2023.05.31  2023.06.05|店舗デザイン

店舗に窓をデザインする流れとポイント!役割・種類・費用・施工事例

店舗に窓をデザインする流れとポイント!役割・種類・費用・施工事例

本記事で、店舗に窓をデザインする流れとポイントを解説します。店舗デザインにおける窓の役割や種類、工事の費用や事例もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

店舗デザインにおける窓の役割

店舗デザインにおける窓の役割

そもそも店舗デザインにおいて、窓はどのような役割を期待されているのでしょうか?本記事では、主な役割を5点に整理して、ご紹介します。店舗における窓の役割を把握したうえで、店舗に理想的な窓をデザインしましょう。

店内の様子を店外にアピールする

店舗デザインにおいて、まず窓には店内の様子を店外にアピールする役割が期待されています。商品の魅力や接客の雰囲気などを伝えられると、顧客の入店を促しやすくなります。また「暗い時間帯には、『窓から外に光が漏れて店内が見える店舗』ほど通行人から視認されやすい」という研究結果が報告されています。

参照:小林茂雄「店舗開口部の特徴と歩行者の注視行動との関係(5-6ページ)

なお路面店舗を開業すると、窓から店内の様子を伝えやすいです。路面店のメリットやデザインを詳しく解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。

店外から自然光を取り入れる

次に店外から自然光を取り入れる点も、店舗デザインにおける窓の役割です。自然光の入る位置に窓を施工すると、店舗の内装空間に明るさを演出できます。また窓から自然光が入ることで、店外とのつながりを感じさせ、開放感を出すことも可能です。

さらに自然光を取り入れることで、照明にかかる電気代を削減できます。店舗に施工できる照明の種類をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

自然換気を促す

また自然換気を促す点も、店舗デザインにおける窓の役割です。対角線に窓を設置して空気を入れ替えることで、店舗内のウイルス除去や二酸化炭素濃度の低下を期待できます。風通しが良くなることで、結露とカビの発生を防止できます。

ただし店舗内には、自然換気設備だけではなく、機械換気設備も必要です。店舗内を換気する方法について詳しく紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

顧客に景観を楽しんでもらう

そして顧客に景観を楽しんでもらう点も、店舗デザインにおける窓の役割です。特に空中店舗は2階以上に位置するため、店舗フロアの位置が高くなるほど窓からの眺めが良くなります。

例えば空中店舗の飲食店では、窓際に席をレイアウトすると、顧客に景観を眺めながら食事を楽しんでもらえます。窓からの眺めの良さが話題になれば、集客しやすいです。他にも空中店舗に向いている業種・業態を紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

店外からの不快な刺激を遮る

さらに店外からの不快な刺激を遮る点も、店舗デザインにおける窓の役割です。窓を閉めきることで、店外からの騒音や風雨、悪臭などを遮れます。窓に防犯ガラスを施工すれば、店外からの侵入者も防ぎやすいです。

例えば通行量の多い道路に面している店舗やビルの合間に位置する店舗に、防音性の高い窓を施工すると、店外からの騒音を軽減できます。窓をデザインする際には、周辺環境の把握が大切です。

店舗にデザインできる窓の種類と工事費用

店舗にデザインできる窓の種類と工事費用

店舗における窓の役割だけではなく、店舗にデザインできる窓の種類と費用も確認しましょう。窓の種類は開閉方法によって分けられており、種類ごとにデザイン性や機能性が異なります。店舗デザインの予算を考慮して、適した窓の種類を選びましょう。

はめ殺し窓

店舗にデザインできる窓の種類として、まずはめ殺し窓が挙げられます。サッシ枠にガラスがはめ込まれた開閉機能のない窓で、通気性がありません。形が豊富で、四角だけではなく丸や三角もあります。

はめ殺し窓の工事費用は、5千〜5万円程度(窓の本体価格込み)です。構造がシンプルなため、他の窓に比べると、安価です。通気性の必要ない場所に施工することで、店舗工事費用の合計を抑えられます。

ルーバー窓

次にルーバー窓も、店舗にデザインできる窓の種類です。窓枠内に「細長いガラス板」がブラインドのように並べられた窓で、ハンドル操作で開閉されます。通気性がよく、換気に向いています。しかし簡単にガラス板を外せるため、1階に施工する場合は防犯対策が必要です。

