内装設備や備品を残したまま売却…
2020.09.30 2023.04.12|店舗デザイン
小さいテイクアウト専門店をデザインするポイント!メリット・物件探し・事例
本記事で、小さいテイクアウト専門店をデザインするポイントを解説します。小さいテイクアウト専門店のメリットや物件探し、施工事例もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
小さいテイクアウト専門店をデザインするメリット・デメリット
本記事では、小さいテイクアウト専門店の広さを10~15坪程度と想定しています。集客と売上を伸ばせるように、メリットを活かしデメリットを対策したうえで、小さいテイクアウト専門店をデザインしましょう。
メリット①物件の取得費や賃料を抑えやすい
小さいテイクアウト専門店をデザインするメリットとして、まず物件の取得費や賃料を抑えやすい点です。テイクアウト専門店にはダイニングフロアが不要なため、調理スペースや食材保管スペース、注文スペースをレイアウトできる広さで済みます。
したがってイートインを提供する店舗よりもスペースが必要なく、物件の取得費や月々の賃料を抑えられます。より初期費用と運転資金を抑えて開業したい場合に向いている業態です。
メリット②人件費も抑えやすい
次に人件費を抑えやすい点も、小さいテイクアウト専門店をデザインするメリットです。
テイクアウト専門店には料理の配膳やダイニングテーブルの片づけなどが必要ないため、イートインを提供する店舗よりも従業員数を減らせます。
人件費は、店舗の運転資金(固定費)に含まれます。運転資金をできるだけ抑えることで、利益率を増やせます。小さいテイクアウト専門店であれば、毎月の賃料を抑えられる分だけ、イートインを提供する店舗よりも利益率を上げやすいです。
メリット③受注量を増やしやすい
そして受注量を増やしやすい点も、小さいテイクアウト専門店をデザインするメリットです。イートインを提供する店舗とは異なり、小さいテイクアウト専門店は座席の回転数を気にする必要がありません。在庫がある分だけ注文を受けられるため、受注量を増やせます。
また受け取り時間を予約制にすることで、大量のテイクアウト注文にも対応できます。注文が多い時間帯に調理担当者を増やすことで、効率的に注文を受けることが可能です。
デメリット①テイクアウトに向かないメニューがある
一方で小さいテイクアウト専門店をデザインするデメリットとして、テイクアウトに向かないメニューがあります。例えば高級素材で作る料理や鮮度を失いやすい料理などが挙げられます。
一般的にテイクアウトを好む顧客は、価格を抑えて簡単に購入することや調理時間を減らして食事を済ませたいことを求めています。したがってテイクアウト専門店には、お手頃価格のメニューや冷めても美味しさを保てるメニュー、再加熱できるメニューなどが必要です。
なお飲食店の原価率が低いメニューを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
デメリット②客単価が低くなりやすい
また客単価が低くなりやすい点も、小さいテイクアウト専門店をデザインするデメリットになります。お手頃価格のメニューに対する需要があるだけではなく、テイクアウト用の割り箸や容器などの消耗品費がかかるからです。
そこで消耗品費を抑えて利益率を高めるために、容器や割り箸の価格を検討しなければなりません。ただし店舗のブランディングに影響するため、おしゃれなデザインや環境負荷を考慮した素材を取り入れましょう。
小さいテイクアウト専門店をデザインする物件を選ぶコツ
理想的な店舗をデザインするためには、物件選びが重要です。店舗全般に通じる物件の探し方については、次の記事をご覧ください。
本記事では、小さいテイクアウト店舗に焦点を絞って、物件を選ぶコツをご紹介します。
物件取得費の予算を立てる
小さいテイクアウト専門店をデザインする物件を選ぶコツとして、まず物件取得費の予算を立てましょう。物件取得費は、立地や床面積などによって変動します。
物件取得費の内訳は、次のとおりです。
- 保証金と敷金
- 礼金や仲介手数料
- 前賃料
- 造作譲渡料や手数料(居抜き物件の場合)
保証金と敷金は賃料の6〜10ヶ月分程度で、礼金や仲介手数料は賃料の1-3ヶ月分程度が目安です。また利益率を上げるためには、前賃料を売上の10%程度に抑えなくてはなりません。そして居抜き物件に残された内装や設備を譲渡してもらう際には、造作譲渡料や手数料がかかります。
人通りが多く交通の便が良い立地を選ぶ
次に人通りが多く交通の便が良い立地を選ぶ点も、小さいテイクアウト専門店をデザインする物件を選ぶコツです。交通の便と立地が、注文数に影響するからです。またデリバリーサービスに対応するためにも、宅配ドライバーが移動しやすい場所を選びましょう。
例えば仕事帰りのサラリーマンやOLをターゲットにするなら、オフィス街や駅前などが適しています。また地域とのつながりを大切にするなら、住宅街や商店街などを選びます。立地を選ぶためには、小さいテイクアウト専門店のコンセプトを明確にしましょう。
