本記事で、店舗を開業する流れと…
2021.05.28 2022.08.27|新規開業ノウハウ
クリニック開業の流れ!資格取得と物件選び、届出・許可、集客方法

本記事では、クリニック開業の流れについて解説します。資格取得とターゲットの絞り込み方、物件選び、届出・許可、集患方法についてもご紹介します。
「クリニック開業の流れを知りたい!」「どんな届出や許可が必要?」とお悩みではありませんか?クリニック開業を検討している方は、ぜひご覧ください。
目次
クリニック開業の前提条件

クリニック開業の前提条件として、医師として働くために医師免許を取得している必要があります。まず大学医学部で6年間勉強してから卒業試験に合格したうえで、国家資格に合格すると医師免許を取得できます。
医師免許取得から臨床研修医として2年間の経験を積むことで、医師として勤務することが可能です。さらに専門医を目指す場合には大学病院などでの臨床経験を積む必要があり、大学入学から10年以上の期間を要します。
クリニックを開業する流れ

医師免許を取得できても、クリニックを開業するためにはさまざまな準備が必要です。各準備の目的と方法を解説しますので、クリニックを開業する流れを確認しましょう。大まかな流れを把握することで、クリニック開業準備をスムーズに進めやすくなります。
クリニックのコンセプト設計と事業計画立案
まずはクリニックのコンセプト設計と事業計画立案を行います。まずコンセプトとして、どのターゲット層へどんな医療サービスを提供したいのかを具体的に決めてください。コンセプトに基づいて、事業の目的や売上目標などを事業計画書にまとめていきます。
コンセプトに基づいて事業計画書をまとめることで、事業を拡大したり経営不振に陥ったりした際に、クリニック経営の方針や状態を評価・改善できます。なおクリニック開業にも活用できる事業計画書の書き方について下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。
クリニック開業に必須の資格と役立つ資格の取得
次に、クリニック開業に必須の資格と役立つ資格の取得を検討してください。開業するクリニックの規模や条件によっては、防火管理者の資格取得が必須となります。
また医療の知識や経験だけでなく、経営の知識を身につけると有利です。クリニック経営に関する民間資格として医業経営コンサルタントや病院経営管理士、医療経営士などがあります。
以上の防火管理者やクリニック経営の資格に関しては、後ほど詳しくご紹介します。
開業資金の調達
次に、開業資金の調達はクリニック開業に欠かせません。診療科目により必要になる費用は異なりますが、数千万円の資金が必要です。開業資金の調達方法は多岐にわたり、出資や借入、融資、補助金・助成金などが挙げられます。
必要な開業資金を正確に計算したうえで、円滑に調達しなくてはなりません。開業資金の調達方法について下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。
クリニックの物件選び
またクリニックの物件選びも重要です。クリニックの物件がクリニックのコンセプトを実現させる手段になるため、慎重にクリニックの物件選びを行いましょう。
クリニックの物件選びでは、立地や賃料などの観点から探すことが大切です。クリニックの立地は集患に影響を与えますし、賃料は運転資金のなかで大きな割合を占めます。
クリニック開業にも活用できる物件の探し方について下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。
クリニック内外装のデザインと工事

またクリニックの内外装は、患者や従業員の利便性だけではなく、集患にも影響を与える要素です。集患数を上げるためには、クリニック内外装デザインに独自性も不可欠です。
またクリニックの内外装には、清潔感や機能性が必要になります。清潔感のあるクリニックは衛生管理がなされている印象を与え、待合室の動線やレイアウトなどの機能性は居心地の良さにつながるからです。
なおクリニック内装デザインに関して下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。
医療機器の選定と購入
クリニックの内装をデザインするタイミングで、医療機器の選定と購入を行います。医療機器の設置を念頭に入れて内装をデザインする必要があるからです。診療内容に合う機器を選定してください。
医療機器を購入する際は、まずメーカーが直販しているかを確認しましょう。メーカーから直接購入すると購入やメンテナンスの費用を抑えられる場合があるからです。メーカーの営業担当者に医療サービスについて説明したうえで、価格交渉することがポイントです。
クリニック開業の届出・許可の申請
医療機器の購入などの準備と平行して、クリニック開業の届出・許可の申請を忘れずに行いましょう。クリニックの内装をデザインしたら、消防署や保健所に図面の問題点を確認してもらいます。竣工後の修正工事を防ぐために、着工前に相談してください。
またクリニックの開設届を保健所に提出したり、厚生局に保険医療機関指定を申請したりします。診療の科目や内容によって必要な届出や申請が異なるため、早めに関係機関に相談しておきましょう。
人材の採用と研修
さらにクリニックの規模や診療科目などに応じて、人材の採用と研修が必要になります。必要な従業員数を検討したうえで募集を開始してください。ただし賃金を相場よりも低く設定すると、応募者を集められなくなる危険性があります。運転資金を計算したうえで、雇用条件を設定しましょう。
またクリニックの研修においては、基本的な患者に対する接し方やは医療機器の操作方法などはもちろん、クリニックのコンセプトを理解してもらうことが重要です。提供する医療サービスを信頼してもらうためには、看護師や医療事務員によるサポートが必要だからです。
労務や税務処理の依頼
採用活動を進めながら、専門家に労務・税務処理を依頼しましょう。社会保険などを社会保険労務士へ、納税や会計報告などを税理士へ相談できます。
もちろんクリニックの従業員が労務や税務の書類を作成することは可能ですが、円滑に進めたい場合には専門家にご相談ください。できるだけクリニック経営支援の実績がある専門家に依頼することで、適切なアドバイスを期待できます。
集患活動
なお中長期的に安定してクリニックを経営するには、集患活動が欠かせません。患者にクリニックの存在や診療内容などを紹介して来院につなげる必要があります。
クリニックの外装に看板を設置するだけでは十分な集患を期待できないため、オフラインとオンラインの両面から集患活動を進めてください。下の記事にクリニック経営にも活用できるWeb集客についてまとめてありますので、併せてご覧ください。
クリニック開業に必須の資格と役立つ資格

