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2019.04.25 2023.11.23|新規開業ノウハウ
小売店の開業準備に関する注意点!仕入れ・資格・届出・許可・資金も紹介
本記事で、小売店の開業準備に関する注意点を解説します。仕入れ・資格・届出・許可・資金もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
小売店の開業に関する基本情報
小売店の開業準備を始める前に、まずは基本情報を確認しましょう。基本情報を把握することで、開業準備を進めやすくなるからです。それでは小売店の市場規模と業態の種類、消費者のニーズ、トレンドについて解説します。
市場規模
まず小売店の市場規模は、経済産業省の資料によると、2022年に150兆円程度の販売額だと報告されています。2017年から減少傾向で、コロナ禍(2020年)に急降下しましたが、2021年より増加傾向です。
また小売業販売額の主な内訳も、示されています。
- 百貨店・スーパー :20兆円程度
- コンビニエンスストア:12兆円程度
- 専門量販店 :15兆円程度(家電・医薬品・日用品など)
- 他の業態 :100兆円程度(衣服・燃料・機械・自動車など)
参照元:経済産業省「2022年小売業販売を振り返る」(1ページ)
業態の種類
次に小売店の業態は、経済産業省の資料によると9種類に分類されています。
- 百貨店
- 総合スーパー
- 専門スーパー(衣料品・食料品・住関連など)
- コンビニエンスストア
- ドラッグストア
- その他スーパー(セルフサービス方式の店舗)
- 専門店(衣料品・食料品・住関連など)
- 中心店(衣料品・食料品・住関連など)
- その他小売店
参照元:経済産業省「業態別にみた小売業」
なお小売業以外の業種・業態についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
消費者のニーズ
また小売店に対する消費者のニーズには、ECやキャッシュレス決済などが挙げられます。経済産業省の資料によると、BtoC-ECの市場規模が2010年代に増加傾向です。毎年1兆円以上も増加しています。
参照元:経済産業省「令和3年度電子商取引に関する市場調査報告書」(5ページ)
また電通の調査によると、調査対象の中小企業の半数以上が「2020年にキャッシュレス決済の利用が増えた」と回答しました。店舗側にとっても、業務効率や安全性、衛生性が向上されるため、キャッシュレス決済が歓迎されています。
参照元:電通報「キャッシュレス利用が「増えた」店舗の現実、課題とニーズ」
トレンド
そして小売店のトレンドとして、スマホアプリやDX、サステナビリティなどが挙げられます。スマホアプリに関する調査によると、調査対象者の多くが店舗のスマホアプリをダウンロードしています。
参照元:PR TIMES「小売店アプリについての意識調査 スーパー57%ドラックストア71%がダウンロード」
また店舗DXの定義は、「デジタル技術による店舗経営の仕組みや商品・サービスなどの変革」です。店舗DXを進める流れとポイントについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
そしてサステナブルな店舗をデザインするメリットは、ブランディングや店舗の継続的な成長、世界的な問題解決への貢献などです。サステナブルな店舗をデザインするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
小売店の開業準備に関する注意点
基本情報を確認したうえで、小売店の開業準備に関する注意点も確認しましょう。8点(コンセプトと事業計画、資金調達、物件の選定・デザイン・工事、設備・機器・什器、資格と届出・許可、仕入先、採用・研修、集客活動)をご紹介します。
コンセプトの設計
まずコンセプトの設計が、小売店の開業準備に関する注意点として挙げられます。コンセプトの設計は、店舗経営の基本方針となり、事業計画書に活用できるため、また競合店との差別化を図るために重要です。
そこで開業する小売店のターゲットとする顧客層や取り扱う商品・サービスなどを検討しましょう。店舗のコンセプトを設計する方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
事業計画書の作成
次に事業計画書の作成も、小売店の開業準備に関する注意点として挙げられます。事業計画書を作成する目的は、開業資金を調達するため、また経営戦略やコンセプトを説明するため、そして経営を評価して改善するためです。
そこで事業計画書の記載事項(経営者の経歴や小売店の事業目的など)を整理しておきましょう。小売店の開業にも活用できる事業計画書の書き方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
開業資金の調達
また開業資金の調達も、小売店の開業準備に関する注意点です。自己資金だけで不足する場合には、開業資金の調達方法(出資や借入、融資、補助金・助成金など)を検討しましょう。
例えば融資は、日本政策金融公庫や民間金融機関、地方自治体などによって運営されています。開業資金を調達するポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
店舗物件の選定
