「飲食店の事業計画書の書き方を…
2022.12.04 2022.12.09|新規開業ノウハウ
アパレルショップ開業の流れ!業態や資金・資格・仕入れ先
本記事で、アパレルショップ開業の流れをご紹介します。アパレルショップの業態や開業に必要な資金や資格、仕入れ先も解説します。
「アパレルショップの開業準備をどう進めたらいい?」「開業資金の相場を知りたい!」とお悩みではありませんか?アパレルショップの開業や移転、リニューアルなどを検討している方はぜひご覧ください。
目次
アパレルショップの業態
アパレルショップを開業するにあたり、業態の検討が必要です。業態ごとの違いを把握したうえで、理想的なアパレルショップの開業準備を始めましょう。
取り扱う商品
アパレルショップで取り扱う商品には、自社ブランド商品と他社ブランド商品の2種類があります。自社ブランド商品を販売する店舗は、ブランドショップと呼ばれます。自社ブランドのアイテムを企画・販売できることが特徴です。
一方の他社ブランド商品を仕入れて販売する店舗は、セレクトショップになります。コンセプトに合ったアイテムを仕入れて販売できますし、自社ブランドを企画・販売することも可能です。
店舗
アパレルショップの店舗には、実店舗とネットショップがあります。営業する時間や場所、コスト、受発注などが違います。
アパレルの実店舗では、顧客とコミュニケーションが取りやすいです。ネットショップよりも価格競争に巻き込まれにくいメリットもあります。ただしネットショップ型に比べてコストがかかる点と営業時間が限られる点がデメリットです。
アパレルのネットショップでは顧客の購買行動をデータ化して分析しやすく、コストを抑えやすいです。また全国や全世界を対象に24時間営業できます。ただしWebサイトを運営する知識や技能が求められます。
アパレルショップ開業の流れ
開業したいアパレルショップの業態を決めたら、開業準備を進めましょう。準備をスムーズに進めるため、事前にアパレルショップ開業の流れをご紹介します。本記事では、アパレルの実店舗を対象としています。
コンセプト設計と事業計画書の作成
まずコンセプト設計と事業計画書の作成を行いましょう。アパレルショップの基本理念や方向性がコンセプトです。具体的な言葉で表現することで、一貫した品質の商品やサービスを提供しやすくなります。
事業計画書は、コンセプトを基にして事業内容や資金計画などをまとめた書類です。外部への説明や資金調達、経営の指標にするために必要です。アパレルショップにも活用できる事業計画書の書き方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
物件探し
事業計画書に基づいて、物件を探します。立地や賃料、間取りなどの希望条件を整理したうえで、コンセプトを実現できる物件を選んでください。市場調査をしたうえで、ターゲットを集めやすい立地を絞り込みましょう。
しかし賃料が高くなる分だけ経費が圧迫されますので、目標売上を計算しておいてください。立地や賃料以外にも店舗物件探しのポイントがありますので、次の記事も併せてご覧ください。
内外装のデザインと工事
物件を契約したら、内外装のデザインと工事を行います。コンセプトに基づいて内外装をデザインできれば、顧客の購買行動や従業員のモチベーションの向上を期待できますので、慎重に検討しましょう。
内外装の工事を依頼する前には相見積もり(複数業者からの見積もり)を取り、予算内に工事費用が収まるように比較検討してください。アパレルショップの内装デザインや工事費用についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
開業資金の調達
物件探しや内装デザインと並行して、開業資金の調達を行ってください。必要な資金を正確に計算することで、追加資金が必要になるリスクを減らせます。アパレルショップ開業資金の相場や節約方法を後ほどご紹介します。
また開業資金を自己資金だけで賄えない場合には、融資や補助金・助成金などを検討しましょう。計画的に資金を調達してください。アパレルショップにも活用できる開業資金の調達方法を紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
開業に必要な資格の取得
開業資金の調達だけではなく、開業に必要な資格の取得も進めてください。集客や売上を伸ばすために、取得した資格を活かしましょう。
アパレルショップ開業に法的に必須となる資格やスキルはありませんが、アパレルショップの経営に活用できる資格がありますので、後ほどご紹介します。
仕入れ先の選定
