2025.02.20  2025.01.12|新規開業ノウハウ

体験型店舗とは?開業のメリット・ポイント・事例を紹介

体験型店舗とは?開業のメリット・ポイント・事例を紹介

本記事で「体験型店舗とは?」という疑問にお答えして、体験型店舗を開業するメリットやポイント、事例をご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

体験型店舗とは?基本情報を紹介

体験型店舗とは?基本情報を紹介

そもそも体験型店舗とは、どういった店舗でしょうか?そこで体験型店舗の基本情報(定義・ニーズとサービス、OMO型店舗・ショールーム型店舗・ポップアップストアとの違い)をご紹介します。

定義・ニーズ

まず体験型店舗とは、商品・サービスの販売よりも体験の提供を重視した店舗です。店舗内での販売よりも商品・サービスの体験を提供することで、来店した顧客が購買を検討できます。新規顧客やリピーターの獲得が目的です。

体験型店舗に対する消費者からのニーズは、個別対応や購買体験の向上などです。体験型店舗により、個々の顧客に適した商品・サービスを提案したり、商品・サービスの魅力を発信したりできます。

サービス(リテールテインメント)

次に体験型店舗のサービスは、リテールテインメントです。リテールテインメントはリテール(小売)とエンターテインメント(娯楽)の造語で、従来よりも楽しい購買体験になります。

リテールテインメントの具体的なサービスには、商品の試着・試食・試用やサービスの体験などがあります。店舗の業種・業態や商品・サービスの種類によって、適したリテールテインメントの内容は異なります。

OMO型店舗との違い

それから体験型店舗とOMO型店舗との違いは、目的や方法などです。体験型店舗の目的は新規顧客やリピーターの獲得で、販売ではなく商品・サービスを体験する機会を顧客に提供します。

OMO型店舗の目的はオンラインとオフラインを統合した購買体験の提供で、オンライン上と実店舗で商品・サービスを販売します。OMO型店舗のメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ショールーム型店舗との違い

続いて体験型店舗とショールーム型店舗との違いは、目的や方法などです。体験型店舗の目的は新規顧客やリピーターの獲得で、販売ではなく商品・サービスを体験する機会を顧客に提供します。

ショールーム型店舗の目的は商品・サービスの認知度アップや顧客との直接的なコミュニケーションで、商品・サービスの展示や説明などを行います。ショールーム型店舗のメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ポップアップストアとの違い

そして体験型店舗とポップアップストアとの違いは、目的や方法などです。体験型店舗の目的は新規顧客やリピーターの獲得で、販売ではなく商品・サービスを体験する機会を顧客に提供します。

ポップアップストアの目的は商品・サービスのPRやテスト販売、ブランディング、消費者とのコミュニケーションなどで、期間限定で店舗を営業します。ポップアップストアのメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

体験型店舗を開業するメリット

体験型店舗を開業するメリット

基本情報を踏まえたうえで、体験型店舗のメリット(集客・売上の増加と顧客満足度の向上、情報の収集・活用、運営コストの削減、在庫管理コストの削減)もご紹介します。メリットを引き出して、売上を伸ばしましょう。

メリット①集客・売上の増加

まず集客・売上の増加が、体験型店舗のメリットとして挙げられます。商品・サービスを体験する機会を提供して新規顧客やリピーターを獲得できれば、集客・売上の増加につながるからです。

モノ消費を重視していた高度経済成長期(昭和時代)の消費者とは異なり、平成時代以降の消費者はコト消費やトキ消費、イミ消費、エモ消費などを求めています。楽しい購買体験を提供して、集客・売上の増加を図りましょう。

参照元:PR TIMES「『エモマーケティング』はZ世代以外にも効果的?エモ消費に関する意識調査を実施!」

メリット②顧客満足度の向上

次に顧客満足度の向上も、体験型店舗のメリットです。商品・サービスをする体験する機会を提供して購買体験が向上すれば、顧客満足度の向上につながります。顧客満足度の向上が高まるほど、リピート率のアップを期待できます。

以下の調査結果によると消費者の半数以上が興味のある商品・サービスを調査したり、商品・サービスに共感した消費者の4割程度がSNSでシェアしたり、知り合いと共有したりしています。体験型店舗への来店や来店した顧客による情報拡散を期待できます。

参照元:PR TIMES「『エモマーケティング』はZ世代以外にも効果的?エモ消費に関する意識調査を実施!」

メリット③情報の収集・活用

それから情報の収集・活用も、体験型店舗のメリットです。体験型店舗に来店した顧客の個人情報や商品・サービスに対する感想などのデータを収集して、マーケティングに活用できます。