ルーバー窓の工事費用は、1万〜10万円程度(窓の本体価格込み)です。窓のサイズや素材によって費用が異なります。特に電動で開閉される機能が付くと、費用が高額になります。

上げ下げ窓

また上げ下げ窓も、店舗にデザインできる窓の種類です。2枚のガラス戸が縦に並べられて上下にスライドして開閉する窓で、横幅を取れない場所にも施工できます。ただし天井や床の付近に施工すると、操作しにくい恐れがあります。

上げ下げ窓の工事費用は、2万〜10万円程(窓の本体価格込み)です。サッシや窓の素材とサイズにより、費用は変動します。また網戸の有無によっても費用は異なりますので、事前に確認してください。

引き違い窓

また引き違い窓も、店舗にデザインできる窓の種類です。2枚以上のガラス戸が左右にスライドして開閉する窓で、サイズのバリエーションが豊富です。ただし他の種類と比べると、気密性に劣るため、騒音や強風を防ぎづらいです。

引き違い窓の工事費用は、1万〜15万円程度(窓の本体価格込み)です。ただし素材やサイズによって費用は変動し、スライドさせるガラス戸が多いほど高額になります。

内倒し窓

それから内倒し窓も、店舗にデザインできる窓の種類です。窓の下面を軸に室内側にガラス戸が倒される窓で、開閉する幅が狭いため防犯に適しています。ただし内側に倒れるため、カーテンやブラインドを付ける場合に注意が必要です。

内倒し窓の工事費用は、2万〜4万円程度(窓の本体価格込み)です。面格子付きのものや網戸付きなどさまざまな種類のものがありますので、用途に合わせて選びましょう。

外倒し(滑り出し)窓

さらに外倒し(滑り出し)窓も、店舗にデザインできる窓の種類です。窓枠の一辺を軸にガラス戸が室外側に滑り出される窓で、開き方によって縦滑り出し型と横滑り出し型に分類されます。他の窓に比べて、気密性が高いです。

外倒し(滑り出し)窓の工事費用は、1.5万〜20万円程度(窓の本体価格込み)です。使用する素材やサイズによって、費用は異なります。特に電動で開閉される高所用は、高額です。

折りたたみ窓

加えて折りたたみ窓も、店舗にデザインできる窓の種類です。複数枚の縦長ガラス戸が折りたたまれて開閉する窓で、全開口です。開放感がありますが、防犯性が低い点にご注意ください。

折りたたみ窓の工事費用は、30万〜80万円程度(窓の本体価格込み)です。使用するガラスの枚数や種類によって費用が異なります。構造が複雑なため割ってしまった場合などの修理や、メンテナンス費用が他の窓に比べて高額になる恐れがあります。

店舗に窓をデザインする流れとポイント

店舗に窓をデザインする流れとポイント

店舗デザインにおける窓の種類と役割を踏まえて、店舗に窓をデザインする流れとポイントを確認しましょう。窓を施工する用途やコンセプト、場所、機能性、開閉方法・サッシ・ガラス、デザイン性について取り上げます。

用途を明確にする

店舗に窓をデザインする流れは、まず用途を明確にする作業から開始されます。換気や採光などの用途を明確にできれば、窓の種類や施工場所、サイズなどを決めやすいです。

例えば店内の様子をアピールしたい場合と自然換気したい場合とでは、適した窓の種類や施工場所、サイズが異なります。先ほどご紹介した窓の種類から、用途に適した窓を選びましょう。

店舗のコンセプトを確認する

次に用途と併せて、店舗のコンセプトを確認しましょう。店舗のコンセプトに基づいて窓をデザインできれば、内外装に統一感を出せるからです。

例えば大人の隠れ家をコンセプトとするバーなら、店外からの刺激を遮るために小さなサイズの窓をデザインしましょう。店舗のコンセプトを設計する方法についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

施工場所を決める

そして窓の用途や店舗のコンセプトを踏まえて、施工場所を決めましょう。窓が求められる役割を果たせるように、施工場所の位置や高さを計算してください。

例えば採光を目的とする窓を南側に施工すると、北側より長く光を取り込めます。また壁の高い位置に横長の窓を施工すると、外からの視線が気になりません。

機能性を考慮する

また機能性を考慮する点も、店舗に窓をデザインするポイントです。滑り出し窓は通気性が高いため、換気機能を期待できます。はめ殺し窓には埃が溜まりにくく、掃除の回数を減らせるため、手入れがしやすいです。