10~15坪の物件を探す
また10〜15坪の物件を探す点も、小さいテイクアウト専門店をデザインする物件を探すコツです。厨房や注文カウンターなどを10〜15坪のフロアにレイアウトできると、物件取得費や月々の賃料を節約できます。
ただし提供するメニューや従業員数などに応じて、さらに狭い店舗物件でも開業可能です。また会計や受け渡し、備品保管などのスペースも考慮してください。
店外で顧客が並びやすい物件を選ぶ
それから店外で顧客が並びやすい物件を選ぶ点も、小さいテイクアウト専門店をデザインする物件を選ぶコツです。店舗内に入れる顧客の数は限られるため、店外で並んで待ってもらう必要があります。
顧客の列が近隣の住民や店舗へ悪影響をもたらすと、店舗営業に支障をきたします。そのため店外の歩行者の数や車の走行量を調査して、近隣に迷惑をかけず、顧客が安全に待機できる物件を選びましょう。
居抜き物件を選ぶ
そして居抜き物件を選ぶ点も、小さいテイクアウト専門店をデザインする物件を選ぶコツです。居抜き物件に前借主が施工した内装や設備が残されていれば、造作譲渡料を支払うことで工事費を節約できます。またダイニングフロアがレイアウトされていても、備品保管や事務のスペースとして活用できます。
居抜き物件を選ぶときは、メニューや注文量に対応できる厨房の広さや厨房設備の有無を確認してください。居抜き物件のメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
シェアキッチンやゴーストレストランも候補にする
なお小さいテイクアウト専門店をデザインする物件を選ぶコツとして、シェアキッチンやゴーストレストランも候補にしてみましょう。
シェアキッチンを利用すれば、厨房を複数の飲食店とシェアできるため、店舗工事や賃料などの経費を抑えられます。他にもシェアキッチンを利用して開業するメリットを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
またゴーストレストランは、実店舗の存在しない飲食店の業態です。経費を抑えながら、テイクアウト・デリバリーに特化して営業できます。他にもゴーストレストランのメリットを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
小さいテイクアウト専門店をデザインするポイント
小さなテイクアウト専門店をデザインする物件を選べたら、デザインするポイントを押さえましょう。集客と売上を伸ばせるように、細部にこだわって店舗をデザインする必要があります。
ショーケースでメニューをアピールする
小さいテイクアウト専門店をデザインするポイントとして、まずショーケースでメニューをアピールする点が挙げられます。ひと目見ただけで「何を販売しているのか」が分かることはもちろん、顧客の購買意欲を掻き立てる陳列方法も意識してください。
例えばテイクアウト弁当店なら、サンドイッチやお惣菜などを種類別に並べると、分かりやすくなります。レジカウンター付近にキャンペーンや割引などの情報を掲載することで、売上向上を期待できます。
注文・テイクアウト用カウンターを広くしない
次に注文・テイクアウト用カウンターを広くしない点も、小さいテイクアウト専門店をデザインするポイントです。テイクアウト専門店のフロア面積は限られているため、カウンターを広くレイアウトすると、厨房や保管などのスペースを確保できなくなる恐れがあります。
注文・テイクアウトカウンターの用途は、商品の受注と提供です。テイクアウトカウンターに従業員数名が作業できるスペースを確保して、必要以上に広げないようにご注意ください。カウンター席をデザインするコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
SNS映えを意識する
またSNS映えを意識する点も、小さいテイクアウト専門店をデザインするポイントです。顧客に店舗の写真を撮影してSNSや口コミサイトなどへ投稿してもらえると、良い評判がシェアされて集客を見込めます。
そこでSNS映えを意識して、メインメニューをイメージさせるデザインを店舗に取り入れましょう。例えばインドカレーのテイクアウト専門店なら、現地の写真やアート、香辛料のサンプルなどが合います。
なおSNS以外にも店舗へ集客する方法を紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
什器や備品、消耗品にこだわる
また什器や備品、消耗品にこだわる点も、小さいテイクアウト専門店をデザインするポイントです。例えば顧客用にテーブルを置く場合は、2名程度で利用できる長方形タイプが合います。背もたれがないタイプを選ぶと、限られたフロアに置いても圧迫感を与えにくいからです。
