2023.12.21  2023.12.26|新規開業ノウハウ

サウナ施設を開業する際の注意点!基本情報・失敗の原因と対策・開業資金も紹介

サウナ施設を開業する際の注意点!基本情報・失敗の原因と対策・開業資金も紹介

本記事で、サウナ施設を開業する際の注意点を解説します。基本情報・失敗の原因と対策・開業資金もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

サウナ施設の開業に関する基本情報

サウナ施設の開業に関する基本情報

サウナ施設の開業準備を始める前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を把握することで、開業準備を進めやすくなるためです。それではサウナ施設の市場規模や顧客のニーズ、種類、業態の特徴をご紹介します。

市場規模

まずサウナ施設の市場規模は、世界全体で約1,200億ドルと推計されています。レジャーツーリズムのアクティビティとして認識されているサウナ・スパ産業は、世界的な観光産業の成長とともに活性化しています。

参照元:Global Infomation「サウナとスパ市場 – 成長、動向、予測(2023年〜2028年)」

ただし日本国内でのサウナ利用者数は、2010年代後半から2020年代前半にかけて減少傾向です。年に数回利用するライトユーザーの割合が減り、日常的にサウナを利用するヘビーユーザーの割合が増えています。

参照元:PRWire「【日本のサウナ実態調査2023】3.その他サウナ利用に関しての調査」

顧客のニーズ

次にサウナ施設に対するニーズとして、個室や女性専用エリア、コワーキングスペースなどが挙げられます。2023年の調査結果によると、サウナ利用者の4人に1人が個室サウナを利用しています。

参照元:PRWire「【日本のサウナ実態調査2023】3.その他サウナ利用に関しての調査」

また幅広いニーズに応えるために、女性専用サウナやコワーキングスペース併設サウナなども開業されています。女性専用サウナではアロマやアメニティ、ドリンクなどが提供され、コワーキングスペース併設サウナには会議室やブース席などがレイアウトされています。

参照元:

PR TIMES「浅草寺徒歩3分!個室サウナ『SAUNA RESET Pint(サウナ リセット ピント)』は、個室サウナと大衆サウナの「良いとこ取り」した『ハイブリッドサウナ』として各種サービスを再構築。」

PR TIMES「日本初となる(※1)サブスク型女性のための個室サウナ『SaunaTherapy(サウナテラピー)』を2022年3月10日 表参道に開業」

サウナの種類

またサウナの種類は、主に軟式と湿式に分けられます。軟式サウナ(ドライサウナ)は、高音低湿(室温80〜100℃程度と湿度10%程度)で、日本で昔から人気の種類です。もう一方の湿式サウナ(スチーム・ミストサウナ)は、低温高湿(室温40~60℃程度と湿度100%)で、日本で近年人気を獲得してきました。

他にもフィンランド式サウナ(ロウリュウで蒸気を発生させる種類)や塩サウナ(湿式サウナのオプション)、アイスサウナ(サウナで熱くなった身体を冷やす目的)、スモークサウナ(薪で煙を炊く種類)などもあります。

銭湯との違い

そしてサウナと銭湯との違いは、設備やスペース、ターゲットなどです。銭湯には、大浴場だけではなく、サウナやレストラン、マンガ、インターネットなどのスペースも含まれます。健康ランドやスーパー銭湯などとも呼ばれ、家族や高齢者などの幅広い層がターゲットです。

一方のサウナ施設には、主にサウナやシャワーなどの設備が含まれます。カプセルホテルやコワーキングスペース、レストランなどが併設されたサウナ施設もあります。主に個人やカップルなどの顧客層が、主なターゲットです。

参照元:

PR TIMES「浅草寺徒歩3分!個室サウナ『SAUNA RESET Pint(サウナ リセット ピント)』は、個室サウナと大衆サウナの「良いとこ取り」した『ハイブリッドサウナ』として各種サービスを再構築。」

wellbe「サウナ&カプセルホテル ウェルビー栄(名古屋)」

サウナ施設を開業する際の注意点

サウナ施設を開業する際の注意点

基本情報を押さえたところで、サウナ施設を開業する際の注意点も確認しましょう。9点(事業計画書と開業資金、店舗物件、内装デザイン・工事、設備・機器・什器、届出・許可、資格・免許、採用・研修、集客)を取り上げます。

事業計画書の作成

まず事業計画書の作成が、サウナ施設を開業する際の注意点として挙げられます。事業計画書は、開業資金の調達や経営戦略の説明、経営の評価・改善などに必要な書類です。経営者の経歴や事業目的などの情報を記載します。

なお事業計画書には、初期投資額や運転資金、売上と利益の目標などの数値やデータも必要です。サウナ施設の開業に活用できる事業計画書の書き方やポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

