2024.05.15  2024.04.09|新規開業ノウハウ

鍼灸院の開業資金はいくら?開業の条件やポイント・助成金・事例も紹介

鍼灸院の開業資金はいくら?開業の条件やポイント・助成金・事例も紹介

本記事で、鍼灸院の開業資金を解説します。また鍼灸院開業の条件やポイント・助成金・事例もご紹介します。施術所の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

鍼灸院開業の基本情報

鍼灸院開業の基本情報

鍼灸院の開業準備を始める前に、基本情報を押さえておきましょう。基本情報を押さえることで、開業準備を進めやすいからです。それでは鍼灸院開業の条件や主なサービス、メリット・デメリット、整骨院や整骨院との違いをご紹介します。

開業の条件

まず鍼灸院開業の条件として、国家資格の取得と施術所の開設届(または出張施術業務開始届)が挙げられます。鍼灸院のサービスを提供するためには、はり師(鍼治療)・きゅう師(灸治療)の国家資格が必要です。

そして鍼灸院を開業してから10日以内に、開業エリアを管轄する保健所へ開設届を提出しなければなりません。施術所を開設しないで、出張専門でサービスを提供する場合には、出張施術業務開始届出が必要です。

参照元:

厚生労働省「はり師国家試験の施行」

厚生労働省「きゅう師国家試験の施行」

東京都保健医療局「施術所(あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう、柔道整復)の開設等」

主なサービス

次に鍼灸院の主なサービスは、「はり」と「きゅう」による施術です。東洋医学の治療法である「はり」や「きゅう」の施術には、自然治癒力の向上や病気の治療と予防、健康の回復などの効果を期待できます。

参照元:森ノ宮医療大学「鍼灸師」

またあん摩マッサージ指圧師や柔道整復師などの国家資格も取得すれば、あん摩やマッサージ、指圧、整骨などのサービスの提供も可能です。鍼灸院と整体院や接骨院の違いについては、後ほどご紹介します。

メリット・デメリット

また鍼灸院を開業するメリットは、国家資格の信頼感や定年退職がないこと、安定したニーズなどです。以下の資料によると、若年層から高齢層まで、鍼灸院のサービスに対するニーズがあります。

参照元:宮本成生(立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科)「年齢別に見た鍼灸院へのニーズとは何か- テキストマイニングを用いた鍼灸院への口コミ解析 -」

一方で気力や体力が求められる点、競合の多さなどは、鍼灸院を開業するデメリットです。患者の身体に触れるサービスを提供するため、細心の注意が求められます。以下の資料によると、鍼灸院の数は増加傾向です。

参照元:厚生労働省「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の施術所数の推移」(8ページ)

整骨院や整体院との違い

そして鍼灸院と整体院や整骨院との違いには、健康保険の給付やサービスの内容などです。鍼灸院と整骨院の開業には国家資格が必要であり、保険医の同意を得る場合に健康保険が給付されます。

参照元: 三菱健康保険組合「保険医の同意を得て、はり・きゅう、あんま・マッサージ・指圧の施術を受けたとき」

一方で整体院の開業には国家資格が求められませんが、健康保険が給付されません。リラクゼーションのもみほぐしや骨盤の矯正などのサービスが提供されます。整体院開業に役立つ資格やスキルなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

鍼灸院を開業する際のポイント

鍼灸院を開業する際のポイント

基本情報だけでなく、鍼灸院を開業する際のポイントも押さえておきましょう。8点(コンセプト・事業計画書と開業資金、施術所の物件、デザイン・工事・設備・機器・什器、資格・免許・届出・許可、メニューと料金、採用・研修、集患活動)をご紹介します。

コンセプト設計と事業計画書作成

まずコンセプト設計と事業計画書作成が、鍼灸院を開業する際のポイントとして挙げられます。コンセプト設計は店舗経営の基本方針であり、ターゲットやサービスの付加価値などを具体的に決めることで、経営方針が明確になり、競合店との差別化ができるからです。

そして設計したコンセプトや売上目標などをまとめた事業計画書を作成することで、開業資金の調達や従業員の研修などに活用できます。鍼灸院開業にも活用できる事業計画書の書き方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

開業資金の調達

次に開業資金の調達も、鍼灸院を開業する際のポイントです。自己資金だけで不足する場合には、開業資金の調達方法(出資や借入、融資、補助金・助成金など)を検討しましょう。

ただし開業資金の調達方法ごとに、申請の条件や方法、時期などが異なります。鍼灸院にも活用できる開業資金を調達する際のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

