2024.07.19  2024.07.25|新規開業ノウハウ

ペットホテルの開業に失敗する原因とは?自宅での開業や資格・資金・経営者の年収

ペットホテルの開業に失敗する原因とは?自宅での開業や資格・資金・経営者の年収

本記事で、ペットホテルの開業に失敗する原因を解説します。また自宅での開業や開業に必要な資格、開業資金、経営者の年収もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

ペットホテル開業の基本情報

ペットホテル開業の基本情報

ペットホテルの開業準備を計画する前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を確認することで、開業準備を進めやすいからです。それではペットホテルの主なサービスと業態の種類、失敗する原因、経営者の年収をご紹介します。

主なサービス

まずペットホテルの主なサービスは、ペットの一時的な預かりです。時間や日にちなどの長さとケージやケージレスの形で、飼い主から猫や犬などのペットを預かります。ペットホテルの店舗物件については、後ほどご紹介します。

ただし単なる預かりだけではなく、トリミング・しつけなどのサービスやグッズ・サプリメントなどの商品を提供するペットホテルもあります。ペットホテルを含むペットショップの商品やサービスをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

業態の種類(店舗型・自宅型と個人経営・フランチャイズ加盟)

次にペットホテルの業態の種類は、物件の種類によって店舗型と自宅型に分類されます。店舗型ならペットに適した内装をデザインしやすいですが、自宅型なら初期投資を抑えやすいです。

また経営主体によって、ペットホテルの業態の種類は、個人経営とフランチャイズ加盟にも分類されます。個人経営なら自由な方針を立てられますが、フランチャイズ加盟をすれば本部のブランド力やノウハウの活用が可能です。

失敗する原因

それからペットホテルの開業に失敗する原因も確認しましょう。

  • あいまいなコンセプト
  • 開業資金の不足
  • 不適切な立地の選定
  • ケージレスのトラブルによる信用低下
  • 利益率の低い価格設定
  • 優秀な人材の不足
  • ターゲットに合わない集客方法

以上のような原因からペットホテルの開業に失敗しないように、開業準備の段階から予防策を検討しましょう。開業失敗の予防策として、ペットホテル開業の注意点を後ほどご紹介します。

経営者の年収

そしてペットホテル経営者の年収に関する調査結果は、Web上に掲載されていません(2024年6月時点)。ペットホテルの立地や規模、営業日数、店舗数などによって、経営者の年収は変動します。

例えばペットホテル1店舗(1日の売上3万円で利益率50%)を月25日営業するなら、経営者の年収は450万円です。

  • 1日の売上3万円×月25日営業×12か月×利益率50%=450万円

そして上記の利益を出せるペットホテルを2店舗に拡大できれば、経営者の年収は約900万円になります。

  • 1店舗の利益450万円×2店舗=900万円

ペットホテル開業の注意点

ペットホテル開業の注意点

基本情報だけではなく、ペットホテル開業の注意点も確認しましょう。8点(コンセプト設計・事業計画書と開業資金、店舗物件、商品・サービス、動物病院・仕入先、資格・免許・届出・許可、集客活動)をご紹介します。

コンセプト設計と事業計画書作成

まずコンセプト設計と事業計画書作成が、ペットホテル開業の注意点として挙げられます。明確なコンセプトを設計することで、競合店との差別化を図りながら、独自サービスを提供できるからです。

事業計画書は、開業資金の調達や店舗経営の評価・改善などに活用される書類です。市場調査や競合分析をしたうえで、事業計画書を作成しましょう。ペットホテル開業にも活用できる事業計画書の書き方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

開業資金の調達

次に開業資金の調達も、ペットホテル開業の注意点です。開業前の初期投資(物件取得費や内装工事費など)や開業後の運転資金(毎月の光熱水費や人件費など)が不足する場合には、開業資金の調達方法を検討しなければなりません。

開業資金の調達方法には、出資や借入、融資、補助金・助成金などがあります。開業資金を調達する際のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗物件の選定とデザイン・工事

それから店舗物件の選定とデザイン・工事も、ペットホテル開業の注意点です。店舗物件はペットホテルのコンセプトを実現させる手段であり、運転資金において毎月の賃料は大きな割合を占めます。

店舗の外観デザインは、ペットホテルの第一印象を顧客に与え、ブランディングにとって重要です。店舗の内装デザインはペットの快適性や従業員の業務効率などを左右するため、集客と売上に影響します。

商品・サービスの企画と開発とマーケティング

続いて商品・サービスの企画と開発も、ペットホテル開業の注意点です。ペットホテルの主なサービスはペットの預かりですが、集客の向上と売上の安定のために商品・サービスの企画と開発を進めましょう。

