2022.08.09  2022.08.08|新規開業ノウハウ

店舗付き住宅の賃貸物件選び!内装デザインや工事費用、施工事例も

店舗付き住宅の賃貸物件選び!内装デザインや工事費用、施工事例も

「店舗付き住宅を借りるときのポイントが知りたい!」「店舗付き賃貸物件の相場は?」とお悩みではありませんか?店舗付き住宅に店舗を開業するためには、賃貸物件を選ぶポイントや物件取得費などを理解する必要があります。

そこで今回は店舗付き住宅の賃貸物件を選ぶポイントや物件取得費について解説していきます。内装デザインや工事費用、施工事例についてもご紹介しますので、店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方はぜひご覧ください。

店舗付き住宅とは?

店舗付き住宅とは?

店舗付き住宅とは、同じ建物内に店舗部分と住宅部分が共存している住宅です。通勤時間や交通費をなくせるメリットなどがあります。ただし店舗付き住宅を借りる際には、賃料の変動に注意が必要です。社会情勢などにより地代が変動すると、賃料が高騰する可能性があります。

店舗付き住宅は2種類(店舗兼用住宅と店舗併用住宅)に分類できます。店舗兼用住宅は、建物内の店舗部分と居住部分を行き来できる構造にデザインされています。基本的に第一種低層住居専用地域で店舗を営業できませんが、店舗兼用住宅なら一定の条件を満たすことで営業可能です。

一方で店舗併用住宅は、建物内の店舗部分と居住部分を行き来でない構造にデザインされています。店舗併用住宅とは異なり、第一種低層住居専用地域内で営業が許可されません。店舗付き住宅の建築方法や用途地域の制限について下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

店舗付き住宅の賃貸物件を選ぶポイント

店舗付き住宅の賃貸物件を選ぶポイント

店舗付き住宅の賃貸物件を選ぶ際は、いくつかのポイントを押さえる必要があります。ポイントを押さえることで、予算を考慮しつつ理想とする物件を見つけやすくなります。主なポイントをご紹介しますので確認しましょう。

集客できるエリアを調査する

1つ目のポイントは、集客できるエリアを調査することです。集客が見込めそうなエリアを選んで、人の流れや競合店の営業状況などを分析してください。Web上の情報調査だけではなく、現地調査も必要です。

歩行者だけではなく、通行量も調べてください。時間帯や曜日、天候によって通行量は変化するため、条件を変えて数回リサーチします。ターゲットとする顧客層が往来する動線を特定します。動線上の競合店や嫌悪施設(騒音や異臭の発生源)などを確認することも大切です。

なお店舗物件探しにおける市場調査について下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

営業できる立地を選ぶ

2つ目のポイントは、営業できる立地を選ぶことです。土地の用途(用途地域)は都市計画法によって13種類に分類されており、建築基準法で用途地域ごとに建築可能な建物が定められているからです。

参考:e-GOV法令検索「建築基準法施行令 第百三十条の三」

例えば店舗兼用住宅を第一種低層住居専用地域に建築できますが、店舗部分の面積や業種に制限があります。具体的には「非住宅部分の床面積が、50㎡以下かつ建築物の延べ床面積の2分の1以下」の店舗兼用住宅しか許可されません。

引用:東京都都市整備局「用途地域による建築物の用途制限の概要」

売上予測から賃料を設定する

3つ目のポイントは、売上予測から賃料を設定することです。業種にもよりますが賃料の目安は売上げの10%前後です。月間売上予測が250万円(売上1日10万円×営業日数月間25日)なら、賃料の目安は25万円前後になります。

ただし予測通りに売上げが伸びるとは限りませんので、目安より高すぎる賃料の物件を選ぶと危険です。賃料の目安が25万円なら、30万円を超えない物件を探すようにしましょう。材料費や人件費などと異なり物件の賃料を削減できませんので、慎重に検討することが求められます。

居抜きとスケルトンを検討する

4つ目のポイントは、居抜きとスケルトンを検討することです。両者の特徴を把握したうえで、物件の種類(居抜きとスケルトン)を選びましょう

居抜き物件を賃貸すれば、旧借主の内外装や設備などを引き継いで活用できるため、工事の時間や費用などを抑えることが可能です。ただし内装デザインの自由度が低くなります。居抜き物件について下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