収集した情報をマーケティングに活用することで、商品・サービスの開発や販売促進などの改善を図りましょう。体験型店舗を開業する際のポイントとして、後ほどマーケティング戦略についてご紹介します。

メリット④運営コストの削減

さらに運営コストの削減も、体験型店舗のメリットです。店舗内では商品・サービスを販売しないため、接客にかかる人件費や店舗物件の賃料などを販売店よりも削減できます。在庫管理スペースが少なくて済むため、賃料の削減も可能です。

ただし体験型店舗を営業する場合には、在庫を保管する倉庫や商品を販売するECサイト、サービスを販売する店舗などの運営コストがかかります。営業全体の運営コストを計算したうえで、体験型店舗の導入を検討しましょう。

メリット⑤在庫管理コストの削減

そして在庫管理コストの削減も、体験型店舗のメリットです。在庫管理スペースがないため、在庫の発注や検収、棚卸などのコストがかかりません。商品・サービス体験機会の提供に、人件費をかけられます。

ただし在庫を保管する倉庫やサービスを販売する店舗などが必要になるため、在庫管理コストが全くかからないわけではありません。営業全体の在庫管理コストを計算したうえで、体験型店舗の導入を検討しましょう。

体験型店舗を開業する際のポイント

体験型店舗を開業する際のポイント

メリットを引き出せるように、体験型店舗を開業する際のポイントも押さえましょう。7点(コンセプトの設計と立地・物件の選定、外観・内装のデザイン・工事、マーケティング戦略、DXの推進、従業員の採用・研修、SNS映え)をご紹介します。

コンセプトの設計

まずコンセプトの設計が、体験型店舗を開業する際のポイントとして挙げられます。コンセプトは店舗経営の基本方針であり、競合店との差別化や事業計画書の作成などに必要です。集客・売上を伸ばせるように、独自性の高いコンセプトを設計しましょう。

例えば快適な睡眠をコンセプトにする物販店の体験型店舗では、ベッドや枕などを実際に体験できる機会を提供します。体験型店舗にも活用できるコンセプトを設計する流れと方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

立地・物件の選定

次に立地・物件の選定も、体験型店舗を開業する際のポイントです。ターゲットとする顧客層が来店しやすいように、地域や交通の利便性、交通量、視認性、競合店数などを踏まえて、体験型店舗の立地を絞り込みましょう。

立地を絞り込んだら、希望条件(広さや間取り、賃料、階数、最寄り駅など)を整理したうえで物件を選定します。体験型店舗にも活用できる物件探しのコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

外観・内装のデザイン・工事

それから外観・内装のデザイン・工事も、体験型店舗を開業する際のポイントです。店舗の外観は、コンセプトの実現やブランディングなどのために重要です。ターゲットとする顧客層の興味・関心を引く外観をデザインしましょう。

店舗の外観だけではなく、コンセプトに基づいて内装空間(レイアウトや内装材、設備・機器・什器など)もデザインして工事します。体験型店舗にも活用できる内装デザイン・工事の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

マーケティング戦略

続いてマーケティング戦略も、体験型店舗を開業する際のポイントです。市場調査から商品・サービスの企画・開発、営業、販売促進までの一連の仕組みをつくるために、マーケティング戦略を立案しましょう。

店舗マーケティングの具体的な施策には、客単価の向上を図る施策と集客数や購買率の向上を図る施策、リピート率の向上を図る施策があります。体験型店舗にも活用できるマーケティングの流れと方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

DXの推進

またDXの推進も、体験型店舗を開業する際のポイントです。店舗のDX(デジタル技術による店舗経営の仕組みや商品・サービスなどの変革)により、業務効率化や生産性向上、競争力の強化などを図りましょう。

体験型店舗に活用できるDXの方法には、オンライン予約システムやデジタルサイネージ、営業分析システムなどがあります。体験型店舗にも活用できるDXの方法と費用をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

従業員の採用・研修

さらに従業員の採用・研修も、体験型店舗を開業する際のポイントです。長時間営業する場合や多店舗展開する場合などには、店舗営業を任せる従業員を採用します。採用条件(職種や従業員数、給与など)を整理したうえで、求人募集を出しましょう。

従業員の採用日から体験型店舗の開業日までには、経営方針や店舗営業などに関する研修を実施します。体験型店舗にも活用できる人材採用のコツや研修の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

