウンターの状態によっては、一度塗装を剥がす費用が追加でかかります。塗料のグレードによっても費用に差が出ます。

なお居抜き物件に施工済のカウンターを活用できると、工事費用を抑えやすいです。大幅にデザインを変更する場合は取り壊し費用がかかりますので、ご注意ください。

ポイントを押さえてコの字カウンターをデザインしよう!

ポイントを押さえてコの字カウンターをデザインしよう!

理想的なコの字カウンターをデザインするために、造作や塗装の費用を予算内に抑える必要があります。施工事例を参考にしながら、ポイントを押さえてコの字カウンターをデザインしましょう。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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