本記事で、店舗を開業する流れと…
2023.01.18 2023.01.01|新規開業ノウハウ
自宅サロンの開業準備!業態・メリット・開業費用・失敗しないためのコツ
本記事で、自宅サロンの開業準備をご紹介します。自宅サロンの業態やメリット、開業費用、失敗しないためのコツなどもご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
自宅サロンとは?
自宅サロンとは、経営者の住宅の一部を利用して営業されるサロンです。広義には自宅と別に物件を借りて個人営業するサロンも含まれます。引き続き自宅サロンの業態やメリット・デメリットをご紹介します。
業態
まず自宅サロンには下記のようにさまざまな業態があり、サロン全般に共通する内装デザインのポイントや工事費用の節約方法があります。
- ヘアサロン
- ネイルサロン
- エステサロン
- リラクゼーションサロン
- ヨガサロンやピラティスサロン
ただし業態ごとに、施術内容や必要な資格などが異なります。各サロン業態の特徴について別記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。
メリット
次に自宅サロン開業には、下記のようなメリットがあります。
- 時間的制約が少ない
- 開業資金が安くて済む
- 自由に改装やメンテナンスできる
自宅でサロンを営業できると時間的制約が少ないため、通勤する時間を省いたり、家事や育児と両立したりできます。
またローンを完済した自宅を所有しているなら、サロンの物件取得費や内装工事費を省くことができます。
さらに賃借する店舗物件とは異なり、所有する店舗兼住宅なら経営者が自由に改装やメンテナンスできます。
デメリット
メリットだけではなく、自宅サロン開業には下記のようなデメリットもあります。
- 自宅の住所を知られてしまう
- 家族や近隣住民の理解が必要になる
自宅サロンを開業すると経営者の住所だけでなく、自宅の間取りや構造まで顧客に知られる恐れがあります。自宅の防犯に注意しなくてはなりません。
また家族や近隣住民に理解してもらわないと、サロンの営業がしづらくなります。サロンの営業時間や出入り口に配慮しましょう。
自宅サロンの開業準備
自宅サロンの特徴を把握したうえで、開業準備を開始しましょう。特に初めて開業する場合は全てが手探りになりがちです。漏れがないように計画を立てて、ゆとりをもって準備を進めてください。
コンセプトを設計して事業計画書を立案する
まずは開業する自宅サロンのコンセプトを設計して、事業計画書を立案しましょう。自宅サロンの業態や施術内容、ターゲットなどを言語化することでコンセプトを設計でき、事業計画書にまとめていきます。
事業計画書とは、事業の内容や戦略、収支計画などを説明する書類です。事業計画書を作成することで融資や補助金などから事業資金を調達したり、事業改善したりできます。
自宅サロン開業にも活用できる事業計画書の書き方や無料テンプレートなどをご紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
開業資金を調達する
事業計画書を立案したら、開業資金を調達してください。開業してから資金繰りに困らないように、必要な初期費用と運転資金を正確に計算にしておくことが重要です。自宅サロンの開業資金の相場と内訳を後ほどご紹介します。
なお自己資金だけで調達が難しい場合は、融資や補助金などを検討しましょう。開業資金の調達方法について詳しく解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。
施術のメニューと料金を設定する
開業資金を調達したうえで、施術のメニューと料金を設定しましょう。経営者の利益を確保できる点を大前提として、コンセプトやターゲットに合わせて客単価を見積もり、必要経費を踏まえて施術料金を設定する必要があります。
自宅サロンは初期費用を抑えられますが、競合サロンより安すぎる料金設定をすると、利益を獲得できなくなります。薄利多売で商売すると利益が出づらいばかりか、サービスの品質を保ちにくくなりますので、ご注意ください。
なお店舗経営の利益率や収支計画について紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
サロンとして利用する部屋を決める
設定した施術を提供できるように、サロンとして利用する部屋を決めてください。自宅を所有していないなら、事業用物件(店舗付き住宅など)の賃貸借契約を結ぶ必要があります。住居用として賃借している物件をサロン営業に利用すると、契約違反となります。
