2023.07.27  2023.07.28|内装工事

店舗の電気工事とは?電気工事の流れ・注意点・費用をご紹介!

店舗の電気工事とは?電気工事の流れ・注意点・費用をご紹介!

本記事で、店舗電気工事の目的や種類、資格を解説します。電気工事の流れや注意点、費用もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

店舗の電気工事とは?

店舗の電気工事とは?

そもそも店舗の電気工事には、どういった目的があるのでしょうか?そこで店舗工事の基本情報として、電気工事のメリットやデメリット、種類、資格と併せてご紹介します。目的を明確にしたうえで、店舗の電気工事を計画しましょう。

目的

まず店舗電気工事の目的は、店舗内への電力供給です。電気の回線・スイッチ・コンセントや電話・インターネットの回線などが新設・増設・整理されることで、電化製品(パソコンやプリンター、エアコンなど)や通信設備(電話やインターネットなど)などを使用できます。

例えば電気容量や電源コンセントの数が不足している店舗物件では、空調や照明などの設備を増やすことができません。そのため電気容量の増設工事を行ってから、必要な設備の工事を計画しなくてはなりません。

種類

次に店舗電気工事の種類もご紹介します。

  • 業務用電源(分電盤や電気配線など)の新設
  • コンセント・スイッチの増設や電気配線の整理
  • 通信回線(電話やインターネットなど)

家庭用電源では店舗営業に必要な業務用設備・機器に対応できない場合に、業務用電源の施工が必要です。また空調や照明などの設備を施工する際に、コンセント・スイッチの増設や電気配線の整理をします。そして通信回線を施工する(電気通信工事)と、電話やインターネットなどの利用が可能です。

資格

また店舗電気工事の資格として、電気工事士が挙げられます。第二種電気工事士(住宅や店舗などを対象)と第一種電気工事士(向上やビルなどを対象)の2種類です。

参照:一般財団法人電気技術者試験センター「電気工事士の資格と範囲」

もし無資格者に電気工事を依頼すると、施工不良から店舗内の従業員や顧客に危険が及ぶ恐れがあります。また無資格者による工事は、違法行為として罰せられます(一年以下の懲役もしくは十万円以下の罰金または併科)。

参照:e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律 」第36条

メリット

そして店舗電気工事のメリットは、業務効率化とコスト削減などです。例えば業務内容に応じて店舗の電気配線と電化製品などを整理することで、接客や製造、調理などの業務を行いやすくなります。

また省エネ性能の高い照明器具や調理器具などを導入するために、コンセント増設や業務用電源新設などを行うことで、長期的な経費の削減を期待できます。後ほど店舗電気工事費用の相場や内訳、節約法をご紹介します。

デメリット

ただし店舗電気工事のデメリットとして、工事の費用と期間がかかります。電気設備の工事費はもちろん、工事業者の選定や相談には従業員の人件費が必要です。また工事後にメンテナンス費用が掛かる場合もあります。

そして数時間で完了される電気工事は店舗営業にあまり影響を与えませんが、数日や数週間を要する工事には店舗の休業が必要です。休業している間には売上を獲得できないため、工事の期間にご注意ください。

店舗電気工事の流れ

店舗電気工事の流れ

基本情報を踏まえたうえで、店舗電気工事の流れも押さえましょう。店舗電気工事の目的から予算化、業者選び、依頼、進捗確認、立ち合い検査、引き渡し、メンテナンスまでの流れをご紹介します。

工事の目的と予算を決める

まず店舗電気工事の流れは、工事の目的と予算を決める作業から開始されます。店舗営業の課題(電気配線の整理や電気容量の増設など)を洗い出すことで、工事の目的が明確になります。

また工事業者に相談する前に、電気工事の予算を立てておきましょう。予算内で優先的に工事する内容を決めるためです。ただし緊急性が高い電気トラブル(漏電など)が発生した場合は、ただちに工事業者に連絡しなくてはなりません。

