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2017.04.27 2024.08.16|店舗運営ノウハウ
育毛サロンの開業資金はいくら?フランチャイズ加盟や開業のポイント・事例も紹介
本記事で、育毛サロンの開業資金を解説します。また育毛サロンの業態(個人店・フランチャイズ加盟店など)や開業のポイント、事例もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
育毛サロン開業の基本情報
育毛サロンの開業準備を計画する前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を確認することで、計画を進めやすいからです。それでは育毛サロンの市場規模と主なサービス、発毛クリニックとの違い、業態をご紹介します。
市場規模
まず育毛サロンの市場規模は、以下の資料によると5,000億円程度(2022年度)です。ヘアケア剤や発毛・育毛剤、発毛・育毛サービスなどが含まれています。コロナ禍により一時的に落ち込みましたが、2022年より回復傾向です。
参照元:矢野経済研究所「ヘアケア市場に関する調査を実施(2023年)」
以下の資料によると、ヘアサロンの市場規模は、1兆4,000億円程度です。ヘアカットやパーマ、カラーなどのサービスが含まれています。育毛サロンでは、育毛サービスだけではなく、一般的なヘアサロンのサービスの提供も可能です。
参照元:ホットペッパービューティーアカデミー「数字で見る美容業界」
主なサービス
次に育毛サロンの主なサービスは、スカルプシャンプーや育毛剤の塗布、サプリメントの提供などです。育毛サービスにより、顧客の頭皮を清潔に保ち、発毛を促進する栄養を与えます。
育毛サービスに限らず、育毛サロンによっては、育毛剤やサプリメント、ヘアケア用品などの販売や一般的なヘアケアサービス(カットやシャンプーなど)も行います。育毛サロンの開業事例については、後ほどご紹介します。
発毛クリニックとの違い
それから育毛サロンと発毛サロンとの違いは、サービスの内容です。育毛サロンは、育毛サービス(スカルプシャンプーや育毛剤の塗布、サプリメントの提供など)を提供します。医療機関ではないため、医療行為の提供はできません。
一方で、発毛クリニックは発毛を目的とした医療サービス(内服薬や外用薬、注入治療、血液検査など)を提供します。医療行為を提供できる医療機関です。発毛クリニックの資格・免許・届出・許可については、後ほどご紹介します。
参照元:
AGAメディカルケアクリニック「育毛サロンは効果がある?AGA・発毛クリニックとの違いは?」
ウィルAGAクリニック「育毛サロンとAGAクリニックは何が違う?育毛効果や治療内容を解説」
業態(個人店・フランチャイズ加盟店・店舗型・自宅型)
そして育毛サロンの業態は、経営主体によって個人店とフランチャイズ加盟店に分類されます。個人店なら自由な方針で営業できますが、フランチャイズ加盟店は本部のブランド力やノウハウを活用して営業できます。
また育毛サロンの業態は、物件の種類によって店舗型と自宅型に分類されます。店舗物件を利用する店舗型サロンに対しては、自宅型サロンは経営者の住宅の一部を利用します。自宅サロンのメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
育毛サロン開業のポント
基本情報だけではなく、育毛サロン開業のポイントも確認しましょう。8点(コンセプト・事業計画書と開業資金、店舗物件・設備・機器・什器、商品・サービス、関係法令の遵守、資格・免許・届出・許可、採用・研修、集客活動・DX推進)をご紹介します。
コンセプトの設計と事業計画書の作成
まずコンセプトの設計と事業計画書の作成が、育毛サロン開業のポイントとして挙げられます。コンセプトは育毛サロン経営の基本方針であり、競合店との差別化や事業計画書の作成に必要です。
設計したコンセプトに基づいて、事業計画書を作成しましょう。事業計画書は、開業資金の調達や経営の評価・改善などに活用される書類です。育毛サロンにも活用できる事業計画書の書き方をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
開業資金の調達
次に開業資金の調達も、育毛サロン開業のポイントです。開業前の初期費用(物件取得費や設備・機器・什器工事費など)や開業後の運転資金(人件費や光熱水道費など)が不足する場合には、開業資金の調達方法を検討しましょう。
具体的には出資・借入・融資・補助金・助成金などが、開業資金の調達方法です。育毛サロンにも活用できる開業資金を調達する際のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
店舗物件の選定・デザイン・工事と設備・機器・什器の手配
