2024.01.08  2023.12.05|新規開業ノウハウ

コインランドリーの開業準備!資格・失敗する原因の対策・開業資金・補助金

コインランドリーの開業準備!資格・失敗する原因の対策・開業資金・補助金

本記事で、コインランドリーの開業準備について解説します。資格・失敗する原因と対策・開業資金・補助金もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

コインランドリー開業の基本情報

コインランドリー開業の基本情報

コインランドリーの開業を検討する前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を把握したうえで、準備を開始できるからです。それではコインランドリーの市場規模や業態、メリット・デメリット、独自サービスをご紹介します。

市場規模

まずコインランドリーの市場規模は、2019年時点で1,000億円程度です。日本国内の洗濯労働市場(約5.2兆円)の約2%を占めていました。

参照元:J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]「コインランドリー | 業種別開業ガイド」

またコインランドリーの店舗数は、2013年時点で約17,000店舗です。2001年から4,000店舗が増加しました。クリーニング店(約12万舗)の約15%を占めていました。

参照元:

厚生労働省「コインオペレーションクリーニング営業施設に関する調査(施設数)」

日本クリーニング新聞「クリーニング所施設数の年別推移」

メリット・デメリット

またコインランドリーを開業するメリットは、安定した需要やランニングコストの低さなどです。洗濯に対するニーズは季節や時代の影響が少ないため、安定的に集客を期待できます。店舗を省人化や無人化させることで、人件費を抑えられます。ただし無人店舗にはメリット・デメリットがありますので、次の記事も併せてご覧ください。

一方で初期投資の高さや犯罪のリスクなどは、コインランドリーを開業するデメリットです。一台数十万円の洗濯乾燥機を複数配置するだけでも、設備費用がかかります。また24時間営業の無人店舗においては、盗難や器物破損などの犯罪リスクがあります。

業態(個人とフランチャイズ)

次にコインランドリーの業態は、個人店舗とフランチャイズ店舗に分けられます。個人店舗の経営においては、経営者の方針に沿って事業を展開できます。ただしサービスの企画や集客活動などのノウハウを獲得しなければなりません。

一方で、フランチャイズ店舗の経営においては、蓄積されたノウハウを共有することで、開業準備や集客をスムーズに進めやすいです。ただしフランチャイズへの加盟料やロイヤリティなどのコストがかかります。

独自サービス(カフェ・美容室)

なおコインランドリーの独自サービスとして、カフェや美容室などの併設があります。カフェ併設のコインランドリーなら、洗濯や乾燥を待つ間に、顧客に飲食を楽しんでもらえます。Wi-Fiや電源などを完備することで、パソコンやタブレットの使用に対するニーズに応えられます。

参照元:WASH BASE 718「西海岸をイメージしたコインランドリー併設カフェ、WASH BASE 718。晴れた日はウッドデッキでゆっくりお待ち頂けます。」

美容室併設のコインランドリーでは、洗濯や乾燥を待つ間に、顧客にヘアカット・カラーなどを提供できます。時間を有効活用したい顧客のニーズに応えるサービスです。さらにキッズスペースもレイアウトすれば、幅広い層を集客できます。

参照元:クルールはりま「高砂【ハルランドリー】は日本一のコインランドリー⁉ヘアカットしながら家事ができる!」

コインランドリーの開業準備に関するポイント

コインランドリーの開業準備に関するポイント

基本情報だけではなく、コインランドリーの開業準備に関するポイントも押さえましょう。9点(コンセプトと事業計画書、開業資金、店舗物件、外観と内装、設備・機器・什器、資格・届出・許可、採用・研修、集客活動)を取り上げます。

コンセプトの設計

まずコンセプトの設計が、コインランドリーの開業準備に関するポイントとして挙げられます。次の理由からは、店舗経営においてコンセプトの設計が重要です。

  • 店舗経営の基本方針となるため
  • 事業計画書に活用できるため
  • 競合店との差別化を図るため

そこで市場調査と競合分析、ターゲティングとポジショニングなどの方法で、店舗の明確なコンセプトを設計しましょう。コインランドリーの開業にも活用できるコンセプトを実現させるポイントなどをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