クリニック開業に必須の資格と役立つ資格をご紹介します。必須の資格を取得するだけではなく、クリニック経営者としてレベルアップを図るために資格取得をご検討ください。
防火管理者
防火管理者の資格は、クリニックの収容人数が「従業員と患者を合わせて30人を超える」場合に必要です。
[認定元]
- 各自治体(消防署)
[取得方法]
- 各自治体(消防署)が行う講習を受けて効果測定に合格する
[取得の意義]
- 消防計画を作成できる
- 災害時に初期消火を適切に行える
- 安全に避難させるための誘導ができる
- 定期的に避難訓練や消火訓練を行える
- 従業員が適切な対応を取れるよう指導ができる
防火管理者資格の種類や取り方について下の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。
医療経営士
医療経営士の資格は、「クリニック経営が分からない」「経営の実績がない」という場合に役立ちます。
[認定元]
- 一般社団法人 日本医療経営実践協会
[取得方法]
- 医療経営士試験に合格して、日本医療経営実践協会に入会する
[取得の意義]
- クリニック経営者としてレベルアップできる
- クリニック経営における資金の流れが分かる
- クリニック経営について常にアップデートできる
参考:一般社団法人日本医療経営実践協会「医療経営士資格認定試験」
病院経営管理士
病院経営管理士の資格は、「クリニック経営者の専門的なスキルを習得したい」という場合に役立ちます。
[認定元]
- 一般社団法人日本病院会
[取得方法]
- 通信教育を受講(2年間に39科目と卒業論文)して修了する
[取得の意義]
- クリニック経営者としてレベルアップできる
- クリニック経営における資金の流れが分かる
- クリニックの経営能力が身につく
医業経営コンサルタント
医業経営コンサルタントの資格は、病院を中心に介護施設や福祉施設のコンサルティングに役立ちます。
[認定元]
- 公益社団法人日本医業経営コンサルタント協会
[取得方法]
- 指定講座(年1回)を受講して、一次試験(筆記)と二次試験(論文)に合格する
- 認定登録後に継続して研修を履行する
[取得の意義]
- クリニックの経営状況を評価できる
- クリニックの経営戦略を立案できる
- クリニック数を増やしたときに経営についてアドバイスできる
参考:公益社団法人日本医業経営コンサルタント協会「医業経営コンサルタントについて」
ターゲットの絞り込み方

ターゲットの絞り込み方として、患者像を細かく設定することが有効です。属性(性別や年齢層、家族構成など)や居住地域、移動手段などを検討することで、ターゲットをより鮮明にできます。ターゲットを絞り込めれば、開業エリアや診療内容を決めやすいです。
例えば「会社帰りに気軽に利用できる歯科クリニック」をコンセプトに「20〜30代の会社員」をターゲットに選ぶと仮定するなら、会社員の集まるビジネス街や駅周辺、バスターミナル周辺を開業エリアとして設定することが必要です。
なおターゲットを設定することで、患者の受け入れ態勢(従業員数や営業時間、内外装デザインなど)を決めやすくなります。ターゲットの行動を分析したうえで、ニーズに合う医療サービスを企画しましょう。
クリニックの物件選び

