2023.09.25  2023.09.10|店舗運営ノウハウ

店舗経営の仕入先を選ぶポイント!仕入先の種類や上手く付き合うコツも紹介

店舗経営の仕入先を選ぶポイント!仕入先の種類や上手く付き合うコツも紹介

本記事で、店舗経営の仕入先を選ぶポイントについて解説します。仕入先の種類や上手く付き合うコツもご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

店舗経営に必要な仕入先とは?基本情報

店舗経営に必要な仕入先とは?基本情報

そもそも店舗経営において仕入先がなぜ重要なのでしょうか?そこで店舗経営に必要な仕入先について、基本情報(重要な理由や仕入先の主な種類、外注先や販売先との違い、インボイス制度の影響)をご紹介します。

重要性

まず店舗経営に必要な仕入先は、商品やサービスの価格や品質を保つために重要です。飲食業やサービス業などの店舗においては、仕入れ値が高くなるほど原価率が上がるため、利益率が下がってしまいます。

また小売業や医療・福祉業などの店舗においては、販売する商品やサービスに使用される消耗品の品質が悪いと、顧客満足度を下げてしまいます。店舗経営の集客と売上を安定させるために、仕入先の選び方に注意しましょう。

主な種類

次に店舗経営に必要な仕入先の主な種類をリストにまとめましたので、ご覧ください。ただし店舗の業種によって、注文できる仕入先は異なります。

  • 製造販売元のメーカー
  • 卸売業者
  • オンラインショップ
  • 業務用スーパー

メーカーと直接取引すると、卸売業者からの中間手数料を省くことができます。ただし卸売業者は、幅広いメーカーの商品を取り扱っています。オンラインショップや業務用スーパーなら、価格の安い商品や小ロットの注文が可能です。

外注先や販売先との違い

また店舗経営に必要な仕入先と外注先販売先との違いは、契約形態や経費の流れです。仕入先に商品を注文する場合には、売買契約を結んで、代金を支払います。外注先に業務を依頼する場合には、請負契約や準委任契約を結んで、代金を支払います。

一方で販売先(卸売業者や消費者などの顧客)に商品を売る場合には、売買契約を結んで、代金を請求します。いずれの契約形態も民法に規定されていますので、契約手続きや支払いの方法などを確認しましょう。

参照元:

金子総合法律事務所「民法第555条 – 売買」

金子総合法律事務所「民法第632条 – 請負」

金子総合法律事務所「民法第656条 – 準委任」

インボイス制度の影響

なお店舗経営において仕入先と取引する際には、インボイス制度の影響を受けます。インボイス制度においては、適格請求書発行事業者との取引においてのみ、消費税の仕入額控除が認められます。

つまり適格請求書発行事業者以外との取引においては、支払った消費税分が控除されなくなります。したがって店舗経営において仕入先を選ぶ際に、適格請求書発行事業者かどうかを確認することが重要です。

参照元:東京商工会議所「2023年10月1日から適格請求書等保存方式(インボイス制度)が導入!~中小企業・小規模事業者が知っておくべきこと、準備しておくべきこと~」

店舗経営の仕入先を選ぶ際のポイント

店舗経営の仕入先を選ぶ際のポイント

基本情報を押さえたところで、店舗経営の仕入先を選ぶ際のポイントも確認しましょう。8点(品質と品揃え、ブランド力、卸売価格、供給の安定性、業界の専門性、サポート体制、展示会や見本市、SNSや商工会議所)を取り上げます。

品質と品揃え

まず品質と品揃えが、店舗経営の仕入先を選ぶ際のポイントとして挙げられます。商品やサービスに対する顧客満足度を高めるためには、品質管理が重要だからです。集客と売上を伸ばすために、高い品質の商品を取り扱う仕入先を選びましょう。

また幅広い種類の商品を取り扱う仕入先を選ぶことで、顧客ニーズに応えながら、発注管理をしやすくなります。豊富な商品やサービスを提供できれば、販売機会を増やすことも可能です。

ブランド力

次にブランド力も、店舗経営の仕入先を選ぶ際のポイントです。ブランド力の高いメーカーの商品を取り扱うことで、顧客からの信頼を得やすくなります。各商品について、知名度と認知度の高いメーカーを調査しましょう。

またブランド力の高い仕入先には、品質管理の徹底を期待できるため、仕入れ上のトラブル(納期の遅れや商品の破損など)防止につながります。店舗経営における集客向上や取引の安定性のために、仕入先のブランド力の検討が必要です。

卸売価格

また卸売価格も、店舗経営の仕入先を選ぶ際のポイントです。店舗経営の利益率を高めるためには、商品とサービスの原価率を下げなくてはなりません。同じ商品を取り扱っているなら、卸売価格の安い仕入先を選びましょう。

