2023.12.04  2023.12.26|新規開業ノウハウ

マツエクサロンの開業準備!開業資金や保健所への届出・許可と補助金・助成金

マツエクサロンの開業準備!開業資金や保健所への届出・許可と補助金・助成金

本記事で、マツエクサロンの開業準備を解説します。開業資金や保健所への届出・許可、補助金・助成金などもご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

マツエクサロン開業の基本情報

マツエクサロン開業の基本情報

マツエクサロンの開業準備を始める前に、まずは基本情報を確認しましょう。基本情報を把握することで、マツエクサロンの開業準備を整えやすくなるからです。そこで市場規模と廃業率、ニーズ、業態、経営者の年収について解説します。

市場規模

まずマツエクサロンの市場規模は、1,000億円前後だと推計されていますが、客観的な調査結果はWeb上に公開されていません(2023年11月時点)。美容業の市場規模(1兆5,000億円程度)の10分の1程度です。

参照元:

J-Net21「まつ毛エクステサロン」

矢野経済研究所「理美容サロン市場に関する調査を実施(2023年)」

またアイビューティーサロンの利用率・利用経験率は、2010年代より男女ともに増加傾向にあります。2020年代も、マツエクサロンの市場規模の拡大が予想されます。

参照元:ホットペッパービューティーアカデミー「【美容センサス2019年上期】≪アイビューティーサロン編≫」(1-2ページ)

ニーズ

次にマツエクサロンに対するニーズとして、すっぴんの綺麗さやメイクの時短、カラーエクステなどが挙げられます。20〜59歳の女性を対象としたアンケート結果によると、アイサロンを利用した理由の上位は「すっぴんでもキレイでいたい」「メイクの手間・時間を減らしたかったから」でした。

参照元:

ホットペッパービューティアカデミー『「アイメイク・アイサロンに関する意識・実態調査」結果発表』(2-3ページ)

また2020年代からは、多様性に対応したカラーエクステが人気です。豊富なカラーが揃っているため、各顧客の目元に対応できます。芸能人(有村架純や齋藤飛鳥、田中みな実ら)がミューズとして採用されています。

参照元:ホットペッパービューティーアカデミー「メイク・ファッションのトレンド移り変わりと「アイラッシュ」の進化」

業態

またマツエクサロンの業態は、主に3タイプ(店舗型と自宅型、間借り型)に分類されます。店舗型は、店舗物件を所有・賃借して営業する業態です。他の2タイプよりも、初期費用(物件取得や内装デザイン・工事など)がかかります。

一方で、自宅型サロンは、経営者の住宅の一部を利用して営業されるサロンの業態です。店舗型と比べて、初期費用を省くことができます。自宅サロンのメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

なお間借り型は、既存店舗の営業時間外にフロアを借りて営業するサロンの業態です。初期費用を抑えられますが、他の2タイプのように内装を自由にデザインできません。間借りして店舗を営業するメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

経営者の年収

そしてマツエクサロンの経営者の年収は、300万〜800万円程度だと推定されます。ただし店舗の規模や数、立地、営業日数などによって、経営者の年収は変動します。

例えば店舗型のマツエクサロン1店舗(1日の売上5万円で利益率30%)を月20日(年間240日)営業するなら、経営者の年収は360万円程度です。複数の店舗を経営できれば、経営者の年収を増やせます。

  • 1日の売上5万円×月20日営業×12か月×利益率30%=360万円程度

マツエクサロンの開業準備に関する注意点

マツエクサロンの開業準備に関する注意点

基本情報を確認したうえで、マツエクサロン開業準備の注意点を確認しましょう。コンセプト設計から開業資金、物件、デザイン・工事、設備・機器・什器、届出・許可、メニュー開発、仕入れ先、人材採用・研修、集客活動までの流れに沿ってご紹介します。

コンセプト設計と事業計画立案

まずコンセプト設計と事業計画立案が、マツエクサロンの開業準備に関する注意点として挙げられます。明確なコンセプトを設計することで、競合店との差別化を図り、一貫した方針で開業準備を進めやすいです。

そしてマツエクサロンの事業計画を立案することによって、開業資金の調達や従業員の研修などに活用できます。事業計画書の書き方やポイントなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

開業資金の調達

次に開業資金の調達も、マツエクサロンの開業準備に関する注意点です。開業準備や営業活動に必要な経費を計算し、自己資金だけで足りない場合には、調達方法(出資や借入、融資、補助金・助成金など)を検討しなくてはなりません。

ただし上記の調達方法ごとに、申請条件や返済方法などが異なります。開業資金を調達するポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗物件の契約

また店舗物件の契約も、マツエクサロンの開業準備に関する注意点です。店舗物件の立地や賃料は、集客や売上に影響します。ターゲットとする顧客層の集まるエリアを特定して、希望条件に合う店舗物件を選定しましょう。

