2021.05.04  2022.10.19|新規開業ノウハウ

スナック開業の流れを解説!開業資金や資格・届出・許可・集客

スナック開業の流れを解説!開業資金や資格・届出・許可・集客

本記事で、スナック開業準備の流れを解説します。スナック開業に必要な資金や届出・許可、集客についてもご紹介します。

「スナック開業の流れが知りたい!」「スナックの開業資金はいくら?」とお悩みではありませんか?スナック開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

スナックとは?

スナックとは?

スナックとは「スナックバー(snack bar)」の略称で、「ママ」との会話を楽しみながら飲食・飲酒できるバーの業態です。店内の特徴は、「落ち着いた配色」「10席ほどのカウンターテーブル」「テーブル席やボックス席」などです。

またオーセンティックバーやキャバクラとは異なり、小規模な物件に開業されます。スナックとバー・キャバクラとの違いについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

スナック開業準備の流れ

スナック開業準備の流れ

スナックを開業する際はさまざまな準備が必要です。できるだけスムーズに開業できるように、流れをひとつずつ確認していきましょう。

コンセプト設計と事業計画書策定

まずは店舗の基本理念や方向性を示すコンセプトを設計します。コンセプトを明確にすることで、商品やサービスの品質を一定に保ちやすくなります。ターゲット層や他店舗との差別化、独自のポジションなどを意識してください。

そして設計したコンセプトを事業計画書に落とし込んでいきます。事業計画書は資金調達の際に必要な書類であるため、綿密に立案してください。なお飲食店のコンセプト設計や事業計画書策定に関してまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

物件探し

次に事業計画書に基づいて、物件探しを行います。ターゲット層を集客しやすいエリアを選んでください。また周辺環境の調査も重要ですので、想定する営業時間に物件周辺の人流や競合スナックの営業状況などを確認します。

他にも自治体が公開している資料や統計を参照して、年代別人口や用途市域などの情報を活かしましょう。店舗物件の探し方に関して下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

内装のデザインと工事

物件を契約したら、コンセプトに基づいて内装のデザインと工事を行います。内装デザインの希望条件を整理するために、競合スナックの設備や内装に関する独自性やこだわりを分析してください。

内装デザインの希望条件を整理できたら、内装業者に相談して工事内容を依頼します。スナックをはじめとする飲食店の施工実績のある内装業者を選んでください。スナックの内装デザインと工事に関してまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

開業資金の調達

物件探しや内装デザイン・工事と平行して、自己資金だけで賄えない開業資金の調達を行います。金融機関からの融資や公的機関からの助成金・補助金、親族や知人からの借入、日本政策金融公庫や地方自治体の制度融資、クラウドファンディングなどの調達方法があります。

開業資金の調達には、書類提出や審査などが必要です。飲食店開業資金の調達方法に関してまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

開業に必要な資格やスキルの取得

開業資金の調達と並行して、開業に必要な資格やスキルの取得を開始します。後ほど詳しくご紹介するとおり、スナックの営業必要な資格や経営者として求められるスキルなどがあります。必要な資格やスキルを事前に把握したうえで、計画的に取得していきましょう。

開業に必要な届出・許可の申請

資格やスキルを取得したうえで、開業に必要な届出・許可の申請を行います。スナックを含む飲食店の開業には開業届や税務関係書類、社会保険の加入、営業許可申請などが必要です。次の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

また飲食店の他業態と異なり、スナックの業態に応じて独自の届出や許可の申請が求められます。後ほどご紹介しますので、滞りなく申請を行ってください。

集客方法の選定

開業2~3ヶ月前になったら、集客方法の選定をしてください。開業後に売上を順調に延ばすためには、開業前から集客に取り組む必要があります。特にスナック経営で継続的に利益を得るためには、リピーター獲得が必要です。

オフラインとオンラインの集客方法を組み合わせながら、開業後にも集客努力を継続してください。後ほど具体的な集客方法をご紹介します。

仕入れ先の選定

集客方法だけではなく、仕入れ先の選定も行います。仕入れ費によって店舗の利益率が変化しますので、コストを抑えられる仕入れ方法を検討してください。品質や安定性を見極めるために、複数業者から見積もりを取ることが重要です。

