2024.01.15  2024.02.01|新規開業ノウハウ

フォトスタジオの開業に失敗する原因と防止策!成功事例・開業費用も紹介

フォトスタジオの開業に失敗する原因と防止策!成功事例・開業費用も紹介

本記事で、フォトスタジオの開業に失敗する原因と防止策を解説します。成功事例や開業費用などもご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

フォトスタジオの開業に失敗する原因

フォトスタジオの開業に失敗する原因

フォトスタジオの開業を検討する際には、予め失敗する原因を確認しましょう。本記事では5点(市場調査とコンセプト、競合店との差別化、開業資金、ターゲット)の原因を取り上げて、後ほど防止策をご紹介します。

市場調査の不足

まずフォトスタジオの開業に失敗する原因として、市場調査の不足が挙げられます。十分に市場調査をしないままに開業して、顧客のニーズや購買行動などを把握できないと、フォトスタジオの集客と売上を伸ばすことができません

以下の調査結果によると、2020年度にはコロナの影響により、市場規模が大きく減少(前年比2割減)しました。2021年度より徐々に回復傾向にありますが、コロナ前(2019年度以前)の市場規模まで回復できていません。

参照元:日本フォトイメージング協会「フォトイメージング市場動向」

曖昧なコンセプト

次に曖昧なコンセプトも、フォトスタジオの開業に失敗する原因です。コンセプトが曖昧だと、わざわざフォトスタジオまで足を運んで撮影サービスを利用する付加価値を提供できません。

デジタルカメラやスマートフォンが進化したことで、多くの消費者が高画質な画像を自分で撮影しています。集客と売上を伸ばすためには、独自性のあるコンセプトを提示して、フォトスタジオで撮影する付加価値を訴求しなければなりません。

競合店との差別化を図れないサービス

また競合店との差別化を図れないサービスも、フォトスタジオの開業に失敗する原因です。競合店との差別化を図れなければ、同じ品質のサービスを低価格で売り出す価格競争に巻き込まれてしまいます

競合店との価格競争に巻き込まれてしまうと、フォトスタジオ経営の利益率を下げてしまいます。利益を蓄えて設備投資やサービス開発を企画できなければ、サービスの付加価値を提供しづらいです。

開業資金の不足

それから開業資金の不足も、フォトスタジオの開業に失敗する原因です。調達していた開業資金よりも初期費用が発生すると、店舗の運転資金が不足して、資金繰りが難しくなります。

例えばフォトスタジオの外観や内装のデザイン・工事に費用を使いすぎて、集客費を削減してしまうと、集客数を伸ばせない恐れがあります。集客を安定させて売上を獲得できなければ、店舗の固定費(賃料や水道光熱費など)を支払えません。

ターゲットに合わない集客活動

なおフォトスタジオの開業に失敗する原因として、ターゲットに合わない集客活動も挙げられます。適切な集客方法を選べなければ、ターゲットとする顧客層へ店舗営業に関する情報を届けられません

例えば20〜30代のカップルや新婚夫婦をターゲットとする場合には、新聞広告やポスティングだけでは集客につなげにくいです。反対にWeb集客(MEOやSNSなど)だけを展開していると、ネットユーザーではない顧客層を集客できません。

フォトスタジオ開業失敗の防止策

フォトスタジオ開業失敗の防止策

フォトスタジオの開業に失敗する原因に対して、防止策を講じましょう。7点の防止策(マーケティングの仕組みづくり、コンセプト設計、内装デザイン、ブランディング、スキルや資格、資金調達、集客方法)をご紹介します。

マーケティングの仕組みづくり

まずフォトスタジオ開業失敗の防止策として、マーケティングの仕組みづくりが挙げられます。集客と売上を安定させるために、以下の流れに沿ってマーケティング施策を展開しましょう。

  • 出店エリアの市場を調査する
  • 自店舗の経営状況を分析する
  • 店舗マーケティングの目的を定める
  • 店舗マーケティングの施策を計画する
  • 集客や売上の目標を設定する
  • マーケティング施策を展開する
  • マーケティング施策を評価・改善する

なお店舗マーケティングのメリット・デメリットなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

明確なコンセプト設計

次に明確なコンセプト設計も、フォトスタジオ開業失敗の防止策です。競合店との差別化を図るために、以下の流れに沿って独自性のあるコンセプトを設計しましょう。

  • 市場調査と競合分析
  • ターゲティングとポジショニング
  • 5W2Hによるコンセプトの言語化
  • コンセプトシートにまとめる
  • キャッチフレーズを考案する