マツエクサロンを開業するエリアを特定するためには、市場調査が重要です。店舗物件探しのコツや注意点などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

内装と外観のデザイン・工事

それから内装と外装のデザイン・工事も、マツエクサロンの開業準備に関する注意点です。マツエクサロンのコンセプトに基づいて、店舗の内装と外観をデザインすることで、一貫した経営方針で店舗を営業しやすくなります。

また顧客満足度を高めて集客を増やすためにも、内装・外観デザインの工夫が必要です。マツエクサロンの内装をデザインするポイントや施工事例などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

設備・機器・什器の手配

そして設備・機器・什器の手配も、マツエクサロンの開業準備に関する注意点です。マツエクサロンには、空調・換気設備や通信・事務機器、施術用ベッド・ソファ・イスなどの什器が必要です。

なお新品だけではなく、中古品やリサイクル品、レンタル品などを選ぶことで、初期費用を節減できます。店舗におしゃれな什器を選ぶポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

資格取得と届出・許可申請

さらに資格取得と届出・許可申請も、マツエクサロンの開業準備に関する注意点です。マツエクサロンの開業には、美容師免許と美容所開設届出書、開業届または法人設立届出が必須です。

またマツエクサロンの開業に役立つ民間資格もあります。マツエクサロン開業の資格・届出・許可について、後ほど詳しくご紹介します。

メニューの開発

続いてメニューの開発も、マツエクサロンの開業準備に関する注意点です。ターゲットのニーズに応えるメニューを開発することで、集客と売上の向上を期待できます。例えばマツエクの本数だけでなく、上まつげと下まつげのメニューを分けることができます。

他にも、マツエクのリペアやカール、シャンプー、テイクオフなどのメニューを提供することで、顧客の多様なニーズに応えやすいです。ターゲットする顧客層の趣味嗜好や競合店のメニューなどを調査したうえで、メニュー開発を進めましょう。

仕入先の選定

加えて仕入先の選定も、マツエクサロンの開業準備に関する注意点です。仕入先は、商品やサービスの価格・品質を保つために重要です。仕入値が高くなるほど原価率が上がるため、利益率を下げてしまいます。

そこで開業するマツエクサロンの集客と売上を安定させるために、適した仕入先を選びましょう。仕入先を選定する際のポイントや仕入先と上手く付き合うコツなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

人材の採用と研修

また人材の採用と研修も、マツエクサロンの開業準備に関する注意点です。採用開始から研修終了までには、数週間から数か月ほどかかります。ゆとりをもって進めるために、開業数か月前から募集を開始しましょう。

採用後には、マツエクサロンの営業マニュアルを作成したうえで、従業員の研修を開始します。店舗経営における人材採用のコツや研修の注意点などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客活動の計画

なおマツエクサロンの開業準備に関する注意点には、集客活動の計画も含まれます。開業後から新規顧客を増やせるように、開業前から知名度を高めておく必要があるためです。人材の採用・研修と同時期に、集客活動を開始しましょう。

そこでターゲットとなる顧客層に効果的に情報を届けられるように、オンラインとオフラインの集客方法を組み合わせましょう。店舗へ集客する方法や事例などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

マツエクサロン開業の資格・届出・許可

マツエクサロン開業の資格・届出・許可

店舗物件や設備・機器・什器などの開業準備を進めながら、マツエクサロン開業の資格・届出・許可に関する準備を進めましょう。美容師免許、民間資格、美容所開設届、開業届または法人設立届出について解説します。

国家資格の美容師免許は必須

まずマツエクサロンを開業するために、国家資格の美容師免許は必須です。マツエクサロンの業態(店舗型や自宅型、間借り型)に関わらず、美容師免許がなくては顧客のまつ毛を施術できません

参照元:厚生労働省「まつ毛エクステンションの危害」

美容師免許を取得するためには、厚生労働大臣が指定する美容師養成施設(昼間課程なら2年程度)を卒業し、美容師国家試験に合格しなければなりません。なお2名以上の美容師が在籍するマツエクサロンには、管理者(管理美容師の免許)も必要です。

参照元:

厚生労働省「理容師・美容師免許の取得まで」

公益財団法人 理容師美容師試験研修センター「管理理容師・管理美容師の概要」

民間資格も役立つ

次に美容師免許だけでなく、マツエクサロンの開業には、民間資格も役立ちます。顧客の満足度を高めるためには、マツエクの施術に関する専門的な知識と技能が必要です。マツエク施術に関する民間資格をご紹介します。

  • まつ毛エクステンション技能検定
  • プロアイリスト検定
  • ラッシュアーティスト資格認定

参照元:

一般社団法人日本まつげエクステンション認定機構(JECA)「技能検定試験」

一般社団法人NEA日本まつげエクステ協会「検定試験」

一般社団法人日本ラッシュアーティスト協会「資格認定5STAR技術評価試験」

なお上記の各資格ごとに目的やレベルなどが異なるため、開業するマツエクサロンのメニューに適した資格の取得を検討しましょう。

美容所開設届は必須

それからマツエクサロンを開業するために、美容所開設届は必須です。美容所として登録するためには、開業1〜2週間前に、開業するエリアを管轄する保健所へ、美容所開設届を提出しましょう。

美容所開設届を提出すると、保健所の職員による施設の検査が行われます。構造設備の基準に適合していれば、美容所確認済証が発行されて、マツエクサロンの営業を開始できます。店舗の業態(店舗型と自宅型、間借り型)に関わらず、美容所開設届出が必要です。

参照元:東京都保健医療局「東京都西多摩保健所/生活衛生に関すること/美容所」

開業届または法人設立届出も必須

そしてマツエクサロンを開業するために、開業届または法人設立届出も必須です。個人事業主なら「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業から1か月以内)、法人なら「法人設立届出書」(設立から2か月以内)を提出しましょう。

他にもマツエクサロンの事業内容に応じて、税務や労務などに関する手続きも必要です。

  • 所得税・法人税の青色申告承認申請書(税制上の優遇を希望する場合)
  • 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書(従業員と雇用する場合)
  • 適格請求書発行事業者の登録申請書(登録を希望する場合)

参照元:国税庁「個人で事業を始めたとき/法人を設立したとき」

マツエクサロンの開業資金と補助金・助成金

マツエクサロンの開業資金と補助金・助成金

マツエクサロンの開業準備をスムーズに進めるためには、開業資金が必要です。資金計画を立てられるように、マツエクサロン開業資金の相場と内訳をご紹介します。必要なものを予算内で準備できるように、節約法も確認しましょう。

相場

まずマツエクサロン開業資金の相場は、坪単価20万〜50万円程度です。ただしサロンの立地や規模、物件の取得方法(賃貸か所有)や種類(スケルトンか居抜き)、設備・機器・什器の種類や台数、従業員数などに応じて、開業資金は変動します。

内訳

次にマツエクサロン開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、店舗型(10坪で賃料10万円のスケルトン物件)のマツエクサロンにかかる開業資金を試算してあります。

開業資金の内訳各費用の割合費用の試算
物件取得費
(敷金や礼金、前賃料など)
合計の10%程度
賃料の6月分程度
20万〜50万円程度
(10坪で10万円の
スケルトン物件)
内装・外観工事費
(天井・壁・床・建具・屋根・
外壁・看板など)
合計の30%程度60万〜150万程度
設備・機器・什器工事費
(空調・換気・通信・
施術用ベッド・ソファなど)
合計の30%程度60万〜150万円程度
運転資金
(毎月の賃料・光熱水費・
通信費など)
合計の10%程度
賃料の6月分程度
20万〜50万円程度
諸経費
(消耗品や集客、資格取得、
届出・許可、人材採用など)
合計の20%程度40万〜100万円程度
合計100%
坪単価20万~50万円程度
200万〜500万円程度

上表のとおり、マツエクサロンの開業資金において、店舗工事費用(内装・外観・設備・機器・什器)の割合が半分以上を占めます。したがって開業資金を削減するためには、工事費用の節約が必要です。

節約法

そしてマツエクサロン開業資金の節約法として、相見積もりと居抜き物件、補助金・助成金などが挙げられます。相見積もりを取ることで、各業者の提案する工事の内容や費用、期間などを比較できるため、無駄な経費を節約しやすいです。

また居抜き物件を選んで、前借主や所有者の施工した内装や設備・機器・什器を使えると、費用を節減できます。ただし居抜き物件にはメリット・デメリットがありますので、次の記事も併せてご覧ください。

補助金・助成金

なお補助金・助成金を受給できると、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。マツエクサロンの経営に活用できる補助金・助成金には、「IT導入補助金」や「小規模事業者持続化補助金」などがあります。

参照元:

一般社団法人 サービスデザイン推進協議会「IT導入補助金2023」

商工会議所地区「小規模事業者持続化補助金」

店舗の開業・経営に活用できる補助金・助成金の種類をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

マツエクサロンの開業準備を始めよう!

IDEALは、店舗全般のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外観のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。

下のキーワードをクリックして、店舗デザインや開業準備などの関連記事もぜひご覧ください。また店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討の際は、ぜひご相談ください。

キーワード :

店舗工事のご相談・お問い合わせはこちら

監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
店舗づくりをプロデュースする「IDEAL(イデアル)」が運営。
新規開業、店舗運営のお悩みや知りたい情報をわかりやすくお届けいたします。

> IDEALの編集者ポリシー

店舗工事のご相談・お問い合わせはこちら

店舗作り、集客の
無料見積もり・相談をする