それから店舗物件の選定・デザイン・工事と設備・機器・什器の手配も、育毛サロン開業のポイントです。店舗物件はコンセプトを実現させるための手段であり、集客と売上に影響します。
選定した店舗物件をデザイン・工事し、手配した設備・機器・什器を搬入・施工しましょう。育毛サロンにも活用できる外観・内装デザインのポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
商品・サービスの企画・開発
また商品・サービスの企画・開発も、育毛サロン開業のポイントです。独自性のあるコンセプトに基づいて、育毛サロンの商品・サービスを企画・開発して、競合店との差別化を図りましょう。
商品・サービスの企画・開発においては、市場調査や効果検証等が重要です。育毛サロンにも活用できる商品・サービスを企画・開発するプロセスをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
関係法令の遵守
続いて関係法令の遵守も、育毛サロン開業のポイントです。育毛サロンの顧客や従業員などの個人情報を漏洩させないように、個人情報保護法に基づいて適切に取り扱いましょう。
参照元:政府広報オンライン「「個人情報保護法」をわかりやすく解説 個人情報の取扱いルールとは?」
理容(頭髪の刈込や顔そりなどにより容姿を整えること)や美容(パーマネントウェーブや結髪、化粧などにより容姿を美しくすること)のサービスを提供する場合には、理容師法と美容師法を遵守しなければなりません。
参照元:
資格・免許の取得と届出・許可の申請
さらに資格・免許の取得と届出・許可の申請も、育毛サロン開業のポイントです。理容・美容サービスを提供する場合には、理容師・美容師の免許を取得しましょう。
- 理容師や美容師の免許(理容・美容サービスを提供する場合)
- 美容所や理容所の開設届(理容・美容サービスを提供する場合)
- 税務に関する手続き(個人事業主の開業届または法人の設立届など)
- 防火管理者選任届・防火対象設備使用開始届(該当する物件の場合)
- 社会保険や労働保険の加入手続き(従業員を雇用する場合)
参照元:
日本年金機構「事業所が健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」
従業員の採用・研修
そして従業員の採用・研修も、育毛サロン開業のポイントです。長時間営業する場合や多店舗展開する場合には、店舗営業を任せる従業員を採用します。採用したい職種と人物像を明確にしたうえで、募集を開始してください。
従業員採用後から開業日までには、受付や施術などに関する研修を計画しましょう。育毛サロンにも活用できる人材採用のコツや研修の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
集客活動・DX推進
なお集客活動・DX推進も、育毛サロン開業のポイントです。開業当初から新規顧客を獲得できるように、開業前から集客活動を計画します。ターゲット層に応じて、オンラインとオフラインの集客方法を組み合わせましょう。
業務効率化や生産性向上、競争力の強化などを図るためには、DX(デジタル技術による店舗経営の仕組みや商品・サービスなどの変革)の推進が必要です。育毛サロンにも活用できるDXの方法と費用をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
育毛サロンの開業事例
ポイントを押さえて育毛サロンを開業できるように、参考となる事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(ヘッドスパと医師監修、メンズとレディース対応、増毛サービス、エステサロンの育毛メニュー)をご紹介します。
育毛をサポートするヘッドスパを開発した美容室
まず「Presto」は、育毛をサポートするヘッドスパを開発した美容室です。顧客のニーズ(頭皮や髪質の改善)に応えて、株式会社くまのみ整骨院グループのエステ部門と共同開発したヘッドスパが提供されています。
ヘッドスパのサービスを開発する際には、顧客へのアンケート調査を実施し、高齢化社会に対応したサービスが検討されました。また頭皮だけではなく骨格のバランスにも着目できるように、接骨院と共同開発された育毛サービスです。
参照元:
Presto「サロンで育毛!極上新メニュー『ラグーンスパ』」
@Press「頭髪環境の改善で元気なシニアを応援。 関東初、美容室と整骨院の共同開発による ヘッドスパを4月提供開始。」
医師監修の育毛メニューを提供するヘアサロン
次に「ヘアメディカルサロン銀座PREMIUM店」は、医師監修の育毛メニューを提供するヘアサロンです。発毛治療を受けている患者のニーズ(治療中のパーマやカラーなど)に応えて、ヘッドスパや頭皮洗浄などの育毛メニューが提供されています。
育毛メニューだけではなく、頭皮への負担が少ないヘアカラーやカットなども提供されています。完全個室の空間で、毛髪診断士の資格を保有する従業員が対応するヘアサロンです。
