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2022.07.05|新規開業ノウハウ
飲食店における事業計画書の書き方!売上予測やテンプレートも紹介
「飲食店の事業計画書の書き方を知りたい!」「事業計画書のテンプレートはある?」とお悩みではありませんか?開業資金調達のために融資や補助金を申請するためには、事業の資金や計画についてまとめた書類を求められます。
そこで今回は、飲食店における事業計画書の書き方を解説します。事業計画書を書くときのポイントから数値・データの入れ方、売上予測の計算方法、テンプレートまでをご紹介しますので、飲食店の開業をご検討中の方はぜひご覧ください。
飲食店が事業計画書をまとめる目的
事業計画書とは、目的に応じて創業の経緯や事業内容、資金調達の方法などをまとめた文書です。説得力のある文書を作成できるように、飲食店が事業計画書をまとめる目的を確認しましょう。
飲食店の開業資金を調達する
まず飲食店が事業計画書をまとめる目的の一つは、飲食店の開業資金を調達することです。飲食店の物件取得や内装工事、食材の仕入れなどには資金が必要です。飲食店の規模や立地によって変動しますが、小さな店舗でも300万、大きな店舗には1,000万円以上が必要になります。
上記の開業資金を自己資金だけで調達できない場合には、金融機関からの融資や公的機関からの補助金などを申請しなければなりません。融資や補助金を受けるために審査を求められる場合には、事業計画を明確にして継続的に利益を確保できることを書面で説明する必要があります。
経営戦略やコンセプトを説明する
次に経営戦略やコンセプトを説明することも、飲食店が事業計画書をまとめる目的です。外部機関の担当者に対してはもちろんですが、開業する飲食店の従業員や顧客に対しても、事業計画書にまとめた情報を発信しましょう。
また事業計画書をまとめておくことで、事業を拡大させたり、経営不振に陥ったりするときに、経営方針に迷いにくくなります。事業目的や売上目標などの情報を体系的に整理しておきましょう。
経営を評価して改善する
さらに事業計画書を活用することで、経営を評価して改善できます。事業計画書に記載した事業の方向性や売上目標の達成度などを評価したうえで、経営全般の客観的な改善策を策定しましょう。
例えば店舗経営のために従業員を雇う場合には、必要な職種と人数を具体的に計算して事業計画書に記載しておきます。開業後に売上に占める人件費の割合を定期的に計算して、事業計画書に記載した従業員の採用計画を見直しましょう。
飲食店における事業計画書の書き方
次に飲食店における事業計画書の書き方をご紹介します。開業資金調達や経営方針説明に役立てることができるように、必要な項目を押さえましょう。ただし目的に応じて必要な情報が異なりますので、ご注意ください。
飲食店経営者の経歴
まずは飲食店経営者の経歴について、事業内容に関連させながら時系列で記載しましょう。飲食店経営者としての能力を証明できるように、飲食店の従業員や経営者としての職歴や資格などを細かく紹介してください。また失敗した事業やプロジェクトについても、改善点を踏まえて正直に記載しましょう。
なお高等教育終了後の経歴について中心的に紹介しますが、飲食店の勤務や経営に関わる経歴を積極的に記載します。例えば専門学校に通って調理師免許を取得した経験や飲食店でのアルバイト経験をしたなら、学生時代の経験であっても記載しましょう。
飲食店の事業目的
次に、開業する飲食店の事業目的を記載しましょう。経営者の経歴と照らし合わせて記載すると、より説得力が増します。たとえ実績が浅くても、飲食業に対する熱意を具体的に記述してください。
特に重要な点は、相手(融資担当者や顧客)に共感してもらえるストーリーです。「なぜ飲食店開業を目指すのか」「どのように開業準備してきたか」「周囲や家族からどんな支援を得てきたか」などについて、経営者の思いと共に記載してください。
飲食店のコンセプト
次に、飲食店のコンセプトも記載してください。飲食店のコンセプトは、上記の事業目的を達成するための経営方針となります。開業する飲食店の業種・業態や提供するメニュー・サービスの魅力などを具体的な言葉で表現しましょう。
メニューやサービスを検討するときには、営業時間帯(ランチとディナー)や曜日(平日と週末)ごとに営業の様子をイメージすることがポイントです。メイン料理の材料やドリンクの価格、客単価などをなるべく詳しく表現することで、コンセプトが明確化します。
なお下の記事に飲食店のコンセプト設計についてさらに詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。