クリニックの物件選びには、ターゲットに基づく点以外にも、さまざまなポイントがあります。診療科目を考慮したうえで、マーケティング目線から立地を選びましょう。
例えばクリニックを訪れる患者は基本的に健康や美容などに不安を抱えているため、駅やバス停から通いやすい立地を選ぶ必要があります。保険診療がメインなら、住宅街や商業施設などの集患しやすいエリアもご検討ください。
また医療機器の使用に耐えられる電気や水道の設備を施工できる物件を選ぶ必要があります。物理的な条件(クリニックに必要な天井の高さや部屋の広さなど)は診療科目により異なりますので、物件を選ぶ前に整理しておきましょう。
クリニック開業の届出・許可

クリニック開業の届出・許可は多岐にわたるため、基本的な内容を確認しておきましょう。届出・許可を滞りなく申請できるように、関連機関の公式サイトへアクセスして最新情報を把握してください。
防火管理者選任の届出
防火管理者選任の届出を申請するために、管轄する消防署に必要書類を提出します。防火管理者の資格を取得する人(経営者や従業員)の選定から、講習の申込み・受講、選任の届出が必要です。
なお消防計画の作成と届出も義務となっていますので、防火管理者選任の届出と併わせて行ってください。消防署によって届出の流れが異なる場合があるため、管轄する消防署への確認が必要です。
参考:東京消防庁火災予防(防火管理)コールセンター「防火管理者の選任と消防計画の作成は あなたの義務です!」(2ページ)
医療法人設立または診療所開設の届出
クリニック開業にあたり、法人なら医療法人設立の届出を、個人なら診療所開設の届出を行う必要があります。いずれも管轄する保健所へ「開設後10日以内」の届出が必要です。必要書類は法人か個人かで異なるため、管轄する保健所からの情報を確認しておきましょう。
上記の届出が済むと、保健所の監視員による実査と社会保険の加入手続きなどへと進んでいきます。なお入院設備のある診療所を開設する際は、各都道府県知事の許可を受ける必要があります。
参考:東京都福祉保健局東京都南多摩保健所「診療所・歯科診療所の開設等」
保険医療機関指定の申請
国民健康保険などの医療保険制度を用いる診療(保健医療)を行う場合は、保健医療機関指定の申請が必要です。決められた様式に基づいて必要な書類を管轄する厚生局へ提出します。厚生局に書類を提出したのち、関係機関の諮問を経てから指定通知書を受け取る流れです。
なお指定日(書類の提出期限)は毎月1日となっており、提出のタイミングが遅れると保険診療ができるタイミングが後ろ倒しになるためご注意ください。
参考:関東信越厚生局「保健医療機関・保険薬局の指定申請手続きの流れ」
医師会への加入
医師会への加入は任意です。しかし加入することで賠償責任保険を利用できたり、日本医師会医師年金に加入できたりします。他にも研修会への参加や最新医療情報の収集、医学図書館の利用なども可能です。
例えば東京都医師会へ加入する場合は、地区医師会(大学医師会を含む)の会員になる必要があります。各地区医師会事務所で、入会手続きを行えます。東京都医師会の会員になることで、日本医師会に加入できます。
診療内容によって必要になる届出・許可
診療内容によって必要になる届出や許可は多数あります。事例としていくつかご紹介しますので、届出や許可の必要性をご確認してください。
- 麻薬施用者免許申請書(保健所)
- 結核指定医療機関指定申請書(保健所)
- 診療用エックス線装置備付届(保健所)
※カッコ内は届出先
参考:東京都福祉保健局「診療用エックス線装置備付届(第22号様式)」
保健所などの関係機関に事前相談すると、手続きがより円滑に進みます。特に提出先が同じ届出や許可をまとめることで、書類を一度に受理してもらえます。
クリニックの集患方法

クリニックの集患方法として、WebサイトやMEOなどの他にも、予約管理システムが挙げられます。特に会社員や学生をターゲットにしている場合は、患者が予約しやすい体制を構築するように配慮してください。
また健康や美容に関するイベントや勉強会の開催なども、集患方法のひとつです。患者の家族や友人が参加できるイベントを開催すれば、集患を期待できます。イベントや勉強会は、日中に時間を作りやすい主婦層や高齢層に向いています。
他にも地域の講演会や情報誌などを活用しながら健康や美容に関するPR活動を行うことで、クリニックの認知度を高める方法があります。ターゲットに到達できるように、オンラインとオフラインの集患方法を組み合わせましょう。
ポイントを押さえて効率よくクリニック開業準備を進めよう!

クリニック開業に必須の資格や内装デザイン、届出・許可などについてポイントを押さえたうえで、効率よく開業準備を進めてください。特に資格取得や届出・許可の期限がある場合には、開業予定日に間に合うように計画的に準備していきましょう。
IDEALはクリニックを含む店舗のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までをワンストップソリューションとしてご提供しております。
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監修者
-
IDEAL編集部
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