仕入れ先を選定できたら、営業日ごとの使用量や在庫を計算して発注してください。納品までの日数や配達の遅れなども考慮したうえで、適正な量を見極めましょう。開業後に定期的に棚卸をして、発注量の見直しが必要です。

従業員の採用と研修

開業1ー2か月前に、従業員の採用と研修を実施してください。ただし開業日から余裕をもって採用活動を行いたいですが、雇用開始日から人件費が発生する点にご注意ください。

店舗の規模や売上目標を踏まえて、必要な従業員数を計算します。従業員募集の情報を発信するために、求人サイトやスナックの公式サイト・SNSアカウントなどを活用しましょう。また友人や知人からの紹介も活用してください。

スナックの開業資金

スナックの開業資金

開業準備を滞り進めるために、スナックの開業資金を確認しましょう。開業資金の相場や自己資金の割合を把握したうえで、必要な資金を算出してください。

開業資金の相場と内訳

スナックの開業資金は、初期費用(開業前の準備費用)と運転資金(開業後の固定費)に分けられます。家賃20万円10坪の物件(スケルトンと居抜き)にスナックを開業する資金を試算して、下の表にまとめました。

内訳費用相場スケルトン物件居抜き物件
物件取得費
(敷金や礼金、前家賃)
賃料の6~12ヶ月分120万円程度120万円程度
内装工事費
(デザイン、施工費、工賃など)
坪単価10万~50万円程度400万円程度100万円程度
造作譲渡料
(バーカウンターや家具、照明、その他設備)
50万~300万円程度
※譲渡される造作物の種類や量により変動
0円50万円程度
採用費、集客費、消耗品費など50万~100万円程度
※採用数や物件規模により変動
50万円程度50万円程度
運転資金
(家賃や人件費、水道光熱費などの固定費)
賃料の6~12ヶ月分200万円程度200万円程度
合計770万円程度520万円程度

上表のとおり、内装工事費(造作譲渡料含む)は物件の種類(スケルトン物件か居抜き物件)で大きく変動します。居抜き物件とスケルトン物件の違いについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

自己資金の割合

日本政策金融公庫の調べによると、2013年に創業(開業)した経営者について自己資金の割合は27%でした。開業資金として1,000万円必要ならば、自己資金から270万円を割り当てる計算です。

参考:日本政策金融公庫「創業計画Q&A(Q4)」

また融資や補助金などの要件を確認しておきましょう。例えば日本政策金融公庫の新創業融資制度では、「開業資金10分の1」の自己資金額(開業資金1,000万円なら自己資金100万円)が必要です。

参考:日本政策金融公庫「新創業融資制度の概要」

スナック開業に必要な届出・許可や資格・スキル

スナック開業に必要な届出・許可や資格・スキル

開業資金の調達だけではなく、スナック開業に必要な届出・許可や資格・スキルの準備を進めてください。スムーズに開業して早く経営を安定させるために重要です。

食品衛生責任者資格と飲食店営業許可

まずスナックを含む飲食店には、食品衛生責任者資格と飲食店営業許可が必要です。食品衛生責任者資格を取得するためには、都道府県が実施する講習を受講する必要があります。

また飲食店営業許可を申請するためには、店舗の開業エリアを管轄する保健所に事前相談が必要です。店舗の内装図面を基に事前相談をして、申請書を作成します。

なお食品衛生責任者資格や飲食店営業許可についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

防火管理者の資格取得と選任届

次に防火管理者の資格取得と選任届を提出します。防火管理者は消防法で定められている資格であり、飲食店の火災を防ぐ業務に必要です。資格を取得する際は、都道府県が実施する講習を受講してください。

スナックに防火管理者設置が必要となる条件は、収容人員30名以上の物件です。資格を取得した後は、管轄する消防署に選任届を提出してください。下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