施術所の物件選定

また施術所の物件選定も、鍼灸院を開業する際のポイントです。施術所の物件は、コンセプトを実現させる手段になります。そして立地は集患に影響し、賃料は運転資金の中で大きな割合を占めますので、物件選定が重要です。

そこで希望条件(立地や間取り、賃料など)を整理したうえで、物件を選定しましょう。施術所にも活用できる物件の探し方や注意点などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

施術所のデザイン・工事と設備・機器・什器の手配

それから施術所のデザイン・工事と設備・機器・什器の手配も、鍼灸院を開業する際のポイントです。施術所のデザイン・工事は集患と売上に影響しますので、鍼灸院のコンセプトに合う外観や内装をデザインしましょう。

そして鍼灸院のサービスに必要な設備・機器・什器を手配しましょう。鍼灸院の内装デザイン・工事に関する注意点や施工事例などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

資格・免許の取得と届出・許可の申請

さらに資格・免許の取得や届出・許可の申請も、鍼灸院を開業する際のポイントです。

  • はり師・きゅう師の国家資格
  • 施術所の開設届または出張業務開始届
  • 個人事業主の開業届または法人の設立届
  • 療養費の受領委任に関する申し出
  • 社会保険や労働保険の加入手続き(従業員を雇用する場合) 

参照元:

厚生労働省「はり師国家試験の施行」 

厚生労働省「きゅう師国家試験の施行」

東京都保健医療局「施術所(あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう、柔道整復)の開設等」

厚生労働省「はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費の受領委任に関する申し出」

国税庁「個人で事業を始めたとき/法人を設立したとき」

厚生労働省「労働保険の成立手続」

日本年金機構「事業所が健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」 

以上の他にも、鍼灸院のサービスや取り扱う保険などによって、資格・免許や届出・許可が必要になる場合があります。開業するエリアを管轄する行政機関に相談しましょう。

施術メニューと料金設定

続いて施術メニューと料金設定も、鍼灸院を開業する際のポイントです。鍼灸院のメインサービスである施術メニューを充実させることで、患者の満足度を高められます。ターゲットとする患者層のニーズに応える施術メニューを提供しましょう。

特に健康保険が適用される6疾患(神経痛・リウマチ・頸腕症候群・五十肩・腰痛症・むち打ち症)だけではなく、自由診療を提供する場合には、料金設定が重要です。患者の費用負担と鍼灸院の利益率のバランスを考慮してください。

参照元:曙橋レディース鍼灸治療院ひびき「保険診療と自費診療の違い」

従業員の採用・研修

そして従業員の採用・研修も、鍼灸院を開業する際のポイントです。週5日以上営業する場合や複数の施術所を経営する場合などには、従業員を採用します。採用したい職種や人物像を明確にしたうえで採用活動を開始しましょう。

そして鍼灸院の開業前には、従業員に対する研修も必要です。接遇や事務、施術などに関する研修を計画しましょう。鍼灸院開業にも活用できる人材採用のコツや研修の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてお読みください。

集患活動の計画

なお鍼灸院を開業する際のポイントとして、集患活動の計画も挙げられます。特に新規参入する場合には、開業当初から新規患者を獲得できるように、開業前からの集患活動が重要です。

そこでターゲットとする患者層に情報を届けるために、オンライン(SNSやMEOなど)やオフライン(ポスティングや雑誌広告など)で集患活動を展開しましょう。鍼灸院の開業にも活用できる集客アイデアをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

鍼灸院の開業事例

ポイントを押さえて鍼灸院を開業できるように、参考となる開業事例を調査しましょう。本記事では事例5点を取り上げて、各事例の特徴(オリジナルメソッドと幅広いニーズ、個室完備、エステや整体、温かい内装)をご紹介します。

オリジナルメソッドを提供する施術院

オリジナルメソッドを提供する施術院

まず「楽陽堂鍼灸院」は、オリジナルメソッドを提供する鍼灸院です。東洋医学(経絡と経穴を駆使した経絡治療)に現代医学を織り交ぜた施術方法です。頭痛や肩こり、腰痛、膝痛、不眠などに対する施術メニューが提供されています。

また美容や整体の施術メニュー(美容鍼やストレッチ、オイルトリートメントなど)も提供しています。美容鍼は、肌のくすみやたるみ、ほうれい線などの改善が期待される施術です。

参照元:楽陽堂鍼灸院「あなたがきっと良くなる鍼灸院 」 

幅広いニーズに応える鍼灸院

幅広いニーズに応える鍼灸院

次に「金町鍼灸整骨院 コモディイイダ院」は、幅広いニーズに応える鍼灸院です。鍼灸だけではなく、骨盤矯正や整体、マッサージ、ストレッチなどの施術メニューが提供されています。