工事業者を選ぶ

次に店舗電気工事の目的と予算を踏まえ、工事業者を選びます。各業者に対応できる電気工事の内容は異なる(業務用電源やコンセントの増設、通信回線など)ため、公式サイトや口コミなどを調査しましょう。

特に「有資格者が在籍しているか」「損害賠償保険に加入しているか」「アフターフォローやメンテナンスが充実しているか」を確認してください。丁寧に対応してくれる工事業者なら、電気工事の希望条件を相談しやすいです。

なお電気設備を含む店舗工事に対応できる業者をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

工事を依頼する

そして選んだ工事業者と契約して、店舗の電気工事を依頼しましょう。契約する前には、電気工事の目的と予算などの希望条件を伝え、工事業者に店舗を下見してもらい、見積もりを出してもらいます。

受け取った見積もりに基づいて、工事の日程や内容について相談します。工事に対する疑問点があれば、契約前に確認してください。納得できる条件に調整したうえで、工事を依頼しましょう。

工事の進捗を確認する

いよいよ契約した日程で工事が開始されたら、店舗電気工事の進捗を確認しましょう。工事業者に任せきりにしないで、進捗や施工の状態をチェックすることが必要です。

もちろん工事後には立ち合い検査が行われますが、問題を早期に発見することで、素早く改修や変更を判断できます。工事業者と密にやり取りしながら、店舗電気工事を進めましょう。

立ち合い検査と引き渡しが行われる

それから店舗電気工事の完了後には、立ち合い検査と引き渡しが行われます。「電気設備に施工不良はないか」「ネットワーク回線の速度は遅くないか」など、依頼した工事の達成状況を確認しましょう。

工事に不備が見つかった場合には、改修工事を相談しなければなりません。引き渡し後には有償対応を求められる条件もありますので、ご注意ください。また特別な操作が必要な電気設備やネットワーク回線設備については、使用方法のレクチャーを受けましょう。

定期的にメンテナンスする

なお店舗電気工事の引き渡し後には、定期的にメンテナンスをします。事故や故障を未然に防ぎ、店舗営業の損益を抑えられるからです。工事を依頼した業者に対応してもらえると、スムーズなメンテナンスを期待できます。

また電気設備に気になる点(「動作が遅い」「異音がする」など)があれば、すぐに工事業者に連絡しましょう。問題のある設備・機器の使用を中止し、店舗内の従業員と顧客の安全を第一に考えた対応が必要です。

店舗電気工事の注意点

店舗電気工事の注意点

店舗電気工事の流れだけではなく、店舗電気工事の注意点もご紹介します。スケジュールと電気容量、設備・機器、コンセント、通信設備、機能性とデザイン性に関する注意点を取り上げます。

ゆとりあるスケジュール

まず店舗電気工事の注意点として、ゆとりのあるスケジュールが挙げられます。ゆとりのないスケジュールを組んでしまうと、急いで工事を進めなければならず、施工や検査が疎かになる恐れがあるからです。

特に新規店舗の開業準備においては、電気工事の遅れは内装工事や採用業務などにも悪影響をもたらします。ただし店舗物件を賃借する日から賃料が発生しますので、工期と予算を検討してください。

必要な電気容量を確認する

次に必要な電気容量を確認する点も、店舗電気工事の注意点です。一般的な業務用の設備・機器は、家庭用の設備・機器よりも消費電力が多いため、家庭用電源に対応していません。

特に業種特有の設備・機器が使用される店舗(飲食店や美容院など)の営業には、電気容量が求められます。また業務用の空調設備も電力を消費しやすいため、次の記事も併せてご覧ください。

コンセント・スイッチの数と施工場所

またコンセント・スイッチの数と施工場所も、店舗電気工事の注意点です。業者に相談する前に、電源を必要とする設備・機器の台数を数えましょう。業種・業態に応じて、受付システムや客席、トイレ、会計レジなどにコンセント・スイッチが必要です。