SNS映え

そしてSNS映えも、体験型店舗を開業する際のポイントです。店内に映えスポットをデザインして、来店した顧客の投稿した写真や動画がSNS上で拡散されると、商品・サービスの認知度や集客数の向上につながります。

商品・サービスの集客・売上を伸ばすためには、公式SNSアカウントを運用して情報を発信することも重要です。体験型店舗にも活用できるSNS集客を展開するコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

体験型店舗の開業事例

ポイントを押さえて体験型店舗を開業できるように、参考となる事例を調査しましょう。事例5点(資生堂とオルビス、ジャパネットたかた、ユニクロ、ふるさとチョイス)を取り上げて、各事例の特徴をご紹介します。

化粧品メーカーの資生堂

まず化粧品メーカーの資生堂は、「ALIVE with Beauty」をコンセプトにした体験型店舗を営業していました。個々のニーズに応じた美容サービス・商品(カウンセリングやデジタル技術を活用した商品テスターなど)を提供していました。

体験型店舗の内装空間は「Japanese Digital Garden」をコンセプトにデザインされており、和の素材やデザインが取り入れられていました。2020年夏にオープンしましたが、4年後に営業を終了しています。

参照元:

AXIS web「資生堂、ブランド初の体験型旗艦店『SHISEIDO GLOBAL FLAGSHIP STORE』が銀座にオープン」

資生堂「【営業終了のご案内】SHISEIDO GLOBAL FLAGSHIP STORE」

スキンケア商品メーカーのオルビス

スキンケア商品メーカーのオルビス

次にスキンケア商品メーカーのオルビスは、「自分の肌を知り、本来の力を引き出す体験」をコンセプトにした体験型店舗を営業しています。来店した顧客に、肌の診断やスキンケア、メイクなどの体験を提供しています。

以上のほかにも、店内フロアにはジュースバーやスキンケア商品販売、オリジナルボトルづくり、ワークショップ、サロン、パウダールームなどのスペースがあります。ワークショップの内容は、スキンケアやメイクなどのレッスンです。

参照元:

オルビス「SKINCARE LOUNGE BY ORBIS」

PR TIMES「オルビスの体験特化型施設『SKINCARE LOUNGE BY ORBIS』×家族型ロボット『LOVOT』LOVOT WINTER 開催!『冬』をテーマとした期間限定コラボレーションイベントを開催!」

通販サイトのジャパネットたかた

それから通販サイトのジャパネットたかたは、商品を試用できる体験型店舗を営業しています。通販サイトの人気商品が展示されており、テレビショッピングのような実演体験が可能です。

来店した顧客が注文すると、送料無料で自宅まで商品が配送されます。新品だけではなく、未使用のキャンセルされた商品や外装箱に傷の付いた商品が、アウトレット商品として販売されています。

参照元:

ジャパネットたかた「ジャパレクラボ」

PR TIMES「ジャパネットたかたの商品が試せる体験型店舗『ジャパレクラボ』が長崎スタジアムシティにオープン!」

アパレルショップのユニクロ

アパレルショップのユニクロ

続いてアパレルショップのユニクロは、「LifeWear」をコンセプトにした体験型店舗を営業しています。一般店と同様の商品販売コーナーに加えて、商品の機能性やデザイン性を体感できる展示コーナーやオリジナル商品デザインコーナーなどがあります。

以上のコーナーに加えて、先行販売商品の陳列コーナーやサステナビリティに関する展示コーナー、オンライン限定販売商品コーナーなどもあります。顧客が商品を試着したり、魅力を体感したりできるサービスです。

参照元: Harumari TOKYO「まるでテーマパーク。体験型店舗「UNIQLO TOKYO」の魅力」

ふるさと納税サイトのふるさとチョイス

そしてふるさと納税サイトのふるさとチョイスは、「まだ知らない“ふるさと”に出逢う場所」をコンセプトにした体験型店舗を営業しています。季節に合わせて、全国各地の特産品を展示しています。

体験型店舗の目的は、ECサイトでは実現できないコミュニケーションや生産者の応援、ふるさと納税の推進などです。地域経済の持続的な成長を目指す体験型店舗の開業事例です。

参照元:PR TIMES「ふるさとチョイス、『逢うふるさとチョイス』を新宿マルイ アネックスに本日オープン」

体験型店舗の開業準備を計画しよう!

IDEALは、店舗全般のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。

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監修者

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