「和食店の内装デザインのコツは…
2023.02.03|店舗デザイン
塾におしゃれな内装をデザインするポイント!業態別の特徴・施工事例・工事費用
本記事で、塾におしゃれな内装をデザインするポイントを解説します。業態別にみる内装の特徴や施工事例、工事費用もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
業態別にみる塾内装の特徴
塾内装の特徴は他業種(飲食業やサービス業)と異なり、特別な設備(厨房や施術室など)が不要で、必ずしもデザイン性が優先されません。ただし業態によって教室の広さや必要な設備が異なりますので、業態別にみる塾内装の特徴をご確認ください。
一斉指導型
一斉指導型の塾では、一般的な学校のように1人の講師が複数(数人~数十人)の生徒に対して指導を行います。1クラスに30名以上の生徒が在籍する場合には、十分な教室の広さが必要です。
また講師が机間巡視しやすい座席配置も必要です。生徒が集中して学習できるように、座席同士の間隔が空けられます。座席の前後左右にスペースを空ける点が、一斉指導型塾の内装における特徴です。
個別指導型
個別指導型の塾では、少人数の生徒(講師1人に生徒1~5人程度)に指導を行います。ただし生徒一人ひとりに個室が与えられるわけではなく、一般的には大部屋に設置された座席をパーテーションで区切る半個室です。
もしくは少人数の生徒が着席できる長机をパーテーションで区切るレイアウトもあります。複数の生徒を担当できる利便性を踏まえて、講師用にキャスター付きの椅子が採用されます。
チューター型
チューター型の塾では、大部屋で自習する生徒たちを講師が巡回しながら質問に応えます。したがって一斉指導型と個別指導型のいずれの内装も採用されます。
したがって塾の指導方針に合わせた内装デザインが必要です。全業態に共通しますが、生徒が集中して学習できる点と講師が巡回しやすい点を意識します。
映像配信型
映像配信型の塾では、生徒がモニターやパソコンなどで配信される講師の授業を視聴します。映像配信機器が必要ですので、モニターやパソコンを設置するスペースが必要です。
また生徒ごとに異なる映像を視聴するため、個室か半個室がレイアウトされます。複数の生徒が1台の映像配信機器を利用する場合、生徒同士の間隔が必要です。
塾におしゃれな内装をデザインするポイント
業態別の塾内装の特徴を踏まえて、塾におしゃれな内装をデザインするポイントをご紹介しましょう。塾の規模や指導方針に合う内装をデザインしましょう。
コンセプトを明確にする
まず塾のコンセプトを明確にする点が、塾内装のデザインポイントです。コンセプトによって、必要な内装や設備が異なります。塾の立地や業態、ターゲット層の年齢(生徒の学年)などからコンセプトを設計してください。
例えば一斉指導型塾であれば、複数の生徒が着席してもストレスを感じないように、床面積と配色を検討します。ターゲットが小学生以下であれば、通塾に対するモチベーションを維持できるように、明るい雰囲気を演出します。
塾名やロゴを内装に取り入れる
次に塾名やロゴを内装に取り入れる点も、おしゃれな内装をデザインするポイントです。塾の見学・体験に来た生徒・保護者に印象を与えやすく、通塾する生徒にも愛着を抱いてもらいやすくなります。
特に個性的な塾名やロゴをデザインすると、印象に残りやすいです。塾のコンセプトを短い言葉やシンプルなイラストで表現しましょう。ロゴやキャッチコピーの制作を業者へ依頼することもできます。
集中できる教室空間を演出する
また集中できる教室空間を演出してください。塾は勉強する場であるため、生徒が集中して学習できる環境が求められます。周囲の視線や雑音などが気にならない内装をデザインする必要があります。
そこで防音性の高い壁材を施工したり、教室外から教室内が見えないように窓ガラスにカッティングシートを施工したりします。また建物の入口から遠い場所に教室をレイアウトすると、外からの騒音を防ぐことが可能です。
自習室の設置を検討する
そして教室だけではなく、自習室の設置を検討しましょう。授業時間以外にも学習環境を提供できるからです。塾全体の床面積や教室数などを踏まえて、スペースを確保してください。