物件を取得したら、自宅部分とサロン部分の間取りを検討してください。自宅部分のプライバシーを守りつつ、サロン部分の視認性や利便性を高める点がポイントです。
内装をデザインして工事する
サロンとして利用する部屋を決めたら、内装をデザインして工事します。内装デザインは、店舗のコンセプトに基づいて内装を設計する活動です。内装のレイアウトや設備の配置動線などを踏まえつつ、法的に定められた広さや区画を守ることが重要です。
また内装工事は、デザインした内装や設備を店舗内に施工する活動です。自宅サロンの内装デザインについて詳しく解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。
必要な資格やスキルを習得する
開業する自宅サロンの業態に応じて、必要な資格やスキルを取得してください。例えば自宅でネイルやエステの施術を提供するなら、特別な資格は必要ありません。しかしパーマやまつ毛を施術するためには、国家資格(美容師免許)が必要です。
無資格で営業すると、営業停止や罰金を科せられる恐れがあります。次の記事に業態ごとに必要な資格をまとめてありますので、ご確認ください。
届出や許可を申請する
資格やスキルと同じく、自宅サロンを開業するために届出や許可を申請しましょう。サロンを開業するためには、税務署への開業届または法人設立届が必要です。また国家資格を要する施術を提供するサロンには、保健所への届出と立ち入り検査が必須です。
なお各自治体やサロン業態によって必要な届出や許可が異なりますので、次の記事をご確認ください。
予約や会計のシステムを導入する
開業から数か月前には、予約や会計のシステムを導入しておきましょう。予約システムに施術内容や時間帯、定員数などを登録すれば、オンライン上で自動に予約を処理してくれます。手作業で処理すると起きるダブルブッキングや登録漏れを防ぐことができます。
また予約システムと会計システムを連動させて顧客の名前や連絡先、予約履歴などを自動で記録すれば、効率的に予約処理や会計処理、集客活動を展開できます。事前決済機能を利用すれば、対面による会計の手間を減らし、会計ミスの防止や集計業務の負担軽減を図れます。
集客活動を開始する
予約や会計のシステムを整備できたら、集客活動を開始してください。集客方法には、オンライン集客(WebサイトやSNSアカウントなど)とオンライン集客(紙媒体や街頭看板など)があります。
開業する自宅サロンのターゲットの購買行動を想定して、オンライン集客方法とオフライン集客方法を組み合わせましょう。店舗へ集客する方法をご紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
自宅サロンの開業費用
上記の開業準備を円滑に進めるために、自宅サロン開業費用の相場と内訳を確認しておきましょう。資金が足りなければ、工事や集客を開始できなくなるからです。無駄な経費を省く節約方法もご紹介します。
費用の相場
自宅サロン開業資金の相場は、100万~1,000万円程度です。ただし物件の取得方法(所有か賃借)や立地、規模、サロンの業態などによって、開業費用は変動します。
また自宅の一部をサロンにリフォームしたり、店舗付き住宅の店舗部分を工事したりするなら、内装工事費に坪単価15万~50万円程度かかります。店舗改装工事費用について解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。
費用の内訳
下の表に、自宅サロン開業費用の内訳をまとめました。店舗付き住宅(自宅10坪・店舗10坪で賃料20万円)を事例として、各費用を計算してあります。
開業資金の内訳 | 各費用の割合 | 店舗付き住宅にかかる費用 (店舗10坪で賃料20万円) |
物件取得費 | 合計の20%程度 (賃料3~6か月分程度) | 60万~120万円程度 |
内外装工事費 | 合計の40%程度 (坪単価15万~50万円程度) | 150万~500万円程度 |
設備・機器・什器費 | 合計の30%程度 | 100万~300万円程度 |
集客費 | 合計の5%程度 | 15万~50万円程度 |
雑費 (消耗品や資格取得、 届出・許可などの費用) | 合計の5%程度 | 15万~50万円程度 |
合計 | 100% | 300万~1,000万円程度 |
上表のとおり、物件取得費と内外装工事費、設備・機器・什器費の割合が大きいです。サロンの業態と規模によって、必要な内装や設備などは異なります。店舗におしゃれな什器を選ぶポイントを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
