本記事で、店舗電気工事の目的や…
2023.11.10 2023.11.19|内装工事
店舗ガス工事の流れと工事費用!都市ガスとLPガスの違いや注意点も紹介!
本記事で、店舗ガス工事の流れと工事費用について解説します。都市ガスとLPガスの違いや注意点などもご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
店舗のガス工事の基本情報
店舗のガス工事を始める前に、基本情報を確認しましょう。幅広い業種や業態の店舗を想定して、ガス工事の基本情報(目的やメリット・デメリット、都市ガスとLPガスの違い、資格、費用負担)をご紹介します。
目的
まず店舗をガス工事する目的は、店舗内へのガス供給です。店舗物件にガス管を引き込むことで、ガス機器(給湯器・風呂釜・コンロ・炊飯器・オーブンなど)を利用できます。ガス管の延長やガス栓の増設なども可能です。
例えばガスの元栓と容量の不足している店舗物件においては、ガス機器の種類や台数を増やすことができません。そこでガス管延長やガス栓増設などの工事を行います。店舗で利用したいガス機器の種類と台数によって、工事の内容が異なります。
メリット・デメリット
次に店舗をガス工事するメリットは、業務効率化や顧客満足度向上などです。店舗営業に必要なガスの容量や元栓を確保することで、従業員が働きやすくなります。商品やサービスを迅速に提供できると、顧客からの信頼につながります。
ただし工事の費用と期間は、店舗ガス工事のデメリットです。ガスの元栓や機器の工事費用だけではなく、工事業者との相談には従業員の人件費もかかります。また工事内容によっては、店舗の営業が制限されます。
都市ガスとLPガスの違い
また店舗のガス工事における都市ガスとLPガスの違いは、原料や性質、供給の方法とエリア、料金、使用できるガス機器などです。
都市ガスは、主に液化天然ガスを原料として、ガス漏れを防ぐために匂いが付けられて、ガス管を通じて供給されます。2017年より自由化されたため、価格競争が起きています。都市ガス対応のガス機器の利用が可能です。
参照元:
LPガスは、主に液化石油ガスを原料として、ガス漏れを防ぐために匂いが付けられて、ガス事業者がボンベを配送します。自由化されているため、ガス事業者ごとに価格が異なります。Lpガス対応のガス機器の利用が可能です。
参照元:
費用の負担
そして店舗のガス工事における費用の負担は、都市ガスとLPガスで異なります。都市ガスの工事においては、所有する物件内の配管とガス設備、ガス機器に対して工事費用が発生します。ただし敷地内のガスメーターや敷地外のガス設備は、ガス事業者の所有物です。
参照元:
LPガスの工事においては、ガス事業者がガス設備・機器の工事費用を負担して、利用者に無償貸与されます。ただし毎月のガス料金には、設備・機器の利用料が含まれています。
参照元:プロパンガス消費者センター「プロパンガスの工事費用は無料?」
したがって都市ガス工事はA工事に分類されるため、基本的には物件の所有者が費用を負担します。A工事・B工事・C工事の違いや借主の注意点などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
店舗ガス工事の流れ
基本情報を押さえたところで、店舗ガス工事の流れも確認しましょう。6点(工事の目的から予算、業者への依頼、進捗の確認、立会検査と引き渡し、定期メンテナンス)に整理したうえでご紹介します。
工事の目的を明確にする
まず工事の目的を明確にする作業から、店舗のガス工事を開始しましょう。店舗営業の課題(ガス機器の修理やガス容量の増設など)を洗い出すことで、工事の目的が明確になります。
ただし緊急性の高いトラブル(ガス漏れやガス機器の故障など)に対しては、直ぐに使用を中止したうえで、工事業者へ連絡しなければなりいません。集客と売上よりも、安全第一に店舗を営業しましょう。
予算を立てる
次に店舗をガス工事する目的を達成するために、予算を立てましょう。予算を立てることで、優先的に工事する内容を決められるからです。工事内容(ガス管の引き込みやガス栓の増設、ガス機器の修理など)によって費用が異なるため、後ほどご紹介します。