また自習室には頻繁に生徒が出入りするため、教室との距離を空けましょう。教室で授業を受けている生徒の集中力に影響するからです。用途や役割を踏まえて、各部屋をデザインします。
リラックススペースもレイアウトする
自習室に加えて、リラックススペースもレイアウトしましょう。塾の目的は学習環境の提供ですが、授業や自習の合間にリラックススペースで気分転換できると、生徒が集中力を持続させやすくなります。
例えば教室や自習室に近いエリアにソファーやテーブルを配置すれば、カフェのようにリラックスできる空間をレイアウトできます。素材や配色に変化を付けて、教室や自習室と異なる空間をデザインしてください。
健康・安全に配慮する
また生徒や講師の健康・安全に配慮しましょう。塾内で生徒や講師の怪我や病気が発生すると、生徒の学習が妨げられるだけではなく、塾経営にもマイナスです。特に生徒が怪我をすれば、保護者との信用問題につながります。
そこで内装の安全性を高めるために滑りにくい床材を選んだり、配線がむき出しにならないように床下へまとめたりします。災害時の避難経路を確保して、生徒を誘導しやすい通路や出入り口のデザインも検討してください。
特にコロナ対策が必要ですので、次の記事も併せてご覧ください。
快適さを保つ素材や設備を選ぶ
塾のおしゃれな内装デザインポイントとして、快適さを保つ素材や設備を選ぶ点もご検討ください。例えば長時間座っても疲れにくい椅子や腕を置いたときに不快感を感じにくい机を選びます。疲労感や不快感を取り除くと、生徒が集中しやすくなるからです。
他にも内装の温湿度や消臭などにも配慮しましょう。無垢材や珪藻土などの素材には、調湿や消臭の効果を期待できます。塾の規模や部屋数に合わせて、必要な空調設備の台数を決めてください。
特に換気設備は重要ですので、次の記事も併せてご覧ください。
従業員の働きやすさを意識する
生徒の学習環境だけではなく、従業員(講師や事務員など)の働きやすさを意識して、塾の内装をデザインしましょう。授業を行う教室には、机間巡視しやすいスペースが必要です。指導方法に合わせて、黒板やホワイトボード、電子黒板などの設備を選んでください。
また授業前後や休憩時間にリラックスできるように、事務室や休憩室をレイアウトします。生徒用のリラックススペースと同じく、気分転換を促す教室とは異なるデザインを取り入れてください。フリーアドレス制にすれば座席数を減らしつつ、コミュニケーションを活性化しやすくなります。
競合塾の施工事例を調査にする
なお競合塾の施工事例を調査にすると、具体的な内装デザインをイメージできます。競合塾を調査する際は、業態やターゲットなどが類似している事例を探してください。立地に関しても、同じエリアや似ているエリア(駅前や住宅地など)を比較してみましょう。
調査した事例について、教室のレイアウトや座席配置、自習室、ロゴなどの特徴を分析します。あくまでも参考情報として捉えて、実際のデザインには競合塾との差別化を図る独自性を出してください。
塾のおしゃれな内装施工事例
理想的な塾の内装をデザインできるように、競合塾の施工事例を調査しましょう。業態の異なる塾を取り上げながら、内装デザインのポイントをご紹介します。
一斉指導型塾のリラックススペース
典和進学ゼミナール様は、脳科学をベースとした一斉指導型の授業などを提供している進学塾です。リラックススペースとして、無料のカフェがレイアウトされています。
VRやMRを活用した教育コンテンツなどの体験ゾーンは、スタジオをイメージしてデザインされており、内装が白色に統一されています。コミュニケーションスペースは生徒や利用者がリラックスできるように、木目調のデザインです。
個別指導型塾のポップで温かい教室
Meiko Kids e 上野浅草様はオールイングリッシュの学童保育・プリスクールで、個別指導の英語レッスンが提供されています。ターゲットが幼児や小学生であることから、ポップなロゴがデザインされています。
また教室には木目調の壁材やカラフルな床材が施工されており、温かな空間が演出されています。安全面への配慮から、椅子やテーブルの高さも幼児や小学生に合わせています。講師が巡回しやすく、園児・児童が移動しやすいように、各部屋がレイアウトされています。
個別指導も集団指導も提供できる塾のレイアウト