ただし卸売価格の安さだけを重視すると、劣化品や不良品を仕入れる割合が高くなる恐れがあります。値段の安さはもちろん、品質や機能性、デザイン性とのバランスも検討してください。

供給の安定性

そして供給の安定性も、店舗経営の仕入先を選ぶ際のポイントです。一度だけ品質の良い商品を安く仕入れることができても、継続した売上を期待できません。そこで安定的に商品を供給できる仕入先を選ぶことが求められます。

各仕入先の供給の安定性を比較するためには、一回当たりの生産量や供給の頻度などを確認しましょう。売買契約前に希望条件(仕入れの頻度と発注量など)を伝えて、契約条件(供給が遅れた場合の対応方法など)の確認が必要です。

業界の専門性

それから業界の専門性も、店舗経営の仕入先を選ぶ際のポイントです。専門性の高い仕入先を選ぶことで、業界の最新情報や競合店舗の営業状況などを入手できます。業界のトレンドを把握したうえで、仕入れる商品や販売するサービスなどを検討しましょう。

各業界の専門誌やWebサイトなどをチェックすると、製造販売のメーカーや卸売業者などの情報を得られます。特に特殊な材料や供給量の少ない商品などを仕入れる際には、業界の専門性の高い仕入先へ相談してください。

サポート体制

さらにサポート体制も、店舗経営の仕入先を選ぶ際のポイントです。商品開発やサービス企画も提供している仕入先なら、店舗経営をサポートしてくれます。顧客ニーズの発掘や集客の向上のためにも、仕入先の選び方が重要です。

また仕入先から各商品の使用方法や販売方法などを説明してもらうことで、接客や集客に活かすことができます。集客や売上が低下してきた際に、相談に乗ってくれる仕入先を選びましょう。

展示会や見本市の訪問

また展示会・見本市の訪問も、店舗経営の仕入先を選ぶ際のポイントです。各業界の展示会や見本市を訪問することで、新商品の情報を得たり、商品を手に取ったりできます。新たな商品やサービスを企画・開発するきっかけとなります。

また仕入先の営業担当者と連絡先を交換することで、定期的に最新情報を届けてもらったり、売買契約を相談したりできます。新たな仕入先を開拓したい場合には、展示会や見本市を活用しましょう。

SNSや商工会議所の活用

なお店舗経営の仕入先を選ぶ際のポイントとして、SNSや商工会議所の活用も挙げられます。SNS上の情報を検索することで、仕入先から発信されている情報や競合店舗からの口コミなどを調査できます。

また店舗開業エリア内の商工会議所に相談することで、仕入先や外注先を紹介してくれます。集客と売上を伸ばせるように、店舗経営のコストダウンや販路拡大などをサポートしてもらいましょう。

参照元:大阪商工会議所「販路開拓・取引相談は大阪商工会議所へご相談を」

店舗が仕入先と上手く付き合うコツ

店舗が仕入先と上手く付き合うコツ

仕入先を選んでからは、良好な取引を続けることが重要です。そこで店舗が仕入先と上手く付き合うコツ(相見積もりと最低ロット数の交渉、複数業者との取引、対等な取引)を確認しましょう。

相見積もりを取る

まず相見積もりを取ることが、店舗が仕入先と上手く付き合うコツです。複数の業者に同じ条件を提示して、見積もりを出してもらうことで、各仕入先の卸売価格や品質、供給量などを比較できます。

また数量・季節による割引や支払い方法、発注から納期までの期間なども、各仕入先によって異なります。見積書だけではなく、サンプルを併せて送ってもらえると、商品の比較がしやすいです。

最低ロット数を交渉する

次に最低ロット数を交渉することも、店舗が仕入先と上手く付き合うコツです。一般的にロット数が増えると単価は安くなりますが、売れ残りのリスクが高くなります。売上目標に基づいて在庫量を計算したうえで、仕入先と最低ロット数を交渉しましょう。

特に店舗開業当初には赤字が続くことも想定されるため、希望するロットに対応してくれる仕入先が必要です。ただしロット数が少ないと、仕入れ値の単価が高くなる点にご注意ください。

複数の仕入先と取引する

また複数の仕入先と取引することも、店舗が仕入先と上手く付き合うコツです。同じ種類の商品を複数の仕入先から仕入れておくと、仕入先の倒産や納期の遅延などに対応できます。

また相見積もりと同様に、複数の仕入先と取引しておくことで、価格や納期、ロット数などの交渉をしやすくなります。各仕入先の営業担当者と、定期的なコミュニケーションを欠かさないようにしましょう。

