2024.02.15  2024.01.21|店舗デザイン

店舗におしゃれな屋根をデザインするためのポイント!役割・種類・事例・費用

店舗におしゃれな屋根をデザインするためのポイント!役割・種類・事例・費用

本記事で、店舗におしゃれな屋根をデザインするためのポイントを解説します。店舗における屋根の役割や屋根材の種類・施工事例・工事費用もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

店舗の屋根に関する基本情報

店舗の屋根に関する基本情報

店舗に屋根をデザイン・工事する前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を押さえることで、必要な情報を整理できるからです。そこで屋根の役割と屋根材の種類、リフォームの工法、工事の流れについてご紹介します。

役割

まず店舗に施工される屋根の役割は、外観のデザイン性と機能性の向上です。店舗のデザイン性(配色や看板など)が向上することで、広告宣伝やブランディングの活動を展開しやすくなります。

また外観の機能性(耐候性や耐震性、耐火性、防音・遮音性、プライバシー性など)が向上することで、店舗を気候(雨・雪・風・日差しなど)や災害(地震や火事)、周辺環境(騒音や視線など)などから守りやすくなります。

屋根材の種類と費用

次に店舗に施工できる屋根材の種類と費用(材料費と葺き替えの工賃)について、下表にまとめました。

屋根材の種類費用(材料費と葺き替えの工賃)
ストレート屋根材
(化粧ストレートや天然ストレートなど)
5千〜7千円/㎡程度
アスファルトシングル屋根材6千〜8千円/㎡程度
金属屋根材
(トタンやガルバリウム鋼板、
ジンカリウム鋼板など)
7千〜1万円/㎡程度
瓦屋根材
(粘土瓦やセメント瓦など)
8千〜1.5万円/㎡程度

例えば和風テイストの店舗には、瓦屋根が合います。また耐震性を向上させたい店舗には、軽量な金属屋根材やアスファルトシングル材が適しています。そして配色にこだわる店舗には、ストレート屋根材がおすすめです。

リフォームの工法

また店舗の屋根をリフォームする工法には、葺き替え工法やカバー工法、塗装などがあります。葺き替え工法は、施工されている屋根材を剥がして、新しい屋根材に葺き替えます。屋根全体を補修できるため、店舗物件の耐用年数を維持しやすい工法です。

カバー工法は、施工されている屋根材の上から、新しい屋根材を被せます(カバーします)。屋根材が二重になることで、断熱性を向上させる工法です。塗装は、施工されている屋根材に塗料を塗ります。他の工法よりも費用を抑えて、工期の短い工法です。

リフォームの流れ

そして店舗の屋根をリフォームする流れも把握しましょう。

  • 店舗に施工する屋根の希望条件(予算やデザイン性、機能性など)を整理する
  • デザイン・工事業者に依頼・相談する
  • デザインに基づいて工事を進めてもらう
  • 立会検査と引き渡しが行われる
  • 定期的にメンテナンスを行う

以上の流れには、店舗の立地や屋根の面積、天候などによって、数日~1週間前後かかります。特に雨天時には屋根工事を進められないため、ゆとりをもって工事を計画しましょう。

店舗におしゃれな屋根をデザインするためのポイント

店舗におしゃれな屋根をデザインするためのポイント

基本情報を押さえたうえで、店舗におしゃれな屋根をデザインするためのポイントも確認しましょう。本記事では、8点(コンセプトと配色、統一感、集客効果、断熱・遮熱対策、メンテナンス、工事期間、気候や周辺環境)について取り上げます。

店舗のコンセプト

まず店舗におしゃれな屋根をデザインするためのポイントとして、店舗のコンセプトが挙げられます。コンセプトは店舗経営の基本方針であり、競合店との差別化を図るために必要です。

そこで統一感のある外観や内装を実現できるように、コンセプトに基づいて店舗の屋根をデザインしましょう。店舗のコンセプトを設計する流れと方法などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

配色

次に配色も、店舗におしゃれな屋根をデザインするためのポイントです。配色には、顧客の心理や行動に影響を与える効果(色彩効果)が期待されます。顧客に店舗に対して興味や関心を抱いてもらえるように、配色を選びましょう。

例えばクリニックの屋根に白色を配置すると、通行人やドライバーに清潔感を与えます。高級レストランの屋根に、ダーク系カラーを選べば、落ち着いた印象や大人の雰囲気を感じさせます。

