2024.01.11 2024.02.13|新規開業ノウハウ
ピラティス・ヨガスタジオの開業準備!自宅などの業態・年収・事例・資金も紹介
本記事で、ピラティス・ヨガスタジオの開業準備について解説します。自宅型などの業態や経営者の年収・事例・資金などもご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
ピラティス・ヨガスタジオ開業の基本情報
ピラティス・ヨガスタジオの開業準備を開始する前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を押さえることで、必要な開業準備を確認できるからです。そこでヨガとピラティスの違いや市場規模、業態、経営者の年収をご紹介します。
ピラティスとヨガの共通点や相違点
まずピラティスとヨガの共通点は、腹式呼吸によるストレッチなどです。ピラティスにもヨガにも、腹式呼吸によるストレッチが取り入れられており、全身と交感神経が活性化されます。
ただし歴史や目的などは、ピラティスとヨガの相違点です。ピラティスは1900年代に西洋で考案された負傷兵士のリハビリテーション法で、主な目的は機能的で健康的な身体づくりです。ヨガは数千年前に東洋で生まれた僧侶の修行法で、主な目的は心身の安らぎや安定です。
参照元:日本ナチュラルピラティス協会「ピラティスとは?ヨガとの違い」
市場規模
次にピラティス・ヨガスタジオの市場規模は、世界全体で2022年時点で1300億ドルと推定されており、2035年には2700億ドルに達すると推定されています。つまり市場規模の成長率は、年平均10%です。
参照元:PR TIMES「ピラティスとヨガスタジオ市場 (Pilates and Yoga Studios Market) に関する調査は、2023年の市場の状況を理解するために実施されました。」
また日本国内においては、ヨガスタジオの市場規模は、2015年時点で2100億円程度であり、ヨガ人口は350万人だと報告されています。2004年からの増加率は、ヨガの市場規模も人口も10倍以上です。
参照元:リアンアカデミー「福岡でピラティス・ヨガインストラクター資格取得」
業態(自宅型など)
またピラティス・ヨガスタジオの業態には、店舗型や間借り型、自宅型などがあります。店舗型のピラティス・ヨガスタジオのメリットは自由な経営方針やフロアの広さなどですが、賃料の高さや移転のしづらさはデメリットです。
間借り型のピラティス・ヨガスタジオのメリットは、経費の安さや移転のしやすさですが、営業時間の制限や経営の不安定さがデメリットです。ピラティス・ヨガスタジオにも活用できる間借り営業についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
自宅型のピラティス・ヨガスタジオのメリットは、経費の安さや通勤時間の短さなどですが、集客の難しさや近隣への配慮などはデメリットです。店舗兼住宅の法規制をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
経営者の年収
なおピラティス・ヨガスタジオ経営者の年収について、Web上に調査結果などは掲載されていませんでした(2023年12月時点)。立地や店舗数、従業員数などに応じて、400万~1,000万円程度だと推定されます。
なぜなら「月間売上100万円で利益率30%のピラティススタジオ」を1店舗経営するなら、経営者の年収は360万円程度です。
- 月間100万円×12か月×利益率30%=360万円程度
そして上記の店舗を3店舗に拡大できれば、経営者の年収を1,000万円以上にできます。
- 1店舗の利益360万円×3店舗=1,080万円程度
ピラティス・ヨガスタジオの開業準備に関するポイント
基本情報だけではなく、ピラティス・ヨガスタジオの開業準備に関するポイントを確認しましょう。9点(コンセプトと事業計画書、開業資金、店舗物件、内装と外観、設備・機器・什器、資格・届出・許可、採用・研修、集客活動)を取り上げます。
コンセプトの設計
まずコンセプトの設計が、ピラティス・ヨガスタジオの開業準備に関するポイントとして挙げられます。店舗のコンセプトは経営方針となり、事業計画書に活用したり、競合店との差別化を図ったりするために必要です。
したがって店舗の集客と売上を伸ばすために、独自性のあるコンセプトを設計しましょう。ピラティス・ヨガスタジオに活用できるコンセプトを設計する流れと方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
事業計画書の作成
次に事業計画書の作成も、ピラティス・ヨガスタジオの開業準備に関するポイントです。店舗の事業計画書は、開業資金の調達や経営戦略の説明、経営の評価・改善などのために活用されます。
そして事業計画書を書くときのポイントには、競合店の分析や具体的なデータ、テンプレートの活用などがあります。ピラティス・ヨガスタジオにも活用できる事業計画書の書き方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
開業資金の調達
