2023.03.30  2023.03.31|内装工事

スケルトン工事費用はいくら?解体工事との違いやメリット・業者選び

スケルトン工事費用はいくら?解体工事との違いやメリット・業者選び

本記事で、スケルトン工事費用を解説します。解体工事との違いやスケルトン工事のメリット、業者選びもご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

スケルトン工事とは?

スケルトン工事とは?

スケルトン工事とは、建築物の躯体(柱や梁、外壁、屋根などの構造部分)以外を解体する工事です。内装(床や天井、壁など)や設備(水道の配管や電気配線など)が撤去されます。それではスケルトン工事の目的や流れ、内装解体工事との違いを確認しましょう。

スケルトン工事の目的

スケルトン工事の目的は、主に賃貸物件の原状回復店舗のリニューアルなどです。

スケルトン物件を借りて内装や設備を工事した場合には、賃貸借契約の解約時にスケルトン工事によって施工した内装や設備を解体し、受け渡される前の状態に原状回復しなくてはなりません。スケルトン物件の特徴を紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

解約時だけではなく、店舗のリニューアル(大幅な間取りの変更や設備・機器の刷新など)のためにも、スケルトン工事が必要です。老朽化している柱や梁の交換や天井や壁などの耐震性向上のためにも、スケルトン工事が行われます。

スケルトン工事の流れ

スケルトン工事の流れは、次のとおりです。

  • 工事業者の選定
  • 打ち合わせと近隣調査
  • 工事の開始
  • 産業廃棄物の処理

スケルトン工事業者選びのポイントについては、後ほどご紹介します。スケルトン工事を依頼する業者との打ち合わせと近隣調査においては、騒音に対する苦情などのトラブルを避けるために、工事の時間帯や日程を決めましょう。

スケルトン工事においては、足場を設置したうえで内装や設備が撤去されていきます。賃貸物件の原状回復を目的とする場合は、エアコンや電気配線、水道の配管、排気設備などについて、入居前の状態に戻っているかを確認してください。

スケルトン工事後の産業廃棄物の処理においては、都道府県から許可を得ている廃棄物処理業者だけが対応できますので、注意してください。

参照:環境省「廃棄物処理業の許可制度 について」

廃棄物を処理して、物件内を清掃したら、スケルトン工事は終了です。ただし工事内容によって必要な作業が異なるので、業者との打ち合わせで詳細を確認しましょう。

内装解体工事との違い

スケルトン工事と内装解体工事との違いは、解体される内装や設備の幅や深さです。スケルトン工事においては壁や天井、床はもちろん、必要に応じて水道や電気配線などの設備も解体されます。

一方の内装解体工事においては、目的に応じて、壁紙や床材、照明器具などが部分的に解体されます。スケルトン工事とは異なり、建築物の躯体だけの状態までは解体されないです。ただし内装解体工事中に問題が見つかれば、スケルトン工事に切り替える場合もあります。

したがって工事の幅が狭く、浅い分だけ、内装解体工事のほうが費用がかかりません。内装解体工事もスケルトン工事も、賃貸物件の原状回復や店舗のリニューアルなどを目的として行われます。工事の目的を明確にしたうえで、解体する内装や設備を検討しましょう。

なお店舗内装リフォームのポイントを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

スケルトン工事のメリット・デメリット

スケルトン工事のメリット・デメリット

スケルトン工事の基本情報を踏まえて、内装デザインや工事費用などに関するメリット・デメリットをご紹介します。スケルトン工事の目的を果たせるように、メリットを活かしながらデメリットを対策しましょう。

メリット①デザインの自由度が増す

スケルトン工事のメリットとして、デザインの自由度が増す点が挙げられます。スケルトン工事は建物の躯体(骨組み)だけを残して、内装や設備を解体します。そのため各部屋の間取りから内装・設備までを一からデザインできます。

賃貸物件においては、契約条件の範囲内で、業種や業態のニーズに合わせて店舗をデザインできます。また設備の一新ができるため、水道の配管や電気の配線を整えたり、耐震や防音などの設備を強化したりすることも可能です。

なお店舗のおしゃれな内装デザインを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

メリット②内装・設備のトラブルを防止できる

次に内装・設備のトラブルを防止できる点も、スケルトン工事をするメリットです。スケルトン工事をすることで、老朽化した内装や設備を撤去できます。そのため新しく内装・設備を工事できるため、故障を防ぐことが可能です。

一方で居抜き物件の場合には、前の借主が施工した内装や設備を使用できるため、工事費用を抑えることができます。ただし経年劣化により内装・設備が破損・故障する恐れがあります。居抜き物件のトラブル事例を紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

デメリット①内装解体工事費用より高い

スケルトン工事のデメリットとして、内装解体工事より費用が高い点が挙げられます。内装解体工事と比べて、スケルトン工事の内容は多く、期間も長いです。したがって廃棄物処理費や人件費が高くなります。

しかし内装や設備を解体するだけ、新しく内装や設備を工事する費用がかかることになります。対策として、内装や設備が部分的に残されている物件を契約するなら、問題なく利用できる内装・設備を見極めましょう。解約時の原状回復工事費を抑えられます。

なお内装工事の費用や種類をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

デメリット②内装の下地が腐敗している恐れがある

また内装の下地が腐敗している恐れがある点も、スケルトン工事をするデメリットです。築年数が経過している建築物をスケルトン工事すると、腐敗している下地が見つかる場合があります。

対策として、下地が腐敗している場合には、改修工事が必要になります。ただし建築物の躯体に影響する部分(排水管や分電盤など)については、貸主の許可なく工事できません。店舗物件に対するA工事・B工事・C工事について解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。

スケルトン工事の費用はいくら?