店舗デザインに活用できる配色のパターンなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

外観デザインの統一感

また外観デザインの統一感も、店舗におしゃれな屋根をデザインするためのポイントです。屋根と外壁、看板、エントランスなどのデザインに統一感がないと、顧客に違和感を与えてしまい、入店をためらってしまう恐れがあります。

外観デザインの統一感を出す方法として、ターゲットに好まれるテイストを調査分析したり、ブランドカラーを取り入れたりしましょう。店舗におしゃれな外観をデザインするコツを詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客効果

そして集客効果も、店舗におしゃれな屋根をデザインするためのポイントです。屋根を含む店舗の外装デザインは、顧客に店舗に対する第一印象を与えます。集客率を高めるために、屋根の配色や素材などを工夫して、店舗の存在をアピールしましょう。

例えば和食店の屋根材には、和風テイストを感じさせる瓦屋根がおすすめです。店舗の業種・業態に合う屋根材を選びましょう。店舗外装デザインにおける業種・業態別の注意点などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

断熱・遮熱対策

それから断熱・遮熱対策も、店舗におしゃれな屋根をデザインするためのポイントです。断熱・遮熱対策の目的は、店舗内の温度を快適に保つことです。顧客や従業員に不快感を与えないように、断熱・遮熱対策を検討しましょう。

屋根の断熱・遮熱対策として、屋根材に遮熱性塗料を塗る方法や屋根の下地に断熱材(グラスウールなど)を施工する方法などがあります。店舗に施工できる断熱材・遮熱材の種類と価格などについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

メンテナンスのしやすさ

さらにメンテナンスのしやすさも、店舗におしゃれな屋根をデザインするためのポイントです。屋根の耐用年数は、屋根材の種類によって異なります。例えば和瓦や金属性の屋根材は耐久性が高いため、メンテナンスの頻度が少ないです。

なお店舗物件のメンテナンスには、屋根材だけではなく、内装や外装、設備・機器・什器なども含まれます。店舗メンテナンスの重点箇所と方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

工事の期間

続いて工事の期間も、店舗におしゃれな屋根をデザインするためのポイントです。屋根工事の期間は、数日〜1週間前後かかります。ただし施工の範囲や方法などによって、工事の期間は変動します。

特に外壁も併せて工事する場合は数週間程度かかりますので、ゆとりをもって工期を組みましょう。外装材を工事する流れなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

気候や周辺環境

なお店舗におしゃれな屋根をデザインするためのポイントには、気候や周辺環境もあります。気候や周辺環境に合わない屋根材を選ぶと、屋根材の劣化・破損や店舗の機能性低下を招く恐れがあるからです。

例えば雨量が多い地域の店舗には、遮音性の高い瓦屋根材やストレート屋根材などがおすすめです。海風のある地域の店舗には、塩害を防ぐためにサビに強いステンレス性の屋根材が適しています。店舗を開業する地域の気候や周辺環境に適した屋根材を選びましょう。

店舗の屋根施工事例

店舗におしゃれな屋根をデザインするためのポイントと併せて、参考となる施工事例を調査しましょう。本記事では事例5点を取り上げて、各事例の特徴(寄棟屋根と洋瓦屋根、片流れ屋根、瓦屋根、切妻屋根)をご紹介します。

クリニックの寄棟屋根

クリニックの寄棟屋根

まず「フロイデひたちなかメディカルプラザ」は、介護サービスも提供しているクリニックです。大きな寄棟屋根が施工されていて、軒が深いデザインが特徴的です。外壁と同じ配色のため、外装デザインの統一感が出ています。

施設全体は、2棟(ベルリン棟とミュンヘン棟)に分かれています。ベルリン棟では医療や介護のサービスが提供。ミュンヘン棟は、就労支援や地域交流などに活用できる多目的スペースです。

参照元:医療法人博仁会「フロイデひたちなかメディカルプラザ」

イタリアレストランの洋瓦屋根

イタリアレストランの洋瓦屋根

「Serendip(セレンディップ)」は、自然素材にこだわるイタリアンレストランです。店舗の外装に洋瓦屋根とタイルストーンが施工されていて、ヨーロッパの雰囲気が演出されています。ベージュとオレンジの配色です。