また店舗の開業や移転の際には、ガス工事以外にも準備に費用がかかります。店舗の内装工事や人材採用、集客活動などの経費を正確に計算したうえで、ガス工事を計画しなければなりません。内装工事の種類や費用をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
工事業者に依頼する
それから予算を立てたうえで、工事業者に依頼します。契約前に希望条件(ガス工事の目的と方法、予算など)を伝えて、工事業者と店舗の図面に基づいた打ち合わせが必要です。打ち合わせの内容を元に、見積もりを出してもらいましょう。
そして見積もりを確認しながら、ガス工事の内容と費用、工期を契約します。見積もり内容に疑問点や問題点などがある場合には、納得できる工事を依頼できるように、契約前に解決しておきましょう。内装工事業者の選び方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
工事中の進捗を確認する
さらに店舗のガス工事が開始されたら、工事中の進捗状況を確認してください。工事業者に任せきりにしないで、店舗の経営者や担当者が進捗状況を確認することで、早期に問題を発見できるからです。
もちろんガス工事後に立ち会い検査が行われますが、早期に問題を発見することで、早期に問題を解決できます。工事業者と綿密にコミュニケーションしながら、店舗のガス工事を進めましょう。
立ち合い検査と引き渡しが行われる
そして店舗のガス工事後には、立ち会い検査と引き渡しが行われます。「ガス設備に施工不良はないか」「ガス容量は足りるか」「ガス機器を使いやすいか」などについて、希望条件の達成度を確認しましょう。
工事に問題点が発見されたら、改修工事を相談しなければなりません。サインした契約条件によっては、引き渡し後に有償対応を求められますので、ご注意ください。またガス設備・機器の操作方法などについても、工事業者に確認しておきましょう。
工事後に定期的にメンテナンスする
なお店舗ガス工事後に、定期的にメンテナンスしなくてはなりません。ガス設備・機器のメンテナンスは、修繕や保守点検、業務効率、安全管理などのために重要です。
またガス設備・機器の劣化や故障に早期に対応することで、無駄なガス利用料金などを節約できます。設備・機器に問題がある場合には使用を中止してください。店舗メンテナンスの重点箇所と方法についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
店舗ガス工事の注意点
店舗ガス工事の流れだけではなく、注意点も確認しましょう。ガス設備・機器の性能や状態が、店舗の集客と売上に影響するからです。6点(スケジュールと資格、ガスの容量、ガス栓、ガス機器、換気設備)を取り上げます。
工事のスケジュール
まず工事のスケジュールが、店舗ガス工事の注意点として挙げられます。ガス工事中にはガス設備・器具を使用できないため、店舗の営業が制限されるからです。店舗の営業再開が遅れるほど、売上が減少してしまいます。
特に店舗開業前のガス工事が遅れると、内装工事や従業員の研修などにも支障をきたします。ただし店舗物件を賃借開始日から賃料が発生しますので、各種工事の予定を検討しましょう。
工事業者の資格
次に工事業者の資格も、店舗ガス工事の注意点です。ガス工事の資格には、ガス主任技術者やガス消費機器設置工事監督者、ガス機器設置スペシャリスト、簡易内管施工士、液化石油ガス設備士などがあります。ガスの種類や工事の内容によって、必要な資格が異なります。
参照元:
JIA一般社団法人日本ガス機器検査協会「ガス主任技術者試験 試験情報」
JIA一般社団法人日本ガス機器検査協会「ガス消費機器設置工事監督者」
JIA一般社団法人日本ガス機器検査協会「ガス機器設置スペシャリスト(GSS)」
なお無資格の工事業者がガス工事を行うと、法令違反として罰則を受けます。有資格の工事業者に依頼しましょう。
参照元:e-gov法令検索「ガス事業法」(第192~207条)
必要なガス機器の種類と台数、ガス容量
また必要なガス機器の種類と台数、ガス容量も、店舗ガス工事の注意点です。業務用の大型ガス設備・機器は、家庭用設備・機器よりもガスを消費します。また業種(飲食店の厨房設備やサロンの給湯設備など)によって、必要なガスの容量は異なります。
必要なガス容量を確認するためには、店舗の営業中に使用するガス機器の種類と台数を試算しなければなりません。工事業者に希望条件(ガス機器の種類と台数)を伝えることで、必要なガス容量を計算してもらいましょう。
