2021.07.09  2024.10.18|店舗運営ノウハウ

ジム経営は儲かる?難しい?年収・失敗する原因・成功ポイント・費用・事例などを紹介

ジム経営は儲かる?難しい?年収・失敗する原因・成功ポイント・費用・事例などを紹介

本記事で「ジム経営は儲かる?難しい?」という疑問に答えるために、年収・失敗する原因・成功させるためのポイント・費用・事例などを解説します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

ジム経営は儲かる?基本情報を紹介

ジム経営は儲かる?基本情報を紹介

ジム経営を始める前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を確認することで、経営をしやすいからです。それではジムの市場規模や儲かる仕組み、経営者の年収、業態の種類(店舗型やマンション型)をご紹介します。

市場規模

まずジムだけの市場規模は、Web上に掲載されていません(2024年10月時点)。以下のデータによると、スポーツジムやフィットネスクラブを合わせたフィットネス業界の市場規模は2023年に5,000億円程度でした。

2010年代に成長を続けていたフィットネス市場規模は、2020年に一時的に落ち込みましたが、24時間営業の無人ジムやパーソナルジムなどの増加により回復傾向にあります。

参照元:

PR TIMES「『フィットネス』市場、復調 前年度比1割増へ 大手は10年で3千店超増 急増『chocoZAP』が存在感|株式会社帝国データバンク」

フィットネスビジネス「日本のフィットネス市場、令和5年は4,886億円」

儲かる仕組み

次にジムの儲かる仕組みは、会費制の料金プランや原価率の低さなどに支えられています。一般的な飲食店や小売店とは異なり、会員制の料金プランを導入するジムは一定の売上を確保できるからです。

飲食店や小売店などと同様に、開業前には初期費用(物件取得費や店舗デザイン・工事費など)がかかります。しかし食材や商品などの在庫を抱えなくて済むため、開業後の運転資金に占める原価率を低く抑えて、利益率を高めやすいです。

経営者の年収

それからジム経営者の年収はWeb上に掲載されていません(2024年10月時点)が、以下のデータを参考にすると、500万~1,000万円程度と推測されます。ただしジムの規模や店舗数、サービスの内容などによって、経営者の年収は変動します。

参照元:

KODATO「【中小企業1,314社の平均年俸を開示】社長の給料はいくら高くてもいいという勘違い①」

SMBC「【2023年最新版】リアルな支給データを調査 中小企業の役員報酬・賞与と退職金の相場」

例えば月間売上100万円で利益率50%のジムを2店舗経営できれば、経営者の年収は450万円程度です。

  • 月間売上100万×12ヵ月×2店舗×利益率50%=1,200万円

業態の種類(店舗型やマンション型など)

そしてジム業態の種類は、立地によって店舗型やマンション型、店舗兼住宅型などに分類されます。立地によって物件の規模や間取りなどが制約を受けるため、提供できるサービスや適した集客の方法などが影響を受けます。

立地だけではなく、ジム業態の種類は、サービス内容によって無人ジムやパーソナルジム、総合型ジム、オンラインジムなどに分類され、経営主体によって個人店やフランチャイズ加盟店に分類されます。

ジム経営は難しい?失敗する原因

ジム経営は難しい?失敗する原因

基本情報を踏まえると、ジム経営は難しいのでしょうか?そこでジム経営に失敗する原因(独自性の低さや立地の悪さ、ブランド力の低さ、集客方法の間違い、低い利益率・資金不足、従業員の不足)も確認しておきましょう。

独自性の低さ

まず独自性の低さが、ジム経営に失敗する原因として挙げられます。店内フロアにありふれたトレーニング器具を配置しただけでは、集客と売上の増加を期待できません。最新設備や独自器具などが配置された競合店より、サービスの質が劣ってしまうからです。

設備・器具だけではなく、会員数を増やすためには、トレーニング・栄養の指導やオプションサービスなどの独自性も重要です。明確なコンセプトを設計する方法について、後ほどご紹介します。

立地の悪さ

次に立地の悪さも、ジム経営に失敗する原因です。ターゲットとする顧客層にとって通いづらい立地を選んでしまうと、新規会員を獲得しづらくなります。例えば仕事帰りのビジネスパーソンをターゲットにしているジムには、最寄駅から遠い立地は合いません。

また子育て世代や高齢層をターゲットにしているジムには、自動車でアクセスできない立地や商業エリアから離れた立地などは適していません。集客しやすい立地について、後ほどご紹介します。

ブランド力の低さ

それからブランド力の低さも、ジム経営に失敗する原因です。ジム業界に個人で新規出店する場合には知名度も認知度もないため、自店舗の魅力が消費者に浸透するまでに時間がかかります。開業当初から赤字が続いてしまうと、運転資金が底を突くリスクが高まります。