また店舗物件の選定・デザイン・工事も、小売店の開業準備に関する注意点です。店舗物件は、コンセプトを実現させる手段であり、賃料が運転資金の中で大きな割合を占めるため、集客や売上に大きく影響します。
そこで市場調査を踏まえて出店エリアを絞り、不動産会社や商工会議所などに物件探しを相談しましょう。店舗物件探しのコツや注意点などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
内装と外観のデザイン・工事
また店舗物件の選定・デザイン・工事も、小売店の開業準備に関する注意点です。業者と相談しながら、コンセプトに基づいて内装や外観、設備・機器・什器などをデザインしたうえで、店舗内に施工します。
なお小売店の内装と外観をデザイン・工事するためには、数か月の期間が必要です。店舗内装デザイン・工事の注意点や施工事例などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
設備・機器・什器の手配
それから設備・機器・什器の手配も、小売店の開業準備に関する注意点です。内装と外観をデザインして、設備・機器・什器の種類や台数を決めたら、量販店や専門業者などに発注しましょう。
特に小売店においては、取り扱う商品の魅力を引き立てるために、什器(陳列棚や会計カウンターなど)のデザイン性が重要です。店舗におしゃれな什器を選ぶポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
資格と届出・許可
続いて資格と届出・許可も、小売店の開業準備に関する注意点です。小売店の開業に必要な資格と届出・許可をリストにまとめましたので、ご確認ください。
- 開業届または法人設立届
- 納税に関する届出
- 労働保険の加入
- 社会保険の加入
- 古物商許可申請
- 一般型輸出物品販売場許可
- 一般酒類小売業免許
ただし小売店の取り扱う商品や業態に応じて、必要な資格と届出・許可が異なります。上記の資格と届出・許可について、後ほど詳しくご紹介します。
仕入先の選定
そして仕入先の選定も、小売店の開業準備に関する注意点です。小売店の取り扱う商品やサービスの価格や品質を保つために、仕入先の選定が重要です。取り扱う商品に応じて、仕入先の種類(製造販売元のメーカーや卸売業者、オンラインショップなど)が異なります。
そこで品質や品揃え、ブランド力、卸売価格、供給の安定性などを考慮して、仕入先を選定しましょう。店舗経営の仕入先を選ぶ際のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
人材の採用・研修
さらに人材の採用・研修も、小売店の開業準備に関する注意点です。小売店の営業を従業員に任せる場合や複数の店舗に拡大させる場合には、採用活動を計画します。採用したい人物像を明確にしたうえで、求人広告を出しましょう。
そして小売店の営業マニュアルを作成したうえで、開業の数週間前から従業員の研修を実施します。店舗経営における人材採用のコツや研修の注意点などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
集客活動の計画
なお小売店の開業準備に関する注意点として、集客活動の計画も挙げられます。小売店の開業当初から新規顧客を獲得するためには、開業前からの集客活動が必要です。ターゲットとする顧客層に適した集客方法を検討しましょう。
店舗の集客活動には、主にオンライン(SNSやブログなど)とオフライン(ポスティングや交通広告など)の集客方法があります。店舗の集客に成功した事例などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
小売店の開業に必要な資格と届出・許可
開業準備に関する注意点に、資格と届出・許可が含まれていますが、特に重要です。取り扱う商品・サービスに応じて、必要な資格と届出・許可が異なります。そこで小売店の開業に必要な資格と届出・許可について、目的や申請方法を確認しましょう。
開業届または法人設立届
まず開業届または法人設立届は、小売店の開業に必要な届出です。個人事業主として小売店を開業するなら、開業の日から1か月以内に、納税地の所轄税務署へ開業届を申請しなくてはなりません。
一方で法人なら、法人設立の日以後2か月以内に、納税地の所轄税務署に、法人設立届を申請しなくてはなりません。店舗数や従業員数、目標売上などを考慮して、事業形態を検討しましょう。
参照元:国税庁「個人で事業を始めたとき/法人を設立したとき」
納税に関する届出
次に納税に関する届出も、小売店の事業形態(個人事業主と法人)によって異なります。納税に関する主な届出をリストにまとめました。
- 事業開始等申告書 (個人事業主の場合)
- 法人設立・設置届出書 (法人の場合)
- 青色申告承認申請書 (希望する場合)
- 給与支払事務所等の開設届出書 (該当する場合)
- 適格請求書発行事業者の登録申請書(希望する場合)
上記の届出ごとに申請の方法や時期が異なりますので、各事業形態に求められる届出を確認しましょう。
参照元:
労働保険の加入
また労働保険の加入も、小売店の開業に必要な届出です。従業員を雇用する場合には、労災保険と雇用保険に加入しなければなりません。労働保険の加入に必要な主な届出をご確認ください。
- 保険関係成立届
- 概算保険料申告書
- 雇用保険適用事業所設置届
- 雇用保険被保険者資格取得届