対等な立場で取引する

そして店舗が仕入先と上手く付き合うコツとして、対等な立場で取引しましょう。店舗と仕入先の取引に上下関係はなく、対等な立場による売買契約です。独占禁止法により、不公正な取引方法(不当な返品や値引き、買いたたきなど)は禁止されています。

参照元:公正取引委員会「大規模小売業者による納入業者との取引における特定の不公正な取引方法」

店舗経営は、仕入先の安定供給によって支えられています。不公正な取引を求めては、売買契約を継続してもらえません。ビジネスパートナーとして、双方が適切な利益を獲得できるように、対等な立場で取引を行いましょう。

仕入先以外の店舗経営に関する注意点

仕入先以外の店舗経営に関する注意点

仕入先と上手く付き合う以外にも、店舗経営に関する注意点があります。本記事では、8点(開業準備と売上管理、DX、ブランディング、サステナビリティ、コロナ対策、経営スキル、集客活動)をご紹介します。

開業準備

まず開業準備が、仕入先以外の店舗経営に関する注意点として挙げられます。開業準備を滞りなく進めなくては、予定どおりに店舗の営業を開始できないからです。

  • コンセプトを設計する
  • 事業計画書を作成する
  • 資金を調達する
  • 店舗物件を選ぶ
  • 店舗のデザイン・工事を業者に依頼する
  • 商品やサービスを企画・開発する
  • 仕入先を選定する
  • 開業に必要な資格・届出・許可を申請する
  • 人材の採用と研修を開始する
  • 集客活動を展開する

以上の流れについて詳しく解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。

売上管理

次に売上管理も、仕入先以外の店舗経営に関する注意点です。店舗経営の利益率を確保できるように、次のように売上を管理しましょう。

  • 損益分岐点を把握する
  • 売上目標を設定する
  • 毎営業日の売上を記録する
  • 売上目標の達成率を計算する
  • 売上目標の達成率を分析する
  • 問題点を改善する

幅広い業種・業態の店舗に活用できる売上管理の方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

DX

またDXも、仕入先以外の店舗経営に関する注意点です。DX(デジタル技術による店舗経営の仕組みや商品・サービスなどの変革)は、店舗経営の業務効率化や生産性向上、競争力強化などを図るために重要です。

店舗DXの方法には、オンライン予約システムやデジタルサイネージ、セルフオーダーシステム、店舗営業分析システム、店舗管理システムなどが挙げられます。店舗DXの費用や事例もまとめてありますので、次の記事も併せてください。

ブランディング

そしてブランディングも、仕入先以外の店舗経営に関する注意点です。店舗をブランディングすることで、消費者からの認知度を高めて、集客と売上を安定させることができます。また人材採用の効率化や取引先からの信頼獲得にもつながります。

そこで独自性のある商品・サービスを開発したり、店舗の内装デザインを刷新したりしましょう。店舗をブランディングする流れや参考となる事例などをまとめてありますので、次の記事も併せてください。

サステナビリティ

さらにサステナビリティも、仕入先以外の店舗経営に関する注意点です。店舗の継続的な成長や世界的な課題解決のために、サステナブルな店舗のデザインが求められています。

そこでエコ素材や再生可能エネルギー、地産地消、廃棄量削減などを取り入れながら、サステナブルな店舗経営を検討しましょう。サステナブルな店舗の事例もまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

コロナ対策

それからコロナ対策も、仕入先以外の店舗経営に関する注意点です。2023年5月にWHOにより緊急事態宣言が発表されましたが、今後も店舗経営に感染症対策は求められます

参照元:NHK「WHO 新型コロナ「緊急事態宣言」終了を発表」

そこで店舗内のフィジカルディスタンスや換気効率、清潔さなどに気をつけながら、店舗をデザインしましょう。コロナ対策にかかる店舗工事費用や補助金・助成金などについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗経営に役立つ資格やスキル

また店舗経営に役立つ資格やスキルも、仕入先以外の店舗経営に関する注意点です。店舗経営には、幅広い業務(市場調査から商品・サービスの企画開発、人材採用・育成、資金管理など)が求められます。

そこで店舗経営に役立つ資格やスキルを身につけましょう。経営全般に役立つ資格や業種別(飲食店やサロン、クリニック、ジム、物販店、結婚式場など)の資格をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客活動

なお集客活動も、仕入先以外の店舗経営に関する注意点です。店舗の売上を安定させるためには、新規顧客数だけではなく、リピート率を上げなくてはなりません。品質の高い商品とサービスの提供を前提条件として、効率的な集客活動の展開が重要です。

そこで店舗の集客率を上げるために、ターゲットする顧客層に合わせて、オフラインとオンラインの方法を組み合わせましょう。店舗へ集客する方法や参考となる事例などをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗経営の仕入先を選定しよう!

IDEALは、店舗全般のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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