フランチャイズジムに加盟する場合にはブランド力による集客効果を期待できますが、本部の経営不振や他店舗の不祥事などによりブランド力が低下すると、自店舗の集客と売上にも悪影響をもたらします。ブランディング戦略について、後ほどご紹介します。

集客方法の間違い

続いて集客方法の間違いも、ジム経営に失敗する原因です。ターゲットとする顧客層に情報が届く方法で集客できなければ、自店舗の魅力が伝わりません。例えばビジネスパーソンでも、産休・育休を取得している間には電車・バス内の広告を目にする機会が減ります。

インターネットやSNSの利用率は若年層から高齢層まで浸透していますが、消費者の属性(年齢や性別、職業など)によって利用しているメディアは異なります。ターゲット層が利用しているメディアに情報を発信しなければ、Web上の集客効果を期待できません。

参照元:総務省「令和4年版 情報通信白書|データ集(第3章第8節)」

低い利益率・資金不足

さらに低い利益率・資金不足も、ジム経営に失敗する原因です。飲食業や小売業とは異なり、ジム経営の原価率は抑えやすいですが、無駄な経費が膨らむほど利益率を下げてしまいいます

開業前の初期投資(物件取得費や店舗デザイン・工事費など)や開業後の運転資金が不足してしまうと、必要な設備・機器・什器を配置できなかったり、固定費(光熱水費や賃料など)の支払いが滞ったりしてしまいます。

従業員の不足

そして従業員の不足も、ジム経営に失敗する原因です。長時間営業や多店舗展開を計画しても、従業員が不足していると経営者だけでは実現できません。開業後に従業員が不足する間には、店舗の営業短縮や休業などを強いられます

従業員の定着率が低くなり、一貫した質のサービスを提供できなくなると、顧客満足度を下げる恐れもあります。職場の雰囲気が良くなければ、従業員の採用率を高めづらいです。従業員の採用・研修について、後ほどご紹介します。

ジム経営を成功させるためのポイント

ジム経営を成功させるためのポイント

ジム経営に失敗しないように、成功させるためのポイント(明確なコンセプトと集客しやすい立地、ターゲット層に合う集客方法、ブランディング戦略、資金調達・売上管理、従業員の採用・研修)も確認しましょう。

明確なコンセプト

まず明確なコンセプトが、ジム経営を成功させるためのポイントとして挙げられます。独自性の高いサービスを提供できるように、市場調査と競合分析を踏まえて自店舗の明確なコンセプトを設計しましょう。

店舗経営の基本方針であるコンセプトは、事業計画書の作成や店舗のデザイン・工事などにも必要です。ジム経営にも活用できるコンセプトを設計する流れと方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客しやすい立地

次に集客しやすい立地も、ジム経営を成功させるためのポイントです。店舗の立地を選定する際には、地域性や利便性、通行量、視認性、競合数などの条件を検討します。ターゲットとする顧客層に適した立地の種類(商業施設内や駅前など)を選びましょう。

立地の種類と同様に、ジムの集客と売上を高めるためには、店舗物件の階数や規模、間取りなども重要です。ジム経営にも活用できる店舗物件探しのコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ターゲット層に合う集客方法

それからターゲット層に合う集客方法も、ジム経営を成功させるためのポイントです。ターゲット層が利用しているメディアを特定したうえで、オンライン(SEOやMEOなど)とオフライン(交通広告やポスティングなど)で集客活動を展開しましょう。

例えばSNS集客を展開する際には、ターゲット層に応じてSNSの種類(インスタグラムやXなど)や投稿のルールなどを検討します。ジム経営にも活用できるSNS集客の参考事例をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ブランディング戦略

続いてブランディング戦略も、ジム経営を成功させるためのポイントです。自店舗のブランド力が高まるほど認知度や信頼感が高まるため、集客コストを削減したり、従業員の採用率を高めたりできます

店舗のブランディング戦略を展開する際のポイントは、独自性のあるサービスのアピールやコンセプトに基づいた内装空間のデザインなどです。店舗をブランディングする流れと方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

資金調達・売上管理

さらに資金調達・売上管理も、ジム経営を成功させるためのポイントです。開業資金や運転資金が不足する場合には、資金の調達方法(出資や借入、融資、補助金・助成金)を検討しましょう。

資金調達だけではなく、原価率を抑えて利益率を高めるためには、売上管理も重要です。売上目標を設定したうえで、売上を正確に記録しなければなりません。ジム経営にも活用できる売上を管理する方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