飲食店のセールスポイント
さらに飲食店のセールスポイントも記載してください。コンセプトに基づいて提供するメニュー・サービスの魅力や特徴をさらに詳しく伝えましょう。例えば自家栽培の無農薬野菜を材料として使用するなら、健康志向の顧客へ向けてアピールできます。
また接客へのこだわりや料理を引き立てる演出、内装空間のおしゃれさなどもセールスポイントになります。例えば内装の什器や照明などにこだわって居心地の良さを演出できれば、競合飲食店との差別化を図れます。
飲食店の仕入れ先と人材採用
加えて、飲食店の仕入れ先と人材採用に関する情報も紹介しましょう。材料ごとの調達方法や仕込みの外注先などについて経費も含めて記載しておくと、経営者の人脈を評価されやすくなります。
また採用する従業員の役職と人数、給与について、現実的な数字を記載してください。給与の計算と支払い手続きに時間がかかりますので、毎月の支払いに余裕をもたせておきましょう。
飲食店経営者の借入状況
さらに安定して飲食店経営できることを証明するために、飲食店経営者の借入状況も記載してください。例えば住宅ローンやカーローン、奨学金などの返済状況を開示します。
飲食店経営者の借入状況は、開業資金調達の計画性や飲食店経営の安定性の判断材料となります。虚偽の申告をしてしまうと、明るみに出たときに信頼を失いかねません。経営者自身が借入状況を整理するためにも、正確な情報をまとめましょう。
飲食店開業資金の調達方法
なお飲食店開業資金の調達方法も記載します。物件取得費や内装工事費といった初期投資額について、業者に見積もりを取ったうえで金額を記載します。自己資金だけで足りない場合には、融資や補助金の申請を検討します。
また開業後に利益を安定して獲得できるまでに時間がかかることを想定して、運転資金として6~12か月ほどの賃料を蓄えておく必要があります。飲食店経営に必要な資金を正確に計算して、計画的に調達しましょう。
なお開業資金の調達方法は融資や補助金だけではなく、借入やクラウドファンディングなどもあります。下の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。
飲食店の売上目標や展望
最後に飲食店の売上目標や展望を記載しましょう。開業初年度と創業2年目の売上目標を数字で設定するために、社員とアルバイトの人件費を区別したうえで、客単価や客席数を基にして売上を計算します。
開業初年度と2年目の売上を比較できるように同様の数式で計算して、開業から1年間で1.2~1.5倍程度になるように目標を定めます。なお店舗や事業の拡大に関する展望も具体的に記載すると、将来性をアピールできます。
飲食店の事業計画書を書くときのポイント
記載する情報を把握できたら、飲食店の事業計画書を書くときのポイントをご紹介します。ただ必要な情報を羅列するだけではなく、開業資金調達や経営の評価・改善に活用できる文書を仕上げましょう。
競合飲食店について調査分析する
まずは事業計画書を書く前に、競合飲食店について調査分析しましょう。競合飲食店との差別化を図れなければ、低価格競争に巻き込まれて利益を獲得しづらくなるからです。独自性のあるメニューとサービスを提供するために、競合の経営状況を把握しなくてはなりません。
まずはWeb検索をして飲食店のポータルサイトや公式サイトへアクセスして、出店エリア内の競合飲食店の数やメニュー、価格などの情報を集めてください。次に実際に競合飲食店周辺を歩いてみると、客層や周辺環境の様子を確認できます。
簡潔に分かりやすく書く
次に事業計画書をまとめるときには、簡潔に分かりやすく書きましょう。熱意を伝えるために専門用語や英単語を羅列しても、結果的に伝わりにくくなりやすいです。幅広い層から理解と共感を得られるように、業界初心者でも分かる表現を心がけてください。
また事業計画書を一度書いたら、不要な情報や不適切な表現、誤字脱字などを修正しましょう。具体的で正確な情報を記載できているかを確認することがポイントです。思わぬ間違いに気づくために、第三者に確認してもらうことをおすすめします。
具体的な数値やデータを入れる
また具体的な数値やデータを入れてください。根拠を示しながら事業の内容や目標を説明することで、計画の実現性を高められるからです。特に売上目標に対しては、集客率や利益率の裏付けを求められます。
したがって主観的な期待値ではなく、客観的な数値データに基づいて計算してください。数値やデータを駆使して図表にまとめると、さらに分かりやすくなります。説得力のある事業計画書をまとめられれば、経営者として現状を把握する能力や資金管理能力を認めてもらいやすくなります。