開業資金の調達

次に開業資金の調達も、サウナ施設を開業する際の注意点です。開業準備に必要な経費を正確に計算して、自己資金だけで足りない場合には、開業資金の調達方法(出資や借入、融資、補助金・助成金など)を検討しましょう。

ただし調達方法ごとに、申請の条件や方法、メリット・デメリットなどが異なります。開業資金を調達するポイントなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗物件の選定

それから店舗物件の選定も、サウナ施設を開業する際の注意点です。店舗物件の選定は、コンセプトの実現や資金管理、集客などに影響します。サウナ施設のコンセプト(ターゲットやサービスなど)を踏まえて、店舗物件の立地や規模、間取りなどを検討しましょう。

そして店舗物件探しのコツは、市場調査やWebサイトの利用、不動産会社への相談などです。店舗物件を選ぶときの注意点と内覧時や申込前の確認事項などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗の内装デザイン・工事

さらに店舗の内装デザイン・工事も、サウナ施設を開業する際の注意点です。サウナ施設の内装をデザイン・工事する際の注意点をリストにまとめました。ターゲットのニーズに応えられる内装を検討しましょう。

  • 明確なコンセプト
  • サウナの種類
  • レイアウト
  • 内装材
  • 清潔感
  • 熱効率・換気効率
  • 防火対策
  • 照明・香り・装飾

以上の注意点について詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

設備・機器・什器の手配

また設備・機器・什器の手配も、サウナ施設を開業する際の注意点です。各スペース(受付カウンター・トイレ・脱衣所・サウナ・シャワー・水風呂・休憩室・バックヤード・機械室など)に、必要な設備(電気・ガス・水道・空調・換気など)や機器(サウナ・シャワーなど)、什器(カウンター・ロッカー・ソファなど)を手配しましょう。

なお設備・機器・什器を手配する際には、新品だけでなく、中古品やリサイクル品・レンタル品などを選ぶことで、初期費用を節約できます。店舗におしゃれな什器を選ぶポイントについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

必要な届出・許可の申請

続いて必要な届出・許可の申請も、サウナ施設を開業する際の注意点です。公衆浴場法に基づいて、サウナ施設は「その他の公衆浴場」に分類され、開業するためには都道府県知事の許可を受けなくてはなりません。

参照元:厚生労働省「公衆浴場法概要」

また個人事業主は開業届を、法人は法人設立届を申請しなくてはなりません。そして税務や労務に関する書類もあります。届出・許可ごとに申請の時期や方法が異なりますので、必要な書類を確認しておきましょう。

国税庁「個人で事業を始めたとき/法人を設立したとき」

役立つ資格・免許の取得

そして役立つ資格・免許の取得も、サウナ施設を開業する際の注意点です。サウナ施設を開業するために、法的に必要な資格はありません。ただしサウナに関する知識や技能を習得することで、顧客満足度を向上させやすくなります。

例えば厚生労働省後援の「サウナ・スパ健康アドバイザー」は、サウナ・スパに関する正しい知識を身につけることができる資格です。「サウナ・スパプロフェッショナル」は、「サウナ・スパ健康アドバイザー」の上位資格です。

参照元:

公共社団法人日本サウナ・スパ協会「サウナ・スパ健康アドバイザーとは?」

公共社団法人日本サウナ・スパ協会「サウナ・スパプロフェッショナルとは?」

人材の採用・研修

加えて人材の採用・研修も、サウナ施設を開業する際の注意点です。人材採用のコツとして、採用したい人物像を明確にして、求人広告を工夫しましょう。求人サイトや転職エージェント、フリーペーパー・ポスティング、ハローワークなどの方法があります。

なお人材の採用と研修には、数週間から数か月かかります。開業予定日までゆとりをもって計画を立てましょう。店舗経営における人材採用・研修の参考事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客活動の計画

なお集客活動の計画も、サウナ施設を開業する際の注意点です。人材の採用・研修と同様に、開業数週間前から集客活動を開始しましょう。開業直後から新規顧客を獲得できるように、開業前から知名度を上げておかなくてはなりません

そこでターゲットとする顧客層に向けて、オンライン(SNSやMEOなど)とオフライン(雑誌広告やポスティングなど)の集客方法を組み合わせましょう。店舗へ集客する方法や事例などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

サウナ施設の開業に失敗する原因と対策

サウナ施設の開業に失敗する原因と対策

開業する際の注意点だけではなく、サウナ施設の開業に失敗する原因と対策もご紹介します。4点(コンセプトと立地、資金管理、集客方法)の原因を取り上げますので、開業前から対策を講じましょう。