内装空間は、天井が高く開放的です。ダイニングフロアにはテーブル席や個室がレイアウトされており、貸切のイベントやパーティーの開催が可能です。またグランドピアノが配置されており、クラシックの演奏会やレストランウエディングにも対応しています。

参照元:群馬県高崎市レストランセレンディップ「セレンディップについて」

美容室の片流れ屋根

美容室の片流れ屋根

「MAKIRA(マキラ)」は、再現性の高いヘアスタイルの提供を心がけている美容室です。外装には片流れ屋根が施工されていて、スタイリッシュな雰囲気です。外壁にハサミのロゴマークや店名などの看板が施工されており、店舗の視認性を高める工夫が施されています。

内装空間は、天井が高く開放的です。1階だけではなく、ロフトにも、シャワー用の半個室がレイアウト。白をベースカラーに、内装材や什器に木材が使用されているため、清潔感と温かみを感じさせます。

参照元:岡谷市 美容室・ヘアサロンMAKIRA(マキラ)「美容室MAKIRAについて」

レンタルスタジオの瓦屋根

レンタルスタジオの瓦屋根

「レンタルスタジオ時代屋 江戸蔵」は、浅草駅近くにある和風の写真・動画撮影や伝統文化の体験ができるレンタルスタジオです。外装には瓦屋根や漆喰の外壁、虫籠窓などが施工されており、江戸時代の日本家屋が再現されています。

内装空間には、2コーナー(和風と洋風)がレイアウト。和風のコーナーには畳や急須などのアイテムが、洋風のコーナーにはアンティーク調の椅子や整理棚などが配置されています。

参照元:時代屋「江戸蔵」

居酒屋の切妻屋根

居酒屋の切妻屋根

「いぶし銀 小禄本店」は、新鮮な海の幸を使用した料理を提供している居酒屋です。外装に切妻屋根が施工されていて、軒下にはロゴマーク入りの巨大な提灯が設置。スポットライトで照らされており、通行人の注目を集める外装デザインです。

外装と同じく、内装空間にも木材が施工され、提灯が設置されています。テーブル席・個室・掘りごたつ席などがレイアウトされているため、様々なシュチュエーションに利用できる店舗です。

参照元:the大衆海鮮居酒屋「いぶし銀次郎 小禄本舗」

店舗の屋根工事費用

店舗の屋根工事費用

店舗にデザインした屋根を実現させるためには、予算が必要です。そこで店舗の屋根工事費用の相場と内訳を確認しましょう。無駄な経費を削減できるように、工事費用の節約法もご紹介します。

相場

まず店舗の屋根工事費用の相場は、工法によって大きく異なります(㎥単価数千~数万円程度)

  • 塗装工法  :2千〜5千円/㎡程度
  • カバー工法 :3千〜1万円/㎡程度
  • 葺き替え工法:5千〜1.5万円/㎡程度

例えば屋根50㎡分を葺き替えるなら、25万~75万円程度かかります。ただし店舗の立地や屋根材の種類などによっても、工事費用は大きく変動します。

内訳

次に店舗の屋根工事費用の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、屋根50㎡分を葺き替える費用を試算してあります。

費用の内訳費用の目安費用の試算
(屋根50㎡分の
葺き替え)
材料費と工賃合計の80%程度20万~60万円程度
諸経費
(デザインや
施工監理、
足場、養生
高圧洗浄、
廃材処理など)
合計の20%前後5万~15万円程度
合計100%
塗装工法  :2千〜5千円/㎡程度
カバー工法 :3千〜1万円/㎡程度
葺き替え工法:5千〜1.5万円/㎡程度
25万~75万円程度

なお施工する屋根材の種類によって材料費が変動しますので、希望条件(予算や屋根の機能性・デザイン性など)に合わせて屋根材の種類や工法を選択しましょう。

節約法

そして店舗の屋根工事費用の節約法には、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取ることで、各業者の見積もり(工事の費用や期間など)を比較・検討できますので、無駄な費用を抑えやすいです。

また居抜き物件を賃借・購入して、施工されている屋根を活用すれば、新規工事費用を節約できます。ただし居抜き物件にはメリットだけではなく、デメリットもありますので、次の記事も併せてご覧ください。

なお補助金・助成金を受給できると、基本的に返済義務のない資金となります。店舗の開業・経営に活用できる補助金・助成金の種類をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

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監修者

IDEAL編集部

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