2020.07.21 2020.09.09|店舗デザイン
店舗デザインに欠かせない流行とトレンド

新規開業をするときや新しい店舗を構えるとき、店舗のリニューアルをするときなどにはデザインをどうするかが大きな課題になります。
今のトレンドはどういうデザインなのかが気になる人もいるでしょう。トレンドについての意識を持つのは店舗デザインにおいて重要な点なので、それを本当に生かすためのノウハウを紹介します。
目次
店舗デザインの3つのトレンド

まずは現在の店舗デザインにおけるトレンドに触れておきましょう。新しい店舗が次々に生まれてきていますが、顧客が大勢集まり、リピーター化してくれるような店舗はどのようなデザインになっているのでしょうか。
成功事例が知られてくると真似をする店舗もたくさんあります。その勢いでトレンドになっている3つのタイプを確認しておきましょう。
ナチュラル系

近年の店舗デザインのトレンドの中でも初期から始まって長続きしているのがナチュラル系です。自然を取り入れたデザインなのが特徴で、典型的なのは無垢材を使って木目調に仕上げる方法です。
木目シートや木目調パネルなどを使ってデザインすることもあります。濃い茶色にすればシックな雰囲気になり、肌色に近い色にすれば明るい店内に仕上げることができます。
さらに緑系のオブジェクトやインテリアを使うことでナチュラル感が強まるでしょう。観葉植物をあしらうなどの工夫をしている店舗も多くなっています。
ナチュラル系は顧客がリラックスできるため、サロンやカフェ、クリニックなどに適しているデザインです。
レトロ系

近年のトレンドの中ではやや下火になっているものの、根強い人気があるのがレトロ系です。レトロ系は古風なデザインにするのが特徴で、昔を思わせるような雰囲気に仕上げます。
レトロの方向性にも昭和レトロや欧米風など色々なものがありますが、重厚感のある濃い茶色を主体として木質系の素材を使うのが基本です。
色は茶系に黒や白を少し合わせる程度で、あまりカラフルにしないのがポイントになります。店内の全体照明はやや落とし、明るくしたいところにはランプを置くのもよくあるデザインです。
レトロ系のデザインはアンティークショップやバー、レストランなどでよく用いられています。
ミニマル系

最近のトレンドと言えるほど新しくて最盛期にあるのがミニマル系です。余計な小細工はしないで手を加えるのは最小限にするというのがミニマル系の基本で、とてもシンプルな仕上がりになります。
コンクリートの打ちっ放し、スケルトンのままの天井、白やグレーなどの単色の内装といったものがミニマル系でよく見られているデザインです。
バリエーションが豊富で工夫しがいあり、アパレルショップやカフェ、セレクトショップなどを代表として幅広く利用されています。施工コストも比較的抑えられるという点でも人気があるデザインです。
トレンドのデザインを使うメリットとデメリット

このような3つのトレンドがあることを踏まえて、店舗で取り扱う商品や提供するサービス、経営企業のカラーや経営方針などを加味してトレンドに乗ったデザインをするのは一興でしょう。
トレンドに乗せて店舗をデザインすればきっと顧客が集まるのではないかと考えるかもしれません。しかし、トレンドに乗るのにはメリットもデメリットもあります。
トレンドの店舗デザインが顧客に与える効果という観点から両者を考察してみましょう。
トレンドに乗るメリット

トレンドに合わせて店舗デザインをするメリットは開店時点での話題性が高く、初期の集客力が高いことです。
人気のタイプのデザインの店舗というだけでブログやニュースなどで話題に上りやすく、最初に少し宣伝をするだけで当面は集客を期待できます。
デザインを見たいという発想で来店してくれる人もいて、来店してみたら商品やサービスが気に入ったという流れができる可能性もあります。
そのため、新しい顧客層を獲得できるチャンスが生まれるのもメリットです。トレンドを理解しているお店だと考えてもらえるため評価が高くなりやすく、商品やサービスの顧客満足度も上がりやすいでしょう。
トレンドに乗るデメリット

トレンドに合わせた店舗デザインのデメリットは他店との差別化が難しいことです。トレンドのコンセプトでデザインをすると、他の新装開店した店舗と似たような感じになってしまいがちです。
業界まで同じ店舗があると顧客からは同じようなお店だろうと思われてしまって来店してくれないこともあります。
また、無理にトレンドに乗ろうとして、取り扱う商品や提供するサービスと合わないデザインにしてしまうリスクがあるのもデメリットです。
店舗の雰囲気と商品やサービスのミスマッチが起こった結果として顧客満足度が相対的に低くなり、なかなか売上が出ないリスクがあります。
トレンドのデザインを生かす方法
このようにトレンドに合わせるのにデメリットもあると考えるとトレンドを生かすのは難しいのではないかと考えがちです。しかし、トレンドのデメリットが生じないようにするのはそれほど難しいことではありません。
店舗のコンセプトや店内のサービスに合わせれば良いだけなのです。トレンドのデザインを叩き台にして改良を重ねれば、それがオリジナリティーになって競合他店との差別化もできます。
このタイプのデザインはこのようにして作り上げるものだという基本にとらわれず、自由な発想でデザインしていくようにしましょう。
トレンドを作ることとブランディング

トレンドに安易に乗るべきではないとすると、どうすべきかと悩むかもしれません。もう一つの着眼点として重要なのがブランディングです。
店舗デザインとブランディングにはどのような関係があるのでしょうか。トレンドとの関連性も深いので、店舗デザインにおいてどんな戦略を描けるのかを考察してみましょう。
店舗デザインとブランディングの関係

店舗デザインはブランディングによく用いられていて、同一ブランドの店舗には共通コンセプトを盛り込んでデザインするという手法がよく用いられています。
基調にする色を同じにするだけでなく、店内レイアウトなども一致させることによって顧客が直感的に同じブランドだと理解してくれるようになります。
それによって系列店で良い体験をした人は新しい店舗を見たときに、ここでも魅力的な体験ができると考えてくれるでしょう。
そして、その期待が満たされるとそのブランドに対する評価が上がり、今後も優先して利用したいという気持ちが高まります。これが店舗デザインによるブランディング戦略の基本です。
店舗デザインでトレンドを作ればブランディングに成功する

ブランディングには店舗デザインの統一感が必要とされます。これとトレンドの関係が見えないと思うかもしれませんが、新規ブランドを成功させるには欠かせない観点です。
既に知名度が高いブランドができあがっているなら、そのコンセプトを踏襲して店舗デザインをすれば十分でしょう。
しかし、これからブランドの知名度を上げる場合には顧客にブランドのデザインを新たに認識してもらい、そのデザインなら魅力があると理解してもらわなければなりません。
その方向性として店舗デザインのトレンドを生み出すのが効果的です。競合他社も真似をするようなデザインを生み出すと先駆者として知名度が飛躍的に上がります。
店舗デザインでトレンドを作るという発想が新規のブランディングを成功させるための重要な戦略なのです。
トレンドを意識して店舗をデザインしよう
店舗デザインではトレンドに合わせることで顧客の興味を引き付けられます。
しかし、競合他店との差別化が難しくなりがちなので、その店舗のコンセプトやサービスと照らし合わせて独自性を盛り込むのが重要です。
ブランディングを重視するなら系列店と同じデザインを盛り込むのが大切ですが、新規ブランドの場合には新しいトレンドを生み出すつもりで斬新なデザインの創作に取り組みましょう。
監修者
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IDEAL編集部
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