「クリニックの内装をどうデザイ…
2022.10.03 2022.10.14|店舗デザイン
古民家カフェ内装デザインのポイント!工事費用や施工事例も紹介
本記事で、古民家カフェの内装デザインのポイントについて解説します。古民家カフェの内装の特徴や施工事例、工事費用などについてもご紹介します。
「古民家カフェの内装デザインのポイントが知りたい!」「古民家カフェの内装工事費用はいくら?」とお悩みではありませんか。古民家カフェの開業や内装工事をご検討中の方は、ぜひご覧ください。
古民家カフェとは?
古民家カフェとは、古民家を再利用したカフェまたは古民家をリノベーションしたカフェです。ただし明確な基準はありません。
古民家とは、日本の住居のなかで建築年数が50年以上経過している建物です。日本の伝統的な建築工法(木造軸組工法)が採用され、茅葺(かやぶき)や草葺の屋根や土間、太い梁などの特徴をもちます。木材を多く用いるために、落ち着きを感じやすいデザインです。
参照:一般社団法人全国古民家再生協会「「古民家」の定義について」
古民家カフェは、古い街並みの観光地にマッチしやすいです。実際に京都では、古民家を活用したスタバの店舗が出店されています。スタバのコンセプトや内装デザインについて次の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。
古民家カフェ内装の特徴
和風の古民家カフェは、洋風のカフェに比べて独自の特徴があります。開業する前に、古民家カフェ内装の特徴を確認しておきましょう。
競合カフェと差別化しやすい
1つ目は、競合カフェと差別化しやすいことです。古民家の柱や梁には、天然木がよく用いられています。月日が経過した天然木は独特の風合いや雰囲気を醸し出すため、一般的なカフェと異なる雰囲気を出しやすいです。
また新たなデザインを取り入れて古民家をリノベーションすると、独自性を出したカフェを実現できます。特にレトロ感のある内外装を施工した古民家カフェなら、顧客に非日常感や古き良き時代の感じなどを提供できます。
エコフレンドリーである
2つ目は、エコフレンドリーであることです。エコフレンドリーとは、「環境に良い」「環境に優しい」などを意味します。古民家には釘を使わない日本の伝統工法が採用されており、木材や土、藁(わら)などの天然素材を使っているため、環境に優しい造りです。
さらに古民家をリノベーションする際は、無垢材や漆喰などの自然素材を用いることで化学物質が発生しにくくなります。化学物質が発生しなければ、シックハウス症候群などのリスクを抑えられます。よって古民家カフェは顧客の身体に優しく、安心して利用してもらいやすくなります。
耐久性が高い
3つ目は、耐久性が高いことです。古民家には木材が多く使用されており、なかには強度の高い松が使われている場合もあります。また建物の耐久性を高めるために、大黒柱や梁に太い木材を使用する工夫などが施されています。
木材は伐採後200年程度は強度が増す性質があり、適切なメンテナンスを行うと寿命を延ばすことが可能です。そのため古民家カフェは、中長期的に独特の内観を維持できます。鉄やコンクリートを使った建物と同様に、寿命が長持ちする場合もあります。
物件購入費や税金を抑えられる
4つ目は、物件購入費や税金を抑えられることです。古民家には一般的な住宅や店舗よりも土地代や建物代がかからない場合があります。よってカフェ開業にあたって店舗を新築したり、中古物件を購入したりするより、古民家を購入したほうが費用を抑えられます。
また土地や建物を所有すると、固定資産税が課税されます。建物にかかる固定資産税の算定には築年数が関係しており、築年数が経過している古民家ほど税額が低くなります。
さらに地方自治体によっては、同一者が所有する固定資産課税標準額が一定に満たない場合には免税されます。
なおカフェ開業のための物件取得や資金調達などに関しては下記の記事でまとめてあります。併せてご覧ください。
古民家カフェ内装デザインのポイント
古民家カフェの内装の特徴を踏まえて、内装デザインのポイントをご紹介します。古民家カフェ独特の内装を活かせるように、デザインポイントを押さえましょう。
ユニバーサルデザインを取り入れる
まずユニバーサルデザインを取り入れてください。ユニバーサルデザインとは、あらゆる年齢や性別、文化、身体の人々に対応できるデザインです。
