2022.11.19  2022.11.22|店舗デザイン

コロナ禍における店舗デザインの課題とは?解決策や工事費用・補助金・助成金

コロナ禍における店舗デザインの課題とは?解決策や工事費用・補助金・助成金

本記事で、コロナ禍における店舗デザインの課題と解決策をご紹介します。コロナ対策の店舗工事費用や助成金・補助金についても解説します。

「コロナ禍における店舗デザインの課題は?」「コロナ対策工事の費用を知りたい!」とお悩みではありませんか?店舗開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

コロナ禍における店舗デザインの課題

コロナ禍における店舗デザインの課題

コロナ禍における店舗デザインの課題を把握することは、コロナ禍に安定した店舗経営を続けるために必要です。業種や業態を問わず対策が必要な課題をご紹介します。

安心・安全な内装空間を提供する

まず安心・安全な内装空間を提供することが、コロナ禍における店舗デザイン課題です。衛生管理が行き届き感染対策されている内装空間なら、顧客が安心して安全に入店しやすくなります。

 

飲食店であれば、別グループの座席同士の距離が近いと、感染リスクが高まります。サロンや販売店においては、設備や什器を媒介にしてウィルスや汚れに触れる恐れがあります。

従業員や顧客の接触回数を減らす

次に従業員や顧客の接触回数を減らすことも、コロナ禍における店舗デザイン課題です。なぜならコロナ感染症は「飛沫感染」と「接触感染」が主な感染経路とされているからです。

参考:国立がん研究センター東病院「新型コロナウイルス感染症にかからないためには

そのため従業員や顧客が触れる物(ドアノブやメニュ―表など)に対して、接触感染対策が必要になります。またエントランスや待合室において、顧客同士の飛沫や接触を避ける点も課題となります。

フィジカルディスタンスを確保する

そしてコロナ禍においては、フィジカルディスタンスを確保することも店舗デザイン課題です。感染者が放出した飛沫(ウイルス)を口や鼻などから吸い込むことによって感染しますので、内装空間の三密(「密閉」「密集」「密接」)を避けなければなりません

厚生労働省は、飛沫感染の予防対策として他者との距離を「2m以上を空ける」ように推奨しています。そのため店内でもフィジカルディスタンスに配慮した店舗デザインが必要です。

参考:厚生労働省3つの密を避けるための手引き!」

店舗内の換気効率を高める

さらなるコロナ禍における店舗デザイン課題は、店舗内の換気効率を高めることです。政府の調査結果では、施設や学校で発生したクラスターの原因が換気不足だった事例が報告されています。

参考:新型コロナウイルス感染症対策分科会「感染拡大防止のための効果的な換気について」(2ページ)

そのため店舗内の換気効率を高めるほど、空気中にコロナウイルスが留まる時間を少なくできるので、感染リスクを減らすことにつながります。窓やドアを全開できない冬場においても、換気効率を高めることが重要です。

内装や設備の清潔さを保つ

なお内装や設備の清潔さを保つことも、コロナ禍における店舗デザイン課題です。顧客がテーブルや椅子、メニュー表などを使用したら、消毒せずに別の顧客へ提供してはいけません。ドアノブやスイッチ、パーテーションなどの衛生面にも配慮しましょう。

また換気設備のフィルターにほこりやゴミが付いていると、効果的に換気できません。飲食店の厨房設備やサロンの施術設備なども同様です。閉店してから一日の汚れを取り除くのではなく、店舗を営業しながら清潔さを保つ必要があります。

コロナ禍における店舗デザイン課題の解決策

コロナ禍における店舗デザイン課題の解決策

コロナ禍における店舗デザイン課題を把握したうえで、解決策を展開しましょう。業種・業態を問わず展開できる解決策をいくつかご紹介します。

レイアウトや動線を工夫する

まず店舗デザインの段階で、レイアウトや動線を工夫しましょう。店舗内で顧客同士や従業員と交差しない動線を設計することで、接触感染リスクを減らしやすくなります。店舗の開業後には、密集・密接を回避できるように入店制限もご検討ください。

