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2023.05.29 2023.06.05|店舗デザイン
飲食店に厨房(キッチン)をレイアウトするポイント!分類・施工事例・設備・機器・什器
本記事で、飲食店に厨房(キッチン)をレイアウトするポイントを解説します。レイアウトの分類や施工事例、必要な設備・機器・什器もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
飲食店の厨房(キッチン)レイアウトの分類
飲食店には、さまざまな分類の厨房(キッチン)をレイアウトできます。位置と形による分類をご紹介しますので、開業する飲食店に適した厨房(キッチン)のレイアウトを選びましょう。
位置による分類(オープン型とクローズド型)
オープン型
オープン型は、ダイニングフロアから見える位置にレイアウトされる厨房(キッチン)です。寿司店やラーメン店などに採用され、顧客に調理工程を楽しんでもらえる点がメリットです。調理工程を見せることで、食品の衛生管理に対する信頼を得やすくなります。
ただし常に顧客に厨房(キッチン)内を見られているため、衛生管理に気を配らなくてはなりません。営業中に従業員がストレスを感じやすいため、従業員専用の休憩スペースや更衣室等が必要です。
クローズド型
クローズド型は、ダイニングフロアから離れた位置にレイアウトされる厨房(キッチン)です。料理を提供するタイミングが分かりにくいため、配膳担当の従業員が必要になる点がデメリットです。
仕込みや調理による音や熱、臭いなどを遮断しやすいため、高級志向の飲食店に向いています。クローズド型レイアウトにおいても衛生管理はもちろん重要ですが、顧客の視線を気にせず従業員が作業に集中できる点がメリットです。
形による分類(I字型・L字型・二列型・アイランド型)
I字型
I字型は、「I」の形に作業台やシンク、ガスコンロなどが並べられる厨房(キッチン)のレイアウトです。
I字型レイアウトのメリットは、客席と距離が近く対面できるため、移動距離を短くし接客と調理を同時進行できる点です。「直線型」とも呼ばれ、カウンター席と向かい合うようにレイアウト可能です。
しかし厨房に導入できる設備・機器・什器のサイズや台数が限られる点がデメリットで、大規模店には向きません。少人数の従業員で営業する小規模な飲食店に適しており、必要最低限の設備・機器・什器だけがレイアウトされます。
L字型
L字型は、厨房を真上から見たときに「L」の形に、作業台やシンク、ガスコンロなどが壁に沿って並べられる厨房(キッチン)のレイアウトです。I字型よりも広いスペースを必要とし、コーナーがデッドスペースになりやすい点がデメリットです。
しかしL字型レイアウトのメリットは、I字型よりも多くの設備・機器・什器を導入できる点です。厨房(キッチン)の面積を広く取りたい飲食店に適しています。またI字型と同様に、厨房内の移動距離を抑え、調理や提供のスピードを短縮しやすいです。
二列型
二列型は、広いフロアに作業台やシンク、ガスコンロなどが2列に並べられる厨房(キッチン)のレイアウトです。一度に大量の注文を受けて調理する飲食店(ホテルレストランやファミリーレストランなど)に適しています。I字型やL字型のレイアウトより、多くの従業員が役割分担して、作業しやすい点が、メリットです。
しかし二列型レイアウトは、フロア面積を確保できない飲食店に向きません。また同じ従業員が仕込みから調理、盛り付けを担当する厨房(キッチン)では、移動距離が長くなってしまいます。
アイランド型
アイランド型は、メインキッチンとは別にレイアウトされた厨房(キッチン)です。ダイニングフロア内にレイアウトされるため、衛生管理に注意が必要です。また顧客が不快を感じないように、調理による煙や油汚れの対策も求められます。
ただしメインキッチンで仕込みや調理をし、ダイニングフロアにレイアウトされたアイランドキッチンで、顧客に調理の最終工程や盛り付けなどを見せることができます。焼き鳥店や居酒屋、ビュッフェレストランなどに適したレイアウトです。
飲食店の厨房(キッチン)をレイアウトするポイント
飲食店厨房(キッチン)レイアウトの分類を踏まえて、レイアウトするポイントを押さえましょう。コンセプトや提供方法、座席数、厨房(キッチン)の種類、動線設計、掃除、設備・機器・什器、収納の9点を取り上げます。
飲食店のコンセプトを設計する