事業計画書の作成

次に事業計画書の作成も、コインランドリーの開業準備に関するポイントです。次の理由から、店舗の事業計画書をまとめる必要があります。

  • 開業資金を調達するため
  • 経営戦略やコンセプトを説明するため
  • 経営を評価して改善するため

そこで経営者の経歴や事業目的、コンセプト、借入状況などを記載しながら、事業計画書を作成しましょう。コインランドリーの開業にも活用できる事業計画書を書くときのポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

開業資金の調達(出資・借入・融資・補助金・助成金)

また開業資金の調達も、コインランドリーの開業準備に関するポイントです。自己資金だけで開業資金が不足する場合には、調達方法(出資・借入・融資・補助金・助成金)を検討しましょう。

ただし調達方法ごとに、申請の条件や返済の方法などが異なります。コインランドリーの開業にも活用できる開業資金を調達するポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗物件の選定

それから店舗物件の選定も、コインランドリーの開業準備に関するポイントです。次の理由から、店舗経営において物件選びが重要です。

  • 店舗のコンセプトを実現させる手段だから
  • 賃料が運転資金の中で大きな割合を占めるから
  • 立地と物件が集客に大きく影響するから

そこで希望条件(立地や賃料、間取りなど)を整理したうえで、Webサイトや不動産屋などで店舗物件を探しましょう。コインランドリーの開業にも活用できる店舗物件を選ぶときの注意点などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

外観と内装のデザイン・工事

さらに内装と外観のデザイン・工事も、コインランドリーの開業準備に関するポイントです。外観デザインは、コンセプトの実現や店舗の第一印象、店舗のブランディングを左右しますので、次の記事も併せてご覧ください。

同様に、内装デザインは店内の利便性や清潔さ、安全性などを保ちながら、集客と売上を伸ばすために重要です。コインランドリーの内装をデザインする際の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

設備・機器・什器の手配

続いて設備・機器・什器の手配も、コインランドリーの開業準備に関するポイントです。一般的なコインランドリーには、電気設備や洗濯乾燥機、ソファ・カウンターなどが配置されます。

そこでコインランドリーのサービスを踏まえて、必要な設備・機器・什器をリストアップしましょう。店舗で利用される什器の入手方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

資格取得と届出・許可申請

そして資格取得と届出・許可申請も、コインランドリーの開業準備に関するポイントです。コインランドリーの開業に必須となる資格はありません。ただしクリーニング師の資格を取得することで、クリーニングサービスも提供できます。

参照元:

全国クリーニング生活衛生同業組合連合会「クリーニング師について」

またコインランドリーの開業には、開業届または法人設立届や営業許可の申請が必要です。届出・許可ごとに、申請の方法や時期が異なります。店舗の所在地を管轄する税務署や保健所に相談したうえで、必要書類を準備しましょう。

参照元:

国税庁「個人で事業を始めたとき/法人を設立したとき」

東京都西多摩保健所「コインオペレーションクリーニング」

人材の採用・研修

加えて人材の採用・研修も、コインランドリーの開業準備に関するポイントです。店舗の営業を任せる場合や複数の店舗を経営する場合には、従業員を採用しなければなりません。採用したい人物像を明確にして、求人応募を出しましょう。

そしてコインランドリーの開業数週間前には、店舗の営業や経営に関する研修を開始します。店舗経営における人材採用のコツや研修の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客活動

なおコインランドリーの開業準備に関するポイントとして、集客活動も挙げられます。開業当初から売上を安定させるためには、開業前からの集客活動が重要です。ターゲットする顧客層へ向けて、コインランドリーの魅力を発信しましょう。

店舗へ集客する方法には、オンライン集客(SNSやMEOなど)とオフライン集客(雑誌広告や交通広告など)があります。コインランドリーの開業にも活用できる店舗の集客に成功した事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

コインランドリーの開業に失敗する原因と対策

コインランドリーの開業に失敗する原因と対策

開業準備のポイントと併せて、コインランドリーの開業に失敗する原因も確認しておきましょう。主な原因4点(初期投資額とコンセプト、集客方法、立地)を取り上げて、対策方法もご紹介します。