またテイクアウトメニューを描く黒板やコルクボード、優しい光の間接照明、スペースを取らない観葉植物なども、小さいテイクアウト専門店に合います。そしてテイクアウト用の容器や包装紙、紙袋などをおしゃれにデザインすると、リピーター獲得を期待できます。
店舗におしゃれな什器を選ぶポイントを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
調理しやすい動線を設計する
また調理しやすい導線を設計する点も、小さいテイクアウト専門店をデザインするポイントとして忘れてはなりません。フロア面積が限られているため、従業員が効率的に作業できる動線や顧客が注文と受取をしやすい動線の確保が必要です。
したがって少人数の従業員で接客から調理、商品への提供、会計までをスムーズに行えるように、従業員同士や従業員とスタッフが交差しないように、動線を設計しましょう。店舗の導線を設計する際の注意点はを解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。
厨房の調理風景を見せる
そして厨房の調理風景を見せる点も、小さいテイクアウト専門店をデザインするポイントです。カウンター越しに厨房の調理風景を顧客に見せることで、食品の衛生管理や調理のパフォーマンスをアピールでます。
テイクアウト専門店の厨房には、調理するメニューに応じてシンクや調理台、ガスコンロなどの設備が必要です。飲食店に必要な厨房の設備機器・什器をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
インパクトのある外観にする
さらにインパクトのある外観にする点も、小さいテイクアウト専門店をデザインするポイントになります。ダイニングフロアのないテイクアウト専門店では、内装デザインで他店との差別化を図りづらいからです。
したがってイートインの店舗よりも、外観のデザインが重要になります。例えばファサードに派手な装飾やアットホームなデザインを取り入れて、インパクトを出す必要があります。店舗のファサードをデザインするポイントを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。
店舗をアピールできる看板を設置する
なお小さいテイクアウト専門店をデザインするポイントとして、店舗をアピールできる看板を設置する点も挙げられます。特に小さいテイクアウト専門店は、大規模な店舗に比べて露出しづらいからです。
そこでファサードに看板をデザインして、通行人やドライバーらに店舗の存在をアピールしましょう。例えばメニューのイラストや割引・キャンペーンの情報などを看板に入れるとよいです。飲食店看板デザインのコツを解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。
小さいテイクアウト専門店のデザイン事例
理想的なテイクアウト専門店をデザインできるように、事前にデザイン事例を調査しましょう。事例を調査することで、より具体的に自店舗をイメージできます。本記事では小さいテイクアウト専門店の事例を数点取り上げて、デザインポイントをご紹介します。
顧客の前でコーヒーを淹れるコーヒーショップ
「Blieves cafe」様は、神奈川県川崎市にあり、2坪ほどの小さなテイクアウト専門店です。顧客の前でコーヒーを淹れるコーヒーショップなので、衛生面の安心感やコーヒー製造のライブ感が出ています。
内外装には白のタイルやアッシュ材が使用されて、愛らしさが表現。茶や緑などのアースカラーが配置され、ナチュラルな雰囲気も演出されています。優しい色合いの照明や店舗ロゴが描かれた扉などが、店舗の存在をアピールしています。
参照元
インパクトのあるファサードのスイーツ店
「COLORE CREPE&COTTONCANDY」様は、東京都台東区にある小さいテイクアウト専門店。レトロアメリカンな看板がデザインされており、インパクトのあるファサードのスイーツ店です。
黒やピンク、赤などの原色がファサードに配置されており、店舗の存在が分かりやすいです。また垂れ幕にクレープやドリンクがデザインされており、販売されているメニューもアピールされています。
ショーケースでアピールするケーキ屋
引用元:エキマルスイーツ「山科店 – 期間限定で入れ替わるスイーツ店」
「エキマルスイーツ山科店」様は、京都府京都市にあります。ショーケースでアピールするケーキ屋で、商品がライトアップされています。内装にはベージュとブラウンが配色されており、ケーキの色合いが引き立てられています。
なお限られたフロア内に、顧客が商品を選んだり、会計したりできるスペースがレイアウトされています。駅前に立地しているため、電車を乗り降りする人が素早く購入できます。
集客できる小さいテイクアウト専門店をデザインしよう!
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監修者
-
IDEAL編集部
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