また開業資金の調達も、ピラティス・ヨガスタジオの開業準備に関するポイントです。経営者の自己資金だけで開業資金を調達できない場合には、出資や借入、融資、補助金・助成金などを検討しましょう。
例えば融資は、日本政策金融公庫や民間金融機関、地方自治体などによって運営されています。ピラティス・ヨガスタジオにも活用できる開業資金を調達するポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
店舗物件の選定
それから店舗物件の選定も、ピラティス・ヨガスタジオの開業準備に関するポイントです。自宅型や間借り型などの業態とは異なり、店舗型には物件の購入または賃借が必要だからです。
そこで店舗のコンセプトを踏まえて立地を絞り込み、希望条件に合う店舗物件を選定しましょう。ピラティス・ヨガスタジオにも活用できる店舗物件探しのコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
内装と外観のデザイン・工事
そして内装と外観のデザイン・工事も、ピラティス・ヨガスタジオの開業準備に関するポイントです。コンセプトに基づいて内装や設備・機器・什器などをデザインして、店舗内に施工しましょう。
そして内装空間と調和させるように外観もデザインして、工事を進めましょう。ピラティス・ヨガスタジオにも活用できる店舗外観を構成する要素をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
設備・機器・什器の手配
さらに設備・機器・什器の手配も、ピラティス・ヨガスタジオの開業準備に関するポイントです。ピラティス・ヨガのレッスンメニューに応じて、必要な設備・機器・什器などは異なります。
例えば一般的なピラティス・ヨガスタジオにおいては、受付カウンターや個人用ロッカー、ソファ・チェアなどの什器が必要です。ピラティス・ヨガスタジオにも活用できる店舗におしゃれな什器を選ぶポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
資格取得と届出・許可申請
続いて資格取得と届出・許可申請も、ピラティス・ヨガスタジオの開業準備に関するポイントです。ピラティス・ヨガスタジオ開業に法的に必須となる資格はありませんが、インストラクターの資格を取得することで専門的なレッスンを提供できます。
参照元:
通信教育講座・資格のキャリカレ「ピラティスインストラクター資格講座」
BASIピラティスインストラクター資格養成スクール「米国最大級のピラティス教育で世界で活躍できるインストラクターに」
ヨギー・インスティテュート「ヨガインストラクター指導者養成コース(RYT200・YIC200)」
日本ヨガインストラクター協会JYIA「ヨガインストラクター養成JYIAとは」
また個人事業主なら開業届を、法人なら法人設立届を申請しなければなりません。従業員を雇用する場合には、社会保険や労働保険の加入も必要です。届出・許可ごとに申請の方法や期限が異なりますので、ご注意ください。
参照元:
日本年金機構「事業所が健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」
人材の採用・研修
加えて人材の採用・研修も、ピラティス・ヨガスタジオの開業準備に関するポイントです。インストラクターを雇用する場合や複数の店舗を経営する場合には、人材を採用しなければなりません。
そして採用から開業前の間には、ピラティス・ヨガスタジオの営業に関する研修を計画しましょう。ピラティス・ヨガスタジオの開業にも活用できる人材採用のコツと研修の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
集客活動
なおピラティス・ヨガスタジオの開業準備に関するポイントとして、集客活動もあります。ターゲットとする顧客層に応じて、オンライン集客(SNSやMEOなど)とオフライン集客(ポスティングや雑誌広告など)を組み合わせましょう。
特に新規参入する場合には、知名度を高めるために、開業前から集客活動を開始してください。ピラティス・ヨガスタジオの開業にも活用できる集客のアイデアや事例などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
ピラティス・ヨガスタジオの開業事例
開業準備のポイントと併せて、ピラティス・ヨガスタジオの開業事例を調査しましょう。本記事では事例5点を取り上げて、事例ごとの特徴(インストラクター養成専門・SNS集客、専用マシン、自宅型)をご紹介します。
インストラクターを養成するヨガスタジオ
まず「YOGIWAY」は、インストラクターを養成するヨガスタジオです。1人1人のポーズを細かく指導できるように、少人数を対象としたレッスンです。女性だけではなく、男性もターゲットにしています。
インストラクター養成レッスンの内容については、会員制のサイトとアプリを活用して、好きな時に好きな場所で学ぶことができます。オンラインで、アメリカと日本のヨガインストラクター資格取得が可能です。
参照元:YOGIWAY「初めての方へ」
SNSで集客するヨガスタジオ