なお飲食店に必要な厨房設備・機器・什器をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
ガス栓と場所と数
それからガス栓の場所と数も、店舗ガス工事の注意点です。店舗の準備中や営業中に使用するガス機器の場所を決めたうえで、ガス栓の場所と数を計算します。同じ業種の店舗でも、商品やサービスによって、ガス栓の場所と数が異なります。
またガス栓の場所と数は、従業員の業務効率を左右し、顧客満足度にも影響します。店舗の準備中や営業中を想定したうえで、従業員と顧客の動線を設計しましょう。店舗の店舗の動線を設計する方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
換気設備の場所と台数
そして換気設備の場所と台数も、店舗ガス工事の注意点です。ガス機器を使用する間には、二酸化炭素の濃度を減らすために、換気が求められます。またガス機器からの蒸気による結露やカビの発生を防止します。
店舗内を換気する方法として、自然換気方式と機械換気方式があります。ガス機器の種類と台数に応じて、換気設備の場所と台数を決めましょう。機械換気設備の種類と費用などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください
店舗ガス工事の費用
店舗のガス工事を依頼するためには、必要な予算を確保しなくてはなりません。そこで店舗ガス工事の相場と内訳をご紹介します。無駄な経費を省けるように、節約法も取り上げます。
相場
まず店舗ガス工事費用の相場は、坪単価2-5万円程度です。10坪のスケルトン物件なら20万~50万円程度かかります。ただし物件の立地や規模、種類(居抜きかスケルトン)、施工するガス設備・機器の種類と台数などによって、工事費用は変動します。
内訳
次にガス工事費用の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、10坪の飲食店をLPガスから都市ガスへ切り替える費用を試算してあります。
費用の内訳 | 費用の相場 | 費用の試算 10坪の飲食店 |
諸経費 (施工管理や 出張見積りなど) | 1件につき数万円程度 | 2万円程度 |
LPガスの設置 | 15万~20万円程度 (無償貸与の場合には 初期費用0円) | 0円 (LPガスから都市ガスへ 切り替えるため) |
都市ガスの導管引き込み | 1件につき10万〜15万円程度 | 10万円程度 |
ガス栓の設置や増設 (本体価格と工賃) | 1つ1万〜2万円程度 | 2つで3万円程度 |
ガス機器の設置や交換 (本体価格と工賃) | 給湯器1台10万〜30万円程度 風呂釜1台5万~20万円程度 コンロ1台3万〜20万円程度 炊飯器1台5万~20万円程度 オーブン1台20万~100万円程度 | 給湯器1台10万円程度 コンロ1台10万円程度 |
合計 | 100% 坪単価3-10万円程度 | 35万円程度 |
上表のとおり、施工するガス機器の種類と台数に応じて、ガス工事費用は変動します。LPガスから都市ガスへ切り替える場合には、不要になったガス設備・機器の撤去費用(数万円程度)も必要です。
節約法
そして店舗ガス工事費用の節約法には、相見積もりやワンストップ対応のできる業者、居抜き物件などがあります。相見積もりを取ることで、各業者の提案する見積もり(工事の内容と費用、期間など)を比較できます。
ワンストップ対応のできる業者に、ガス設備・機器だけではなく、内装・什器や他の設備・機器(電気・水道・空調・換気・厨房など)の工事も依頼できると、工事にかかる時間と費用を節約できます。
居抜き物件を購入・賃借して、前借主や所有者の施工したガス設備・機器を譲渡してもらえると、新規工事費用を節約できます。ただし居抜き物件にはメリット・デメリットがありますので、次の記事も併せてご覧ください。
店舗のガス工事を計画しよう!
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監修者
-
IDEAL編集部
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