深夜酒類提供飲食店の営業許可

風営法に基づきスナックで深夜0時以降も酒類を提供する場合は、深夜酒類提供飲食店の営業許可が必要です。営業開始の10日前までに、管轄する警察署に必要書類を提出してください。

保健所に飲食店営業許可を提出して、警察署に深夜酒類提供飲食店の営業許可は提出することになりますので、届出先を間違わないようにご注意ください。深夜酒類提供飲食店の営業許可に関して下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

風俗営業許可

風俗営業許可は、飲食だけではなく接待を提供するスナックに必要です。ただし深夜0時以降の営業はできません

深夜0時以降にも営業をしたい場合は、上記の深夜酒類提供飲食店の営業許可を取得する必要があります。ただし営業中に接待を提供できませんので、ご注意ください。

したがって風俗営業の許可と深夜酒類提供飲食店の営業許可を同時に取得することはできません。接待の有無や営業時間をあらかじめご検討のうえ、申請する営業許可を決定しましょう。

スナックへ集客するコツ

スナックへ集客するコツ

スナック経営で安定した利益を得るために、集客方法を十分にご検討ください。スナックへ集客するコツをご紹介します。

ターゲットを明確にする

スナックへ集客するコツとして、まずリピーターを獲得しやすくするためにターゲットを明確にすることです。ターゲットを明確にすることで、好まれる内装をデザインできたり、ニーズに応えるメニューを考案できたりします。

ターゲットを明確にする際は、地域性や年齢層を軸にしてください。「仕事帰りの男性会社員」や「歓楽街に出入りする40~50代の管理者層」など絞り込むことで、立地や内装、メニューなどを決定できます。

ターゲットに合わせた内装空間を提供する

次に絞り込んだターゲットに合わせた内装空間を提供することも、スナックに集客するコツです。顧客がスナックに入り最初に目にするカウンター席を中心に内装をデザインしましょう。

また年代によって、好まれる内装が異なります。例えば20〜30代なら豪華で楽しい内装デザインが好まれやすいです。40代の中間管理職なら少し羽目を外すことができる空間が、50代の管理職には癒しや落ち着きを感じられる空間が好まれやすいです。

外装を内装に調和させる

また外装を内装に調和させることも、スナックへ集客するコツです。顧客からの第一印象を良くするために外装デザインにも気を配り、入店してから退店するまで顧客に違和感を感じさせないようにしましょう。

そこで外装によってスナックの存在をアピールして、なおかつスナックのコンセプトを表現したデザインが求められます。決して「外観に落ち着きを感じたけれど、内装が騒がしかった」と、顧客にギャップを感じさせないようにしましょう。

幅広く人脈を作る

さらに新規顧客を呼び込むためのコツは、できるだけ幅広く人脈を作ることです。固定客や同業者とのつながりを深めることが、集客に有効だからです。バー業界の交流会やイベントなどに参加して、新たな人脈を作る方法もあります。

また固定客から人脈を広げるためには、顧客に自店舗のサービスに満足してもらっていることが条件です。毎回の接客で信頼関係を構築して、新たな人脈の獲得につなげてください。

宣伝広告や販売促進に取り組む

なお内装デザインと人脈づくりだけではなく、宣伝広告や販売促進にも取り組むこともスナックへ集客するコツです。具体的にはチラシや看板などのオフライン集客SNS・Web広告などのオンライン集客を組み合わせてください。

例えばリピート率を上げるためには、WebサイトやSNSなどでクーポンを発行する方法があります。また顧客紹介特典としてドリンクの割引を提供して、新規顧客も固定客も集める方法もあります。オンライン集客に関してはまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

計画的に準備を進めてスナックを開業しよう!

計画的に準備を進めてスナックを開業しよう!

スナック開業の流れを把握したうえで、必要な資格やスキルを取得したり、届出や許可の申請を滞りなく進めたりすることが大事です。開業費用を正確に計算して資金を調達したうえで、計画的に準備を進めてスナックを開業しましょう。

IDEALは、スナックを含む店舗全般のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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