臨海グローバル様は、一斉指導と個別指導にてレッスンを提供する英語学習塾です。一斉指導用の教室は、白を基調としたシンプルなデザインです。20名以上の生徒が着席でき、英語試験対策授業などが提供されています。
また英会話レッスン用に、少人数の個室もレイアウトされています。施工型パーテーションにより視線や騒音を遮りつつ、ガラス窓が施工されることで明るい雰囲気です。教室と同様に、白をベースに内装がデザインされています。
参照:臨海グローバル「横浜・溝の口のTOEIC(R) L&R TEST対策なら臨海セミナーの臨海グローバル」
チューター型塾の学習スペース
NEXT Learners様は、英語学習を重する個別指導型塾です。「次世代型個別学習塾」というコンセプトに基づいて内装がデザインされています。
生徒が自由に学習スタイルを選択できるように、リビングキッチンのような学習スペースがレイアウトされており、ソファー・椅子や長机・丸机などが配置されています。
映像配信型塾の授業視聴室
東進衛星予備校広大附属前校様は、広島県にある映像配信型の大学受験予備校です。授業視聴室は白を基調にデザインされており、パソコンデスク20席以上を配置できる広さがあります。
一方の休憩ラウンジにはブラウンやベージュが取り入れられており、気分転換しやすいです。部屋の用途によって、内装デザインが生まれています。授業視聴室とは異なり、生徒同士でコミュニケーションできるように長机が配置されています。
塾の内装工事費用
塾の理想的な内装をデザインする前に、工事費用の相場や内訳を把握しておきましょう。予算内に内装工事費用を収めるために、工事費用の節約方法もご紹介します。
費用相場
塾の内装工事費用の相場は、坪単価20万〜30万円程度です。20坪の物件であれば、400万〜600万程度になります。
ただし物件の種類(スケルトン物件か居抜き物件か)や広さ、塾の業態、使用する内装材などの要因によって、工事費用は変動します。また一般的に工事規模が大きくなると総合的な工事費用はかかりますが、スケールメリットの観点から坪単価が低くなります。
なおスケルトン物件の特徴について解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。
費用内訳
塾の内装工事費用の内訳を下表にまとめました。個別指導型塾(20坪のスケルトン物件)の内装工事費用を試算してありますので、ご覧ください。
費用の内訳 | 費用の割合 | 費用の試算(20坪のスケルトン物件) |
デザイン費 | 10%程度 | 40万~60万円程度 |
施工監理費 | 10%程度 | 40万~60万円程度 |
内装費(壁や天井、床、造作家具、間仕切りなど) | 30%程度 | 120万~180万円程度 |
設備費(電気や配線、水道、空調など) | 50%程度 | 200万~300万円程度 |
合計 | 100% | 400万~600万円程度 |
上記のとおり、工事費用全体の半分以上を内装・設備費が占めます。希望する全ての内装・設備を工事しようとすると、工事費用が膨らむ点にご注意ください。また上記の試算はあくまで相場費用ですから、内装業者に工事費用の見積もりを請求しましょう。
節約方法
塾内装工事費用の節約方法として、まず居抜き物件の利用が挙げられます。居抜き物件には旧借主が施工した内装・設備が残っている分だけ、工事費用がかかりません。ただし内装の一部解体や老朽化した設備の入替えなどを行うと、スケルトン物件の工事費用よりも費用がかかる恐れがあります。
また複数業者から相見積もりを取って、工事の金額や内容を比較しましょう。内装工事について詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
なおバリューエンジニアリング(VE)により、内装の価値を下げることなく技術的な工夫でコストを抑えられます。例えば壁材のグレードを下げたり、照明の施工方式を簡単にしたりすることで、費用の節約が可能です。
生徒が学習しやすい塾の内装をデザインしよう!
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監修者
-
IDEAL編集部
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