スケルトン工事の費用はいくら?

スケルトン工事のメリットを活かしながらデメリットを対策できるように、工事費用の相場を確認しましょう。予算内に店舗を経営できるように、スケルトン工事の内訳と節約方法もご紹介します。

工事費用の相場

まずスケルトン工事費用の相場は、坪単価1万〜5万円程度です。ただし解体する内装・設備の種類や数などによって、工事費用は増減します。解体する設備の構造が複雑だったり、撤去する内装材が多かったりする分だけ、基本的に工事費用は高くなります。

例えば美容院のスケルトン工事においては、撤去する間仕切りや造作家具が少ないほど、工事費用が安く済みます。しかし小上がりのスペースや個室などがレイアウトされているなら、工事費用が高くなります。また物件の立地や階数、エレベータの有無などによっても、費用は変動します。

工事費用の内訳

次にスケルトン工事費用の内訳には、以下の費用が含まれます。

  • 内装・設備の撤去費
  • 廃材処分費
  • 解体した内装・設備の搬出費と養生費
  • 諸経費

内装・設備の撤去費と廃材処理費は、一般的に坪数×坪単価で計算されます。ただし撤去する内装・設備の素材や種類によって、坪単価は変動します。例えば木材よりも石膏のほうが撤去に時間がかかるため、坪単価が高くなります。

また廃材処理費は、内装・設備の撤去費と別に計算される場合もあります。見積もりを取る際に、工事業者に確認しましょう。

そして解体した内装・設備の搬出費と養生費は、物件の階数や規模などによって変動します。したがって一般的には、撤去費と別に計算されます。特にエレベーターのない空中店舗や地下店舗や近隣に住宅のある店舗に対しては、搬出費と養生費が余分にかかります。

なお諸経費には、スケルトン工事にかかる保険料や通信費などが含まれます。

工事費用の節約方法

スケルトン工事費用の節約方法として、まず複数の業者に同じ条件を提示して相見積もりを取ってください。各業者の見積もりを比較検討して、条件の良い業者を選びましょう。相見積もりを取ることで、価格交渉をしやすくなります。

次に工事業者と直接やり取りすることも、スケルトン工事費用の節約方法です。例えば店舗物件の管理業者を経由してスケルトン工事を依頼してしまうと、仲介手数料が上乗せされてしまいます。そこで工事業者に直接依頼すれば、仲介手数料を節約できます。

また不用品を処分しておくことも、スケルトン工事費用の節約方法になります。什器や備品を残したままにしておくと、別途で処分費を請求されるからです。工事前にリサイクルショップに引き取ってもらったり、粗大ゴミとして回収してもらったりすることで、工事費用を抑えましょう。

スケルトン工事業者選びのポイント

スケルトン工事業者選びのポイント

予算内にスケルトン工事費用を依頼できるように、スケルトン工事業者選びのポイントをご紹介します。工事業者の得意分野と実績、許可、見積書、接客対応、工事以外に対応できる業務について取り上げます。

工事の得意分野と実績

スケルトン工事業者選びのポイントとして、まず工事業者の得意分野と実績を確認しましょう。工事業者ごとに、対応できる物件の種類(住宅やオフィス、店舗など)や規模が異なります

そこで各業者の公式サイトや口コミサイトを訪問して、各工事業者の得意分野と実績を確認しましょう。見積もりを請求する前に、直接業者に相談することも可能です。スケルトン工事には騒音対策が求められますので、対応できる業者を選ばなくてはなりません。

産業廃棄物収集運搬の許可

次に廃棄物収集運搬の許可を確認する点も、スケルトン工事業者選びのポイントです。都道府県に許可された業者のみが、産業廃棄物の収集や運搬を行えます。各工事業者の公式サイトで確認できない場合には、直接業者に問い合わせます。

また処理ルートを明確に示す「マニフェスト」を発行しているかも併せて確認してください。マニフェストを発行していない業者は、正しく処理していない恐れがあります。不法投棄の責任を問われることはありませんが、思わぬ誤解から店舗に対する世間からの評判を落としたくはありません。

参照:日本産業廃棄物処理振興センター「産廃知識 マニフェスト制度」

工事の見積書

また工事の見積書も、スケルトン工事業者選びのポイントです。見積書に「工事内容が詳細に記載されているか」「見積もられている工事費用の内訳が分かりやすいか」を確認しましょう。

複数の工事業者から見積もりを取る場合は、工事の内容と費用を比較しましょう。また見積もり前に工事に対する要望を伝えることで、適切に工事を行える業者を見極めてください。

接客対応

加えて接客対応も、スケルトン工事業者選びのポイントです。例えば工事の見積書は素人にとって分かりにくいため、不明点を質問して丁寧に説明してくれる業者なら、接客対応が良いと判断できます。

接客対応が丁寧な業者には、工事作業員のマナーや近隣への配慮なども期待できます。店舗を拡大していく際に、信頼できる業者を知っていると、業者探しに困ることがありません。信頼できる業者と長く付き合うことで、店舗経営者の要望を踏まえて対応してもらいやすくなります。

工事以外に対応できる業務

なおスケルトン工事業者選びのポイントとして、工事以外に対応できる業務もあります。同じ工事業者にスケルトン工事から産業廃棄物の処理や運搬まで依頼できれば、仲介手数料をカットできます。

またスケルトン工事から内装工事までワンストップで対応してもらえる業者なら、工事にかかるコストも時間も節約できます。工事業者ごとに対応できる業務範囲は異なりますので、相談しましょう。内装業者の選び方も紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

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監修者

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