例えば古民家カフェ内に段差がある場合には、高齢層の顧客が入店しづらくなります。玄関や土間にスロープや手すりを付けて、なるべく多くの顧客が不便さを感じないデザインを検討してください。
他にも和式トイレや低い天井がデザインされていると、顧客によって不便さや圧迫感を感じる場合があります。古民家内装の魅力を残しつつ、必要に応じて改修しましょう。
断熱性や気密性、耐震性を確保する
次に断熱性や気密性、耐震性を確保してください。古民家のような日本の伝統的な家屋は断熱性や気密性が低い場合があり、冷暖房の効きが悪くなります。建物内が快適に過ごせるように、断熱材の使用などをご検討ください。
また築年数が経過している古民家は、現行の耐震基準を満たしていない可能性があります。古民家の内装の特徴を残しつつ現行の耐震基準をクリアできるように、内装デザインを依頼する業者と相談しましょう。
天井の棟木や垂木を見せる
また天井の棟木(むなぎ)や垂木を見せるデザインを取り入れてください。古民家カフェのレトロ感を演出できるからです。天井にクロスを貼らずに天然木を見せることで、温もりや自然感を表現できます。
迫力ある棟木や垂木が天井に広がる点は、現代の住宅構造との違いです。垂木の太さや取り付ける間隔を変えるだけで、デザインに変化が生まれます。また施工されている垂木を活かしつつ、現代的な照明器具などを加えることも可能です。
床や建具に天然木風の素材を使用する
さらに床や建具に天然木風の素材を使用してください。床は内装の大部分を占めるため、内装全体の印象を大きく左右するからです。
施工されている床が理想とする古民家カフェの内装に近くない場合は、フローリングシートなどを施工しましょう。濃い色合いにすることで、古民家の特徴的な雰囲気を再現できます。
また床の色合いと統一させるように、襖(ふすま)や障子などの建具をデザインしてください。襖や障子が破れていたり劣化したりしていたら、貼替えをして清潔感を保ちましょう。
暖色系の照明を設置する
加えて暖色系の照明を設置する点もポイントです。古民家カフェに暖色系の照明を設置すると、内装に使われている天然木とともにレトロな雰囲気を演出できます。照明の明るさや色合いによって、空間内の雰囲気が変わります。
照明にはさまざまな種類がありますが、古民家カフェには天井から吊るすペンダントライトなどが適しています。ペンダントライトで床や壁を部分的に照らすことで、影の明暗を出しやすいです。心地良さを感じる空間を演出する照明をデザインしましょう。
手入れされた古い家具を配置する
なお古民家カフェの内装には、手入れされた古い家具を配置しましょう。インテリアとして古い家具を配置することで、レトロな雰囲気を演出できます。古い家具だけではなく小物などの古道具も、古民家カフェにマッチします。
ただし古い家具や道具は汚れていたり、虫食いがあったりします。劣化した状態で配置すると顧客からの印象が悪くなるため、風合いを残しつつも清潔に手入れされた古道具や古家具をお選びください。
古民家カフェ内装の施工事例
古民家カフェ内装デザインのポイントを踏まえたうえで、施工事例を確認しましょう。施工事例を調査することで、理想的な古民家カフェの内装デザインをイメージしやすくなります。
アンティークランプが優しく灯る古民家カフェ
「古民家カフェ 藤の家」様は、山形県鶴岡市にある古民家カフェです。落ち着いた空間で食事が楽しめるように、築130年の古民家にアンティークランプが優しく灯っています。内装には、木材を使った格子状の扉や襖などが配置されています。
また店内で顧客が靴を履いたり移動したりしやすいように、腰板や椅子が配置されています。古道具が配置されたお座敷席もレイアウトされており、古民家カフェの内装の特徴が取り入れられています。
襖の造作された古民家カフェ
「葉もれ日」様は、東京都台東区にある古民家カフェです。もともと酒屋だった建物がリノベーションされて、土間の部分がカフェスペースとして利用されています。ガラスの襖に加えて、欄間部分(襖の上部)も造作されています。
また店舗の出入口付近には、木製の小物入れやコースターなどが展示されております。壁と天井に濃い色合いが配色されて、薄い色合いのダイニングテーブルが配色されたことで、内装デザインのバランスが図られています。
昭和レトロな古民家カフェ