参照元:
メンズとレディースに対応した増毛・育毛サロン
それから「アートネイチャー旭川店」「レディースアートネイチャー 旭川サロン」は、メンズとレディースに対応した増毛・育毛サロンです。メンズ向けのメニューには、増毛商品やウィッグ、育毛サービスなどがあります。
レディースアートネイチャーでは、オーダーメイドウィッグの体験やシャンプー・スタイリング剤の販売などが行われています。最寄駅から徒歩数分の立地へ移転した増毛・育毛サロンです。
参照元:
PR TIMES「JR線 旭川駅北口より徒歩3分!『アートネイチャー 旭川店』『レディースアートネイチャー 旭川サロン』4月19日(金)移転リニューアルオープン!」
育毛と増髪のサービスを提供するサロン
続いて「メンズスヴェンソン名古屋スタジオ」は、育毛と増髪のサービスを提供するサロンです。増髪の相談・施術・ウィッグ試着・調髪、自毛のカット・育毛ケアなどのサービスが提供されています。
頭髪の本数を増やす増毛サービスに対して、自毛を太くするヘアライズやカッコ良く魅せるカット・スタイリングなどのサービスも提供するサロンです。顧客が来店しやすいように、最寄駅から徒歩数分の場所にあります。
参照元:
PR TIMES「メンズ スヴェンソン 『名古屋スタジオ』 2023年11月8日(水)より移転リニューアルオープン|株式会社スヴェンソン」
育毛メニューも提供するエステサロン
そして「イーズ」は、育毛メニューも提供するエステサロンです。「ドライヘッドスパ&頭皮クリニカルケア」「ヒト幹細胞70導入 ヘッドスパコース」などの育毛メニューで、頭皮の検査や洗浄、血行促進、ヒト幹細胞の投与などが提供されます。
施術前後には、顧客の悩みや施術の方法、アフターケアなどに関するカウンセリングが行われます。育毛メニュー以外にも、フェイシャルやボディメイキングなどの施術を提供するエステサロンです。
参照元:
ガジェット通信「薄毛・抜け毛でお悩みの女性に! エステ業28年のイーズが 新たに『女性のための育毛促進・頭皮ケア専門サロン』を大阪梅田本店内でスタート」
育毛サロンの開業資金
事例のような育毛サロンを開業するためには、資金が必要です。そこで育毛サロン開業資金の相場と内訳をご紹介します。無駄な経費を削減できるように、開業資金の節約法も確認しましょう。
相場
まず育毛サロン開業資金の相場は、坪単価20万~50万円程度です。例えば20坪で賃料月20万円の店舗物件なら、400万~1,000万円程度の開業資金がかかります。ただし店舗物件の立地や規模、種類(所有か賃貸)、設備・機器・什器の台数などによって、開業資金は変動します。
内訳
次に育毛サロン開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、賃料月20万円で20坪の店舗物件にかかる開業資金を試算してあります。
資金の内訳 | 資金の目安 | 資金の試算 |
物件取得費 (敷金・礼金・ 前賃料など) | 全体の10%程度 (賃料の2~5ヶ月分程度) | 40万~100万円程度 (賃料月20万円で 20坪の店舗物件) |
店舗デザイン・工事 (内装や外観、 設備・機器・什器など) | 全体の60%程度 (坪単価10万~30万円程度) | 240万~600万円程度 |
諸経費 (開業前のメニュー開発、 資格・届出・許可、 採用・研修・集客など) | 全体の20%程度 | 80万~200万円程度 |
運転資金 (開業後の賃料や 水道光熱費、 人件費など) | 全体の10%程度 (賃料の2~5ヶ月分程度) | 40万~100万円程度 |
合計 | 100% (坪単価20万~50万円程度) | 400万~1,000万円程度 |
上表のとおり、育毛サロンの開業資金においては、店舗デザイン・工事費が大半を占めます。ただし自宅などの物件を所有している場合には物件取得費が不要で、改装工事費用だけが必要です。
節約法
そして育毛サロン開業資金の節約法には、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取って、各業者の見積もり(工事の内容や費用、期間など)を比較すれば、無駄な経費を削減しやすいです。
居抜き物件を契約して、内装や設備・機器・什器などを譲渡してもらえると、工事費用を削減できます。ただし居抜き物件にはデメリットもあるため、次の記事も併せてご覧ください。
補助金・助成金の申請が通れば、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。ただし補助金・助成金ごとに申請条件や用途などが定められていますので、次の記事も併せてご覧ください。
育毛サロンの開業準備を始めよう!
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監修者
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