スケルトン物件を賃貸すれば、居抜き物件よりも自由に内装をデザインできるため、理想的な内装に仕上げやすいです。ただし内装工事の内容が増える分だけ、費用と時間がかかる点にご注意ください。スケルトン物件について下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

店舗付き住宅の物件取得費

店舗付き住宅の物件取得費

店舗付き住宅の物件を契約する前に、物件取得費について理解しましょう。賃料によって物件取得費の金額が変動しますので、まずは賃料の相場をご確認ください。次に物件取得費の内訳と節約方法も併せてご紹介します。

賃料の相場

賃料の相場は、立地や設備、間取りなどによって変動します。例えば東京都内の店舗付き住宅の賃料相場は、10万〜200万円程度です。特に23区内やターミナル駅近くでは、賃料が高くなる傾向にあります。

ただし条件や時期によって、相場より安い物件も高い物件も募集されます。日頃から、開業を検討するエリアの不動産情報をチェックしてましょう。また物件によって開業できる業種や業態が限定されている場合(飲食店限定や深夜営業禁止など)があるので、ご注意ください。

物件取得費の内訳

物件取得費には、さまざまな項目が含まれています。物件取得費用の内訳を一覧表にまとめましたので、ご確認ください。

■東京都内にある店舗付き住宅(賃料相場10万~200万円程度)の物件取得費

内訳費用の目的費用相場
保証金
(敷金)
賃料滞納や原状回復、部屋の修繕などに使用される。賃料3~10ヶ月分程度
(30万~2,000万円程度)
礼金物件貸主に対するお礼として支払われる。賃料0~2ヶ月分程度
(0~400万円程度)
仲介
手数料
物件を仲介した不動産会社に支払われる。賃料1ヶ月分程度
(10万~200万円程度)
造作
譲渡料
譲渡される設備や什器の対価として支払われる。譲渡される設備や什器により変動
(0~500万円分程度)
前家賃初月と翌月分の賃料として支払われる。
※管理費・共益費が含まれていると想定
初月の15日を契約日とした場合
(15万~300万円程度)
合計賃料の5~15ヶ月分程度
(50万~3,000万円程度)

上の一覧表に示されているとおり、保証金(敷金)が全体の6割程度を占めます。一般的に修繕や原状回復などに支出されたり、退去前の家賃に充当されたりしますが、契約条件によって必ず返金されるとは限りません。

物件取得費の節約方法

少しでも物件取得費を節約するためには、集客と賃料のバランスの取れたエリアを選んでください。駅から少し離れたエリアなら、賃料が安い傾向にあります。ただし人通りの少ない物件を契約して、余分な集客費を支出することになると、経費を節約できません。

また不動産業者や物件貸主と賃料の値下げを交渉する方法もあります。ただし設定されている賃料よりも安すぎる条件を求めると、契約を断られる危険性があります。交渉する条件や方法にご注意ください。

なお交渉が上手くいかない場合を想定して、候補となる複数の物件を選定しておいてください。店舗物件取得費について下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

店舗付き住宅の内装デザイン・工事

店舗付き住宅の内装デザイン・工事

店舗付き住宅を取得できたら、内装をデザイン・工事します。理想的な店舗を実現するためには、業者へ具体的な希望や条件を伝える必要があります。そこで店舗の内装デザインや工事費用、賃貸物件を工事する注意点について解説していきます。

内装デザイン・工事のポイント

店舗付き住宅の内装のデザイン・工事のポイントは、一般的な店舗物件と共通しています。下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

ただし店舗に住宅が併設されているため、次のような特別な配慮も必要です。

  1. 1階に店舗を構える
  2. セキュリティ対策をする
  3. 店舗の利便性や環境をよく検討する
  4. 店舗内が外から見えるようにする
  5. テラスやウッドデッキを設置する
  6. 駐車場や駐輪場を確保する
  7. バックヤードや休憩室、執務スペースを確保する

店舗付き住宅の内装をデザインするポイントについて下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

内装工事費用の相場

店舗付き住宅において、店舗部分の内装工事費用は一般的な店舗物件にかかる費用と同等です。坪単価15万~50万円ほどかかり、物件の種類(居抜きかスケルトンか)によって変動します。居抜き物件には坪単価15万〜30万円ほど、スケルトン物件には坪単価30万〜50万円ほどかかります。