店舗のマーケティングは、市場調査から商品・サービスの企画・開発、営業、販売促進までの一連の仕組みをつくる活動です。マーケティング施策を展開して、客単価や集客数、リピート率を改善しましょう。

動物病院との提携や仕入先の選定

また動物病院との提携や仕入先の選定も、ペットホテル開業の注意点です。預かっているペットの事故や病気に備えて、提携先の動物病院を探します。ペットの飼い主である顧客からの信頼を獲得するために、動物病院との提携が重要です。

仕入先は、商品やサービスの価格や品質を保つために重要です。ペットホテルで提供するペットフードや販売するグッズなどの仕入先を選定しましょう。ペットホテルにも活用できる仕入先を選ぶ際のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

資格・免許取得と届出・許可の申請

さらに資格・免許取得と届出・許可の申請も、ペットホテル開業の注意点です。ペットホテルのサービスや店舗物件の規模、従業員の有無などによって、必要な資格・免許・届出・許可が異なります。

  • ペットホテルソムリエやペットシッターアドバイザーなどの資格
  • 動物取扱責任者の資格
  • 第一種動物取扱業の登録
  • 税務に関する手続き(個人事業主の開業届または法人の設立届など)
  • 防火管理者選任届や防火対象設備使用開始届(該当する場合)
  • 社会保険や労働保険の加入手続き(従業員を雇用する場合)

参照元:

日本インストラクター技術協会「ペットシッターアドバイザー資格」

日本生活環境支援協会「ペットホテルソムリエ資格検定」

東京都保健医療局「動物取扱責任者等」

東京都保健医療局「第一種動物取扱業の登録について」

国税庁「個人で事業を始めたとき/法人を設立したとき」

日本年金機構「事業所が健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」

厚生労働省「労働保険の成立手続」

従業員の採用・研修

そして従業員の採用・研修も、ペットホテル開業の注意点です。24時間営業する場合や多店舗展開する場合などには、経営者以外に従業員を採用します。採用する職種や人数、基準などを明確にしたうえで、採用活動を展開しましょう。

開業予定日までに、ペットホテルのサービスや接客対応などに関する研修も計画します。ペットホテルにも活用できる人材採用のコツや研修の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客活動

なお集客活動も、ペットホテル開業の注意点です。ペットホテルを新規出店する場合には、知名度や認知度がありません。開業直後から新規顧客を獲得できるように、開業前から集客活動を展開しましょう。

開業後にリピーターを獲得できるように、オンライン集客(SNSやWeb広告など)とオフライン集客(ポスティングや看板広告など)を組み合わせましょう。ペットホテルにも活用できる店舗の集客に成功した事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ペットホテルの開業事例

注意点に気をつけてペットホテルを開業できるように、参考となる事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(完全個室とドッグラン併設、24時間対応、セルフシャンプー、猫専門)をご紹介します。

完全個室を提供するペットホテル

完全個室を提供するペットホテル

まず「Dyplus OSAKA KITA」は、完全個室を提供するペットホテルです。狭いケージの中でストレスを感じないで済むように、小型から大型までの犬に対応した個室がレイアウトされています。

ペットを預かる前には、飼い主である顧客とのカウンセリングが実施されています。ホテルのサービスだけではなく、一時預かりやしつけのトレーニング、ヨガ・プールなどのアクティビティも提供するペットホテルです。

参照元:

PR TIMES「飼い主とペットの “上質な時間と最高の体験” をお約束する特別な空間、「Dyplus OSAKA KITA(ディプラス大阪北)」が9月16日(土)にグランドオープン!同日にイベント開催!|A’alda Japan 株式会社」

Dyplus OSAKA KITA(ディプラス大阪北)「ドッグシティリゾート」

ドッグラン併設のペットホテル

次に「Link」は、ドッグラン併設のペットホテルです。ドッグランは約200坪の人工芝で、早朝から日没まで提供されています。一般利用だけではなく、パーティーやしつけ教室なども開催されています。

ペットホテルは24時間対応で、安全性を高めるために、犬用と猫用の部屋が分けられ、監視カメラが設置されています。愛玩動物飼養管理士や動物介護士の資格を所持する経営者が店舗兼住宅を新築して開業したペットホテルです。

参照元:山口宇部経済新聞「宇部にドッグラン併設のペットホテル『リンク』 ケージレス、24時間受付」

24時間対応のペットホテル

24時間対応のペットホテル

それから「ONELUKE新潟市中央区店」は、24時間対応のペットホテルです。ケージではなく、個室がレイアウトされています。近隣の動物病院と提携しており、定期的に動物看護士による勉強会も開催されています。

