2023.03.13  2023.03.04|店舗デザイン

店舗の動線を設計する際の注意点とは?業種・業態別のポイントや施工事例

店舗の動線を設計する際の注意点とは?業種・業態別のポイントや施工事例

本記事で、店舗の動線を設計する際の注意点を解説します。業種・業態別の動線設計ポイントや事例もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

店舗デザインにおいて動線設計が重要な理由

店舗デザインにおいて動線設計が重要な理由

店舗をデザインするためには、顧客や従業員の動線設計が重要です。そこで4点(顧客満足度や従業員の作業効率、集客と売上、店舗のレイアウト)に整理したうえで、店舗デザインにおいて動線が重要な理由をご紹介します。

顧客の満足度を左右するから

店舗デザインにおいて動線設計が重要な理由として、まず顧客の満足度を左右する点が挙げられます。顧客の動線が設計されていないと、居心地や効率の悪さを与えてしまい、顧客のニーズを満たすことができません

顧客は「飲食店でゆっくり食事を楽しみたい」「物販店で求めている商品を早く探したい」などと期待して、店舗を訪れます。顧客のニーズが満たされないと、追加注文や次回の来店を獲得しづらくなります。したがって顧客目線からの動線設計が重要です。

従業員の作業効率に影響するから

次に従業員の作業効率に影響する点も、店舗デザインにおいて動線設計が重要な理由です。例えば物販店の通路が狭かったり、在庫保管庫が遠くにレイアウトされたりしていると、従業員が品出しをしづらくなり人件費(作業時間)が余分にかかります

また飲食店のエントランスからダイニングホール、厨房までの動線が設計されていないと、従業員が注文の確認や食事の提供、座席の片づけなどをしづらくなります。従業員が職場に働きづらさを感じると、離職を招く恐れがありますので、動線設計は重要です。

参照元:株式会社低温「動線』の重要性」

集客と売上に影響するから

また集客と売上に影響する点も、店舗デザインにおいて動線設計が重要な理由です。顧客の満足度や従業員の作業効率が下がると、集客と売上を獲得しづらくなります。集客と売上を向上させる動線設計は、店舗の業種・業態に応じて異なります

例えばエステサロンに対しては、顧客が癒しの時間を求めて来店します。入店から施術を終えて退店するまでの動線を設計して、顧客に非日常的なリラックス体験を提供できれば、次回からのリピート来店を期待できます。

なお店舗へ集客する方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗のレイアウトに必要だから

そして集客と売上を伸ばせるように、動線設計が店舗のレイアウトに必要です。店舗のレイアウトとは、フロアにエリアや部屋を配置する作業です。顧客と従業員の動線設計を踏まえて、店舗内に各部屋をレイアウトしましょう。

例えばスーパーマーケットにおいては、夕飯の献立を考える顧客を想定して、生鮮食品や肉・魚などの売り場がレイアウトされ、レジ横にガムや飴などの棚が配置されています。店舗をレイアウトするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗の動線を設計する際の注意点

店舗の動線を設計する際の注意点

店舗デザインにおいて動線設計が重要な理由を踏まえて、店舗の動線を設計する際の注意点をご紹介します。集客と売上を伸ばせる店舗をデザインできるように、注意しながら動線を設計しましょう。

顧客の滞在時間を考慮する

店舗の動線を設計する際の注意点として、まず顧客の滞在時間を意識する点が挙げられます。一般的には、顧客の滞在時間やリピート回数が多いほど売上の向上を期待できます。

しかし店舗の業種・業態に応じて、顧客の滞在時間が異なります。例えばファストフード店では各顧客の滞在時間が短いため、注文から食事の提供までの動線を短くします。しかし高級レストランでは、メイン料理を待つ間に前菜やお酒を注文してもらうことで、各顧客の滞在滞在が長くなります。

従業員の作業動線を短くする

次に従業員の作業動線を短くする点も、店舗の動線を設計する際の注意点です。作業時間を短縮できれば、より丁寧に接客しやすくなります。また従業員の無駄な作業を減らせると、全体的な労働時間も減らせます。