飲食店の厨房(キッチン)をレイアウトするポイントとして、まず飲食店のコンセプトを設計する点が挙げられます。「高級志向」や「大衆向け」などのコンセプトに基づくことで、厨房(キッチン)の適した位置や形、導入する設備・機器・什器などを選べるからです。
例えば高級志向がコンセプトの飲食店に、オープン型のアイランドキッチンをレイアウトすると、顧客が落ち着いて食事をしづらくなります。また本格イタリアンがコンセプトのレストランには、パスタ製造機やピザオーブンなどが必要です。
なお飲食店のコンセプト設計方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
食事を提供する方法を選ぶ
次に食事を提供する方法を選ぶ点も、飲食店の厨房(キッチン)をレイアウトするポイントです。食材の仕込みから調理、盛り付けを経て、顧客に料理が提供されます。厨房内のレイアウトはもちろん、ダイニングフロアとの位置関係や距離も計算しましょう。
また従業員がダイニングテーブルを片付ける方法も踏まえて、洗い場の位置やサイズも検討しなければなりません。ダイニングフロアから厨房を行き来する従業員同士がぶつからないように、通路の方向や幅を決めてください。
座席数を決める
また座席数を決める点も、飲食店の厨房(キッチン)をレイアウトするポイントです。飲食店における座席数は、店舗の規模や売上目標、従業員数などによって異なります。適切な座席数を計算することで、必要な厨房(キッチン)のサイズや設備・機器・什器などを決めることが可能です。
なお座席数が多すぎたり、少なすぎたりすると、接客のトラブルや回転率の低下などを引き起こす恐れがあります。飲食店の席数の目安と計算方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
厨房(キッチン)の種類を決める
そして飲食店のコンセプトや提供方法、座席数に基づいて、厨房(キッチン)の種類を決めましょう。飲食店の業態やメニューなどによって、厨房(キッチン)に適したレイアウトは異なります。
例えば和食店においても、アイランドキッチンとクローズドキッチンでは、店舗内の雰囲気や調理しやすいメニューなどが変わります。料理の仕込みから調理、提供、片付けまでを踏まえて、厨房(キッチン)の種類を選ばなくてはなりません。
電気・ガス・水道設備の位置を確認する
それから飲食店の厨房(キッチン)をレイアウトするポイントとして、電気・ガス・水道設備の位置を確認する点も忘れてはなりません。電気やガス、水道設備の位置に従って、レイアウトできる調理器具やガスコンロ、シンクなどの位置や数が決まります。
電気・ガス・水道設備の位置確認を怠ると、厨房設備・機器・什器のレイアウト変更や配管の追加工事などが必要になる恐れがあります。レイアウト変更や追加工事に余分な費用がかからないように、ご注意ください。
厨房(キッチン)内の動線を設計する
加えて厨房(キッチン)内の動線を設計する点も、飲食店の厨房(キッチン)をレイアウトするポイントです。厨房からダイニングフロアまでの動線だけではなく、厨房内の動線を設計することで、従業員の安全確保や作業効率化につながります。
そこで厨房内を仕込みと調理、盛り付けのゾーンに分けましょう。食材の仕込みから調理、盛り付けの工程をスムーズに進行できるように、冷蔵庫と作業台、調理台の位置関係を決めてください。また厨房内でドリンクを準備する飲食店では、ダイニングフロアに近い位置にドリンクカウンターを設置すると、提供しやすいです。
なお飲食店の厨房をレイアウトする流れやポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
掃除のしやすさを意識する
また掃除のしやすさを意識する点も、厨房(キッチン)をレイアウトするポイントです。飲食店の厨房(キッチン)には、食品の衛生管理が求められます。清潔さを保てなければ、食中毒や信頼低下などのトラブルを招きます。
そこで油汚れや水滴が付着しやすいシンクや食洗機を同じゾーン(洗い場)にレイアウトすると、掃除しやすくなります。また耐性や安全性などを考慮して、適した床材や壁材を選びましょう。
設備・機器・什器を厳選する
さらに設備や機器、什器を厳選する点も、飲食店の厨房(キッチン)をレイアウトするポイントです。業態やメインメニューなどによって、厨房に必要な設備・機器・什器は異なります。
例えば中華料理店には、中華鍋による調理に強い火力のあるコンロが必要です。大衆向け定食店には、短時間に多くの料理を提供するために、広い作業台や大型冷蔵庫などが必要です。
なお飲食店の業態と内装の特徴をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