また店舗のレイアウトにカウンター席やテラス席の導入を検討しましょう。横一列に座るカウンター席や屋外のテラス席は、飛沫感染対策に繋がるからです。対面して座るテーブル席の数を減らしつつ距離を空けて配置できるように、フロア面積を計算することもポイントになります。次の記事も併せてご覧ください。

飛沫を防止する内装や設備を導入する

次に飛沫を防止する内装や設備を導入しましょう。例えば飲食店にデリバリーやテイクアウト専用のカウンターをデザインすることで、店内で飲食する顧客との飛沫感染防止につながります。

また店内フロアのレイアウトに応じて、パーテーション設置もご検討ください。施工型と可動型がありますので、業種・業態に応じて選択可能です。さらに配膳ロボットや非接触型決済サービスも導入することで、顧客同士や顧客と従業員との飛沫感染の機会を減らすことができます。

なお造作家具の作り方について解説していますので、次の記事も併せてご確認ください。

座席の数と配置を工夫する

また座席の数と配置を工夫することも、コロナ禍の店舗デザイン課題の解決策です。飛沫感染を防ぐために、座席の間隔は2mほど必要になります。対面する座席配置を避けつつ、パーテーションやアクリルパネルを配置したり、席を1つ飛ばしにして顧客に座ってもらったりしましょう。

参考:厚生労働省3つの密を避けるための手引き!

なお座席の数を減らして配置を工夫することは感染予防対策だけではなく、ゆっくりくつろげる空間の提供にもつながります。営業中には順番待ちする顧客が密集しないように、予約制や整理券の導入も検討してください。

換気性能を備えた空調設備を導入する

また換気性能の高い空調設備の導入をご検討ください。通常の換気扇は外気を店舗へ取り込みますので、温度調整のためにエアコンの電気代がかかります。

換気性能を備えた空調設備なら熱交換(温度調節)しながら給排気できるため、外気に影響されずに店舗内の温度を維持しやすくなります。顧客に快適な空間を提供するために、空気感染予防に取り組んでください。 

抗菌性がありメンテナンスしやすい素材を選ぶ

抗菌性がありメンテナンスしやすい素材を選ぶ

また内装や設備、什器を選ぶときに、抗菌性がありメンテナンスしやすい素材を選びましょう。例えば抗菌加工の施された壁紙や床材を選び、消毒を頻繁に行うドアノブや椅子にはアルコール除菌剤に耐えうる素材(樹脂など)が適しています。

反対に天然素材を選ぶと色落ちや収縮の恐れがあるので、ご注意ください。合皮やビニールレザーなどを掃除する前には、「耐アルコール」の表記を確認してください。メンテナンス性能を高めることで、顧客の安心できる内装空間を提供しやすくなります 

ドアや水道設備を自動化させる

また顧客の利用するドアや水道設備を自動化させることもご検討ください。非接触で利用できる設備は、接触感染のリスクを下げます。例えば自動ドアを施工することで非接触で入退店ができますので、顧客の入店に対する不安感を軽減しやすくなります。

またトイレや手洗い場には、蛇口に触れることなく水を出せる自動水栓や自動開閉タイプの便器を導入しましょう。手で触れる必要がないので、衛生的に使用しながら感染予防に繋がります。店舗のトイレをデザインするポイントを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

検温システムや除菌ディスペンサーを取り入れる

さらに店舗の出入り口に検温システムや除菌ディスペンサーを取り入れることも、コロナ禍における店舗デザイン課題の解決策となります。また店舗出入り口に検温システムや除菌ディスペンサーがあると、店舗の感染対策をアピールでき集客効果も期待できます。

AI検温システムなら非接触で検温でき、測定にかかる時間も数秒ですので、検温待ちによるエントランスの密集を回避しやすくなります。またタッチレス型除菌ディスペンサーなら非接触で手指を除菌できるので、感染予防につながります。