例えば居酒屋において注文したい顧客が従業員を呼んだときに、対応が遅すぎるほど顧客の滞在時間やリピート来店を期待できなくなります。同様に脱毛クリニックにおいても、痛みに不安を感じる顧客のために、なるべく短い時間で作業を終えられる動線設計が求められます。

顧客と従業員を交差させない

また顧客と従業員を交差させない点も、店舗の動線を設計する際の注意点になります。顧客と従業員が交差すると、顧客の不快感や衝突事故などを招く恐れがあるからです。そこで顧客の出入り口と従業員の通用口を分けたり、カウンターを挟んで顧客と従業員のスペースをゾーニングしたりしましょう。

なお店舗の動線設計に注意しても、顧客と従業員が交差してトラブルが発生する恐れがあります。店舗の施設賠償責任保険について紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

プライバシーに配慮する

プライバシーに配慮する

そして店舗の動線を設計する際の注意点として、プライバシーに配慮する点も忘れないでください。店舗の業種・業態を問わず、来店する顧客は居心地の良さや快適さなどを求めているからです。

例えばクリニックやサロンにおいては、他の顧客からの視線や騒音が気にならないように、待合室から施術室への動線を設計しましょう。同様にジムやヨガスタジオにおいても、着替えやトレーニングをする利用者同士のプライバシーに配慮して、密集や交差を避けるように動線を設計しましょう。

死角をなくす

加えて死角をなくす点も、店舗の動線を設計する際の注意点です。入店から退店までの顧客の動きを把握しながら接客するためであり、窃盗や事故などを防止するためでもあります。

コンビニエンスストアなどの物販店の角は一般的に死角になりやすいため、防犯カメラが設置されています。適度な陳列棚の角度や大きさを選んで、なるべく死角をなくす必要があります。

避難経路を確保する

なお避難経路を確保する点も、店舗の動線を設計する注意点です。火災や地震などの緊急時に、店内から店外へ安全に避難できる経路を確保しなくてはなりませんので、通路の幅などが建築基準法に定められています。

参照元:e-Gov法令検索「建築基準法」第128条

また顧客の訪れる店舗などには、防火管理者設置の条件が消防法に定められています。防火管理者の配置基準を解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。

参照元:e-Gov法令検索「消防法」第8条

店舗の業種・業態別の動線設計ポイント

店舗の業種・業態別の動線設計ポイント

店舗の動線を設計する注意点だけではなく、業種・業態別の動線設計ポイントもご紹介します。今回は、店舗を大まかに5業種(飲食店やサロン、物販店、ジム、クリニック)に分けました。

飲食店

飲食店の動線設計ポイントとして、厨房とダイニングホールの位置関係と通路の幅が挙げられます。

ダイニングホールで注文を受けて厨房で調理した料理を提供するまでに、なるべく短い動線を設計してください。従業員と顧客の動線を区別したうえで、料理を持ち運びやすくするためには、通路の幅を1m前後確保しなくてはなりません。ただし提供するメニューによって、必要な通路の幅は異なります。

なお厨房内の動線を設計する際には、厨房設備・機器・什器の台数やサイズを計算したうえで、配置を検討してください。飲食店に必要な厨房設備・機器・什器を紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

サロン

サロンの動線設計ポイントは、エントランスや待合室、施術室、会計カウンターなどの配置です。顧客に非日常的な癒しの体験を満喫してもらえるように、プライバシーの配慮に心がけてください。施術後に他の顧客と交差しないように、更衣室やシャワールームへ案内できると良いです。

なお動線設計はもちろん、内装のおしゃれさや清潔感なども、顧客満足度に影響を与えます。サロン共通の内装デザインポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

物販店

物販店の動線設計ポイントは、各売り場のレイアウトと陳列棚の配置です。基本的には顧客が入店してから退店するまでの間に、なるべく多くの商品をアピールできるようにします。特にセール品や一押し商品を目立つように陳列することで、売上アップを期待できます。

そして従業員が商品を陳列しやすいように、在庫保管スペースから陳列棚までの通路を設計しましょう。物販店の内装をデザインするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ジム

ジムの動線設計ポイントは、トレーニング室内の通路幅と器具の配置です。利用者同士が交差しないように通路の幅を取り、器具の配置を決めてください。トレーニングの集中はもちろん、安全面への配慮になります。