店舗のコンセプトを実現させるポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

コンセプトに基づいた内装デザイン

またコンセプトに基づいた内装デザインも、フォトスタジオ開業失敗の防止策です。集客できるフォトスタジオの内装の特徴をご確認ください。

  • ターゲットが明確である
  • 幅広い撮影に対応できる
  • 競合店にない独自性が出ている
  • 照明や採光が工夫されている

フォトスタジオの内装をデザインする流れとポイント、施工事例や工事費用などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ブランディングの展開

そしてブランディングの展開も、フォトスタジオ開業失敗の防止策です。ブランディングを展開することで、以下のメリットを期待できます

  • 消費者からの認知度や信頼感を高める
  • 集客と売上を安定させる
  • 集客コストを削減できる
  • 人材採用への応募者が増える
  • 取引先や金融機関などからの信頼を得やすい

ブランディングを展開する際には、商品・サービスの独自性や付加価値、店舗物件の立地やデザインが重要です。店舗をブランディングする流れと方法などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

スキルや資格の習得

それからスキルや資格の取得も、フォトスタジオ開業失敗の防止策です。競合店との差別化を図り、独自性のあるサービスを提供するためには、写真撮影の専門的な知識や技術を習得しましょう。

  • 写真技能士
  • Photoshop®クリエイター能力認定試験
  • フォトマスター検定

参照元:

厚生労働省「写真技能検定試験の試験科目及びその範囲並びにその細目」

Photoshop®クリエイター能力認定試験「試験概要」

フォトマスター検定「試験概要」

また写真撮影だけではなく、店舗の経営に関する知識や技術なども必要です。店舗経営に役立つ資格やスキルなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

必要な資金の調達

加えて必要な資金の調達も、フォトスタジオ開業失敗の防止策です。フォトスタジオの開業準備や営業に必要な経費を正しく計算したうえで、自己資金だけで不足する場合は、資金の調達方法を検討しましょう。

  • 出資
  • 借入
  • 融資
  • 補助金・助成金

ただし資金の調達方法によって、申請条件や返済方法が異なります。開業資金を調達するポイントなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

適切な集客方法

なおフォトスタジオ開業失敗の防止策として、適切な集客方法も挙げられます。店舗の集客には、オンライン集客(SNSやMEOなど)とオフライン集客(ポスティングや交通広告など)の方法があります。

店舗の情報を効果的に届けるためには、ターゲットとする顧客層が利用しているメディアを特定しましょう。店舗の集客に成功した事例などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

フォトスタジオ開業の成功事例

開業失敗の防止策と併せて、フォトスタジオ開業の成功事例も調査しましょう。本記事では事例5点(子供向けとペット専門、韓国式、ウェディングのドレス試着・専門)を取り上げて、各フォトスタジオの特徴などをご紹介します。

子供向けに特化したフォトスタジオ

子供向けに特化したフォトスタジオ

まず「スタジオアリス」は、子供向けに特化したフォトスタジオです。1990年代の日本には子供向けに特化したフォトスタジオがなく、競合店との差別化戦略として初めた新規事業がヒットしました。

スタッフには、プロカメラマンではなく、子どもをあやすことに特化して女性が起用されています。子どもがいる夫婦だけではなく、妊婦を対象にしたマタニティフォトも提供。幅広い顧客層へ向けた施策が展開されています。

参照元:

株式会社スタジオアリス「こども写真館スタジオアリス」

集客・広告戦略メディア「キャククル」「スタジオアリスの経営戦略から学ぶ差別化・マーケティング」

ペット専門のフォトスタジオ

ペット専門のフォトスタジオ

次に「フォトスタジオCocoa」は、ペット専門のフォトスタジオを経営している企業です。元々は家族写真を撮影するスタジオでしたが、会員制のペット撮影専門ブランド「&fam」の撮影プランも提供されています。

撮影対象のペットには、犬・猫だけではなく、うさぎも含まれています。関東地域に15店舗が展開され、店舗ごとに異なるコンセプトのスタジオがデザイン。多種多様な撮影が可能です。

参照元:

ペット専門ブランド【&fam】「てくてく」

株式会社小野写真館のプレスリリース「ペット撮影専門ブランド「&fam」から1年に1回会員制撮影新プラン誕生!」

韓国式証明写真を撮影できるフォトスタジオ

韓国式証明写真を撮影できるフォトスタジオ

また「Photo studio ToreTeru」は、韓国式証明写真を撮影できるフォトスタジオです。「絶妙に盛れる」をコンセプトに、韓国式のレタッチ技術が用いられ、自然な仕上がりの証明写真が提供されています。

用途(パスポート・履歴書・免許証など)に合わせて、修正レベルの変更が可能です。プロカメラマンが修正するため、受け取りまでに数日かかりますが、プラス料金で最短当日22時までにデータが届きます。

参照元:

韓国式証明写真館「ToreTeru(トレテル)」

IBGメディア株式会社のプレスリリース「韓国式証明写真館「Photo studio ToreTeru(フォト スタジオ トレテル)」が3店舗目となる神宮前(原宿)にオープン!」

ウエディングドレスを試着できるセルフフォトスタジオ

ウエディングドレスを試着できるセルフフォトスタジオ

それから「DRESSY CAFE」は、ウエディングドレスを試着できるセルフフォトスタジオ併設のカフェです。ウエディングドレスやアクセサリーなどを着用して、スタジオとカフェでセルフ撮影できます。

カメラ専門店「カメラのキタムラ」がセルフフォトスタジオをプロデュースしているので、高画質撮影ができる機材が完備されており、データをすぐに受け取ることも可能です。またオプション料金を追加すれば、レタッチにも対応してくれます。

参照元:

DRESSY ONLINE[ドレシーオンライン] by プラコレ「【名古屋店】セルフフォト 15分撮り放題プラン」

 株式会社プラコレのプレスリリース「【東海エリア初出店】名古屋駅直結の商業施設KITTE名古屋3F「DRESSY CAFE」2023年6月1日グランドオープンのお知らせ」

ウエディング専門の無人セルフフォトスタジオ

ウエディング専門の無人セルフフォトスタジオ

なお「SELDING」は、ウエディング専門の無人セルフフォトスタジオです。沖縄県国頭郡恩納村にあり、目の前のビーチでの撮影が可能です。あまり観光客が訪れないエリアのため、人目を気にすることなく撮影できます。

撮影プランは4種類で、プランごとに貸し出し可能な機材が異なります。 無人店舗ですが、新郎新婦の衣装やアクセサリーなどが完備されているので、手ぶらで来店しても撮影が可能です。

参照元:

沖縄唯一のウェディング専門セルフ写真スタジオ 「SELDING」

株式会社コトノ葉のプレスリリース「ウェディング業界に革命!海から徒歩0分沖縄唯一のウェディング専門無人のセルフフォトスタジオオープン!なんとドレスやタキシードレンタルも含めてウェディング撮影が9800円〜!※2023年8月1日自社調べ」

フォトスタジオの開業費用

フォトスタジオの開業費用

フォトスタジオ開業失敗の防止策を講じるためには、開業費用が必要です。そこでフォトスタジオ開業費用の相場と内訳をご紹介します。無駄な経費を削減できるように、節約法もご覧ください。

相場

まずフォトスタジオ開業費用の相場は、坪単価30万~60万円程度です。ただしフォトスタジオの立地や物件の広さ、物件の取得方法(所有・賃貸)と種類(スケルトン・居抜き)、設備・機器・什器の台数、従業員数などによって、開業資金は大きく変動します。

内訳

次にフォトスタジオ開業費用の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、スケルトン物件(20坪で賃料月20万円)を賃借して開業する費用を試算してあります。

開業費用の内訳各費用の割合費用の試算
物件取得
(敷金や礼金、前賃料など)
​​合計の10%程度
(賃料の6~12か月分程度)
60万〜120万円程度
(20坪で賃料月20万円の
スケルトン物件)
店舗デザイン・工事
(外観と内装、設備・
機器・什器など)
合計の60%程度
(坪単価15万〜35万円程度)
360万〜720万円程度
諸経費
(開業前の集客・資格取得・
届出・許可・採用・研修など)
合計の20%程度120万〜240万円程度
運転資金
(開業後の賃料や
光熱水費、人件費など)
合計の10%程度
(賃料の3~6か月分程度)
60万~120万円程度
合計100%600万〜1200万円程度

上表のとおり、フォトスタジオの開業費用において、店舗デザイン・工事にかかる費用が大半を占めます。つまり店舗の外観や内装、設備・機器・什器にこだわるほど、開業費用が必要です。

節約法

そしてフォトスタジオ開業費用の節約法として、相見積もりと居抜き物件、補助金・助成金などが挙げられます。相見積もりを取ることで、各業者の提案(工事の内容や費用、期間など)を比較して、無駄な経費の削減が可能です。

居抜き物件を活用することで、所有者や前借主が施工した外観や内装、設備・機器・什器などを利用できるため、スケルトン物件よりも、店舗デザイン・工事費用の削減が可能です。ただし居抜き物件にはデメリットもありますので、次の記事も併せてご覧ください。

そしてフォトスタジオに活用できるとして、「小規模事業者持続化補助金」などが挙げられます。店舗の開業や経営に活用できる補助金・助成金の種類などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

参照元:商工会議所地区「小規模事業者持続化補助金(一般型)」

フォトスタジオ開業の失敗を防止しよう!

IDEALは、店舗全般のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外観のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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