本記事で、店舗を開業する流れと…
2019.01.04 2022.06.13|新規開業ノウハウ
パン屋のおしゃれな内装をデザイン!レイアウトや施工事例、工事費用
「パン屋を開業したいけど、内装をどうデザインしたらいい?」「工事費用の目安を知りたい!」とお困りではありませんか?おいしいパンを製造できても、パン屋の内装が整っていなければ販売する商品をアピールできません。
そこで今回はパン屋のおしゃれな内装をデザインするコツを解説します。レイアウトや施工事例、工事費用もご紹介しますので、パン屋の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方はぜひご覧ください。
目次
パン屋の販売方式
パン屋の内装をデザインするために、まずはパン屋の販売方式を把握しておきましょう。商品の販売方式によって、販売に必要となる内装空間が異なるからです。セルフと対面の方式がありますので、各方式のメリットとデメリットをご紹介します。
セルフ方式
セルフ方式は、「パンが陳列されているオープンディスプレイから、顧客に選んだパンをトレイに置いて会計場所へ移動してもらう」販売方式です。「顧客に包装と精算もしてもらう方式」や「従業員が精算だけする方式」、「従業員が包装も精算もする方式」も指定できます。
パン屋にセルフ方式を導入するメリットは次のとおりですので、「多くの量を製造販売したいパン屋」に向いています。
- 対面方式よりも回転率が高い
- フロアスタッフが会計と陳列に集中できる
一方で下記のデメリットを想定して、内装の動線設計や商品の包装を工夫しましょう。特に焼きたてパンを提供する店舗においては、パンの衛生管理に注意が必要です。
- 顧客が動き回る販売スペース(最低10坪程度)が必要である
- 対面方式よりもパンの衛生管理が難しい。
対面方式
対面方式は、「顧客の注文するパンを従業員が代わりにディスプレイから取り出して包装と精算もする」販売方式です。ディスプレイにパンを陳列して顧客に紹介しますが、販売する全てのパンを陳列する必要はありません。また写真だけを掲示することで、ディスプレイを置かなくても構いません。
パン屋に対面方式を導入するメリットは次のとおりですので、「少ない従業員数で製造販売したいパン屋」に向いています。
- セルフ方式よりも狭い販売スペース(最低5坪程度)で営業できる。
- 顧客とコミュニケーションを取りやすく丁寧に接客できる。
- セルフ方式よりも衛生管理もしやすい。
一方で下記のデメリットを想定して、利益率や内装の動線設計を工夫しましょう。
- 接客に時間がかかるので回転率が低い。
- 注文の順番を待つ顧客が並ぶスペースを確保する必要がある。
パン屋のおしゃれな内装をデザインするコツ
パン屋の販売方式を選んだら、内装をデザインするコツを掴みましょう。セルフ方式販売でも対面方式販売でも、集客と売上を伸ばすためにはおしゃれな内装が必要です。ただし販売方式の違いによって異なるコツもありますので、ご注意ください。
動線設計を踏まえてレイアウトする
まずは顧客がストレスを感じないで商品を選び会計できるように、動線設計を踏まえてレイアウトしましょう。顧客が入店してからパンを選び会計するまでの流れを想定しながら、エントランスやディスプレイ、会計などの場所や数をレイアウトしていきます。
また顧客の目線を想定して、陳列棚やカウンターなどの高さも計算します。ただし衛生面から低すぎる位置にパンを陳列することはできませんので、ご注意ください。あらゆる顧客へ対応することは不可能ですが、なるべくターゲットの属性を想定することが重要です。
適切な通路幅を確保する
次に適切な通路幅を確保してください。通路が狭いと顧客同士がすれ違う際にぶつかったり、陳列作業する従業員がパンを床に落としたりする危険性があります。加えて子ども連れの顧客や大きな荷物を持った顧客が入店しにくくなります。
日本人成人女性が通りやすい通路幅は50-80㎝程度で、余裕をもってすれ違う通路幅は100㎝以上が必要です。顧客の動線だけではなくパンの衛生面を保つためにも、必要な陳列棚の間隔を計算しましょう。
イートインと販売のスペースを区切る
また販売方式に限らず店内にイートインスペースを設置する場合には、イートインと販売のスペースを区切る必要があります。なぜなら区切りがないと、イートインスペースの顧客が落ち着いて飲食できないからです。
しかし外を通行する人や販売スペースの顧客に対して、イートインスペースの存在をアピールすることも大切です。そのためイートインスペースには高すぎない仕切りを設置して、スペースごとに床材や壁材を使い分けるように検討しましょう。
配色でパンの魅力を引き出す
また内装の配色でパンの魅力を引き出しましょう。温かみのあるベージュ系を内装の基調色にすると、パンの色と調和して美味しそうに見せることができます。またパン自体も焼き色やトッピングの色を持っていますので、内装の一部と考えてより美しく見えるように陳列場所を検討してください。
明るくシンプルでナチュラルな雰囲気の北欧調がおしゃれですが、どうしても競合パン屋と似通ってしまいます。独自性を出して顧客へ印象付けるためには、パン屋のブランドカラーとロゴをデザインして、内装に取り入れましょう。単色カラーやチェックや花柄などの模様を看板や壁、什器などにポイントで取り入れるとおしゃれです。
木材の質感を生かす
さらに温かな雰囲気や優しいイメージを演出するためには、木材の質感を生かす内装をデザインしてください。木材の陳列棚やカウンターなどの家具を造作するとおしゃれですが、新しい無垢材は価格が高めで時間経過と共に変形する危険性があります。
そのため「木目調」の合板を利用する什器もありますが、本物の木のほうが優しさや温かみを出すことができます。そこでアンティークショップなどで古材の家具を購入すれば、比較的安価にレトロでオシャレな空間を演出できます。またブラウンやグレーなどの色のバリエーション豊富な古材を販売している材木店があります。