店舗のデザインを進めつつ、仕入れ先の選定を行います。セレクトショップを経営するなら、コンセプトに合った魅力的な商品を仕入れることで売上につながります。競合店との差別化を図るために市場調査をしましょう。
アパレルの仕入れ先は多岐に渡りますので、後ほどご紹介します。仕入れ先ごとの特徴を踏まえて、開業するアパレルショップに合う仕入れ先を選定してください。
什器や備品の調達
仕入れる商品を決めたら、什器や備品の調達を行いましょう。商品の魅力を引き立てる什器や備品を選ぶことがポイントです。先に什器や備品から選んでしまうと、商品のサイズや配色と合わなかったり、陳列しづらかったりする恐れがあるので、ご注意ください。
アパレルショップにはハンガーやマネキンなどの他にも、レジ周りの陳列棚やラッピング用品なども必要です。アパレルショップにも活用できる什器の選び方についてをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
集客方法の選定
開業が近くなったら、集客方法の選定が必要です。ターゲットの購買行動や商品の魅力を考慮して、オンライン集客とオフラインの集客を組み合わせながら展開しましょう。
アパレルショップへの集客にはポスティングやSNS、MEO対策などの集客方法が適しています。店舗へ集客する方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
開業に必要な届出・許可の申請
なお開業に必要な届出・許可の申請を忘れずに行いましょう。個人事業なら「個人事業の開業・廃業等届出書」を、法人営業なら「法人設立届出書」を税務署に提出します。また所得税の確定申告で青色申告をするなら、「青色申告承認申請書」も提出してください。
参照元:国税庁Webサイト
また中古品販売には「古物商許可」が必要ですので、警察署に許可申請書を提出してください。添付書類や提出方法については警視庁のWebサイトで説明されています。
参照元:警視庁「古物商許可申請」
アパレルショップの開業資金
開業の流れを押さえたうえで、アパレルショップの開業資金を確認しましょう。資金が足りないと開業準備が進まなくなる恐れがありますので、資金の計算と調達が大切です。今回はアパレルの実店舗を想定して、開業資金の相場や内訳、節約方法をご紹介します。
開業資金の相場
アパレルショップ開業資金の相場は、1,000万~2,000万円程度です。ただし店舗の規模や立地、物件の種類(居抜きかスケルトン)、取り扱うブランドなどによって相場は上下します。
開業資金の内訳
開業資金の内訳には初期費用(物件取得費や内外装工事費や仕入れ費、広告費、什器や備品の購入費など)と運転資金(人件費や仕入れ費、賃料など)が含まれます。
月間売上200万円とスケルトン物件(20坪で賃料月20万円)のアパレルショップを想定して、開業資金の内訳を表にまとめました。
内訳 | 相場 | スケルトン物件 (20坪で賃料月20万円) |
物件取得費 (前賃料や礼金、保証金など) | 全体の10%程度 賃料6〜10ヶ月分 | 120万〜200万円程度 |
内外装工事費 | 全体の30%程度 坪単価30万~50万円程度 | 600万〜1,000万円程度 |
仕入れ費 | 全体の10%程度 | 100万〜200万円程度 |
広告費 | 全体の5%以内 | 50万円以内 |
什器や備品の購入費 | 全体の10%程度 | 50万〜100万円程度 |
運転資金 (人件費や仕入れ費、賃料など) | 全体の30%程度 賃料6~12ヶ月分程度 | 120万〜240万円程度 |
合計 | 100% | 1,000万〜2,000万円程度 |
上表が示すとおり、開業資金のなかで物件取得費と内外装工事費が全体の40%程度を占めます。スケルトン物件の内外装工事には坪単価30万〜50万円程度が、居抜き物件なら坪単価15万〜30万円程度が相場となります。
また開業後にすぐに売上を伸ばせない状況を想定して、開業前に数か月分の運転資金を蓄えておく必要があります。売上が伸びなくても固定費を毎月支払わなくてはなりませんので、ご注意ください。
開業資金の節約方法
アパレルショップ開業資金の節約方法として、まず坪数の少ない物件を契約する方法があります。物件の面積が小さいほど、賃料や光熱費などの運転資金を抑えられるからです。
また以下のように内装工事費を抑える方法でも、アパレルショップ開業資金の節約を期待できます。
- 居抜き物件を活用する
- 打ちっぱなしコンクリートにする
- 内装や設備のグレードを検討する
- 可能な範囲でDIYする
- 相見積もりを取る