回収できない初期投資額

まず回収できない初期投資額が、コインランドリーの開業に失敗する原因として挙げられます。資金調達やローンを組んで店舗工事や設備購入などをした場合には、条件に沿って返済しなければなりません。しかし売上目標を達成できないと、返済が滞ってしまいます。

そこで投資回収の対策として、損益分岐点の算出やキャッシュフローの確認、初期費用の減額などがあります。コインランドリーの開業にも活用できる店舗経営における投資回収の期間と計算をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

曖昧なコンセプト

次に曖昧なコンセプトも、コインランドリーの開業に失敗する原因です。顧客のニーズに応えるサービスを提供できなければ、集客と売上を伸ばすことができません。価格競争から抜け出すためには、競合店との差別化も必要です。

そこでコンセプト設計の対策として、独自のサービスや付加価値を提供しながら、店舗のブランディング施策を展開しましょう。店舗をブランディングするポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ターゲットに合わない集客方法

またターゲットに合わない集客方法も、コインランドリーの開業に失敗する原因です。ターゲットとする顧客層が目にしない場所へ広告を出稿しても、集客効果を期待できません。不効率な集客に費用を支出しては、経費を圧迫してしまいます。

そこで集客の対策として、ターゲットとする顧客層に適した集客方法を検討しましょう。特にMEOやSEOなどのWeb集客が重要です。Web集客の効果を上げるポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客できない立地

なおコインランドリーの開業に失敗する原因として、集客できない立地も挙げられます。アクセスしづらい立地や駐車場を確保できない立地などでは、徒歩や自動車で来店したい顧客のニーズに応えられません。

立地選びの対策として、店舗マーケティングの施策を展開しましょう。出店エリアの市場調査が重要です。店舗マーケティングの流れと方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

コインランドリーの開業資金

コインランドリーの開業資金

コインランドリーの開業準備を進めるためには、予算が必要です。そこでコインランドリー開業資金の相場と内訳をご紹介します。無駄な経費を削減できるように、開業資金の節約法も確認しましょう。

相場

まずコインランドリー開業資金の相場は、坪単価60万~150万円程度です。20坪のスケルトン物件を賃借して開業するなら、1200万~3,000万円程度かかります。ただし物件の立地や規模、設備・機器・什器の台数などに応じて、開業資金は変動します。

内訳

次にコインランドリー開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、20坪のスケルトン賃貸店舗物件にかかる資金を試算してあります。

開業資金の内訳各費用の目安費用の試算
物件取得
(敷金・礼金・前賃料など)
5%程度
賃料の3~6か月分程度
60万~150万円程度
20坪で賃料月20万円の
スケルトン物件
店舗デザイン・工事
(内装や設備・機器・什器など)
80%程度
坪単価50~100万円程度
1,000万~2,000万円程度
諸経費
(開業前の届出・許可や採用・
研修、集客など)
10%程度125万~300万円程度
運転資金
(開業後の光熱水費や賃料、
消耗品など)
5%程度
賃料の3~6か月分程度
60万~150万円程度
合計100%
坪単価60万~150万円程度
1,200万~3,000万円程度

上表のとおり、コインランドリーの開業資金においては、店舗デザイン・工事にかかる費用が大半を占めます。つまり設備・機器・什器の台数が増えるほど、開業資金がかかるわけです。

節約法

そしてコインランドリー開業資金の節約法には、補助金・助成金や居抜き物件、相見積もりなどがあります。店舗の設備投資や人材の採用・育成などを目的として、補助金・助成金を受給できれば、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。

居抜き物件には設備・機器・什器などが施工されているため、新規工事費用を節約できます。ただし店舗デザインの自由度が低い点は、デメリットです。コインランドリーに適した物件を探す必要があります。

なお内装工事や設備・機器・什器の購入においては、相見積もりを取りましょう。複数の業者の見積もりを比較できるため、無駄な経費を節約しやすいからです。

コインランドリーを開業しよう!

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監修者

IDEAL編集部

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