上記の届出ごとに申請の方法や時期が異なりますので、ゆとりをもって手続きを進めましょう。なお手続きを怠ったまま事業を開始すると、追徴金を徴収されますのでご注意ください。
参照元:厚生労働省「労働保険制度」
社会保険の加入
そして社会保険の加入も、小売店の開業に必要な届出です。以下の条件に当てはまる小売店は、健康保険と厚生年金保険に加入しなければなりません。
- 常時従業員を使用する法人(事業主のみの場合を含む)
- 常時5人以上の従業員が働いている事務所や工場、商店などの個人事業主
上記の条件を満たしてから5日以内に、年金事務所へ必要書類を提出しましょう。ただし事業形態(個人事業主と法人)によって、添付書類が異なります。
参照元:日本年金機構「事業所が健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」
古物商許可申請
それから古物商許可申請は、小売店の開業に必要な許可です。古物営業法に定められた古物(一度使用された美術品や商品券、切手や手入れされた未使用品など)を売買・交換する小売店は、古物商許可を取得しなければなりません。
古物商許可を取得するためには、営業所の所在地を管轄する警察署に、申請書と添付書類を申請します。申請には手数料がかかり、事業形態(個人事業主と法人)によって添付書類が異なります。
参照元:警視庁「古物商許可申請」
一般酒類小売業免許
続いて一般酒類小売業免許は、酒税法に定められた酒類を販売する小売店の開業に必要な許可です。無免許で営業した場合には、懲役や罰金などを科されますので、ご注意ください。酒類とは、アルコール分1度以上の飲料です。
参照元:国税庁「お酒に関するQ&A(よくある質問)【総則】」
一般酒類小売業免許を取得するためには、小売店の所在地を管轄する税務署へ、申請書と添付書類を申請します。
参照元:国税庁「一般酒類小売業免許申請の手引」(4-5ページ)
一般型輸出物品販売場許可
なお一般型輸出物品販売場許可は、免税店として免税物品を販売する小売店の開業に必要です。免税物品には、5千円以上の家電や衣料品、バッグ、5千円以上50万円以下の食料品や医薬品、化粧品などが含まれます。
参照元:国税庁「輸出物品販売場制度に関するQ&A」(24‐28ページ)
一般形輸出物品販売場許可を取得するためには、納税地を管轄する税務署へ、許可申請書と添付書類を提出しましょう。手数料はかかりません。
参照元:国税庁「[手続名]一般型輸出物品販売場許可申請手続」
小売店の開業資金
小売店の開業準備を進めるためには、開業資金が必要です。資金計画を立てられるように、小売店の開業資金の相場と内訳をご紹介します。無駄な経費を削減できるように、開業資金の節約法も確認しましょう。
相場
まず小売店の開業資金の相場は、坪単価20万~50万円程度です。20坪のスケルトン物件なら、400万~1,000万円程度かかります。ただし物件の立地や規模、設備・機器・什器の種類や台数などに応じて、開業資金は変動します。
内訳
次に小売店の開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、20坪のスケルトン物件にかかる資金を試算してあります。
資金の内訳 | 各費用の目安 | 費用の試算 |
物件取得費 (敷金・礼金・前賃料など) | 全体の10%程度 (賃料の3~6か月分) | 40万~100万円程度 (20坪で賃料月20万円のスケルトン物件) |
店舗工事費 (外観・内装・設備・ 機器・什器など) | 全体の70%程度 (坪単価15万~35万円程度) | 300万~700万円程度 |
諸経費 (開業前の資格・届出・ 許可・採用・研修など) | 全体の10%程度 | 40万~100万円程度 |
運転資金 (開業後の賃料・光熱水費・ 人件費・集客費など) | 全体の10%程度 (賃料の3~6か月分) | 40万~100万円程度 |
合計 | 100% (坪単価20万~50万円程度) | 400万~1,000万円程度 |
上表のとおり、小売店の開業資金においては、店舗工事費が大半を占めます。したがって小売店の外観や内装、設備・機器・什器にこだわるほど、開業資金は増加します。
節約法
そして小売店の開業資金の節約法には、補助金・助成金や相見積もり、居抜き物件などがあります。小規模事業者持続化補助金などを受給できると、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。ただし補助金・助成金ごとに、申請の条件や方法は異なります。
相見積もりを取ることで、複数の業者の提案する工事の内容や費用、期間などを比較できるため、無駄な経費を削減できます。相見積もりを取る際には、各業者に同じ希望条件(予算や設備・機器・什器の種類など)を提示しましょう。
居抜き物件を選ぶと、前借主や所有者から外観・内装・設備・機器・什器などを引き継げるため、新規工事費用を節約できます。ただし居抜き物件にはデメリットもありますので、次の記事を併せてご覧ください。
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監修者
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IDEAL編集部
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