本記事で、店舗に施工できる壁紙…
2021.08.30 2024.07.25|新規開業ノウハウ
美容クリニックの開業に失敗する原因とは?成功させるためのポイント・事例・資金
本記事で、美容クリニックの開業に失敗する原因を解説します。また成功させるためのポイント・事例・資金もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
美容クリニックの開業に失敗する原因
美容クリニックの開業準備を始める前に、開業に失敗する原因を確認しましょう。原因を把握することで、失敗を防ぎやすいからです。それでは4点(曖昧な経営方針と資金の不足、不適切な立地・集患方法、従業員の不足)をご紹介します。
曖昧な経営方針
まず曖昧な経営方針が、美容クリニックの開業に失敗する原因として挙げられます。経営方針が曖昧だと、魅力的な医療サービスの提供や効果的な集患活動を展開できないため、集患と売上を伸ばせません。
魅力的な医療サービスを提供できなければ、競合クリニックとの差別化を図れず、低価格競争に巻き込まれてしまいます。一貫した方針で美容クリニックを経営できるように、コンセプトの設計と事業計画書の作成について、後ほどご紹介します。
資金の不足
次に資金の不足も、美容クリニックの開業に失敗する原因です。開業前の初期投資(物件取得費や設備・機器・什器購入費など)が不足してしまうと、美容クリニックの開業準備を進められきません。
美容クリニック開業から数か月は集患と売上が安定せず、赤字が続く恐れがあります。開業後の運転資金(人件費や光熱水道費など)が不足しても、美容クリニックの経営を続けられなくなります。開業資金の調達と管理について、後ほどご紹介します。
不適切な立地・集患方法
それから不適切な立地・集患方法も、美容クリニックの開業に失敗する原因です。ターゲットとする顧客層に不適切な立地や集患方法を選んでしまうと、集患率を下げてしまいます。宣伝広告費の浪費につながるわけです。
例えば若年層や働き世代をターゲットとしているのに、公共交通機関でアクセスしづらい立地を選んでしまうと、患者が学校や仕事帰りに美容クリニックに通いづらいです。立地・物件の選定について、後ほどご紹介します。
従業員の不足
そして従業員の不足も、美容クリニックの開業に失敗する原因です。看護師や受付スタッフなどの従業員が不足すると、医療サービスに対する患者の満足度を下げてしまったり、目標とする予約数を受けられなくなったりしてしまいます。
従業員の募集に対して応募が集まり、採用できても、職場の雰囲気や待遇が悪いと、離職率が高くなってしまいます。看護師や受付スタッフの採用・研修について、後ほどご紹介します。
美容クリニック開業を成功させるためのポイント
開業に失敗する原因を踏まえて、美容クリニック開業を成功させるためのポイントを押さえましょう。8点(コンセプト・事業計画書、開業資金・売上管理、立地・物件、医療設備・機器や什器、DX、免許・資格・届出・許可、採用・研修、集患活動)をご紹介します。
コンセプトの設計と事業計画書の作成
まずコンセプトの設計と事業計画書の作成が、美容クリニック開業を成功させるためのポイントとして挙げられます。一貫した方針で美容クリニックを経営できるように、独自性のあるコンセプトを設計しましょう。
設計したコンセプトや売上目標などを事業計画書にまとめて、開業資金の調達や経営の評価・改善に活用しましょう。美容クリニックにも活用できる「事業計画書の書き方」をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
開業資金の調達と売上管理の方法
次に開業資金の調達と管理も、美容クリニック開業を成功させるためのポイントです。開業資金が不足する場合には、開業資金の調達方法(出資や借入、融資、補助金・助成金)を検討しましょう。
運転資金の不足を避けるためには、売上目標を設定して、達成率を計算しながら、売上を管理しましょう。美容クリニックにも活用できる「売上を管理する方法」をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
立地・物件の選定とデザイン・工事
それから店舗物件の選定とデザイン・工事も、美容クリニック開業を成功させるためのポイントです。コンセプトに基づいてターゲット層の通いやすい立地を特定したうえで、希望条件に合う物件を選定しましょう。
美容クリニックの外観や内装のデザイン・工事は、患者の満足度や従業員の業務効率を左右するため、集患と売上に影響を与えます。美容クリニックにも活用できる「外観や内装のデザイン・工事」についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
医療設備・機器や什器の手配
また医療設備・機器や什器の手配も、美容クリニック開業を成功させるためのポイントです。提供する医療サービスに応じて、必要な医療設備・機器(脱毛機や美顔器など)を選びましょう。