従業員のスペースも感染対策する

なお従業員のスペースも感染対策することを忘れないでください。食堂や休憩室、更衣室などでの食事や会話は、飛沫感染のリスクを高めます。そのため密閉状態にならないように、換気するための空調設備や窓をデザインしてください。

また従業員に交代で休憩や食事を取らせたり、間隔を空けて座席を配置したりすることも、密集対策になります。従業員同士の接触回数を減らすように、フットペダル式のごみ箱を配置しましょう。

コロナ対策にかかる店舗工事費用

コロナ対策にかかる店舗工事費用

コロナ禍における店舗デザイン課題の解決策を講じるために、対策内容ごとの工事費用相場を確認しましょう。一般的な店舗内装リフォームの費用相場は坪単価15万〜50万円程度で、業種や業態、工事範囲などによって変動します。下の記事に詳しくまとめてありますので、ご覧ください。

本記事では、先ほど取り上げたコロナ対策にかかる店舗工事費用をご紹介します。

カウンター

デリバリーやテイクアウト専用のカウンターを造作する費用は、横幅1m当たり10万〜20万円程度です。素材やカウンターの形によって費用は変動します。店舗にカウンターを造作・塗装する費用について詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

パーテーションや造作壁

パーテーションには、主に置き型と施工型があります。置き型パーテーションなら数千円程度から購入でき、施工型パーテーションなら15ー20万円程度(アルミ素材のパネル4枚とドア1枚)かかります。素材やサイズによって、購入や施工にかかる費用は変動します。

またフロアを区切る造作壁を施工する費用は、1坪10万~30万程度です。オーダーメイドのためパーテーションより高くなり、素材やサイズなどによって変動します。

空調設備

空調設備工事費用(工賃のみ)は1台数万~数十万円程度で、工事の内容や機種によって変動します。ダクトが設置されていない店舗には配管設置工事が必要になり、ダクトの長さや穴を開ける壁の素材によって費用が変動します。

業務用換気扇の本体価格も、数万~数十万円程度です。例えば天井埋め込み型なら1台1万円〜5万円程度、高機能換気扇なら1台10万~20万程度になります。

また業務用エアコンの本体価格も、数十万円程度です。例えば壁掛け型なら1台10万~20万円程度、天井カセット型なら15万~40万程度です。

自動ドア

自動ドアの工事費用(本体価格と工賃)は、一般的な引き戸(左右に開閉)なら50万円〜90万円程度、円形戸(円形に回転)タイプなら150万円〜200万円程度です。店舗に施工できる自動ドアについて下の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

自動水栓

手洗い場に施工する自動水栓の本体価格は5万~10万円程度で、グレードや素材などにより変動します。電池式と電源タイプがありますので、手洗い場近くにコンセントがない場合は電池式を選んでください。

店舗のコロナ対策に活用できる補助金・助成金

店舗のコロナ対策に活用できる補助金・助成金

店舗のコロナ禍対策を支援する補助金や助成金の制度が、国や地方自治体により運用されています。顧客に安心して安全に入店してもらえる店舗デザインを実現させるために、活用を検討しましょう。

店舗のコロナ対策に活用できる補助金・助成金の具体例は、次のとおりです。

  • 雇用調整助成金
  • 事業復活支援金
  • 事業再構築補助金
  • 感染症対策サポート助成事業

上記の補助金・助成金の詳細について下の記事に詳しくまとめてありますので併せてご覧ください。

コロナ対策をした店舗をデザインして利益を出そう! 

コロナ対策をした店舗をデザインして利益を出そう! 

コロナ禍により店舗の営業形態だけではなく、店舗の内装や設備なども対応を迫られています。安定して集客を獲得しながら利益を出せるように、コロナ禍における店舗デザインの課題を把握したうえで、コロナ対策をした店舗をデザインしましょう。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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