資金調達期間を正確に計算する
さらに資金調達期間を正確に計算しましょう。融資や補助金の申請を行う場合には、「必要書類を提出してから、審査を受けて、資金を受け取るまで」に数か月かかります。審査に通ったからといって計画通りに開業準備を進めなければ、資金が足りなくなる危険性があります。
飲食店をスムーズに開業して経営を安定させるために、資金調達のために準備する期間と実行する時期を特定してください。物件探しや営業許可申請などの開業準備が続きますので、トラブルが起きても対処できるように、ゆとりをもって計画を立てましょう。
テンプレートを活用する
最後に事業計画書のテンプレートを活用することで、開業までの準備時間を有効に使いましょう。事業計画書テンプレートをいくつかご紹介します。
作成者 | 特徴 | 引用元 |
日本政策金融公庫 | 創業時に利用できるテンプレートです。経営者向けの資料や、事業計画書の詳しい書き方も用意されているので活用しましょう。 | 日本政策金融公庫 「創業計画書」 |
Microsoft | 必要な項目がそろっています。自動計算機能が備わっているため、数字を正確に記すことができます。 | Microsoft 「事業計画書」 |
freee | 必要事項を入力していくだけで事業計画書が作成されます。専門家による面談のサポートもあります。 | freee創業融資 「創業融資に必要な事業計画書を無料で作成」 |
飲食店の事業計画書に入れたい数値やデータ
飲食店の事業計画書を書くときのポイントとして、具体的な数値やデータを入れる点をご紹介しました。必ず盛り込みたい数値やデータを取り上げますので、計算方法をご確認ください。
初期投資額(開業資金)
飲食店における初期投資額(開業資金)には、開業前に必要となる物件取得費や内装工事費、集客費などが含まれます。飲食店の立地や規模、業態などによりますが、初期投資額として300万‐1,500万円程度が必要です。
飲食店開業資金の内訳と計算方法について下の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。
運転資金
運転資金とは、飲食店を開業してから営業するために毎月支出する経費の合計金額です。物件の賃料や材料費、人件費、水道光熱費、宣伝広告費などが含まれます。飲食店を開業してから経営が安定するまでに、赤字が続くことは珍しくありません。
そこで運転資金として、6-12か月分程度の賃料を蓄えておきましょう。運転資金の内訳と計算方法について下の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。
売上と利益の目標
売上と利益を予測するためには、運転資金を正確に計算する必要があります。今回は賃貸する物件の賃料を基にして、飲食店経営に必要な売上と利益の目標を計算してみました。事例として賃料15万円の飲食店を経営するための売上を試算しましたので、下表をご覧ください。
売上予測 | 計算方法 | 飲食店の事例 |
月間の賃料 | 月間売上の10%程度 | 15万円/月 |
月間の売上 | 客単価×席数×回転率×営業日数 | 2,000円×5席×8回転×20日=160万円 |
月間の利益 | 売上の30%程度(売上-運転資金) | 48万円(160万円-112万円) |
飲食店の規模や業態によって運転資金は変動しますので、賃料や人件費などの各経費を正確に計算しましょう。下の記事に飲食店経営にかかる経費ついて詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。
目的を達成できる事業計画書を立案しよう
開業資金の調達や経営戦略の説明、経営の評価・改善のために求められる事業計画書。目的を達成するために必要な情報を集めて、分かりやすくまとめましょう。飲食店経営の基本方針・コンセプトとなりますので、開業準備を始める前に作成しておきたいです。
IDEALは飲食店を始めとする店舗全般のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内装のデザイン・工事、集客までをワンストップソリューションとしてご提供しております。
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監修者
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IDEAL編集部
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