なお窓をデザインする際には、同じ開口部であるドアの機能性も考慮しましょう。店舗ドアの役割や種類をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

開き方・サッシ・ガラスを選ぶ

そして窓の施工場所と機能性に合わせて、開き方・サッシ・ガラスを選びましょう。下表に、サッシの素材をまとめましたので、ご覧ください。

サッシの素材特徴
アルミ強度があり軽量である
断熱性に劣る
樹脂断熱性に優れる
強度が劣る
木製木材ならではの温かみがある
耐久性に劣る
複合素材室内外に異なる素材を組み合わせられる
各素材の短所を補い合いえる

また店舗内装におけるガラスの役割や種類について詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

デザイン性も重視する

加えて店舗に窓をデザインする際には、機能性だけではなく、デザイン性も重視しましょう。下表に、窓のシートやフィルムの種類と特徴をまとめましたので、ご覧ください。

シートやフィルムの種類特徴
カッティングシート好きな形に切り抜いて貼れる
窓に店名やロゴなどをデザインできる
インクジェットシート印刷して貼れる
写真もデザインできる
ガラスフィルムすりガラス調のフィルムが主流である
光を遮らずに目隠しできる

窓のシートやフィルムを用いると、看板や目隠しをデザインできます。店舗のファサードをデザインするポイントを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

店舗に窓をデザインした施工事例

店舗に理想的な窓をデザインできるように、参考となる施工事例を調査しましょう。本記事ではIDEALの施工事例を取り上げて、店舗に窓をデザインするポイントが活かされている部分をご紹介します。

ジムの大きなガラス窓

ジムの大きなガラス窓

「べるフィット」様は、24時間営業のフィットネスジムです。開放感を出すために、マシンが並んでいる壁一面に大きなガラス窓が施工。内装デザインとの統一感が出るように、サッシには天井と同じシルバーが配色。

ただし店外からの視線が気になるマッサージ台のエリアでは、プライバシーを保護できるように、高い位置に窓が施工されています。顧客のトレーニングに対するニーズに応えた内装デザインです。

バルの折りたたみ窓

バルの折りたたみ窓

「赤坂 イタリアンバル 808」様は、幅広い用途に利用できるイタリアンバルです。自然光を取り込むために、ファサード部分にガラス6枚の折りたたみ窓が施工。開口時に顧客の動線を遮らないために、6枚全てを片側に折りたたむことができます。

また店内の様子をアピールできるように、ドアにも大きな窓が施工されています。通行人に視認されやすく、顧客の入店を誘いやすいデザインです。

小売店の木製の窓枠

小売店の木製の窓枠

「Fior di Maso 横浜店」様は、イタリアから輸入されたチーズやサラミを販売する小売店です。貯蔵庫とイートインエリアを分けるパーテーションとして、木製の窓枠が施工。販売する商品をアピールできるように、はめ殺し窓が採用されています。

また生ハムなどをカットするカウンターでは、ショーケースにガラスが施工されています。注文を受けてカットする様子を見せて、待っている間も顧客に楽しんでもらえる什器のデザインです。

針灸整骨院のウィンドウサイン

針灸整骨院のウィンドウサイン

「QOL 針灸整骨院」様は、健康寿命の延長と寝たきりの予防を目的とする針灸整骨院です。ファサードの窓にウィンドウサインがデザインされ、施術の理念や様子が分かるメッセージや画像がプリントされています。窓の上下にはサインを施工しないことで、店外からの視線を遮りつつ、自然光を採り入れています。

またドアのガラスには、カッティングシートでロゴや店舗名が装飾。店内の様子を店外へアピールして、顧客が気軽に入店できるように工夫されています。

物販店の店外とのつながりを感じさせる窓

物販店の店外とのつながりを感じさせる窓

「PLUS YU」様は、ポートランドをモチーフにデザインされた物販店です。店外とのつながりを感じさせるために、ファサードの壁一面にガラスが施工。コンセプトである「都市と自然の共存」に基づいて、窓から自然光が取り入れられています。

また店前には木や低木が植えられていて、アウトドア用品が陳列されています。店内の様子を店外へアピールするとだけではなく、店内に顧客に窓を通して景観を楽しんでもらうことも可能です。

店舗に理想的な窓をデザインしよう!

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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