上記の節約方法について詳しく紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
アパレルショップの開業に役立つ資格
アパレルショップの集客と売上を伸ばせるように、開業に役立つ資格の取得をご検討ください。ファッションや接客などに関する資格をいくつかご紹介します。
ファッションビジネス能力検定
「ファッションビジネス能力検定」は、⽇本ファッション教育振興協会が認定している資格です。ファッションアイテムの企画や流通の知識だけでなく、ビジネス戦略やマネジメントについて学べます。
2~3級では主にファッションビジネスの知識を、1級ではマーケティング戦略やマネジメントなどの知識も問われます。取得費用は、級に応じて数千円から1万円程度です。
参考:⽇本ファッション教育振興協会「ファッションビジネス能力検定」
ファッション販売能力検定
「ファッション販売能力検定」は、⽇本ファッション教育振興協会が認定している資格です。販売知識や接客技術、マーケティングに関する知識などの習得を目指せます。取得費用は、級に応じて数千円から1万円程度です。
3級〜1級まであり、3級ではファッション販売に携わるための基礎知識が、2級ではより専門的な知識と臨機応変な対応が、1級では管理・責任者に必要なマネジメント能力が問われます。
参考:⽇本ファッション教育振興協会「ファッション販売能力検定」
リテールマーケティング(販売士)検定試験
「リテールマーケティング(販売士)検定試験」は、日本商工会議所が認定している資格です。接客に関する知識や売場の管理、店舗の経営などについて学べます。取得費用は、どの級も数千円程度です。
3級では販売士としての知識が、2級ではマネジメント層としての知識が、1級では経営者としての知識が身につきます。合格者には販売士認定証が発行されますが、知識をアップデートするために5年ごとに更新が必要です。
接客サービスマナー検定
「接客サービスマナー検定」は、NPO法人日本サービスマナー協会が認定している資格です。ホテルや航空業界でも通用する接客サービスやビジネスマナーの習得を目指せます。取得費用は、級に応じて数千円から1万円程度です。
3級から2級、準1級、1級までペーパーテストが課されますが、準1級と1級では実技試験と面接も行われます。
アパレルショップの仕入れ先
資金調達と資格取得と同様に、アパレルショップの仕入れ先も重要です。自店舗に合った仕入れ先を選定できるように、仕入れ先ごとの特徴をご紹介します。
メーカー
メーカーは、アパレルの企画や製造を行う企業です。メーカー担当者と商談して、仕入れる商品を選定します。
市場に出回らない商品の仕入れやオリジナル商品の開発をできる点がメリットです。ただし取引前の審査や一定以上の取引量が求められる点がデメリットになります。
卸問屋
卸問屋は、メーカーから買い付けた商品を販売する仲介業者です。問屋街などに出向いて、卸問屋から仕入れを行います。
少量での取引に対応しており、複数メーカーの商品を仕入れられますが、アパレルショップ経営実績がないと入店を許可されない恐れがあります
仕入れサイト
仕入れサイトは、オンラインでアパレル商品を販売している仲介業者です。多くの経営者に利用されています。
他社と商品が被る恐れがありますが、新規参入しやすく1点からでも受注を受け付けるサイトもあります。
展示会
展示会は、アパレルのメーカーや仲介業者などが集まる商談イベントです。入場制限が設けられる展示会もあります。
しかし業界動向や新商品などを知ることができ、同業者と横のつながりをもつきっかけとなります。
海外のメーカーや仲介業者
海外のメーカーや仲介業者からも、アパレル商品の輸入が可能です。Web上で取引したり、現地に出向いて直接仕入れたりします。
言語や社会情勢による問題が発生しやすい一方で、選択肢が広がり安い商品や個性的な商品を仕入れられる可能性があります。
集客と売上を伸ばせるアパレルショップを開業しよう!
アパレルショップの開業には、さまざまな準備が必要です。業態やコンセプトに基づいて必要な資格や資金、仕入れ先を準備した、集客と売上を伸ばせるアパレルショップを開業しましょう。
IDEALは店舗全般のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。
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監修者
-
IDEAL編集部
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