医療設備・機器だけではなく、什器(受付カウンターや待合室のソファ、診察室・検査室の施術台など)も必要です。美容クリニックにも活用できる「おしゃれな什器を選ぶポイント」をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
DXの推進
続いてDXの推進も、美容クリニック開業を成功させるためのポイントです。DX(デジタル技術による経営の仕組みや商品・サービスなどの変革)の推進により、業務の効率化や生産性の向上、競争力の強化などにつながります。
美容クリニックの医療サービスに応じて、オンライン予約システムやキャッシュレス決済システム、営業分析システムなどの導入を検討しましょう。美容クリニックにも活用できる「DXの方法と費用」をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
医師免許や資格の取得と届出・許可の申請
さらに医師免許や資格の取得と届出・許可の申請も、美容クリニック開業を成功させるためのポイントです。
- 医師免許
- 医療経営に関する資格(医療経営士や病院経営管理士など)
- 美容クリニックの開設届
- 保険医療機関指定の申請(保険診療に対応する場合)
- 税務に関する手続き(個人事業主の開業届または法人の設立届など)
- 防火管理者選任届・防火対象設備使用開始届(該当する物件の場合)
- 社会保険や労働保険の加入手続き(従業員を雇用する場合)
参照元:
日本年金機構「事業所が健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」
看護師や受付スタッフの採用・研修
そして看護師や受付スタッフの採用・研修も、美容クリニック開業を成功させるためのポイントです。必要な職種と人数、採用したい人物像などを明確にしたうえで、採用活動を展開しましょう。
採用から開業予定日までの間には、受付や医療サービスなどに関する研修も必要です。美容クリニックにも活用できる「人材採用のコツや研修の注意点」をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
集患活動の計画
なお集患活動の計画も、美容クリニック開業を成功させるためのポイントです。集患活動の方法には、オンライン集患(SNSやMEOなど)とオフライン集患(ポスティングや交通広告など)があります。
ターゲット層の属性や生活行動などに基づいて、適切な集患方法を選びましょう。美容クリニックにも活用できる「業種・業態ごとの集客アイデア」をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
美容クリニックの開業事例
ポイントを押さえて美容クリニックの開業を成功させられるように、参考となる事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(商業施設とラボ併設、アジア展開、化粧品メーカーとの連携、リゾート地)をご紹介します。
商業施設内の美容クリニック
まず「TCB東京中央美容外科 旭川駅前院」は、商業施設内の美容クリニックです。最寄駅から徒歩5分の商業施設(Feeeal旭川)の4階にあります。白を基調とした内装空間が、清潔さを感じさせます。
受付ロビーには、北海道の大地をイメージさせる鮮やかな壁面アートがデザインされています。日本全国に展開するTCBのクリニックには、各地域の自然をイメージさせるデザインが取り入れられており、グループ全体の統一感が保たれています。
参照元:
PR TIMES「【道北圏初進出】美容クリニック『TCB東京中央美容外科 旭川駅前院』が4月9日(火)Feeeal旭川 4階にオープン。ご予約好評受付中」
ラボ併設の美容クリニック
次に「ALOOP CLINIC & LAB」は、ラボ併設の美容クリニックです。化粧品メーカーと提携して研究を進めており、ラボには肌状態の測定に適した環境が整備されています。来院した患者の肌状態が、測定されています。
ラボで収集されたデータは化粧品開発だけではなく、各患者の肌分析にも活用されています。ラボでの肌分析により、現在と将来の肌に必要な施術やメディカルコスメを提供する美容クリニックです。
参照元:
PR TIMES「美容皮膚科クリニック『ALOOP CLINIC & LAB』2023年12月2日(土)銀座一丁目に新規オープン」
アジア展開している美容クリニック
それから「リエンジャン美容クリニック」は、アジア展開している美容クリニックです。美容整形外科だけではなく、皮膚科の診療やアートメイクなども提供されています。日本の患者からのニーズに応えるために、東京にも開業されました。
白を基調とした内装空間には、カウンセリングルームやパウダールーム、診療室などがレイアウトされています。プライバシーに配慮されており、カウンセリングや診療の部屋は個室です。
参照元:
ARETTO「【レポ】韓国の人気クリニックが日本初上陸!『リエンジャン美容クリニック』が新宿にオープン」
リゾート地の美容クリニック
そして「湘南美容クリニック長野木島平リゾート院」は、リゾート地の美容クリニックです。「スノーリゾートロマンスの神様」にあり、スキーやサウナ、食事を楽しみながら、医療サービスも受けられます。
老若男女をターゲットにしており、美容医療の施術や疲労回復のカクテルなどが提供されています。集患率を高められるように、事前予約なしで来院した患者にも医療サービスを提供している美容クリニックです。
参照元:
PR TIMES「世界初・美容医療×スノーリゾートの融合施設『スノーリゾートロマンスの神様』長野県木島平に2023年12月23日(土)リニューアルオープン」
幅広い施術を提供する美容クリニック
続いて「DSクリニック新宿」は、幅広い施術を提供する美容クリニックです。医師や管理栄養士、漢方薬剤師、看護師が配置されており、患者の健康状態と要望に応じて痩身やAGA、美肌、エイジングケアなどの施術が提供されています。
クリニックが入居するビルは、最寄駅から徒歩1分の位置にあり、周辺には商業施設や飲食店が並んでいます。学生や働き世代の患者が学校や仕事の帰りに立ち寄りやすい美容クリニックです。
参照元:
PR TIMES「総合美容クリニック『DSクリニック新宿』が新規オープン」
美容クリニックの開業資金
事例のような美容クリニックを開業するためには、資金が必要です。そこで美容クリニック開業資金の相場と内訳をご紹介します。無駄な経費を削減できるように、開業資金の節約法も確認しましょう。
相場
まず美容クリニック開業資金の相場は、坪単価100万~250万円程度です。例えば20坪で賃料月20万円の店舗物件なら、2,000万~5,000万円程度の開業資金がかかります。ただし物件の立地や規模、種類(居抜きかスケルトン)、医療設備・機器・什器の種類や台数などによって、開業資金は変動します。
内訳
次に美容クリニック開業資金の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、20坪で賃料月20万円の物件にかかる開業資金を試算してあります。
資金の内訳 | 資金の目安 | 資金の試算 |
物件取得費 (敷金・礼金・ 前賃料など) | 全体の5%程度 (賃料の5~12ヶ月分程度) | 100万~250万円程度 (20坪で賃料で 月20万円の店舗物件) |
デザイン・工事 (内装や外観、 医療設備・ 機器・什器など) | 全体の75%程度 (坪単価10万~50万円程度) | 1,500万~3,750万円程度 |
諸経費 (開業前のメニュー開発、 資格・届出・許可、採用・ 研修・集客など) | 全体の10%程度 | 200万~500万円程度 |
運転資金 (開業後の賃料や 水道光熱費、 人件費など) | 全体の10%程度 (賃料の10~24ヶ月分程度) | 200万~500万円程度 |
合計 | 100% (坪単価100万~250万円程度) | 2,000万~5,000万円程度 |
上表のとおり、美容クリニック開業資金においては、デザイン・工事費が大半を占めます。特に医療設備・機器の種類と台数が増えるほど、開業資金が増額しますので、ご注意ください。
節約法
そして美容クリニック開業資金の節約法には、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取って、各業者の見積もり(工事の費用や期間など)を比較すれば、無駄な経費を削減しやすいです。
居抜き物件を契約して、美容クリニックの外観や内装、設備・機器・什器などを引き継げれば、デザイン・工事費を削減できます。ただし居抜き物件にはデメリットもありますので、次の記事も併せてご覧ください。
補助金・助成金の申請が通れば、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。美容クリニックにも活用できる「開業・経営に活用できる補助金・助成金の種類」をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
美容クリニックの開業準備を始めよう!
IDEALは、店舗全般のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。
下のキーワードをクリックして、店舗デザインや開業準備などの関連記事もぜひご覧ください。また店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討の際は、ぜひご相談ください。
監修者
-
IDEAL編集部
日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
> IDEALの編集者ポリシー
店舗づくりをプロデュースする「IDEAL(イデアル)」が運営。
新規開業、店舗運営のお悩みや知りたい情報をわかりやすくお届けいたします。