費用の節約方法
自宅サロンの開業費用の節約方法として、開業当初には必要最低限の設備・機器・什器だけを選び、中古品やリース品も検討しましょう。集客と売上が安定してきたら、施術や人材採用などに対して追加投資できるからです。
また物件を所有しているなら物件取得費を削減できます。さらにサロンの居抜き店舗付きの住宅を賃借するなら、内外装工事費を削減できます。店舗付き住宅の賃貸物件について解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。
自宅サロン開業を失敗しないためのコツ
開業費用の調達だけではなく、自宅サロン開業を失敗しないためのコツもご確認ください。サロンに雇用される従業員とは異なり、経営者としての心構えや準備についてご紹介します。
経営や接客に関する知識やスキルを身につける
まず経営や接客に関する知識やスキルを身につけましょう。個人で自宅にサロンを開業する場合には事業主としての自覚が薄れがちですが、雇用する従業員がいなくてもサロン経営者であることに変わりはありません。
自宅サロンのメインターゲットは近隣住民や知り合いになるため、開業当初から施術や美容に関する専門性をアピールすることが大切です。経営者自身が広告塔となるため、美容や健康を意識する必要もあります。
また来店した顧客から信頼や評価を得るためには、美容に関する専門的なアドバイスを提供しましょう。顧客の意見や希望を聞いてニーズに応える姿勢も示せると、好印象を抱いた顧客のリピートを期待できます。
なお店舗経営に役立つ資格をご紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
居心地の良い内装空間をデザインする
次に自宅サロンに、居心地の良い内装空間をデザインしましょう。サロンの顧客は、日常生活から解放される癒しを求めています。内装の素材や配色・照明などを工夫して、顧客に非日常的なリラックス空間を提供しましょう。
またサロンには居心地の良さだけではなく、おしゃれさや清潔感、SNS映えなどの要素も必要です。サロンに共通する内装デザインポイントをご紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
同居する家族の理解を得る
また自宅にサロンを開業する前に、同居する家族の理解を得ましょう。サロン開業を応援してもらうためには、家族のプライバシーを保護する方法やサロンの営業時間などを説明しなくてはなりません。
なおサロン開業に理解を得られない場合には、貸店舗の賃借や間借り営業などを検討しましょう。サロン開業にも活用できる間借り営業について解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。
クレーム対応策を講じる
さらにクレーム対応策を講じることも、サロン開業に失敗しないためのコツです。サロンの施術により損害を被った顧客からクレームが入ると、サロン経営者に賠償責任が発生します。サロン店舗向けの賠償責任保険への加入を検討しましょう。
小さなクレームが積み重なることで、自宅サロンの評判を落とす恐れがあるからです。サロン営業にも活用できるクレーム対応マニュアルを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
賃貸借契約の条件を確認する
店舗付き住宅を賃借してサロンを開業する場合には、事前に賃貸借契約の条件を確認しましょう。物件によって店舗営業が制限・禁止されますので、物件の管理会社や賃貸人に確認や交渉する必要があります。
契約内容に違反して営業すると、強制撤去させられたり、違約金が発生したりする恐れがあります。ターゲットを集客できる立地を絞ったうえで、適した賃貸物件を探しましょう。店舗物件の探し方を紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
忘れずに確定申告する
なお個人事業主として自宅にサロンを開業後に、忘れずに確定申告しなくてはなりません。つまり自宅にサロンを開業したからといって確定申告を免除されるわけではなく、無申告には罰則が規定されています。
所得税は、経営者の年収ではなく事業所得(総収入から経費を引いた金額)に対して課せられます。基礎控除や青色申告特別控除などの仕組みを理解したうえで、正しく納税しましょう。
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監修者
-
IDEAL編集部
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