「Cafe かいめんこや」様は宮城県栗原市にあり、古い薬屋がリノベーションされました。店内には学校で利用されるデザインの椅子やテーブルが配置されており、昭和レトロを感じさせる古民家カフェです。内装の特徴である天井の棟木や垂木が見えるデザインが採用されています。
店内にいくつか設置されている木製の棚には、昭和時代の雑貨が配置されています。ペンダントライトなども含めて、古民家カフェの特徴が取り入れられています。
木造校舎がリノベーションされた古民家カフェ
「蕎麦カフェSCHOLA(スコラ)」様は福島県大沼郡昭和村にあります。小学校がリノベーションされた古民家カフェで、築80年ほどの木造校舎が活用されました。窓際のカウンター席からは、校庭と旧校舎を眺められます。
壁に白色と床や扉に濃い茶色が配色されており、色合いのバランスが良いです。また暖色系の照明が施工されており、内装を優しい光で照らしています。各箇所で色合いの濃淡がある店内です。
和洋のデザインが融合した古民家カフェ
「珈琲堂えどもんず」様は千葉県富津市にあり、和洋のデザインが融合した古民家カフェです。幅広い顧客のニーズに応えられるように、テーブル席の大広間やお座敷の個室、カウンター席がデザインされています。
和風デザインの個室には囲炉裏を連想させる設備や古道具・壺などのインテリアが配置されています。一方で洋風の椅子やテーブルなどが配置された空間もレイアウトされています。インテリアとして廊下の窓際にミルなどが並べられています。
古民家カフェの内装工事費用
デザインした理想的な古民家カフェの内装を工事するためには、予算内に費用を収めることが前提となります。工事費用をできるだけ正確に計算しながら節約できるように、古民家カフェの内装工事費用をご紹介します。
工事費用の相場
古民家カフェ内装工事費用の相場は、坪単価10万〜60万円程度です。例えば20坪の店舗であれば、200万〜1,200万円程度かかります。
もともと古民家カフェとして営業されていた居抜き物件であれば、施工されている内装や設備などを活かすことができるため、費用を抑えやすいです。ただし施工されている内装や設備の改装や修繕が必要になると、工事費用が膨らむ危険性があります。
一方で古民家のままの物件だと、居抜き物件よりも自由に内装をデザインしやすいです。ただしカフェに必要な内装や設備を工事する費用がかかりますので、予算を超えないようにご注意ください。
工事費用の内訳
古民家カフェの内装工事にはさまざまな費用が含まれます。主な費用をご紹介します。
- デザイン料:内装の設計
- 解体工事費:既存の内装や設備の解体
- 間仕切り工事費:店内に設ける間仕切りの施工
- 塗装工事費:天井や床、壁の塗装
- 造作工事費:カウンターや棚などの造作
- 設備工事費:電気・ガス・水道などの配線や配管の施工
- 空調工事費:空調・換気設備の施工
- 防災工事費:消火器や誘導灯などの設置
- 廃棄物処理費:工事で出た廃棄物の処分
なお古民家カフェを含むカフェ内装工事費用の内訳に関して次の記事でまとめてありますので、併せてご覧ください。
工事費用を抑えるコツ
古民家カフェ内装工事費用を抑えるコツは、古民家カフェとして営業していた居抜き物件を選ぶことです。既存の設備や内装の活用できる部分を残しつつ、必要な部分だけを工事することで、工事費用の合計金額を抑えられるからです。
また古民家カフェに天然木や天然木から切り出された無垢材が使用される場合には、加工に手間がかかるため費用がかかりやすいです。高級素材でこだわりたい部分と素材のグレードを下げる部分を分けることで、工事費用を節約できます。
古民家の特徴を生かしてカフェの内装をデザインしよう
競合カフェと差別化するためには、古民家の特徴を活かしたカフェの内装をデザインしましょう。理想的な古民家カフェを施工できるように、工事費用の節約もご検討ください。
IDEALは古民家カフェを含む店舗全般のコンセプト設計から物件探し、内装デザイン・工事、資金調達、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。
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監修者
-
IDEAL編集部
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