また感染症対策として、トレーニングを終えたらシャワーを浴びて、清潔な状態でエントランスへ戻れるように、更衣室やシャワー室の配置も検討しなくてはなりません。ジムの内装について紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

クリニック

クリニックの動線設計ポイントは、診療内容に応じた部屋の配置です。診察室と検査室、治療室への通路を分けて、患者同士の接触をなるべく少なくしてください。患者に接する医者や看護師の動線を分けることにもつながります。

また医療設備・器具を扱いますので、患者が立ち入れないエリアを明確にします。診療中に他の患者の視線や音が気にならないように、内装をデザインしてください。クリニックの内装デザインについて、次の記事も併せてご覧ください。

店舗の動線設計の事例

集客と売上を伸ばせる店舗の動線を設計できるように、参考となる事例を調査しましょう。そこでIDEALの施工した事例を取り上げて、店舗の業種・業態別の動線設計ポイントが活かされている点を中心的にご紹介します。

接客を大切にする和食店

接客を大切にする和食店

「ミズノトリー」様は、接客を大切にして動線が設計された和食店です。厨房から素早く接客できるように、厨房を取り囲むように「R型のカウンター」が施工されています。出来立ての料理を直ぐに提供できる動線設計です。

また厨房から全座席を見渡すことができるため、顧客の様子を把握しやすいです。そして顧客が移動しやすいように、座席の後ろにスペースが取られています。なおカウンターの隣には、テーブル席もレイアウトされています。

少人数でも大人数でも楽しめる焼肉屋

少人数でも大人数でも楽しめる焼肉屋

「焼肉 にくづき」様は、家族の食事会や結婚式の二次会などで、少人数でも大人数でも楽しめる焼肉屋です。4人がけのソファ席や10人用の個室などがレイアウトされていますが、なるべくグループ同士が交差しない動線設計に基づいて通路が施工されています。

また幅広い層に好まれるように、内装空間はモダンテイストにデザインされています。間接照明やペンダントライトなどが施工されており、6シーンの切り替えが可能です。

リラックスしやすいヘアサロン

リラックスしやすいヘアサロン

「RAY+beauty」様は、長崎市のヘアサロンです。カット中に顧客がリラックスしやすいように、各カット席がパーテーションで区切られています。ただしエントランスから席まで移動しやすい程度に、通路の幅が取られた動線設計です。

そしてカフェのようにリラックスできるように、内装空間がデザインされています。ベージュをベースカラーに天井や壁が施工されつつ、温かみを出せるように木材の建具や什器が選択されています。

商品を見て回りやすいライフスタイルショップ

商品を見て回りやすいライフスタイルショップ

PLUS YUは、都市と自然の融合をコンセプトにして、Apple製品とアウトドア製品を販売するライフスタイルショップです。商品を見て回りやすいように、売り場の動線が設計されました。

入店した顧客が店内を一周しながら商品を確認できるように、中央と左右に陳列棚が配置されています。店内のあらゆる商品をアピールできるように、あえてApple製品とアウトドア製品が近くに陳列されています。

トレーニングに集中できるジム

トレーニングに集中できるジム

「べるフィット」様は、トレーニングに集中できるように動線が設計されたジムです。トレーニング器具の配置が、特性に応じて明確に分けられています。例えば外の景色を見ながらトレーニングできるように、個人で利用する器具が窓際に配置されています。

なおトレーニングする利用者同士が衝突しないように、トレーニング器具ごとに間隔が取られています。視覚的に器具や部屋の配置を明確にできるように、トレーニング器具やシャワー室などにはピクトグラムがプリントされています。

プライバシーに配慮するクリニック

プライバシーに配慮するクリニック

「GROWクリニック 渋谷店」様は、医療脱毛専門のクリニックです。プライバシーに配慮して動線が設計されており、個室の施術室がレイアウトされています。各施術室の並びは、ホテルの客室のようです。

クリニックに求められる清潔感を演出できるように、内装全体は白をベースにデザインされています。またエントランスの広さを出せるように、壁に鏡が、エントランスにガラスが施工されています。

店舗の動線を売上につながるように設計しよう!

IDEALは、店舗全般のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。

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監修者

IDEAL編集部

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