例えばマーサ式トリガーポイント整体は、トリガーポイント(慢性的な痛みの引き金となる点)にアプローチします。幅広いニーズに応えながら、体の悩みの根本的な治療を心がけている鍼灸院です。

参照元:

金町鍼灸整骨院 コモディイイダ院「メニュー/料金」

ホットペッパービューティー「マーサメディカルグループ 金町鍼灸整骨院 コモディイイダ院」 

個室完備の鍼灸院

続いて「立石たいよう鍼灸整体院」は、個室完備の鍼灸院です。個室には、キッズスペースやベビー用バウンサーが設置されており、子連れの患者も落ち着いて施術を受けられるように配慮されています。

施術メニューは、鍼灸や整体、矯正、ストレッチなどです。頭痛や肩こり、腰痛、自律神経の乱れ、不眠のほか、子どもの猫背に対する整体メニューもあります。親子で通える鍼灸院です。

参照元:ホットペッパービューティー「フォトギャラリー|立石たいよう鍼灸整体院」 

エステや整体も提供する鍼灸院

エステや整体も提供する鍼灸院

さらに「Salon Lamer(サロン ラメール)」は、エステや整体も提供する鍼灸院です。鍼灸だけではなく、ヘッドスパやミネラルよもぎ蒸し、オイルマッサージ、フェイシャルエステなども提供されています。

また「健康の先に美がある」という考え方に基づいて、東洋医学の観点からカウンセリングを行います。ダイエットを目的とする施術(睡眠鍼やファスティング、EMSなど)にも対応する鍼灸院です。

参照元:Salon Lamer (サロンラメール)「サロン紹介」

温かい内装がデザインされた鍼灸院

そして「コンディショニング鍼灸laule’a(ラウレア)」は、暖かい内装がデザインされた鍼灸院です。白を基調とした内装空間に、温かみを与える木材や照明器具が取り入れられています。

施術に関しては丁寧なカウンセリングを心がけており、肌のむくみやたるみ、シワなどに対して、美容鍼と電気による施術を提供しています。自律神経の乱れによる不眠や頭痛などに対する施術メニューも提供する鍼灸院です。

参照元:ホットペッパービューティー「ラウレア(laule’a)」 

鍼灸院の開業資金

鍼灸院の開業資金

事例のような鍼灸院を開業するためには、資金が必要です。そこで鍼灸院の開業資金の相場と内訳をご紹介します。無駄な経費を削減できるように、開業資金の節約法も確認しましょう。

相場

まず鍼灸院の開業資金の相場は、坪単価30万〜60万円程度です。例えば20坪で賃料月20万円のスケルトン物件を賃借するなら、600万〜1,200万円程度の開業資金がかかります。ただし店舗の立地や物件の規模、種類(居抜きかスケルトン)、設備・機器・什器の台数などによって、開業資金は変動します。

内訳

次に鍼灸院開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、スケルトン物件(20坪で賃料月20万円)に必要な開業資金を試算してありますので、ご覧ください。

資金の内訳各費用の目安費用の試算
物件取得費
(敷金・礼金・前賃料など)
全体10%程度
(賃料3〜5ヶ月程度)
60万〜120万円程度
(20坪で賃料月20万円の
スケルトン物件)
店舗デザイン・工事費
(内装や外観、設備・
機器・什器など)
全体の70%程度
(坪単価20万〜50万円程度)
400万〜1,000万円程度
諸経費
(開業前の資格や届出・
許可、採用・研修、集客など)
全体の10%程度60万〜120万円程度
運転資金
(開業後の光熱水費や
賃料、人件費など)
全体の10%程度60万〜120万円程度
合計100%
(坪単価30万〜60万円程度)
600万〜1,200万円程度

上表の通り、鍼灸院の開業資金においては、店舗デザイン・工事費が大半を占めます。つまり店舗の内装や外観、設備・機器・什器などにこだわるほど、開業資金が増額するわけです。

節約法

そして鍼灸院の開業資金の節約法には、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取って、各業者の見積もり(工事の費用や期間など)を比較すれば、無駄な経費を削減しやすいです。

居抜き物件を契約して、内装や外観、設備・機器・什器などを引き継ぐと、新規工事費用を削減できます。ただし居抜き物件にはデメリットもありますので、次の記事も併せてご覧ください。

補助金・助成金の申請が通れば、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。ただし補助金・助成金ごとに申請の条件や期限などが異なりますので、次の記事も併せてご覧ください。

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監修者

IDEAL編集部

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