次に「ホットヨガスタジオLAVA」は、SNSで集客するヨガスタジオです。インスタ公式アカウントでは、初心者向けのヨガポーズや豆知識などが発信されています。体験レッスンへのリンクも設置されています。
体験レッスンを予約すると、手ぶらで来店して、レッスンを体験できます。体験後には、店頭かWebサイトにて入会手続きが可能です。体験レッスン当日の入会には、特典が付いてきます。
専用マシンを使用するピラティススタジオ
それから「bloom pilates」は、専用マシンを使用するピラティススタジオです。女性専用のスタジオで、プライベートとグループのレッスンが提供されています。主なターゲットは、健康・予防を気にする年齢の方です。
学研グループが他社とのアライアンス契約により、独自サービスを提供するピラティススタジオです。認知症・介護・健康領域の事業を展開している学研グループで、新しい事業としてスタートしました。
参照元:PR TIMES「学研グループ、『ピラティス事業』を新たに開始。~8月29日、女性限定マシンピラティススタジオ『bloom pilates(ブルームピラティス)』を銀座にオープン~」
自宅に開業したピラティススタジオ
なお「RENATA」は、自宅に開業したピラティススタジオです。女性専用のスタジオで、ダイエット目的のパーソナルトレーニングが提供されています。カウンセリングから姿勢の分析、体組織計測、食生活の見直しなどのメニューです。
RENATAの経営者自身が、妊娠中から肩こりや腰痛、不眠などに悩まされていたときに、ピラティスに出会い、出産後にピラティスでダイエットに成功しています。ピラティスやダイエットに関する資格の保持者です。
参照元: RENATA「女性専用のパーソナルトレーニング式ピラティス」
ピラティス・ヨガスタジオの開業資金
開業準備を進めるためには、予算が必要です。そこでピラティス・ヨガスタジオ開業資金の相場と内訳を確認しましょう。無駄な経費を削減できるように、開業資金の節約法もご紹介します。
相場
まずピラティス・ヨガスタジオ開業資金の相場は、坪単価20万~50万円程度です。例えば20坪のスケルトン店舗物件を賃貸するなら、400万~1,000万円程度かかります。ただし店舗の立地や物件の種類(居抜きかスケルトン)、設備・機器・什器の台数などによって、開業資金は変動します。
内訳
次にピラティス・ヨガスタジオ開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、20坪のスケルトン店舗物件を賃貸して開業するための資金を試算してあります。
開業資金の内訳 | 各費用の目安 | 各費用の試算 |
物件取得 (敷金や礼金、前賃料など) | 15%程度 賃料の3~6か月分程度 | 60万~120万円程度 賃料20万円で20坪の スケルトン物件 |
店舗デザイン・工事 (内装や外観、設備・ 機器・什器など) | 50%程度 坪単価10万~30万円程度 | 200万~600万円程度 |
諸経費 (開業前の資格や届出・許可、 採用・研修、集客など) | 20%程度 | 80万~160万円程度 |
運転資金 (開業後の光熱水費や 賃料、人件費など) | 15%程度 賃料の3~6か月分程度 | 60万~120万円程度 |
合計 | 100% 坪単価20万~50万円程度 | 400万~1,000万円程度 |
上表のとおり、ピラティス・ヨガスタジオの開業資金においては、店舗デザイン・工事費用が大半を占めます。つまり内装や外観、設備・機器・什器などにこだわるほど、開業資金がかかりますので、ご注意ください。
節約法
そしてピラティス・ヨガスタジオ開業資金の節約法には、相見積もりや補助金・助成金、居抜き物件などがあります。相見積もりを取って各業者の提案(店舗工事の費用や内容、期間など)を比較すれば、無駄な経費を削減しやすいです。
店舗の設備投資や人材育成などに対する補助金・助成金を受給できれば、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。ただし補助金・助成金ごとに申請の条件や期限などが異なりますので、次の記事も併せてご覧ください。
居抜き物件には内装や外観、設備・機器・什器などが施工されているため、スケルトン物件よりも新規工事費用を節約できます。ただし居抜き物件にはデメリットもありますので、次の記事も併せてご覧ください。
ピラティス・ヨガスタジオを開業しよう!
IDEALは、店舗全般のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。
下のキーワードをクリックして、店舗デザインや開業準備などの関連記事もぜひご覧ください。また店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討の際は、ぜひご相談ください。
監修者
-
IDEAL編集部
日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
> IDEALの編集者ポリシー
店舗づくりをプロデュースする「IDEAL(イデアル)」が運営。
新規開業、店舗運営のお悩みや知りたい情報をわかりやすくお届けいたします。