また業種や業態によって必要な工事が異なるので、費用が変動します。無駄を省きながら、工事を計画することが重要です。店舗の内装工事費用について下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

賃貸物件を工事する注意点

店舗付き住宅を含む店舗物件を賃貸する場合には、貸主の許可を得たうえで内装工事を進めてください。物件所有者である貸主の許可なく内装工事を進めると、トラブルを招く危険性があります。

また借主には、賃貸物件の原状回復義務があります。原状回復義務とは、退去時に物件を入居前の状態に戻さなければならないという条件です。一般的には、借主が工事費用を負担します。

契約書で条件を確認するだけではなく、内装工事中も必要に応じて仲介業者や貸主とやり取りしながら工事を進めることが重要です。なぜならトラブルから改装工事を求められると、追加の費用と時間がかかるからです。

店舗付き住宅の施工事例

店舗付き住宅の内装デザインや工事に関して把握できたら、施工事例を調べましょう。施工事例から店舗内装デザインを具体的にイメージできるからです。IDEALの施工した事例を取り上げながら、内装デザインの工夫やこだわりなどをご紹介します。

自宅物置を解体して新築された店舗

自宅物置を解体して新築された店舗

「串焼き 笑顔 ‐すまいる ‐」様は店主の自宅物置を解体して、木造建築の店舗として新築されました。「みんなを笑顔にしたい」というコンセプトを表現するために、自然素材の温もりを感じさせる木材が建物全体に使用されています

また立体感を出せるように天井を高くして、凸凹のある和紙が壁面に施工されています。1階にオープンキッチンとカウンターがレイアウトされて、1人で来店する顧客が利用しやすいです。2階はお座敷になっており、団体やファミリー向けにデザインされています。

限られた空間でも開放感のある店舗

限られた空間でも開放感のある店舗

「ベイクとタコスの店 Pinata食堂」様は、デリカテッセンのお店です。清潔さを感じる白をベースに内装がデザインされて、扉や窓に開放感のある大きなガラスが施工されました。大きなガラスから日が射すデザインは、店舗付き住宅のような限られた空間にも取り入れられます。

特に床の風合いが、こだわってデザインされました。遠方から職人さんが招かれて、独自性のある床が施工されています。通行者へ商品をアピールできるように路面側にショーケースが設置されて、ダイニングフロアには温かみを感じさせる木製テーブル・チェアが配置されています。

ゆったりとくつろげる店舗

ゆったりとくつろげる店舗

「ねっこcafe」様は、南フランスの田舎をイメージしたカフェです。顧客がゆったりとくつろげるように、内装に木目の床や暖色系の壁が施工されて、木製のテーブルやイスが配置されています。

また温かみを感じさせる空間において、カウンター上の明るいペンダントライトやトイレの爽やかな壁紙などがアクセントになっています。

なお顧客に癒しを感じてもらえる小物類にこだわり、座席背面の収納スペースに猫の書籍が入れられたり、猫の置物や絵画などが飾られたりしています。

大正ロマンを感じさせる店舗

大正ロマンを感じさせる店舗

「栗歩 -KURIHO- 」様は、最高級和栗を使用した和栗モンブラン専門店です。全国に店舗が展開されています。

浅草店の内装は、大正ロマンをコンセプトとしてデザインされました。窓や扉に格子状に木材が使用されたり、外壁に和石風タイルが施工されたりしています。コンセプトを忠実に再現できるように、外装から内装までデザインされています。

またノスタルジックな雰囲気にするために、赤色のテーブルやイス、オレンジ系の照明などのインテリアがセレクトされています。テイクアウトにも対応しているため、幅広い顧客に対応できるようにスタンド机が配置されています。

ポイントを押さえて店舗付き住宅を選ぼう

ポイントを押さえて店舗付き住宅を選ぼう

店舗付き住宅を選ぶ際は、集客や工事などのポイントを押さえて物件を比較検討してください。賃料の相場や物件取得費も把握したうえで、店舗付き住宅に理想的な店舗を開業しましょう。

IDEALは店舗付き住宅を含む店舗のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までをワンストップソリューションとしてご提供しております。

店舗の開業や移転、リニューアルをご検討の際は、ぜひお気軽にお問合せください。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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