なおテーブルやカウンターなどにコンセント・スイッチを埋め込むためには、造作家具のオーダーを検討しましょう。造作家具について解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。造作家具のメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

電化製品の数と施工場所

そして電化製品の数と施工場所も、店舗電気工事の注意点です。店舗の業種・業態に応じて、営業に必要な電化製品の数と施工場所は異なります。例えば飲食店においては、熱源が集中する厨房には大きな空調設備が必要です。

また小売店やサロンにおいては、商品の陳列や施術の内容に応じて、必要な照明や施術の器具の数と施工場所が変わります。店舗のおしゃれな照明デザインをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

通信設備・機器の数と施工場所

それから通信設備・機器の数と施工場所も、店舗電気工事の注意点です。店舗の業種・業態に応じて、営業に必要な通信設備・機器の数と施工場所は異なります(POSレジや顧客用のフリーWi-Fi、キッチンプリンター、タブレット端末など)。

例えば店舗の内装デザインを害さないように、Wi-Fiアクセスポイントを天井に取り付ける方法があります。店舗の天井をデザインするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

機能性とデザイン性

なお機能性とデザイン性も、店舗電気工事の注意点です。施工する電気設備(業務用電源やコンセント、電気配線、通信回線など)の機能性はもちろん、デザイン性に注意することで、内装デザインのバランスを保てます

例えば内装のテイストに、コンセントやスイッチの形状や配色を合わせることで、おしゃれな壁をデザインできます。店舗のおしゃれな壁をデザインするコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗電気工事の費用

店舗電気工事の費用

店舗電気工事を依頼するためには、必要な予算を確保しなくてはなりません。そこで店舗電気工事の相場と内訳をご紹介します。経費の無駄を省けるように、節約法も取り上げます。

相場

まず店舗電気工事費用の相場は、坪単価1ー5万円程度です。ただし店舗物件の規模や施工する設備・機器の種類・数などによって、工事費用は変動します。

なお店舗内装工事の種類と費用をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

内訳

次に店舗電気工事費用の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、10坪のスケルトン物件にかかる費用を試算してあります。

費用に内訳費用の相場10坪のスケルトン物件
諸経費
(デザインや施工監理、交通費など)
合計の10%程度3万円程度
業務用電源
(分電盤や電気配線など)
1台5万~10万円程度5万円程度(1台)
コンセントやスイッチ1個3,000~5,000円程度10万円程度(20個)
インターホン1台1万~3万円程度2万円程度(1台)
電話
(回線と設備)
1回線5万~10万円程度5万円程度(1回線)
インターネット
(回線と設備)
1回線5万~10万円程度5万円程度(1回線)
合計100%
坪単価1-5万円程度
30万円程度

上表のとおり、施工する設備(分電盤や電気配線、コンセント・スイッチ、インターフォン、電話、インターネットなど)の種類と数量に応じて、工事費用は変動します。居抜き物件に施工された設備の交換や修繕を行う場合には、撤去や解体の費用も必要です。

節約法

そして店舗電気工事費用の節約法をご紹介します。

  • 相見積もりを取る
  • ワンストップで対応できる業者を選ぶ
  • 居抜き物件を活用する

相見積もりを取ることで、複数の業者が提案する工事の内容と費用を比較できます。合計金額だけではなく、アフターフォローやメンテナンスの費用も考慮しましょう。

ワンストップで対応できる業者を選ぶことで、工事にかかる時間や手数料を削減できます。特に店舗開業前には、内装工事や設備工事も必要です。

そして居抜き物件を活用することで、前借主の施工した内装や設備・機器(電気や空調、照明、厨房など)、什器などの工事費用を削減できます。ただし居抜き物件にはメリット・デメリットがありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗の電気工事を計画しよう!

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監修者

IDEAL編集部

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