時間単位の一時預かりや宿泊に対応しており、ホテル滞在中のペットは食事や散歩、スタッフとの遊びなどをして過ごします。カットやシャンプーなどのトリミングサービスも提供するペットホテルです。

参照元:

ONELUKE(ワンルーク)新潟市中央区店「ホテル」

にいがた通信「「ガタ子見た」で特典も!新潟初!24時間対応ペットホテル!こだわりのトリミングも!中央区明石にオープンした『ONELUKE 新潟市中央区店(ワンルーク)』で行ってみた。」

セルフシャンプーも提供するペットホテル

続いて「エール」は、セルフシャンプーも提供するペットホテルです。ペットホテル・セルフシャンプー・トリミングのサービスは完全予約制で、ウルトラファインバブルのシャワーが導入されています。

ペットホテルのサービスでは、飼い主である顧客へ、ペットの様子や健康状態がLINEで報告されます。トリマーやドッグシッターの資格を所持し、一時預かりや宿泊に対応するペットホテルです。

参照元:日刊新周南「【下松市】[OPEN]飼い主が安心できる施設目指して ドッグホテル専門店 Dog Houseエール」

猫専門のペットホテル

猫専門のペットホテル

そして「ねこべや」は、猫専門のペットホテルです。他種類の動物がいる空間のケージ内で過ごしてストレスを感じないように、猫だけを個室で預かっています。サロンも併設されており、シャンプーやグルーミングが提供されています。

独立支援制度を運営しており、フランチャイズ加盟店の募集もしているペットホテルです。本部によるサポートを受けながら準備を進められ、戸建てやマンションなどの一室で開業できます。

参照元:

PR TIMES「ねこ専門のペットホテル『ねこべや』が、メディアにも注目の複業フランチャイズを本格開始!|株式会社ペチカ」

ねこべや「猫専門の個室ペットホテル」

ペットホテルの開業資金

ペットホテルの開業資金

事例のようなペットホテルを開業するためには、資金が必要です。そこでペットホテル開業資金の相場と内訳をご紹介します。無駄な経費を削減できるように、開業資金の節約法も確認しましょう。

相場

まずペットホテル開業資金の相場は、坪単価30万~60万円程度です。例えば20坪で賃料月20万円の店舗物件を賃借するなら、600万~1,200万円程度の開業資金がかかります。ただし店舗の立地や物件の種類(居抜きかスケルトン)、オプションサービス(トリミングやグッズ販売)などによって、開業資金は変動します。

内訳

次にペットホテル開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、20坪で賃料月20万円の店舗物件を賃借する際の開業資金を試算してあります。

資金の内訳資金の目安資金の試算
物件取得費
(敷金や礼金、前賃料など)
10%程度
(賃料の3〜6ヶ月程度)
60万〜120万円程度
(賃料月20万円で
20坪の店舗物件)
店舗デザイン・工事費
(内装や外観、設備・
機器・什器など)
70%程度
(坪単価20万〜40万円程度)
420万~840万円程度
諸経費
(開業前の資格や届出・
許可、仕入れ、採用・研修、集客など)
10%程度90万〜180万円程度
運転資金
(開業後の光熱水費や
賃料、人件費など)
10%程度
(賃料の3〜6ヶ月程度)
60万〜120万円程度
合計100%
(坪単価30万~60万円程度)
600万円〜1,200万円程度

上表のとおり、ペットホテルの開業資金においては、店舗デザイン・工事費が大半を占めます。特にトリミングやグッズ販売のスペースもレイアウトする場合には、物件取得費と店舗デザイン・工事費が増加しますので、ご注意ください。

節約法

そしてペットホテル開業資金の節約法には、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取れば、各業者の見積もり(工事の費用や期間など)を比較できるため、無駄な経費を削減しやすいです。

居抜き物件を契約して、店舗の外観や内装、設備・機器・什器などを譲渡してもらえると、店舗デザイン・工事費を削減できます。ただし居抜き物件にはデメリットもありますので、次の記事も併せてご覧ください。

補助金・助成金の申請が通れば、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。例えば「小規模事業者持続化補助金」が、動物取扱業者が活用できる補助金として紹介されています。ただし補助金・助成金ごとに、申請条件が定められていますので、ご注意ください。

参照元:環境省「動物取扱業者が活用できる補助金」

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
店舗づくりをプロデュースする「IDEAL(イデアル)」が運営。
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