最初に「ヨーロッパ調」「カントリー調」「アジアン風」などと、インテリアの大まかな路線を決めておくことです。トータルイメージを先に決めると家具屋さんや内装屋さんへ発注する時にも説明しやすくなりますし、自分の希望に近い仕上がりが期待できます。
照明でパンの魅力を引き出す
最後に照明の光を利用することで、より一層パンの魅力を引き出すことができます。パンの見せ方は、売上を左右します。内装空間のおしゃれさも引き出せるためにも、パン屋のコンテプトに基づいて慎重に選びましょう。
パン屋の内装におすすめする照明の色は、温かみのある電球色です。落ち着いた雰囲気を演出しながら、パンの色を引き立ててくれます。器具の形はシーリングタイプやペンダントライトなどがありますので、内装空間の調和を考えて選択しましょう。
おしゃれなパン屋内装デザインの施工事例
IDEALの施工したおしゃれなパン屋内装デザインの事例をご紹介します。上記でご紹介したデザインのコツが各事例においてどのように活かされているかを解説します。開業するパン屋の内装をデザインするために、ぜひ参考にしてください。
パンを引き立てる照明
「クリスベーカリー吉祥寺」様の内装は白をベースカラーにすることで清潔感があり、木目の床から温かみを感じます。オリジナルで造作された陳列棚には、パンを引き立てる温かな色の照明が取りつけられています。
またガラスで区切られた工房からは、食パン製造のライブ感が伝わります。製造工程をアピールすることで、商品の安全性をアピールしています。
ワークショップもできるイートインスペース
「AFFIDAMENTO BAGEL」様の内装は白やグレーを基調としており、木目調の什器を設置することで色合いの調和が取れています。心と体に優しいベーグルの雰囲気ともマッチしています。
イートインスペースには余分な仕切りが施工されていないので、レイアウトを自由に変更でき、パン製造などのワークショップが開催されています。併設している厨房にはガラス窓が施工されているので、飲食しながら製造工程を楽しむことができます。
食パン専門店のシンプルな内装
「Chris Bakery」様の内装は、食パンを主力商品とする製造販売店にふさわしいシンプルな内装です。大きな窓から自然光を十分に採り入れて、照明の丸いペンダントライトで可愛らしさが演出されています。
またドアガラスにロゴをデザインして、アイキャッチにしています。顧客が入店してから会計するまでの動線もシンプルに設計されており、フロアのスペースが有効に利用されています。
パン屋の内装工事費用
おしゃれなパン屋の内装をデザインできても、予算が足りないと工事を依頼できません。パン屋に特徴的な工事費用の相場と内訳を把握したうえで、節約しながら正確な費用を計算しましょう。
内装工事費用の相場
パン屋の内装工事費用の相場は、坪単価30~50万程度です。20坪の物件なら、600~1,000万程度になります。あとから説明するとおりに、他の飲食店よりも坪単価が高くなる傾向にあります。
ただし製造販売するパンの種類や物件の種類(スケルトンか居抜きか)、立地、セルフ販売・イートインスペースの有無などによって工事費用は変動しますので、細かい内訳を確認しおきましょう。
内装工事費用の内訳
パン屋の内装工事費用の内訳は、基本的に飲食店と同様です。次の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。
ただし軽食を提供する飲食店と比べると、基本的に厨房設備機器費が高くなります。パン生地のミキサーや電子発酵器、オーブンは1台50万円以上する物も。購入する種類や数によって、設備機器費だけで合計500万円以上になる場合もあります。
また電気・ガス設備の容量にもご注意ください。せっかく購入した設備機器でも、必要な容量の電力やガスを供給できなければ動きません。内装工事前に業者と設備機器全般についてよく相談しておきましょう。
なお下の記事に内装工事について詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。
内装工事費用の節約方法
パン屋の内装工事費用は高額になりやすいので、少しでも節約したいですよね。例えば次の3つの方法をご検討ください。
- 居抜き物件を契約する
- 中古設備機器を購入する
- 相見積もりを取る
まず居抜き物件を契約すると、譲渡料を支払うことで前借主が施工した什器や設備を利用できるため、譲り受ける什器や設備の分だけ購入と施工の費用を省くことが可能です。工事が不要になる分だけ、工期も短くできます。
また中古設備を購入することで、パン製造や接客に必要な設備機器費を抑えられます。ただし状態や種類によってパン製造に不向きだったり、開業後に修繕費が必要になったりする危険性がありますので、ご注意ください。
最後に相見積もりを取って、工事を依頼する業者を比較検討しましょう。複数の業者が提案する工事の内容や費用を比較することで、適正な価格や不要な工事を判断できます。内装デザインから工事はもちろん、資金調達や集客までワンストップで提供できる業者に依頼すると、さらに費用を抑えることが可能です。
パン屋の魅力を伝えられる内装を実現させよう!
コツを押さえてパン屋の内装をデザインするために、参考となる施工事例を調査しましょう。また信頼できる業者に依頼することで、余分な費用を抑えながら魅力を伝えられる内装を工事しましょう。
IDEALは、パン屋を始めとする店舗全般のコンセプト設計から内装デザイン・工事、資金調達・集客の支援までをワンストップでご提供しております。
店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討の際には、ぜひお問い合わせください。
監修者
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IDEAL編集部
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