収納スペースを確保する
なお収納スペースを確保する点も、飲食店の厨房(キッチン)をレイアウトするポイントです。飲食店には、厨房の設備・機器・什器だけではなく、食材や調味料、食器、消耗品なども保管・保存されます。
収納スペースを確保しなければ、食品の安全性や作業効率の低下につながります。置き型の収納棚を設置できるスペースは限られているため、壁面上部や作業台下などを効果的に使いましょう。
飲食店の厨房(キッチン)レイアウトの施工事例
飲食店に理想的な厨房(キッチン)をレイアウトできるように、施工事例を調査しましょう。IDEALの施工事例を取り上げて、先ほどご紹介したレイアウトポイントが活かされている部分をご紹介します。
居酒屋の顧客と会話がしやすいオープンキッチン
「ミズノトリ」様は、和食と日本酒をペアリングして提供する居酒屋です。顧客と会話がしやすいように、オープンキッチンがレイアウトされ、R型カウンターに囲まれています。お酒を作るシーンを楽しんでもらえるように、カウンターの中央に作業台が配置されています。
内装は、和食と日本酒が引き立つように、モダンでシンプルにデザイン。温かな空間となるように、オレンジ系の照明に照らされています。丁寧な接客を目指して、厨房から見渡せるように、客席がレイアウトされています。
イタリアンレストランの食事を提供しやすいオープンキッチン
「La Brianza」様は、イタリア各地で腕を磨いたシェフが手掛けるイタリアンレストランです。食事を提供しやすくするために、カウンター越しにオープンキッチンがレイアウトされています。
天井まで届くガラスケースのワインセラーは、ワインやグラスを収納するだけではなく、フロアをゾーニングするパーテーションの役割も果たしています。キッチンで作業する従業員が顧客へ挨拶をできるように、動線が設計されています。
カフェの動線が設計された二列型キッチン
「Cafe&Dining Ashley」様は、現役女子大生がプロデュースしたカフェです。厨房内の動線が設計され、二列型キッチンがレイアウト。調理・製造した料理やドリンクが、カウンター越しに提供されます。
また収納スペースを確保するために、厨房上部に収納棚が設置されています。掃除をしやすいように、作業台やシンク、内装材などの素材が選定されました。
ラーメン屋の作業スペースにゆとりをもたせた二列型厨房
「町田商店 城山店」様は、横浜家系ラーメンを提供するラーメン屋です。作業スペースにゆとりをもたせ、二列型の厨房がレイアウトされました。混雑時でも大量の注文を受けられるように、座席の数と厨房のサイズが計算されています。
また調理から盛り付けまでをスムーズに行うために、食器棚と作業台の位置や距離が検討されています。混雑時でも従業員同士が交差できるだけの通路がレイアウトされています。
串焼き屋の接客しやすいアイランドキッチン
「串焼き 笑顔 ‐すまいる ‐」様は、自宅物置が改装された串焼き屋です。接客しやすいように、アイランドキッチンがレイアウト。設備・機器・什器の位置や掃除のしやすさが意識されています。
オープン型のアイランドキッチンのため、カウンター席に座る顧客が調理のライブ感や従業員との会話を楽しめます。「みんなを”笑顔”にしたい」というコンセプトに基づいて、内装全体がデザインされています。
飲食店の厨房(キッチン)にレイアウトされる設備・機器・什器
飲食店の厨房やキッチンにレイアウトされる設備や機器、什器の一例をご紹介します。
- シンク
- ガスコンロ・ガステーブル
- 作業台
- 冷凍冷蔵庫
- 製氷機
- 食器棚
- 業種特有の設備・機器・什器
上記の設備・機器・什器に関して詳しく解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。
また次の設備・機器・什器も挙げられます。
- 換気設備
- 排煙設備
- 調理器具(鍋やフライパン、炊飯器など)
- 食器棚や調味料入れ
飲食店の業態に関わらず、排煙設備と換気設備が必要です。排煙や換気を適切に行えないと、ダイニングフロアに煙や異臭が流れ込む恐れがあるからです。複数の製品を比較して、機能性やサイズ、価格などを考慮して、自店舗に適する設備・機器・什器を選びましょう。
飲食店の厨房(キッチン)をレイアウトしよう!
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監修者
-
IDEAL編集部
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