従業員の採用・研修

そして従業員の採用・研修も、ジム経営を成功させるためのポイントです。長時間営業する場合や多店舗展開する場合には、店舗営業を任せる従業員を採用します。採用したい職種や人数、スキルなどを明確にしたうえで、採用活動を計画しましょう。

採用から開業までの間には、経営方針やマニュアルなどを示しながら、接客やパーソナルトレーニングなどに関する研修も実施します。人材採用のコツや研修の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

ジム経営の参考事例

ポイントを押さえてジムを経営できるように、参考となる事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(独自コンセプトと集客しやすい立地、リブランディング、資金調達、研修制度)をご紹介します。

独自コンセプトを設計したジム

独自コンセプトを設計したジム

まず「ATTivoGYM」は、独自コンセプトを設計したジムです。特定の顧客層だけに絞らず、初心者から玄人までの老若男女をターゲットに、人口密度の低い地方都市を立地に選定しています。

競合店との差別化を図るために、家族会員制度やマッサージチェア、水素ガス吸引器などが導入されています。清掃を心がけたり、初心者をサポートしたりできるように、従業員が常駐しているジムです。

参照元:

PR TIMES「【宮城発。全国へ】コロナ禍でも安定経営を実現したアッティーボジムの逆張り戦略。失敗しないジム経営メソッドを直営店で蓄積したアッティーボ初のフランチャイズ経営説明会実施決定!|株式会社ジーズニューコンセプト」

ATTivoGYM「お客様の声」

集客しやすい立地のジム

集客しやすい立地のジム

次に「パーソナルトレーニングジム First class」は、集客しやすい立地のジムです。最寄駅から徒歩数分の距離にあるマンションの3階に立地しており、パーソナルトレーニングが提供されています。

立地だけではなく、会員が通いやすいように、低価格プラン(プロテイン飲み放題やシャワー使い放題、トレーニングウェア無料貸出)が提供されています。健康やボディメイク、ダイエットなどを目的としたトレーニングを提供しているジムです。

参照元:

PR TIMES「【藤崎駅から徒歩2分】『パーソナルトレーニングジム First class』が福岡市早良区に新オープン!!他のジムとは違う、4つの”やすい”とは?|パーソナルトレーニングジム First class」

パーソナルトレーニングジム First class「福岡県百道のパーソナルジムなら手ぶらで通えるFirst class | マンツーマン」

リブランディングしたジム

リブランディングしたジム

それから「ELEMENT」は、リブランディングしたジムです。開業当初に目指していた「運動の習慣化」を実現できたと判断し、新たに「動くから、変えられること。」を掲げて会員の健康や幸せのサポートを目指しています。

具体的なサービスとして、5つのトレーニングメニュー(ワークアウト・シェイプアップ・ボディケア・マシンピラティス・セミパーソナルトレーニング)が提供されています。初回体験トレーニングや入会金の割引キャンペーンなどを導入しているジムです。

参照元:

PR TIMES「”動くから、変えられること。”が新テーマ、パーソナルジム「ELEMENT」がリブランディングを実施|株式会社MIGRIDS」

ELEMENT「東京・通い放題のパーソナルトレーニングジムELEMENT」

事業拡大のために資金調達をしたジム

事業拡大のために資金調達をしたジム

続いて「」は、事業拡大のために資金調達をしたジムです。第三者割当増資と融資により調達された資金は、次世代型フィットネスジムとフィットネスジム利用アプリの事業拡大に活用されました。

次世代型フィットネスジムは24時間無人営業の店舗で、アプリで会員の入退会や来店時の入退室などが管理されています。人件費を削減して、リーズナブルなサービスの提供を心がけているジムです。

参照元:

PR TIMES「フィットネス事業を展開するFiT、シリーズAラウンドにて約6億円の資金調達を実施。IT活用とフランチャイズ型ジムの展開を加速|株式会社FiT」

創業手帳「次世代型フィットネスジム『LifeFit』を手がける『FiT』が6億円調達」

研修制度を整備しているジム

研修制度を整備しているジム

そして「ルネサンス」は、研修制度を整備しているジムです。役職や雇用条件に関係なく、全従業員がスマイルスタッフの研修を受けます。研修の内容は、接客の心構えや方法などです。

50代の従業員に対しては、定年後のキャリアを考えるライフデザイン研修が提供されています。研修の内容は、社会情勢の変化や経済的な将来設計、キャリアデザインなどです。

参照元:

ルネサンス「スマイルスタッフの取り組み」

ダイヤモンドオンライン「『定年後のキャリアどうする?』60歳で新規事業、50歳以降の研修~ある大手スポーツクラブのチャレンジ」

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監修者

IDEAL編集部

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