曖昧なコンセプト

まず曖昧なコンセプトが、サウナ施設の開業に失敗する原因として挙げられます。コンセプトが曖昧だと、独自性のあるサービスを提供できず、集客を増やせないからです。また一貫した方針で経営できず、無駄な経費を削減できないと、売上に占める利益率を高められません。

そこで明確なコンセプトを設計して、競合店との差別化を図りながら、一貫した方針で経営を改善しましょう。店舗のコンセプトを設計する流れや事例などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客できない立地

次に集客できない立地も、サウナ施設の開業に失敗する原因です。ターゲットとする顧客層が出入りしない立地を選んでしまうと、集客率を下げてしまいます。また視認性の低い物件や駐車場のない物件も、徒歩や自動車で来店したい顧客のニーズに応えていません。

そこでターゲットとする顧客層のニーズや生活行動などを正確に把握したうえで、集客しやすい立地を選びましょう。店舗マーケティングの流れや具体的な施策についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

資金管理の不備

また資金管理の不備も、サウナ施設の開業に失敗する原因です。開業後に運転資金が不足すると、固定費(人件費や光熱水費、賃料など)の支払いができなくなります。売上に対する経費の割合が増えるほど、利益率が低下していきます。

そこでサウナ施設の売上目標を設定したうえで、達成率を分析しながら、問題点を改善していきましょう。サウナ開業にも活用できる売上を管理する方法や売上アップするためのアイデアをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ターゲットに合わない集客方法

そしてターゲットに合わない集客方法も、サウナ施設の開業に失敗する原因です。ターゲットとする顧客層がアクセスしないメディアに広告を出稿しつづけても、集客費が増えるばかりで、集客率を伸ばせません。

そこでターゲットのアクセスする広告媒体を特定しましょう。例えばサウナを検索するネットユーザーの多くが20代~40代の男性であるため、高齢層や女性層の集客には雑誌広告やSNS広告なども必要です。

参照元:マナミナ「サウナ流行を牽引するのは20代、流入ページ1位は「サウナイキタイ」。検索分析で見るサウナのトレンド」

Web集客の効果を上げるポイントについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

サウナの開業資金

サウナの開業資金

開業に失敗する原因を対策しながら開業準備を進めるためには、資金が必要です。そこでサウナ施設の開業資金の相場と内訳を確認しておきましょう。無駄な経費を削減できるように、補助金・助成金や開業資金の節約法もご紹介します。

相場

まずサウナ施設の開業資金の相場は、坪単価100〜200万円程度(建築工事費を除く)です。例えば50坪のスケルトン物件なら、3,000万~6,000万円程度かかります。ただし店舗物件の立地や規模、設備・機器・什器の台数などによって、開業資金は変動します。

内訳

次にサウナ施設の開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、50坪のスケルトン物件(賃料月10万)にかかる費用を試算してありますので、ご覧ください。

資金の内訳各費用の目安各費用の試算
物件取得費
(敷金・礼金・前賃料など)
全体の5%程度
(賃料3~6か月分程度)
150万~300万程度
(50坪で賃料月50万円の
スケルトン物件)
施設工事費
(内装・外観・設備・機器・什器など)
全体の80%程度
坪単価50万~100万円程度
2,500万〜5,000万円程度
諸経費
(採用・研修・届出・許可・集客など)
全体の5%程度150万〜300万円程度
運転資金
(賃料・光熱水費・人件費・仕入費など)
全体の10%程度
(賃料6~12か月分程度)
300万~600万円程度
合計100%
(坪単価180万〜200万円程度)
3,000万〜6,000円程度

上表のとおり、サウナ施設の開業資金において、施設工事費にかかる費用が大半を占めます。したがって内装・外観・設備・機器・什器にこだわるほど、開業資金が増額される点にご注意ください。

補助金・助成金

そしてサウナ施設の開業に活用できる補助金・助成金には、事業再構築補助金や各自治体の助成金などがあります。補助金・助成金を受給できると、基本的に返済義務がありません。

参照元:

事業再構築補助金「トップページ」

豊後大野市「豊後大野市アウトドア・サウナ施設等整備事業補助金のお知らせ」

ただし補助金・助成金ごとに、申請の条件や方法などが異なります。店舗の開業・経営に活用できる補助金・助成金の種類などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

節約法

またサウナ施設の開業資金の節約法として、相見積もりや居抜き物件などが挙げられます。相見積もりを取ることで、各業者の提案する工事の内容や費用、期間などを比較できるため、無駄な経費の削減が可能です。

また居抜き物件を活用して、前借主や所有者の施工した内装・外観・設備・機器・什器などを譲渡してもらえると、新規購入費用を節約できます。ただし居抜き物件にはメリット・デメリットがありますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客できるサウナを開業しよう!

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監修者

IDEAL編集部

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